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ジリジリとトップに迫った辻村 |
全日本ロードレース選手権の開幕戦が3月22日に三重県鈴鹿サーキットで開催された。2輪と4輪の国内トップカテゴラリーを同日に行う鈴鹿サーキットの独自のイベント「2&4」が開幕戦の舞台となった。
昨年までのスーパーバイク(SB)から今年は量産型をベースに、よりストリートバイクに近いJSB1000(JSB)がトップカテゴラリーとなった。JSBはマシンチューニングの腕、ライダーの技量が勝敗を分ける戦いとして期待を集め、更に鈴鹿サーキットの130R、カシオトライアングルがダブルシケインに改修されてからの初レースということでも注目の戦いとなった。昨年、SBと混走する中で初代JSBチャンピオンに輝いた山口辰也(Castrol
Honda Dream RT)がV2を目指す。
晴天に恵まれた金曜日のテストから白熱したアタック合戦が繰り広げられ北川圭一(Suzuki)がトップ。2番手に山口、4番手に辻村猛(F.C.C.TSR)とHonda勢が上位につけた。土曜日の予選は午前がドライ、午後は完全なウェットとなり、午前のタイムでグリッドが決まった。北川がポールポジション(PP)、山口が2番手でフロントローを獲得。6番手にルーキーの清成龍一(Team高武RSC)、7番手に井筒仁康(チーム桜井ホンダ)、8番手に江口肇(DyDo
MIU Racing)、9番手に辻村、10番手に出口修(Castrol Honda Dream RT)がつけ、決勝に臨んだ。
決勝日は青空が広がる晴天。朝のウォームアップは昨夜の雨が残るハーフウェットとなったが、出口、井筒、清成がトップ3とHonda勢が上位を独占した。決勝レースのホールショットを奪ったのは北川。それを渡辺篤(Suzuki)、江口、山口、辻村、井筒が追う展開。逃げる北川を2位に浮上した辻村が追い詰めて行く。山口、井筒はバトルを見せながら3位の渡辺を追った。14ラップ目に山口が渡辺をパスして3位。井筒も4位に浮上する。山口と井筒はポジションを入れ替えながら周回を重ねた。その後方では中富伸一(Yamaha)、清成、出口が激しい6位争いを見せた。
トップの北川を射程距離に捕らえた辻村は3秒のビハインドをジリジリと詰め、最終ラップには1秒弱までに迫った。しかし、大量の周回遅れが絡んだことでポジションは変らず、1位北川、2位辻村でチェッカーが振り下ろされた。
3位には井筒を振り切った山口が入り、表彰台をゲット。中富を捕らえた清成と出口は6位争いをしながら5位の渡辺に迫ったが、最終ラップのダブルシケインで多重クラッシュが発生する波乱もあって捕らえることは出来なかった。しかし、出口は最後に清成の前に出て6位でゴールした。
●辻村猛 (2位)
「オフの間に走りこみをしていい感触を得て鈴鹿入りしたのですが、レースウィークに入ってからトラブルが出てしまい、決勝は不安もありました。でも、スタッフがマシンを仕上げてくれたおかげで考えた以上のレースが出来ました。優勝ではないので喜んではいられませんが表彰台に上がることが出来て良かったと思っています」
●山口辰也 (3位)
「スタートを失敗してしまい、出遅れを挽回しようと焦ってしまったことで自分の走りができずに悔いの残るレースになってしまいました。次はこんなことがないようにしっかり走りたい」
●井筒仁康 (4位)
「マシンにまたがるのが2回目で本番のレースを迎えるという慌しさでした。テスト不足もあって納得のいく走りではありませんでしたが、現状でできる限りのトライをしました。勝つために走っているので、優勝を狙える位置まで上がって行くつもりです」
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