Round06日本近畿大会

IA1 決勝

2019.09.15(日)

名阪スポーツランド
天候:晴れ
気温:29℃
コースコンディション:ドライ
観客:6,285人

第6戦 近畿大会

山本が両ヒート優勝で、首位の成田に4点差まで迫る

近畿大会が行われる名阪スポーツランドは、この度コースレイアウトが見直され、IAクラスのラップタイムが1分30秒を切る短さとなりました。このため周回遅れの発生や路面状況の変化が早まり、難易度の高いコンディションとなりました。

Team HRCには、AMAプロモトクロス参戦を終えて帰国した富田俊樹が加わり、今シーズン開幕戦以来の3台体制となりました。

●IA1 ヒート1

ホールショットを奪ったのは、Team HRCの山本鯨。これに岡野聖(ヤマハ)と成田亮(Team HRC)が続くと、すぐに岡野が先行して1周目をクリアしました。2周目、山本が岡野を抜いてトップに浮上。この2台に成田はついていけず、3秒以上遅れてしまいました。また富田俊樹(Team HRC)はやや出遅れ、1周目8番手からのレースになりました。

3周目、富田は一気に5番手まで順位を上げましたが、次周に転倒を喫して11番手まで後退。これにより5番手は小島庸平(Bells Racing/SoCal MXTF)となり、山本と岡野が先頭争い、6秒近く間隔を空けて成田と安原志(カワサキ)がセカンドグループ、ここから8秒ほど離れて小島を先頭とした5台によるサードグループとなりました。

5周目以降、成田は安原を引き離し、徐々に単独走行の3番手に。一方、トップの山本は岡野のマークを受け続けました。レースが後半に入った11周目、山本は岡野を一度前に出して、後方で様子見。数周にわたって岡野の走りを研究し、15周目に満を持してトップに返り咲くと、そのまま逃げきって勝利しました。成田は単独3位、終盤に安原を抜いた小島が4位、富田は8位でゴールしました。

●IA1 ヒート2

ホールショットを奪ったのは山本。これに成田と岡野が続き、ヒート1の上位3名がスタート直後から再び上位を占めました。富田は1周目7番手で、すぐ前を走る小島を僅差で追いました。トップの山本は、レース序盤から徐々に後続を引き離し、4周目の段階でリードは約7秒にまで拡大。2番手の成田は、岡野の追撃を受けながらも順位を守りました。

しかし6周目、成田は岡野の先行を許して3番手にポジションダウン。その次周、それまで4台による5番手争いに加わっていた富田が単独転倒を喫し、自力でピットエリアまで戻った富田は、その直後にリタイアを決断しました。レース序盤が終了するこの7周目の段階で、トップを独走する山本のアドバンテージは約9秒に拡大していました。

レース中盤以降、トップの山本、2番手の岡野、3番手の成田はそれぞれ単独走行を継続。結局、そのままトップ3に動きがないまま21周でレースはチェッカーとなり、山本が両ヒート制覇、成田が再び3位となりました。レース中盤に3台でのバトルを制した小島が4位。今大会の結果、ポイントランキングではトップの成田に山本が4点差まで迫りました。

 

コメント

山本鯨(IA1・優勝/優勝)
山本鯨 「ヒート1は、岡野聖選手が速かったことに加えて、自分はややリズムに乗れないセクションを抱えていました。そこは路面がかなり荒れていて、クラッシュの危険も感じていたので、岡野選手がいいラインを持っているなら盗ませてもらおうと考えました。そこで岡野選手を先行させたところ、かなりハイペースだったので、引き離されてしまう瞬間もありましたが、冷静さを保てたと思います。ヒート2は、理想どおりのレース展開。サイティングラップの段階から、マシンと自分のフィーリングが非常にマッチしている感触だったので、スタートでトップに立てたら、どのライダーが迫ってきても逃げられると思っていました。ランキングトップと4点差ですが、まだ2番手であることには変わりないので、集中力を切らさず残り4ヒートを闘います」

成田亮(IA1・3位/3位)
成田亮 「大会2週間ほど前に、このコースで転倒して鎖骨を折ってしまいました。翌日にはすぐ手術。6日後にはマシンに乗る許可を医師から得ました。これにより、大会前の事前テスト2日目に間に合ったので、確認のためマシンに乗ってみたところ、それほど痛みはなかったので、なんとかなるかもしれいないと思いました。しかし、手術すると身体が全体的に疲れてしまうようで、さらに肩の力も入らないので、それが今日のレース内容に結びついてしまったのだと思います。もちろん、骨折からの時間を考えたら両ヒート3位でも十分な結果かもしれませんが、結構乗れている感覚だったので、本当はもう一つ上の順位でフィニッシュしたかったです。微妙に離れた点差よりもがっつり近いほうが、単純な実力勝負でわかりやすいという気持ちで、残り2戦に臨みます」

富田俊樹(IA1・8位/DNF)
富田俊樹 「2週間前にアメリカから帰国して、このコースで練習を開始したところ、転んだライダーのマシンがジャンプの着地にあり、そこに突っ込んで転倒して、身体の各部を痛めました。これにより事前テストに参加することもできず、レースウイークに少しだけマシンに乗って確認をしただけで大会に臨むことになり、完全に準備不足でした。ヒート1で転倒したときに古傷を痛めてしまい、それでもヒート2は大丈夫と思って出場したのですが、うまくマシンがコントロールできなくて再び転倒し、自分でリタイアを決断しました。アメリカでのシーズン中から、かなり身体にダメージのある状態が続いていて、これを解消することも重要なのかもしれませんが、自分としては不安を抱えてレースに臨んだことが一番の敗因だと思っています。もっと強くならなくてはと感じました」

芹沢勝樹(Team HRC監督)
「夏のインターバルは、基本的にライダー個々に調整を任せ、このコースでの事前テストでしっかり合わせ込みをする計画でした。ところがそのタイミングで成田が鎖骨を負傷。出場の可否を含めて非常に厳しい状況になりましたが、周囲のバックアップにより出場が叶いました。そして両ヒート3位というのは、本当にさすがだと思います。山本は、インターバルを使ってこのコースを走り込みたいというリクエストがあったので、チームからメカニックを派遣して、一心同体で取り組んでもらいました。その成果が、両ヒート優勝という最高のカタチになったと思います。富田は、アメリカで調子を上げて帰国したのですが、そこで身体を痛めてしまい、テストもできないまま大会に臨むことになってしまったことで、うまくかみ合いませんでした。とはいえ、実力はあるライダーなので、9月末のモトクロス・オブ・ネイションズ、そして全日本の残り2戦と、しっかり準備していい走りを披露してもらいたいと願っています」

リザルト

ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1400山本鯨Honda2132'44.791
28岡野聖ヤマハ21+00'04.174
3114成田亮Honda21+00'29.288
444小島庸平Honda21+00'40.837
545安原志カワサキ21+00'41.637
66星野裕Honda21+00'42.061
7155大塚豪太Honda21+00'42.385
8718富田俊樹Honda21+00'52.489
941北原岳哲カワサキ21+00'59.760
1046小林秀真スズキ21+01'29.328
 
1224道脇白龍Honda20+1Lap
1417小野千成Honda20+1Lap
1577鈴木涼太Honda20+1Lap

ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1400山本鯨Honda2132'44.679
28岡野聖ヤマハ21+00'07.788
3114成田亮Honda21+00'16.626
444小島庸平Honda21+00'34.107
551深谷広一スズキ21+00'35.724
66星野裕Honda21+00'40.197
7155大塚豪太Honda21+00'41.765
841北原岳哲カワサキ21+01'01.104
946小林秀真スズキ21+01'05.866
1045安原志カワサキ20+1Lap
 
1324道脇白龍Honda20+1Lap
1577鈴木涼太Honda19+2Laps
RT17小野千成Honda8DNF
RT718富田俊樹Honda7DNF

ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
1114成田亮Honda265
2400山本鯨Honda261
38岡野聖ヤマハ208
451深谷広一スズキ194
544小島庸平Honda169
6155大塚豪太Honda166
7166星野優位ヤマハ147
84小方誠カワサキ144
96星野裕Honda143
1045安原志カワサキ131
1423長門健一Honda66
15322横澤拓夢Honda57
16718富田俊樹Honda53
1724道脇白龍Honda53
2017小野千成Honda39
2277鈴木涼太Honda20

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