Round03日本中国大会

IA1 決勝

2019.06.01(土)-02(日)

世羅グリーンパーク弘楽園
天候:曇り時々晴れ
気温:23℃
コースコンディション:ドライ
観客:3307人

第3戦 中国大会

成田亮がヒート1で今季2勝目を挙げ、ヒート2も3位表彰台

世羅グリーンパーク弘楽園は、ビッグジャンプやアップダウンなどダイナミックな要素に富むコースです。このところレイアウトが見直されてきましたが、今回はさらに路面の修復が行われました。弘楽園は元来ハードパックで知られていますが、今大会のために全周にわたってシャベリングと撒水を実施し、ほどよく耕された路面状況となりました。予選などが行われた土曜日は快晴でしたが、日曜日は概ね曇天。砂ぼこりが比較的少なく、ベストコンディションの中で熱戦が繰り広げられました。

●IA1 ヒート1
地元大会でホールショットを奪った長門健一(Team Sakurai with Waki Racing)を、山本鯨(Team HRC)がすぐにパス。同じくTeam HRCから参戦する成田亮もこれに続き、3番手となった長門の背後には横澤拓夢(Team TARGET)がつけ、1周目はHonda勢が上位4番手までを占めました。しかし2周目、長門はミスにより大きくポジションダウン。3周目以降、横澤もやや後退しました。

Team HRCによるレースの主導権争いは、2周目に成田が先行。抜かれた山本は遅れることなく成田をマークし、山本の1秒ほど後方には小方誠(カワサキ)が迫り、4周目あたりから4番手以下が遅れはじめました。三つ巴のトップ争いは、互いに逃げきりあるいは追い越しのチャンスを得られず、こう着状態となりました。

レース中盤の7周目、山本は小方を先行させる作戦を選択。次周の段階で、成田と小方が約3秒差、小方と山本は約1.5秒差でした。するとレースが後半に入った9周目以降、成田がややペースアップ。コンマ数秒単位で、リードを拡大していきました。一方、山本は数秒差で小方のマークを続けましたが、再逆転できる距離まで迫れず。レースは17周でチェッカーとなり、成田が逃げきって優勝、山本が3位となりました。

●IA1 ヒート2
山本がスタート直後に2番手の位置を確保すると、トップを走る小方に肉薄。2周目に入ってすぐ、逆転に成功しました。成田はスタートで出遅れ、1周目は8番手。次周に岡野聖(ヤマハ)を抜くと、大塚豪太(T.E.SPORT)を僅差で追う星野裕(TEAM HAMMER)をマークしました。序盤、山本は小方を引き連れたままトップを守りました。

5周目、それまで大塚と星野の5番手争いを静観していた成田が動き、まずは星野をパス。次周には大塚の攻略にも成功して、成田が5番手に浮上しました。一度は縦に長くなり始めたトップグループは、8周目あたりから山本と小方と深谷広一(スズキ)の差が再び詰まり、1~2秒差で3台が続きました。

ここから遅れた池谷優太(KTM)を8周目に抜いた成田は、さらにペースを上げてトップグループに接近。ラスト4周となった14周目に、ライバルを圧倒するファステストラップを刻んだ成田が、次周にはまず池谷を抜きました。16周目、成田は小方もパスして、最終ラップに突入する段階では山本と成田が3番手以下を3秒ほど離してトップ争い。しかしここで両者が接触転倒して、成田が3位、山本が4位でゴールしました。

コメント

成田亮(IA1・優勝/3位)
成田亮 「ヒート1では勝利を手にすることができましたが、小方選手や山本選手が絶好調な状態ではなかったことが勝因という印象。というのも、自分ではそれほどいい走りができているという感触ではありませんでした。ヒート2はスタートで出遅れたあと、すぐ前に星野裕選手や大塚選手がいて、先の路面が見えないことから、怖くてペースを上げられずにいました。ようやくこの2人をパスしてからは視界が開けて、ペースアップできました。ラムソンジャンプ後の区間に、自分だけが使っているラインがあり、そこを勝負ポイントにしていました。本当はこの大会で今季初の両ヒート制覇を達成したかったのですが、それには届きませんでした。次戦は地元大会ですが、意気込みすぎず普段通りのレースをします」

山本鯨(IA1・3位/4位)
山本鯨 「ヒート1は、2周目の6連ジャンプで黄旗が微妙なタイミングで解除され、自分が跳ばずにいる間に追いつかれ、抜かれてしまいました。そのあと、なかなか抜き返すラインが見つからず、それなら小方選手を先行させて、うまくレースメイクしながらチャンスを得ようと思ったのですが、自分のペースが上がらず、作戦通りにはいきませんでした。ヒート2は、だいぶ路面が荒れていて、速いラインを探して試行錯誤していたのですが、自分は序盤からずっとトップを走っていたので他車のラインを盗めず、なおかつ後続がいるのでそれほど大胆なチャレンジもできず、結果的に後ろを引き離せない状態を続けてしまいました。2戦連続で、最終ラップに接触転倒で自分だけポジションダウン。次は僕が全開でいきます」

芹沢勝樹(Team HRC監督)
「事前テストの段階から順調で、勝利に向けた手応えを十分に感じながら臨んだ大会でしたが、ヒート1では成田がその期待に応えてくれました。成田にとっては、かつて苦手意識があったコースですが、昨年の大会で逆転優勝したことが大きな自信になっているようで、その気持ちをキープできた結果でもあると思います。一方で山本は、映像検証などで走りの質を直前まで高めて臨みましたが、一歩及ばず。とはいえ、第2戦の直前に指を負傷した影響がまだ少なからず残っている状態と考えれば、納得できるパフォーマンスを発揮してくれたとも思っています。ヒート2の最終ラップでは、チームメート同士の接触により優勝を逃しました。非常に不本意な結果ですが、成田と山本はチームメートであると同時に、チャンピオン争いを演じているライバルでもあります。チームとしては、一人のライダーとして個々が考えながらレースしてもらうことを願います」

リザルト

ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1114成田亮Honda1733'26.269
24小方誠カワサキ17+00'08.623
3400山本鯨Honda17+00'15.598
48岡野聖ヤマハ17+00'23.885
551深谷広一スズキ17+00'26.507
6322横澤拓夢Honda17+00'28.059
7155大塚豪太Honda17+00'28.796
86星野裕Honda17+00'29.398
9793池谷優太KTM17+00'29.678
1045安原志カワサキ17+00'38.234
 
1244小島庸平Honda17+01'04.461
1423長門健一Honda17+01'36.119
1624道脇白龍Honda16+1Lap
1817小野千成Honda16+1Lap

ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
151深谷広一スズキ1733'27.468
24小方誠カワサキ17+00'01.759
3114成田亮Honda17+00'09.965
4400山本鯨Honda17+00'21.382
56星野裕Honda17+00'24.625
6155大塚豪太Honda17+00'30.532
78岡野聖ヤマハ17+00'34.490
841北原岳哲カワサキ17+00'38.151
944小島庸平Honda17+00'50.702
1046小林秀真スズキ17+00'59.416
 
1323長門健一Honda17+01'54.570
1417小野千成Honda17+02'01.130
1624道脇白龍Honda16+1Lap
19322横澤拓夢Honda13DNF

ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
1114成田亮Honda128
2400山本鯨Honda120
34小方誠カワサキ110
451深谷広一スズキ106
58岡野聖ヤマハ98
6166星野優位ヤマハ78
7155大塚豪太Honda77
8793池谷優太KTM73
944小島庸平Honda72
106星野裕Honda71
11322横澤拓夢Honda57
15718富田俊樹Honda40
1623長門健一Honda39
1724道脇白龍Honda24
2117小野千成Honda10
2477鈴木涼太Honda3

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