モータースポーツ > 全日本モトクロス選手権 > 第5戦 北海道オフロードパーク > 決勝
2013年6月16日(日)・決勝 会場:北海道オフロードパーク 天候:曇り一時晴れ 気温:25℃
コースコンディション:ドライ 観客:5500人
最高峰クラスでのし烈なタイトル争いにも注目が集まっている、今季の全日本モトクロス選手権。シーズンの折り返しとなるその第5戦が、北海道千歳市にある北海道オフロードパークで開催されました。昨年から全日本選手権で使用されるようになったこのコースは、火山灰質のディープサンドの路面と、北海道らしい雄大な土地に描かれたハイスピードレイアウトを特徴としています。決勝日の天候は、曇り一時晴れ。最高気温は25℃で、心地よい風が吹き、絶好の大会日和となりました。最高峰クラスのIA1は、ポイントランキングの上位4名がわずか4ポイント内にひしめく混戦状態で、今大会を迎えました。この中でTEAM HRCは、小方誠がトップで成田亮が2番手という1-2態勢から、今大会でのリード拡大を狙いました。
●IA1(450/250)ヒート1
成田は、三原拓也(カワサキ)と熱田孝高(スズキ)に次ぐ3番手で1周目をクリア。チームメートの小方は、目の前で他車が転倒した影響で出遅れ、17番手からの追い上げを強いられました。成田は2周目に三原をパスして2番手に浮上すると、そのあとはトップを走る熱田をマークしました。レース序盤、熱田と成田の後方には、三原に代わって平田優(ヤマハ)と小島庸平(スズキ)が追いつき、トップグループは4台に。するとレースが中盤に入ったところで、成田が4番手まで順位を落としてしまいました。一方の小方は、この段階で7番手まで浮上しました。4番手に後退した成田は、そのあとも数周にわたり、前を行く小島との差を3秒以内に保ちましたが、終盤になって徐々に遅れていきました。また小方は、三原の転倒リタイアもあって5番手まで順位を上げました。そして、優勝の小島、2位の熱田、3位の平田に続き、成田は4位、小方は5位でフィニッシュしました。
●IA1(450/250)ヒート2
深谷広一(TEAM.MOTO.SPORTS.FUKAYA)、小方、成田が好スタートを決め、オープニングラップを小方、深谷、成田の順でクリア。2周目、深谷は6番手まで順位を落とし、TEAM HRC勢が1-2態勢を築きました。レース序盤、小方と成田は順位をキープ。両者の差は約4秒で、成田の後方には熱田が迫っていました。レース中盤、成田は熱田にパッシングされて3番手に後退。すると次の周、ビッグテーブルトップの着地に失敗して、激しくクラッシュし、リタイアとなってしまいました。また、レース中盤になってややラップタイムを落とした小方は、熱田の接近を許し、30分+1周のレース時間が残り10分を切ったところで、2番手へと後退。そのあと、抜かれた熱田に数秒の差を守られ、小方は熱田に次ぐ2位となりました。深谷は6位に入賞。今大会の結果、ポイントランキングは、小方がトップと2ポイント差の2位、成田はトップと25ポイント差の5位に後退しました。
●IA2(250/125)ヒート1
ランキングトップで今大会に臨んだ山本鯨(TEAM YOU SPORT)は、転倒により1周目22番手からの追い上げレースに。レース序盤の上位勢は、1周につき3秒以上の差を広げながら逃げる渡辺祐介(ヤマハ)の後方で、富田俊樹(T.E. SPORT)、田中雅己(TEAM HRC)、馬場大貴(TEAM 887)のHondaライダーたちが、2番手争いを繰り広げる展開となりました。そしてレースが中盤に入るころ、田中が富田の攻略に成功して2番手に浮上。そのあとは後続を引き離していきました。さらに、馬場も富田をパス。しかし富田も意地をみせ、馬場との差を4秒以内にとどめました。すると終盤になって、馬場が転倒を喫してリタイア。これによりレースは、渡辺が優勝、田中が2位、富田が3位という結果となりました。
●IA2(250/125)ヒート2
ヒート1の終盤にも転倒した山本は、負傷によりこのヒートを欠場。レースは、再びスタート直後からトップに立った渡辺を、能塚智寛(カワサキ)、富田、佐藤亮(N.R.T.)らが追う展開。田中は1周目と2周目に転倒し、最後尾からの追い上げを強いられました。そして中盤に入るころ、2番手の能塚が転倒。富田と佐藤は順位を入れ替えました。渡辺と佐藤に次ぐ3番手に後退した富田は、転倒を喫して7番手まで後退。これにより、1周目15番手から追い上げてきた小川孝平(Team ITOMO)が4番手に浮上しました。レース後半、佐藤は渡辺の独走を許しながらも順位をキープ。そのまま2位でゴールし、IA初表彰台に上がりました。小川は4位、富田は5位、田中は11位でゴールしました。
小方誠(IA1・5位/2位)「ヒート1は、スタートそのものは悪くなかったのですが、1コーナーの砂が深い部分で失速。これで集団に飲み込まれたところ、前を走っていたライダーが転倒し、これに接触して自分も転んでしまいました。レース中盤まではうまく追い上げられたのですが、その段階で前の4台に逃げられてしまっていたのが悔やまれます。ヒート2は、早めにトップへと浮上したのはよかったのですが、ディープサンド路面ならではの深いギャップに悩まされ、トップを走り続けたことで逆にライバルたちのラインを研究できず、熱田孝高選手に追いつかれてしまいました。熱田選手に抜かれてから、うまくラインを盗んでペースが上がったのですが、最後は自分にもミスが出て、再逆転できなかったのが悔しいです」
成田亮(IA1・4位/DNF)「ヒート1は、序盤こそ無理して2番手を走っていましたが、実はまるでリズムに乗れておらず、やはり途中から走りが崩れてしまいました。完敗です。ヒート2は、テーブルトップジャンプの着地で前転してしまいました。幸いにも大きなケガはなかったのですが、リタイアすることになりました。事前テストで転倒して、そのあとはマシンに乗れない身体の状態だったので、感覚が鈍っているような部分もあり、そういったところを大会期間中に取り戻そうと心がけていましたが、うまくいきませんでした。次戦は、SUGOと並ぶもう一つの地元大会です。順位が後退したランキングについて、意識していないといえば嘘になりますが、まずは本来の成田亮らしい圧倒的な勝利のみを目指していきます」
井本敬介|TEAM HRC監督「IA1では、成田の転倒リタイアというアクシデントがありましたが、大きなケガなく終われたことにはホッとしています。ヒート2では、序盤に1-2態勢を築きながら勝利を逃しましたが、とはいえ小方はしっかり上位でのフィニッシュを果たしてくれました。今回は、優勝した熱田選手の方が上手でしたが、小方にとってはしっかり次につなげられるレースになったと思います。成田にしても、積極的なレースを繰り広げた結果なので、評価できる要素は十分にあると感じています。IA2の田中は、優勝こそ逃しましたが、ヒート1で久しぶりに彼らしい走りを披露できました。ただしヒート2では、かなり気持ちばかりが前に行っていたようです。そのあたりを修正すれば、次は優勝を狙っていけるはずです。このシーズン中盤が、チームとしての正念場。前を向き、巻き返しを図ります」
佐藤亮(IA2・5位/2位)「言い訳はしたくないのですが、僕は体力面が不足していて、後半に順位を落としたり、逆に終盤のことばかりを考えてセーブした走りになったりすることがよくあります。今大会のヒート1も、1周目12番手から5位まで追い上げはしましたが、後半に大きくタイムを落とし、チーム監督には『もっと最後まで気持ちを入れて粘れ!』と喝を入れられました。その反省を踏まえ、スタートがまずまずだったヒート2では、本気で勝つつもりで走りました。結果的に優勝はできませんでしたが、IAで初めて表彰台に上がれたので、正直なところうれしいです。もっと体力強化を図り、次は初優勝に向けてがんばります」
富田俊樹(IA2・3位/5位)「ヒート1は、優勝した渡辺祐介選手を追いかけようと思ったのですが、追うどころかあっという間に離されてしまい、どうすることもできませんでした。そのあとは、腕上がりの症状も出て後退し、結果的にはタナボタの3位。悔しくてたまりませんでした。このヒート1では、転倒を恐れすぎていた面もあったので、ヒート2では積極的にいこうと考えました。するとそのヒート2では、3番手に浮上したところまではよかったのですが、直後の周で本当に転倒。そのあとは、あまり追い上げられませんでした。ランキングはトップになりましたが、こんな状態ではうれしくありません。まずは、レースで勝ちたいです」
田中雅己(IA2・2位/11位)「ヒート1は、スタートで少し出遅れてしまい、そのあとはとにかくプッシュして追い上げを図りました。なんとかトップを捕らえたかったのですが、最後まで全く届きませんでした。ヒート2は、1周目と2周目に転倒。2度目に転んだ際に腹部を強打し、レースに戻るのに時間がかかりました。今回IA2では、今年から国際A級に昇格したばかりの渡辺祐介選手が両ヒートで優勝しました。自分より6歳も若いルーキーが、全日本で活躍するというのは、とても刺激的です。しかし、当然ながら負けてばかりはいられません。次は自分が、勝利を手にしたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 小島庸平 | スズキ | 18 | 32:50.447 |
2 | 5 | 熱田孝高 | スズキ | 18 | +00:02.626 |
3 | 3 | 平田優 | ヤマハ | 18 | +00:16.016 |
4 | 1 | 成田亮 | Honda | 18 | +00:22.493 |
5 | 6 | 小方誠 | Honda | 18 | +00:41.294 |
6 | 166 | 星野優位 | Honda | 18 | +00:43.337 |
7 | 13 | 田中教世 | ヤマハ | 18 | +00:44.396 |
8 | 331 | 新井宏彰 | カワサキ | 18 | +01:05.711 |
9 | 7 | 星野裕 | カワサキ | 18 | +01:16.957 |
10 | 8 | 深谷広一 | Honda | 18 | +01:29.493 |
14 | 408 | 増田一将 | Honda | 17 | +1Lap |
19 | 84 | 佐々木雅規 | Honda | 16 | +2Laps |
21 | 130 | 伊田井佐夫 | Honda | 15 | +3Laps |
22 | 32 | 小林雅裕 | Honda | 15 | +3Laps |
RT | 47 | 黒澤良太 | Honda | 10 | DNF |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 熱田孝高 | スズキ | 18 | 33:20.764 |
2 | 6 | 小方誠 | Honda | 18 | +00:02.605 |
3 | 13 | 田中教世 | ヤマハ | 18 | +00:28.697 |
4 | 4 | 小島庸平 | スズキ | 18 | +00:35.187 |
5 | 7 | 星野裕 | カワサキ | 18 | +00:36.420 |
6 | 8 | 深谷広一 | Honda | 18 | +00:43.593 |
7 | 331 | 新井宏彰 | カワサキ | 18 | +00:56.086 |
8 | 166 | 星野優位 | Honda | 18 | +01:07.003 |
9 | 11 | 北居良樹 | KTM | 18 | +01:45.890 |
10 | 3 | 平田優 | ヤマハ | 17 | +1Lap |
15 | 408 | 増田一将 | Honda | 17 | +1Lap |
17 | 84 | 佐々木雅規 | Honda | 16 | +2Laps |
18 | 32 | 小林雅裕 | Honda | 16 | +2Laps |
21 | 130 | 伊田井佐夫 | Honda | 15 | +3Laps |
RT | 47 | 黒澤良太 | Honda | 10 | DNF |
RT | 1 | 成田亮 | Honda | 9 | DNF |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 03 | 渡辺祐介 | ヤマハ | 18 | 33:14.084 |
2 | 113 | 田中雅己 | Honda | 18 | +00:20.520 |
3 | 40 | 富田俊樹 | Honda | 18 | +00:52.974 |
4 | 16 | 井上眞一 | カワサキ | 18 | +00:58.242 |
5 | 44 | 佐藤亮 | Honda | 18 | +01:01.235 |
6 | 02 | 能塚智寛 | カワサキ | 18 | +01:41.230 |
7 | 46 | 安原志 | ヤマハ | 18 | +01:42.780 |
8 | 49 | 稲垣達樹 | スズキ | 18 | +01:50.340 |
9 | 615 | 須田純 | カワサキ | 18 | +01:53.525 |
10 | 54 | 迫田勇馬 | カワサキ | 17 | +1Lap |
12 | 48 | 近藤祐介 | Honda | 17 | +1Lap |
13 | 05 | 神島央佐 | Honda | 17 | +1Lap |
15 | 70 | 大木新太 | Honda | 17 | +1Lap |
16 | 01 | 佐々木雅哉 | Honda | 17 | +1Lap |
21 | 52 | 道脇右京 | Honda | 17 | +1Lap |
22 | 75 | 藤田晃也 | Honda | 17 | +1Lap |
23 | 07 | 島崎優 | Honda | 17 | +1Lap |
24 | 1 | 山本鯨 | Honda | 17 | +1Lap |
25 | 60 | 村上洸太 | Honda | 16 | +2Laps |
28 | 50 | 馬場大貴 | Honda | 15 | DNF |
RT | 43 | 小川孝平 | Honda | 1 | DNF |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 03 | 渡辺祐介 | ヤマハ | 17 | 32:24.828 |
2 | 44 | 佐藤亮 | Honda | 17 | +00:22.986 |
3 | 39 | 竹中純矢 | カワサキ | 17 | +00:29.765 |
4 | 43 | 小川孝平 | Honda | 17 | +00:38.262 |
5 | 40 | 富田俊樹 | Honda | 17 | +00:44.366 |
6 | 46 | 安原志 | ヤマハ | 17 | +00:52.799 |
7 | 50 | 馬場大貴 | Honda | 17 | +00:57.998 |
8 | 48 | 近藤祐介 | Honda | 17 | +01:00.935 |
9 | 54 | 迫田勇馬 | カワサキ | 17 | +01:06.316 |
10 | 05 | 神島央佐 | Honda | 17 | +01:16.438 |
11 | 113 | 田中雅己 | Honda | 17 | +01:20.135 |
14 | 01 | 佐々木雅哉 | Honda | 17 | +01:50.888 |
21 | 60 | 村上洸太 | Honda | 16 | +1Lap |
22 | 52 | 道脇右京 | Honda | 15 | +2Laps |
23 | 75 | 藤田晃也 | Honda | 15 | +2Laps |
26 | 70 | 大木新太 | Honda | 12 | DNF |
27 | 07 | 島崎優 | Honda | 12 | DNF |
RT | 78 | 垣内伊吹 | Honda | 10 | DNF |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 小島庸平 | スズキ | 199 |
2 | 小方誠 | Honda | 197 |
3 | 平田優 | ヤマハ | 186 |
4 | 熱田孝高 | スズキ | 183 |
5 | 成田亮 | Honda | 174 |
6 | 田中教世 | ヤマハ | 157 |
7 | 星野裕 | カワサキ | 116 |
8 | 星野優位 | Honda | 116 |
9 | 北居良樹 | KTM | 114 |
10 | 深谷広一 | Honda | 110 |
16 | 増田一将 | Honda | 53 |
20 | 島崎大祐 | Honda | 22 |
21 | 小林雅裕 | Honda | 14 |
24 | 佐々木雅規 | Honda | 6 |
25 | 黒澤良太 | Honda | 6 |
26 | 谷本功志 | Honda | 5 |
27 | アーノン・テプリブ | Honda | 4 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 富田俊樹 | Honda | 200 |
2 | 竹中純矢 | カワサキ | 195 |
3 | 山本鯨 | Honda | 182 |
4 | 井上眞一 | カワサキ | 154 |
5 | 田中雅己 | Honda | 143 |
6 | 渡辺祐介 | ヤマハ | 128 |
7 | 須田純 | カワサキ | 123 |
8 | 佐藤亮 | Honda | 109 |
9 | 近藤祐介 | Honda | 102 |
10 | 小川孝平 | Honda | 98 |
14 | 馬場大貴 | Honda | 68 |
21 | 大木新太 | Honda | 27 |
22 | 神島央佐 | Honda | 26 |
24 | 佐々木雅哉 | Honda | 23 |
25 | 島崎優 | Honda | 18 |
26 | 村上洸太 | Honda | 17 |
27 | 垣内伊吹 | Honda | 12 |
32 | ジャクリット・スクスリパイサン | Honda | 1 |