round 04

May 26 2013 All Japan Motocross Championship Sportsland SUGO スポーツランドSUGO

SCHEDULE

IA1では、成田亮がヒート1で2位、小方誠がヒート2で3位表彰台に登壇
IA2では、ヒート1で田中雅己が3位に入賞。山本鯨はヒート2で今季4勝目

2013年5月26日(日)・決勝  会場:スポーツランドSUGO  天候:晴れ  気温:24℃  コースコンディション:ドライ
観客:3600人

年間9大会で争われる全日本モトクロス選手権は、宮城県のスポーツランドSUGOで、シーズン中盤戦突入となる第4戦を迎えました。今大会は天候に恵まれ、2戦連続でドライコンディションのレースとなりました。かつて世界選手権が行われたこともあるこの国際コースは、丘の斜面を使ったダイナミックなハイスピードレイアウトが特徴。斜度が約30度で全長が約70mもある「大坂」と呼ばれる上り坂や、「ルンバルンバ」と名づけられた小さなジャンプが波のように連続するリズムセクションなど、多数の名物エリアがある、攻略の難しいコースです。大会が行われた5月25日(土)、26日(日)は両日とも天候に恵まれ、特に各クラスの決勝が行われた日曜日は気温も24℃まで上昇。懸命な散水作業にもかかわらず、午後は土ボコリが多く舞うコンディションとなりました。

  • 成田亮成田亮
  • 成田亮成田亮
  • 小方誠小方誠
  • 小方誠小方誠
  • 山本鯨山本鯨
  • 富田俊樹富田俊樹
  • 富田俊樹(左)、山本鯨(中央)富田俊樹(左)、山本鯨(中央)
  • 田中雅己田中雅己

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●IA1(450/250)ヒート1
TEAM HRCの成田亮と小方誠は好スタートを決めるも、小方はその直後に転倒してほぼ最後尾に。成田は、熱田孝高(スズキ)と小島庸平(スズキ)に次ぐ3番手で、1周目をクリアしました。レース序盤、小島が転倒により9番手まで後退。成田は、熱田や平田優(ヤマハ)と三つどもえのトップ争いを繰り広げました。レース中盤、熱田と平田に競り勝った成田は、約2秒のリードを築きました。また、小方は7番手まで順位を上げたあと、競り合いの中でコーナーのアウト側へはじき出されて転倒。11番手まで順位を落としました。30分+1周のレース時間が残り10分を切ったころ、転倒により一度は後退した小島が2番手に浮上し、さらに成田へと接近。ラスト6周の段階で、成田は小島に抜かれました。そのあと、成田はペースを上げて逆転を試みましたが、その差は詰まらず、成田は小島に次ぐ2位となりました。また、小方は9位に終わりました。

●IA1(450/250)ヒート2
平田、新井宏彰(カワサキ)、成田、小島、池谷優太(スズキ)、小方の順でオープニングラップをクリア。次周、成田は新井を抜いて2番手に順位を上げました。レース序盤、先行逃げきりを図る平田に対し、成田は小島や新井と僅差の2番手争いを展開。その後方には、池谷を抜いた小方が接近してきました。レースが中盤に入ると、成田のペースが一気にダウン。これにより7番手まで徐々に順位を下げてしまいました。一方の小方は、新井と成田を抜いて3番手にポジションアップ。約4秒前を走る2番手の小島、さらにその10秒前にいるトップの平田を追いました。終盤、成田のペースは落ちたままで、ラスト3周には8番手へと後退。小方は、小島との約4秒差を詰められず、3番手をキープしました。そしてレースは17周で終了し、平田が優勝。小方は小島に次ぐ3位、成田は8位となりました。なおポイントランキングでは、TEAM HRCが僅差ながらトップ2を守りました。

●IA2(250/125)ヒート1
TEAM HRCの田中雅己がホールショット。山本鯨(TEAM YOU SPORT)も好スタートを決め、1周目を3番手でクリアしました。2周目、山本が井上眞一(カワサキ)と田中を抜いてトップに浮上。これを追った田中は、逆に渡辺祐介(ヤマハ)の追撃を受けて後退し、そのあとは竹中純矢(カワサキ)や富田俊樹(T.E. SPORT)と3番手争いを展開しました。レースが中盤に入ろうかという5周目、山本は渡辺に抜かれて2番手にダウン。その後、一時は渡辺のリード拡大を許しましたが、レース終盤になってペースを上げ、渡辺へと再接近を開始。最終ラップには、背後まで迫りました。しかし、僅差で逆転には至りませんでした。渡辺が優勝し、2位に山本、3位には序盤から順位を守った田中が入賞しました。

●IA2(250/125)ヒート2
ヒート1では序盤に転倒して9位に終わった佐藤亮(N.R.T.)が、ホールショットの山本を抜いて1周目をトップでクリア。山本の後方には富田、渡辺、竹中が続き、この5台が序盤から後続をやや引き離しました。田中は、スタートをミスして1周目12番手と苦しい展開に。3周目に山本が佐藤を抜いてトップに立ち、後続との差を3秒ほどに広げました。レースが中盤に入った6周目、富田が佐藤を抜いて2番手に上がると、これに渡辺が続き、終盤には富田と渡辺に2番手争いが絞られました。さらに、この2台とトップ山本との差も3秒程度のまま。しかし、最後まで上位勢の順位は変わりませんでした。山本が逃げきって今季4勝目を挙げ、富田は渡辺を抑えて2位でゴール。佐藤が5位、田中が6位に入賞しました。

コメント

成田亮(IA1・2位/8位)「ヒート1は、熱田選手や平田選手を少し引き離したので、これで大丈夫だろうと思っていました。ところが、転倒して一度は後退した小島選手が、想像していたよりも乗れていて、抜かれてしまいました。しっかりレースをした上での完敗なので、悔しいですが、これは気にしていません。問題はヒート2で、前大会に続いて身体が動かなくなってしまいました。うまく集中できず、マシンだけが走っているような状態。周りのみんなは、『疲れているはずだから休め』とアドバイスをくれます。僕はスパルタ時代のライダーなので、逆にこういうときこそ練習しなければと思いがちですが、自分の年齢が上がっていることも考えれば、周囲の意見が正しいのかもしれません。最良の解決法を考え、この試練に立ち向かいます」

小方誠(IA1・9位/3位)「ヒート1は、トップで2コーナーに進入したところで、フロントタイヤを滑らせ転んでしまいました。そのあと、せっかく追い上げたのに、他車とぶつかって再び転倒。トータルのスピードで考えれば、トップ3には入れたと思うので、2度の転倒が本当に悔やまれます。ヒート2は、スタートで出遅れてしまったのですが、序盤だけでばん回することができました。ところが3番手に浮上してからは、小島選手との差がどうしても詰まりきらず、厳しい展開になりました。後半勝負と思ったのですが、ヒート1の追い上げで体力を消耗していたこともあり、狙った展開に持ち込めませんでした。しかし、ドライのレースでも確実に表彰台へと上がれることが、ここ2戦で証明できたので、少し安心しました」

井本敬介|TEAM HRC監督「成田は、前大会に続いてヒート2で大きくペースを落とした点が気になります。連戦で疲労がたまっている可能性が高いので、やることはしっかりやりながら3週間後の次戦に向けてしっかり休養も取れるよう、サポートしていきたいと思います。小方は、ヒート1はドタバタしたレースになってしまいましたが、ヒート2では出遅れながらも表彰台圏内までばん回できました。本人には、『焦らず自分のレースを』と言っているのですが、ヒート2についてはそれができました。実力は上がってきているので、次戦は両ヒートをまとめられると信じています。IA2の田中は、ケガの影響が残り、まだしっかり乗れている状態ではないと考えています。徐々に本来の力を発揮してほしいと思います。チームとしては今回、不本意な結果となりました。次戦は、もう一度開幕を迎えるつもりで臨みます」

山本鯨(IA2・2位/優勝)「ヒート1は、渡辺選手が地元のライダーで速いことを知っていたので、後ろでラインを研究して後半勝負と思っていました。彼はIAルーキーなので、後半になれば体力的にも精神的にもキツくなり、ペースが落ちると読みました。ところが、終盤になっても速さを維持されてしまい、自分も温存していた力を出しきって追ったのですが、わずかに足りませんでした。ヒート1については、渡辺選手をたたえたいです。その一方で、ヒート2では絶対に負けたくなかったので、とにかくスタートをしっかり決め、自分でレースをコントロールすることだけを考えて臨みました。思い通りの結果になったので、満足しています」

富田俊樹(IA2・5位/2位)「ヒート1は、スタートで出遅れてしまい、1周目8番手から追い上げていこうと思ったのですが、身体が思うように動かず、情けないレースになりました。そこでヒート2は、マッサージを受けてから臨みました。その効果もあり、身体の動きは改善しました。スタートも決まったのですが、山本選手が速くて追いつけませんでした。IAルーキーの渡辺選手にもつつかれていましたし、優勝ではないので、満足はしていません。しかし、マディレースだった開幕戦と第2戦は優勝できましたが、晴れた前大会では表彰台に上がれなかったので、ドライでも優勝争いをできる速さがあることが確認できて、正直なところほっとしています」

田中雅己(IA2・3位/6位)「ヒート1はホールショットを奪えたのですが、簡単に逃げきらせてくれないでしょうから、序盤はいろんなラインを探ろうと考えました。結果的には、それが逆に序盤のスローペースにつながってしまい、ずるずると後退してしまいました。実は、予選日からあまり乗れている感じがなく、中盤以降の追い上げもできませんでした。ヒート2は、スタートでミスをして、だいぶん後ろからの追い上げとなりました。もう少しコースが荒れてくれれば実力差が出たと思いますが、タイム差が出にくいコンディションだったので、6位までの追い上げで精一杯でした。次戦から大好きなサンドコースが続くので、そろそろ調子を上げていきたいと思います」

決勝

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 4小島庸平スズキ 1833:31.629
2 1成田亮Honda18 +00:08.096
3 5熱田孝高スズキ18+00:17.229
4 3平田優ヤマハ18+00:20.734
5 331新井宏彰カワサキ18+00:29.630
6 11北居良樹KTM18+00:38.260
7 8深谷広一Honda18+00:39.243
8 822三原拓也カワサキ18+00:39.974
9 6小方誠Honda18+00:46.113
10 166星野優位Honda18+00:50.733
       
18 26 アーノン・テプリブHonda 17 +1Lap
19 47 黒澤良太 Honda 17 +1Lap
23 84佐々木雅規 Honda 17 +1Lap
24 32小林雅裕 Honda 16 +2Laps

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 3平田優ヤマハ 1732:04.380
2 4小島庸平スズキ17 +00:04.380
3 6小方誠Honda17+00:06.376
4 331新井宏彰カワサキ17 +00:13.912
5 822三原拓也カワサキ 17 +00:22.083
6 13田中教世ヤマハ 17 +00:32.261
7 5熱田孝高スズキ 17 +00:50.243
8 1成田亮Honda 17 +00:52.777
9 7星野裕カワサキ17 +00:54.069
10 8深谷広一Honda17+00:59.735
       
11 166星野優位Honda17 +01:02.991
17 47 黒澤良太 Honda 17 +01:51.332
20 26アーノン・テプリブHonda 16 +1Lap
21 84佐々木雅規 Honda 16 +1Lap
23 32小林雅裕 Honda 16 +1Lap

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
103渡辺祐介ヤマハ1833:34.940
21山本鯨Honda18+00:00.940
3113田中雅己Honda18+00:29.203
439竹中純矢カワサキ18+00:30.130
540富田俊樹Honda18+00:42.314
616井上眞一カワサキ18+00:56.815
7615須田純カワサキ18+00:59.097
843小川孝平Honda18+00:59.555
944佐藤亮Honda18+00:59.813
1006渡辺涼太カワサキ18+01:28.641
      
1248近藤祐介Honda18+01:41.596
1370大木新太Honda18+01:45.371
1450馬場大貴Honda18+01:52.465
1901佐々木雅哉Honda17+1Lap
2386 ジャクリット・スクスリパイサンHonda17+1Lap
2458土橋優Honda17+1Lap
2578垣内伊吹Honda17+1Lap
2960村上洸太Honda14+4Laps

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11山本鯨Honda1732:19.562
240富田俊樹Honda17+00:03.136
303渡辺祐介ヤマハ17+00:04.145
439竹中純矢カワサキ17+00:29.796
544佐藤亮Honda17+00:30.264
6113田中雅己Honda17+00:35.984
716井上眞一カワサキ17+00:56.786
806渡辺涼太カワサキ17+00:58.099
9615須田純カワサキ17+01:09.039
1002能塚智寛カワサキ17+01:16.250
      
1148近藤祐介Honda17+01:21.425
1343小川孝平Honda17+01:32.924
1550馬場大貴Honda17+01:39.961
1701佐々木雅哉Honda17+01:52.328
2086ジャクリット・スクスリパイサンHonda16+1Lap
2278垣内伊吹Honda16+1Lap
2358土橋優Honda16+1Lap
RT60村上洸太Honda10DNF
RT70大木新太Honda8DNF

ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1小方誠Honda159
2成田亮Honda156
3小島庸平スズキ156
4平田優ヤマハ155
5熱田孝高スズキ136
6田中教世ヤマハ123
7三原拓也カワサキ105
8北居良樹KTM92
9星野裕カワサキ88
10星野優位Honda88
 
11深谷広一Honda84
17増田一将Honda40
20島崎大祐Honda22
21小林雅裕Honda11
23黒澤良太Honda6
24谷本功志Honda5
25アーノン・テプリブHonda4

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1山本鯨Honda182
2竹中純矢カワサキ165
3富田俊樹Honda164
4井上眞一カワサキ136
5田中雅己Honda111
6須田純 カワサキ102
7小川孝平Honda80
8近藤祐介Honda80
9渡辺祐介ヤマハ78
10佐藤亮Honda71
 
15馬場大貴Honda54
21大木新太Honda21
23島崎優Honda18
24村上洸太Honda17
25垣内伊吹Honda12
27佐々木雅哉Honda11
29神島央佐Honda7
32ジャクリット・スクスリパイサンHonda1