round 03

May 12 2013 All Japan Motocross Championship Sera Greenpark Korakuen 未定

SCHEDULE

IA1では、ヒート1でTEAM HRCが1-2フィニッシュ。小方誠が総合優勝でランキングトップに躍り出る
IA2では、山本鯨が予選と決勝を完全制覇。田中雅己が今季表彰台初登壇

2013年5月12日(日)・決勝  会場:世羅グリーンパーク弘楽園  天候:晴れ  気温:25℃
コースコンディション:ドライ  観客:4000人

開幕から2戦連続でマディレースとなった今季の全日本モトクロス選手権は、この第3戦中国大会も、当初は土・日とも天気予報は雨でした。しかし、直前になって天候が好転し、今季初めてのドライ路面での決勝となりました。

  • 成田亮成田亮
  • 小方誠(左)、成田亮(中央)小方誠(左)、成田亮(中央)
  • 小方誠小方誠
  • 山本鯨山本鯨
  • 富田俊樹富田俊樹
  • 田中雅己田中雅己

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会場の世羅グリーンパーク弘楽園(広島県)は、ハードパックで長いストレートがいくつもあるハイスピードコース。前日に降った雨が散水の代わりとなり、ベストコンディションで行われた予選では、IA1でTEAM HRCの成田亮、IA2でTEAM YOU SPORTの山本鯨がそれぞれ首位となり、Honda勢が両クラスでトップ通過を果たしました。

決勝日は、朝から晴天に恵まれ、気温は25℃まで上昇。最高気温が10℃前後と冬のような寒さだった開幕2戦から一転して、初夏を思わせる陽気となりました。

●IA1(450/250)ヒート1

TEAM HRCの小方誠がホールショットを奪い、1周目をトップでクリア。成田はやや出遅れて、7番手で2周目に入りました。序盤、小方は後続をじわじわと引き離します。成田は順調な追い上げをみせ、レースが中盤に入るころには、成田が小方に次ぐ2番手となりました。

この段階で、小方と成田の差は約6秒。ラップタイムの差が出にくいコース状況となったことから、成田はコンマ数秒ずつ小方のリードを削り、徐々に背後へと接近しました。そしてレースが後半に入ってすぐ、小方と成田がテール・トゥ・ノーズとなりました。

そのあと、成田は2周ほどかけて小方の攻略に成功。しかし、抜かれた小方もリズムを取り戻し、TEAM HRCによるランデブー走行が続きました。レース時間が残り5分を切った段階でも、成田と小方は接戦を繰り広げましたが、最後は成田がわずかに小方を引き離してゴール。成田が優勝、小方が2位で表彰台に登壇しました。

●IA1(450/250)ヒート2

ヒート1ではやや出遅れた成田でしたが、今回はきっちりスタートを決めてホールショット。逆に小方は出遅れてしまい、1周目を8番手でクリアしました。レース序盤、小方は積極的なパッシングを続け、わずか5周で2番手まで浮上。しかし成田は、ペースが上がらず順位を下げ、3番手での走行が続きました。

小方は、2番手へとポジションアップした次の周には、このヒートの自己ベストラップを叩き出し、約10秒に広がったトップの平田優(ヤマハ)との差を詰めるべく激走をみせます。しかし、その差はレースが後半になると、拡大してしまいました。

一方の成田は、レース後半にライバルとの接近戦を繰り広げる中で順位を落とし、ラスト4周の段階では10番手まで後退しました。そして、レースは平田が優勝。小方は2位、成田は10位でチェッカーを受けました。この結果、両ヒートの総合成績では小方がトップに輝き、ポイントランキングでは成田を逆転して6ポイント差の首位に立ちました。

●IA2(250/125)ヒート1

1周目は、能塚智寛(カワサキ)、佐藤亮(N.R.T.)、予選トップで決勝に臨んだ山本、同2番手だった富田俊樹(T.E. SPORT)の順で1周目をクリア。TEAM HRCの田中雅己は出遅れ、10番手からの追い上げを強いられました。レース序盤、山本は佐藤を抜き、約8秒あった能塚との差を徐々に縮めていきました。

そしてレース前半が過ぎるころ、山本が能塚を抜いてトップに浮上。終盤には、追い上げてきた竹中純矢(カワサキ)に詰め寄られましたが、最後までポジションを守り、山本が今季2勝目を挙げました。富田は、能塚に次ぐ4位でフィニッシュ。田中は、中盤以降は6番手を走行し、最終ラップに佐藤をパスして、田中が5位、佐藤が6位に入賞しました。

●IA2(250/125)ヒート2

ホールショットを決めたのは田中。山本はやや出遅れ、2周目終了時点で、田中、竹中、佐藤、近藤祐介(TEAM HAMMERホンダ学園)、山本の順となりました。序盤、田中はトップの座を明け渡した一方で、山本は近藤と佐藤をパスして3番手に浮上。レースが後半に入るところで、田中とのバトルを制した山本が2番手に浮上しました。

終盤、竹中との差を詰めた山本は、何度かのサイド・バイ・サイドの末、ついに竹中を抜いてトップに立つと、最後は竹中を引き離してゴール。山本が両ヒート制覇を達成しました。田中は3位に入賞し、今シーズン初の表彰台に。4位には1周目12番手から追い上げた富田が入賞し、一時3番手を走った佐藤は転倒により22位に終わりました。

コメント

小方誠(IA1・2位/2位)「ヒート1は、ホールショットも決まって、しばらくの間は後続を引き離せていたので、このままいけば勝てると思いました。ところが、単独走行で、ライバルの走りを参考にできなかったこともあり、コースが荒れてきてからは速いラインをうまく見つけることができず、成田選手に追いつかれてしまいました。抜かれてからラインはよくなったのですが、逆転はできませんでした。ヒート2は、2番手に浮上してから、少しずつ平田選手との差を詰めたいと思ってプッシュしたのですが、結果的にはそのあと少しがダメでした。しかし、総合優勝を獲得できたので、悪い大会ではなかったと思います。IA1でランキングトップになるのは初めてです。すごく重い感じがしていますが、なるべく気にせずに走りたいと思います」

成田亮(IA1・優勝/10位)「ヒート1は、スタートで遅れてしまい、2番手に浮上したときには小方選手がだいぶん前にいました。チームメートなので速さはわかっていますし、正直なところ厳しいか、とも思いました。しかし、しばらくプッシュしていると差が詰まってきたので、逆転できると確信しました。小方選手には最後まで粘られましたが、なにがなんでも抜かせないという気持ちでした。ヒート2は、マシンは調子よく、身体を痛めたわけでもないのですが、リズムよく乗れませんでした。ヒート1で劇的な追い上げをしたあとのレースで、たまにこういうことがあるのですが、情けないレースでした。しかし、また勝つためにやることは一つしかないので、大丈夫です。次は地元でのレースなので、絶対に両ヒートを制覇します」

井本敬介|TEAM HRC監督「IA1では、今季初めてとなるTEAM HRCでの1-2フィニッシュを達成でき、ホッとしました。ただし、ヒート2は平田選手が非常に乗れていて、小方は勝利を逃がし、成田は大きく調子を崩すという、残念な結果となりました。成田に関しては、予選と決勝ヒート1で圧倒的な速さを披露したことから、特に心配はしていません。ヒート1で体力を消耗してしまったことも、この原因だと思っているので、次戦以降で同じ失敗を繰り返さないよう、チームでも戦略を立てていきたいと考えています。また、IA2の田中は、前大会の予選で負傷し、厳しい状況が続いていましたが、だいぶん回復してきたようです。次戦あたりから、表彰台の頂点を争うことができるはずです。山本選手が速いので、ぜひ真っ向勝負を挑んで競り勝ち、なおかつHondaの1-2になれば最高だと思っています」

山本鯨(IA2・優勝/優勝)「Hondaに乗り替えて初めての両ヒート優勝を達成でき、まずはすごくうれしいです。レースは両ヒートとも追い上げの展開でした。ヒート1は、トップを走っていた能塚選手がIAルーキーでありながら速いのは知っていたのですが、16歳に負けたくないと、こちらも意地をみせました。ヒート2は、竹中選手とのバトル。超接戦でしたが、観客のみなさんもドキドキできたと思いますし、自分でも楽しめました。僕は、絶対に勝てると思いながらレースをするタイプなので、ヒート2で大きく出遅れたときも、ばん回できると信じていました。これでシーズン中盤になりますが、こういうレースを続けていきたいです」

田中雅己(IA2・5位/3位)「ヒート1は、スタート直後に遅れてしまったので、無理して1コーナーに突っ込んで転ぶよりも、安全にいこうと考えました。そのあとは、落ち着いて走ることを心がけたのですが、最速ラインが定まらず、しんどいレースとなってしまいました。ヒート2は、前のレースでの反省から、絶対にスタートを決めると誓ってゲートに並びました。山本選手と竹中選手が追い上げてくることは予想していたのですが、前大会で負傷したことで乗り込みやトレーニングができていない状態だったので、後半は体力的に限界でした。しかし、スピードではライバルたちと差がないことが確認できたので、今後ばん回していく自信となりました」

決勝

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11成田亮Honda2033:26.001
26小方誠Honda20+00:01.615
34小島庸平スズキ20+00:15.728
43平田優ヤマハ20+00:20.723
513田中教世ヤマハ20+00:33.535
6331新井宏彰カワサキ20+00:39.534
711北居良樹KTM20+00:51.257
85熱田孝高スズキ20+00:53.455
9822三原拓也カワサキ20+00:55.196
10166星野優位Honda20+00:57.168
      
119島崎大祐Honda20+00:59.336
128深谷広一Honda20+01:36.964
1932小林雅裕Honda18+2Laps
2284佐々木雅規Honda18+2Laps

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
13平田優ヤマハ1932:21.003
26小方誠Honda19+00:06.754
313田中教世ヤマハ19+00:16.019
44小島庸平スズキ19+00:18.359
57星野裕カワサキ19+00:18.729
65熱田孝高スズキ19+00:32.062
7331新井宏彰カワサキ19+00:33.655
8822三原拓也カワサキ19+00:39.184
99島崎大祐Honda19+00:42.400
101成田亮Honda19+00:43.843
      
11166星野優位Honda19+00:44.891
138深谷広一Honda19+01:21.987
2332小林雅裕Honda18+1Lap
2484佐々木雅規Honda17+2Laps

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11山本鯨Honda2033:25.005
239竹中純矢カワサキ20+00:01.405
302能塚智寛カワサキ20+00:38.546
440富田俊樹Honda20+00:45.277
5113田中雅己Honda20+00:51.271
644佐藤亮Honda20+00:51.732
742岡野聖スズキ20+00:52.006
816井上眞一カワサキ20+01:01.273
945上田康平スズキ20+01:05.567
10615須田純ヤマハ20+01:06.286
      
1343小川孝平Honda20+01:20.751
1450馬場大貴Honda20+01:39.402
17 70 大木新太 Honda 20 +01:46.211
1801佐々木雅哉Honda20+01:46.877
2048近藤祐介Honda19+1Lap
2607島崎優Honda19+1Lap
2768上佐祥敬Honda19+1Lap
2860村上洸太Honda19+1Lap
2978垣内伊吹Honda19+1Lap
3052道脇右京Honda17+3Laps

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11山本鯨Honda1932:33.028
239竹中純矢カワサキ19+00:11.918
3113田中雅己Honda19+00:21.612
440富田俊樹Honda19+00:28.261
542岡野聖スズキ19+00:42.006
602能塚智寛カワサキ19+00:49.617
716井上眞一カワサキ19+00:58.865
845上田康平スズキ19+01:04.935
9615須田純ヤマハ19+01:08.275
1003渡辺祐介ヤマハ19+01:10.411
      
1248近藤祐介Honda19+01:23.185
17 70 大木新太Honda 18+1Lap
2007島崎優Honda18+1Lap
2101佐々木雅哉Honda18+1Lap
2244佐藤亮Honda18+1Lap
2350馬場大貴Honda18+1Lap
2468上佐祥敬Honda18+1Lap
2752道脇右京Honda18+1Lap
2878垣内伊吹Honda18+1Lap
2960村上洸太Honda17+2Laps
RT43小川孝平Honda7DNF

ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1小方誠Honda127
2成田亮Honda121
3平田優ヤマハ112
4小島庸平スズキ109
5熱田孝高スズキ102
6田中教世ヤマハ99
7三原拓也カワサキ76
8北居良樹KTM68
9星野優位Honda67
10星野裕カワサキ66
 
11深谷広一Honda59
13 増田一将Honda40
20島崎大祐Honda22
21小林雅裕Honda11
24 谷本功志Honda5

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1山本鯨Honda135
2竹中純矢カワサキ129
3富田俊樹Honda126
4井上眞一カワサキ107
5田中雅己Honda76
6須田純 ヤマハ 76
7岡野聖スズキ70
8安原志ヤマハ62
9近藤祐介Honda61
10 小川孝平 Honda 59
 
12佐藤亮Honda43
14馬場大貴Honda41
20島崎優Honda18
21村上洸太Honda17
24大木新太Honda13
25垣内伊吹Honda12
26神島央佐Honda7
28佐々木雅哉Honda5