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2013年4月21日(日)・決勝 会場:オフロードヴィレッジ 天候:雨 気温:11℃
コースコンディション:マディ 観客:7500人
埼玉県にあるウエストポイント オフロードヴィレッジで行われた、2013年の全日本モトクロス選手権第2戦は、土曜日の午後から降り続いた雨により、開幕戦に続いてのマディレースとなりました。
今回で7年連続7度目の全日本開催となるこのコースは、荒川と入間川に挟まれた河川敷のフラットな土地に、難易度が高い数多くのジャンプや、タイトターンを中心としたコーナーを配してレイアウトされています。 首都圏での開催ということに加え、埼玉県にはHondaに関連する会社が多く所在することから、毎回多くのHonda関係者が応援に駆けつけます。そのため関東大会は、Hondaライダーにとって、特に気合が入るレースの一つとなっています。
●IA1(450/250) ヒート1
TEAM HRCの小方誠が好スタートを決め、1周目を熱田孝高(スズキ)に次ぐ2番手でクリア。対して昨年度王者の成田亮(TEAM HRC)は、前日の予選を、スタートの出遅れとそのあとのミスにより14番手で通過したことから、条件のよいスターティンググリッドを選択することができず、1周目で8番手からの追い上げを強いられました。
レース序盤から熱田をマークした小方は、中盤にトップへと浮上。30分+1周のレース時間が残り10分を切った段階で、再び2番手に後退してからも、熱田をマークし続けました。また成田は順調な追い上げをみせ、中盤からは3番手走行を続けました。
レースが残り3周となったところで、小方がトップに返り咲くと、渾身の力を振り絞って逃げきりを図りました。するとこれが熱田のミスを誘い、最終的には独走でトップチェッカー。IA昇格13年目にして、全日本最高峰クラスであるIA1で初優勝を挙げました。成田は残り2周で他車と接触し、6位に終わりました。
●IA1(450/250) ヒート2
雨は完全に止んだものの、路面は土が重くなったマディコンディション。そんな中、TEAM HRCの2台はいずれも鋭いスタートダッシュをみせ、成田が熱田に続く2番手、小方が3番手で1周目をクリアしました。レース序盤、先行逃げきりを図る熱田に対して、成田以下は4台による混戦となりました。
レース中盤、ややペースが上がらずにいた成田を小方がパスして、2番手に浮上。しかしこの段階で、熱田は10秒以上も先行していました。3番手を走る成田の後方では、増田一将(Team CRF & Kazu Racing Project)が4番手をキープ。一時は成田のすぐ背後まで迫りました。
レース後半、小方はライバルたちを約2秒も上回るファステストラップを叩き出すなどして、熱田を猛追。しかし、最後までその差が大きく縮まることはありませんでした。また成田は、3番手に落ちてからはペース上げて順位をキープ。上位勢は最後まで順位が変わらず、熱田、小方、成田、増田の順でフィニッシュしました。
●IA2(250/125) ヒート1
予選レースで、TEAM HRCの田中雅己が肩を脱きゅう。それでも田中は辛うじて予選を通過し、決勝に出場しました。決勝ヒート1で好スタートを切ったのは、今年からHondaのマシンを駆る山本鯨(TEAM YOU SPORT)。竹中純矢(カワサキ)を挟んで、富田俊樹(T.E. SPORT)が続きました。序盤、山本はハイペースで後続を引き離しにかかりました。
中盤まで竹中の接近を許した山本でしたが、レースが終盤に入ったところでスパートをかけ、竹中との差を拡大。終盤はペースを落として慎重に走り、今季初優勝を決めました。富田はレース後半に転倒を喫して井上眞一(カワサキ)の先行を許してしまい、4位でフィニッシュ。田中は、ケガをかばいながらの走行を続け、10位でゴールしました。
●IA2(250/125) ヒート2
富田がホールショットを奪い、そのまま1周目をトップでクリア。2番手以下には、井上、須田純(カワサキ)、山本が続きました。レース序盤、富田は井上の追撃を受けるも先頭を守り、すぐにリードを広げて独走状態に。一方の山本は、一時は須田を抜いて2番手に浮上しましたが、転倒により再び4番手に落ちることになってしまいました。
レースが残り5分を切ったころ、須田が転倒により後退。これにより3番手に浮上した山本は、井上を追いました。すると最終ラップ、井上がミスにより大きくタイムロス。最後まで単独走行を続けたトップの富田に次いで、山本が2位でゴールし、Hondaが1-2フィニッシュを達成しました。なお、田中は13位でレースを終えました。
小方誠 (IA1・優勝/2位)「16歳で国際A級に昇格してから10年以上。ようやく、IA1で優勝することができました。ヒート1のスタート直後、熱田選手の後ろを走っていて、自分が速いセクションも多かったので、『これはいけるんじゃないか』と感じていました。トップに立ったあと、周回遅れのライダーが転倒していた影響で抜かれてしまったのですが、そのあとも冷静に走れました。終盤は、熱田選手がすぐ背後にいることも知っていましたが、不思議なほど焦りはなかったです。しかしヒート2では、その熱田選手に逃げられてしまい、総合優勝を逃してしまったので、悔しさも感じています。ここは自分のホームコースで、すごく走り込んでいるので、なんとか結果を残したいと思っていました。これで弾みをつけ、次戦からもトップを狙っていきます」
成田亮 (IA1・6位/3位)「予選レースでは、スタートで出遅れたこともあるのですが、直前からの雨で、硬い路面の表面が濡れた、ツルツル状態でした。そのような路面への苦手意識があり、それが焦りにつながったと思います。いいスターティンググリッドが選べず、ヒート1はそれならとアウト側から狙っていったのですが、思惑が完全に外れ、出遅れてしまいました。しかも、なんとか3番手を走っていたのですが、残り2周で他車と接触して後退。まあ、仕方がないです。ヒート2は、かなり気合を入れて1コーナーに突っ込んだところ、スタートは決まりました。ところが、そのあとはまるでダメでした。今回は、自分がリズムに乗れなかった。ただそれだけです。全勝の夢は消えましたが、次からまた勝ちにこだわったレースをしていきます」
井本敬介 | TEAM HRC監督「小方については、今季の目標としてまずは勝利を掲げていたので、早い段階でそれが達成できたことにホッとしています。これで勝てずに、いつ勝つんだという展開でしたから、ヒート1は途中から小方の勝利を確信して見ていました。一方でヒート2は、熱田選手にしぶとくまとめられてしまいました。我々にやや足りない部分があったと思うので、今後の課題とします。成田は、予選からずっと歯車がかみ合わず、珍しく両ヒートで優勝を逃す結果となりました。その原因をしっかりと掘り下げて、次戦以降で修正していきたいと思います。田中については、ワークスライダーとしてのプレッシャーがまだあるのかもしれません。次戦では、リラックスして臨める環境作りにも努めます」
山本鯨 (IA2・優勝/2位)「土・日とも雨が降るという天気予報でしたが、予選はなんとかドライでのレースができました。もちろん、雨よりは晴れてほしいですが、マディのレースにもモトクロスのすごさや魅力は詰まっています。両日とも観戦に来られたお客様は、2つのコンディションを楽しめたという点で、お得だったと思います。自分としては、この地元大会でHondaのマシンに乗って、初めてのヒート優勝と総合優勝を決めることができ、まずはよかったと思います。レースを重ねることで、CRF250Rのポテンシャルをより引き出せるようになってきた感じがあります。次戦の中国大会も好きなコースなので、いまからとても楽しみにしています」
富田俊樹 (IA2・4位/優勝)「ヒート1は、後半まで順位こそ3番手だったのですが、序盤から腕がパンパンになってしまい、前の2台にも離される状況だったので、かなり厳しいと思いながら走行を続けていました。それでも表彰台圏内はキープしたかったのですが、粘れず転倒してしまいました。ヒート2では、スタートでトップに立つことができ、ヒート1とはまるで違い、カラダがよく動きました。チームの地元ということもあって、コースサイドで応援してくださる観客の方々が多く、うれしかったです。開幕戦に続いてマディでの勝利。嫌いなコンディションではないのですが、マディだけ速いと言われないよう、次はドライでも勝ちたいです」
田中雅己 (IA2・10位/13位)「予選レースの序盤に、ジャンプがショートだったことで、着地した際に肩を脱きゅうしてしまいました。走りながら肩を入れようと試みたのですが、結局はうまくいかず、辛うじて予選を通過できる順位でゴールしました。予選終了後から治療を続け、なんとか決勝に臨むことができたのですが、やはりレースではうまくマシンを操ることができず、両ヒートとも最低な順位で終えることになりました。開幕戦を終えて以降、練習では非常に調子がよかったので、自分のミスがきっかけでチャンスをつぶしてしまったことが、悔しくてたまりません。第3戦まで3週間あるので、まずは身体をいい状態にして、立て直しを図ります」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 小方誠 | Honda | 17 | 34:10.437 |
2 | 5 | 熱田孝高 | スズキ | 17 | +00:20.598 |
3 | 4 | 小島庸平 | スズキ | 17 | +01:23.790 |
4 | 3 | 平田優 | ヤマハ | 17 | +01:28.678 |
5 | 13 | 田中教世 | ヤマハ | 17 | +02:12.790 |
6 | 1 | 成田亮 | Honda | 16 | +1Lap |
7 | 7 | 星野裕 | カワサキ | 16 | +1Lap |
8 | 166 | 星野優位 | Honda | 16 | +1Lap |
9 | 911 | 斉藤嵩 | スズキ | 16 | +1Lap |
10 | 318 | 沼田誠司 | カワサキ | 16 | +1Lap |
12 | 8 | 深谷広一 | Honda | 16 | +1Lap |
15 | 408 | 増田一将 | Honda | 15 | +2Laps |
16 | 32 | 小林雅裕 | Honda | 15 | +2Laps |
22 | 47 | 黒澤良太 | Honda | 15 | DNF |
RT | 130 | 伊田井佐夫 | Honda | 1 | DNF |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 熱田孝高 | スズキ | 17 | 33:59.292 |
2 | 6 | 小方誠 | Honda | 17 | +00:12.479 |
3 | 1 | 成田亮 | Honda | 17 | +00:18.380 |
4 | 408 | 増田一将 | Honda | 17 | +00:38.505 |
5 | 3 | 平田優 | ヤマハ | 17 | +00:52.132 |
6 | 4 | 小島庸平 | スズキ | 17 | +00:57.548 |
7 | 13 | 田中教世 | ヤマハ | 17 | +00:59.486 |
8 | 822 | 三原拓也 | カワサキ | 17 | +01:02.022 |
9 | 7 | 星野裕 | カワサキ | 17 | +01:19.048 |
10 | 8 | 深谷広一 | Honda | 17 | +01:28.939 |
15 | 166 | 星野優位 | Honda | 16 | +1Lap |
17 | 32 | 小林雅裕 | Honda | 15 | +2Laps |
RT | 47 | 黒澤良太 | Honda | 7 | DNF |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 山本鯨 | Honda | 17 | 33:43.580 |
2 | 39 | 竹中純矢 | カワサキ | 17 | +00:03.948 |
3 | 16 | 井上眞一 | カワサキ | 17 | +00:36.103 |
4 | 40 | 富田俊樹 | Honda | 17 | +01:05.896 |
5 | 46 | 安原志 | ヤマハ | 17 | +02:08.392 |
6 | 48 | 近藤祐介 | Honda | 17 | +02:10.941 |
7 | 42 | 岡野聖 | スズキ | 17 | +02:53.388 |
8 | 44 | 佐藤亮 | Honda | 16 | +1Lap |
9 | 615 | 須田純 | カワサキ | 16 | +1Lap |
10 | 113 | 田中雅己 | Honda | 16 | +1Lap |
11 | 50 | 馬場大貴 | Honda | 16 | +1Lap |
12 | 78 | 垣内伊吹 | Honda | 16 | +1Lap |
14 | 05 | 神島央佐 | Honda | 16 | +1Lap |
15 | 43 | 小川孝平 | Honda | 16 | +1Lap |
17 | 60 | 村上洸太 | Honda | 16 | +1Lap |
20 | 01 | 佐々木雅哉 | Honda | 15 | +2Laps |
23 | 70 | 大木新太 | Honda | 15 | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 40 | 富田俊樹 | Honda | 16 | 34:08.022 |
2 | 1 | 山本鯨 | Honda | 16 | +00:54.969 |
3 | 16 | 井上眞一 | カワサキ | 16 | +00:57.935 |
4 | 39 | 竹中純矢 | カワサキ | 16 | +01:17.359 |
5 | 42 | 岡野聖 | スズキ | 15 | +1Lap |
6 | 615 | 須田純 | カワサキ | 15 | +1Lap |
7 | 43 | 小川孝平 | Honda | 15 | +1Lap |
8 | 48 | 近藤祐介 | Honda | 15 | +1Lap |
9 | 60 | 村上洸太 | Honda | 15 | +1Lap |
10 | 50 | 馬場大貴 | Honda | 15 | +1Lap |
13 | 113 | 田中雅己 | Honda | 14 | +2Laps |
16 | 70 | 大木新太 | Honda | 14 | +2Laps |
19 | 78 | 垣内伊吹 | Honda | 13 | +3Laps |
20 | 01 | 佐々木雅哉 | Honda | 13 | +3Laps |
RT | 44 | 佐藤亮 | Honda | 6 | DNF |
RT | 05 | 神島央佐 | Honda | 0 | DNF |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 成田亮 | Honda | 85 |
2 | 小方誠 | Honda | 83 |
3 | 熱田孝高 | スズキ | 74 |
4 | 小島庸平 | スズキ | 71 |
5 | 平田優 | ヤマハ | 69 |
6 | 田中教世 | ヤマハ | 63 |
7 | 三原拓也 | カワサキ | 51 |
8 | 星野裕 | カワサキ | 50 |
9 | 北居良樹 | KTM | 48 |
10 | 星野優位 | Honda | 46 |
11 | 深谷広一 | Honda | 42 |
12 | 増田一将 | Honda | 40 |
19 | 小林雅裕 | Honda | 9 |
21 | 谷本功志 | Honda | 5 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 富田俊樹 | Honda | 90 |
2 | 山本鯨 | Honda | 85 |
3 | 竹中純矢 | カワサキ | 85 |
4 | 井上眞一 | カワサキ | 80 |
5 | 須田純 | カワサキ | 53 |
6 | 小川孝平 | Honda | 51 |
7 | 近藤祐介 | Honda | 51 |
8 | 安原志 | ヤマハ | 42 |
9 | 岡野聖 | スズキ | 40 |
10 | 田中雅己 | Honda | 40 |
11 | 馬場大貴 | Honda | 34 |
12 | 佐藤亮 | Honda | 28 |
16 | 村上洸太 | Honda | 17 |
19 | 島崎優 | Honda | 17 |
21 | 垣内伊吹 | Honda | 12 |
24 | 神島央佐 | Honda | 7 |
26 | 大木新太 | Honda | 5 |
28 | 佐々木雅哉 | Honda | 2 |