round 7

October 9 2011
All Japan Motocross Championship Sera Greenpark Korakuen
第7戦 世羅グリーンパーク弘楽園(広島県)

IA1の平田優がヒート1で4位に入賞!
レディースクラスでは山本泉が全日本初優勝!

全日本モトクロス選手権、第7戦中国大会が広島県の世羅グリーンパーク弘楽園で開催されました。今季は、1週おきで開催される終盤4連戦へと突入。広島県東南部の世羅町にあるこの弘楽園は、5月に行われた今季開幕戦でも使われ、ハードパックでコース幅が広めに設定されたハイスピードコース。ロングストレートやテクニカルなジャンプも多く設けられています。

今大会では、事前に路面を掘り起こすメンテナンスにより、硬すぎる路面状況の改善や、散水後の保湿力向上が図られました。またコースレイアウトはほぼ従来どおりながらも、細部の見直しが行われました。

天候は、土・日ともに晴れ。標高が高いこともあり、10月上旬とはいえ、早朝には気温が10℃以下にまで下がりました。それでも日中は20℃前後まで上昇。絶好のレース観戦日和となりました。

  • 平田優平田優
  • 増田一将増田一将
  • 星野優位星野優位
  • 星野優位星野優位
  • 小方誠小方誠
  • 山本泉山本泉
  • 山本泉山本泉

▼IA1(450/250)ヒート1

TEAM HRCの平田優と増田一将は、いずれもスタートでやや出遅れてしまい、平田が6番手、増田が12番手で1周目をクリアしました。フルコースとなった2周目、増田は9番手までポジションアップ。しかし4周目に転倒を喫し、16番手まで順位を落としてしまいました。

レース序盤、熱田孝高(スズキ)、新井宏彰(カワサキ)、成田亮(ヤマハ)、小島庸平(スズキ)、田中教世(カワサキ)、そして平田までの6台が、僅差で続くトップ集団を形成。しかしレース中盤、ここから小島が遅れ始め、レース後半に平田がこれを抜いて5番手に浮上しました。

さらに平田は、スタートから20分が過ぎたころ、田中をパスして4番手に浮上しました。すると平田は、表彰台圏内でのゴールをめざし、前を走る新井の追撃を開始。しかしこの段階で、新井との差は拡大してしまっていたため、逆転はならず。平田は4位でフィニッシュしました。また増田は、11位まで追い上げてゴールしました。

▼IA1(450/250)ヒート2

TEAM HRCの両選手はスタートに失敗してしまい、2周目を増田が10番手、平田が11番手でクリアする苦しい展開となってしまいました。3周目、平田は9番手に浮上。増田は同じ周に、11番手まで順位を下げましたが、次周には北居良樹(KTM)を抜いて10番手へと順位を戻しました。

5周目から6周目にかけて、上位を走っていた福留善秀(TODAY SPORT)と小島太久摩(ヤマハ)が後退したことにより、平田は7番手、増田は平田からやや離された8番手にポジションアップ。すると平田は、次周にはこのヒートの自己ベストラップタイムを刻んで、前を走る6台の追撃を試みました。

しかし、それでもなおライバルたちとの差は縮まらず、平田と増田はそれぞれの順位をキープすることにとどまりました。そしてレースが後半に入ったところで、2番手を走行していた勝谷武史(カワサキ)が転倒によりリタイアしたため、19周でのチェッカーとなったこのレースを、平田は6位、増田は7位でゴールしました。

▼IA2(250/125)ヒート1

田中雅己(TEAM ナカキホンダ)が、スタート直後からトップに浮上。小方誠(DREAM Honda RT Ogata)と星野優位(HRF SEKI Racing MotoRoman & KBF-RS)は出遅れ、1周目を星野が7番手、小方が17番手でクリアしました。レース序盤、田中はトップをキープ。星野と小方は着実に追い上げ、5周目には星野が5番手、小方が9番手に浮上しました。

6周目、田中は稲垣佳樹(スズキ)に抜かれて2番手に後退。星野は4番手、小方は7番手にポジションアップしました。さらに小方は、7周目と8周目にも1つずつ順位を上げると、9周目には星野も抜いて4番手に浮上しました。レース後半、9周目以降は3番手を走行していた田中が惜しくも転倒リタイア。星野は1つ順位を落とし、最終的には小方が4位、星野が6位でゴールしました。

▼IA2(250/125)ヒート2

星野が3番手、田中が5番手の好位置でレースを開始。しかし小方は再びスタートに失敗してしまい、1周目を18番手前後でクリアしました。3周目、斉木達也(ヤマハ)の後退により、星野は2番手に浮上。トップを走る三原拓也(カワサキ)の追撃を開始しました。また田中も、4周目には4番手に順位を上げましたが、7周目には再び5番手へと下がってしまいました。

この7周目の段階で、小方は7番手までジャンプアップ。さらに次周には渡辺学(ヤマハ)を抜くと、レース後半になって田中、島崎大祐(スズキ)を抜き、4番手まで浮上。一方で田中は、徐々に順位を落としてしまいました。レース時間が残り10分を切ったところで、三原の追撃を続けていた星野が転倒し、3番手に後退。これにより、星野が3位、小方が4位、田中が9位でゴールしました。

▼レディースクラス

スタート直後の進行トラブルにより、レースは赤旗再スタートに。2度目のスタートでは、山本泉(TEAM HAMMER)がホールショットを奪いました。一方、今季4勝を挙げている益春菜(SEKI Racing MotoRoman & KBF-RS)は、絶妙なダッシュをみせるも、1コーナーで転倒。最下位からのレースとなってしまいました。

山本は、2周目以降もトップをキープ。4周目に邵洋子(スズキ)が2番手に浮上して以降、一時はアドバンテージを削られましたが、レース終盤になって山本はペースを上げ、邵との差を拡大。そのまま逃げきり、全日本初優勝を達成しました。また益は、10周のレースで28台を抜き、4位でゴールしました。

コメント

平田優(IA1・4位/6位) 「ヒート1は、それほど悪くないレースだったと思います。レース終盤までトップ集団でレースができましたし、あと少しで表彰台でした。レース終盤にちょっとバタバタしてしまい、新井選手を逃がしてしまったのが悔やまれますが、スタートがしっかり決まって、最初からもうちょっと前でレースができれば、十分に勝負できることが確認できました。しかしヒート2では、そのスタートに失敗して、ちゃんとレースをすることができませんでした。クラッチミートをミスして完全に出遅れ、その後もうまく集中して走ることができず、追い上げが遅れて上位陣を逃がしてしまいました。それでも、レース内容はよくなってきている実感があります。1勝をめざして、今後も努力を続けます」

増田一将(IA1・11位/7位) 「ヒート1は、スタート直後のペースはそれほど悪くなかったのですが、序盤で転倒してしまい、その後はうまくペースを上げることができませんでした。ヒート2は、さらにスタートが悪く、その後もあまりペースアップができませんでした。スタートがうまく決まれば、前のライダーにつられてラップタイムが上がることもあるので、好スタートを切れなかったことが、敗因につながったと考えています。また、スピード不足も課題です。しかし自分の中では、ヒート2の走りにはよい部分もあったと感じています。いい要素をうまく伸ばし、悪い部分の修正の繰り返して、残り3大会、6ヒートで1つでも勝てるように、がんばっていきたいと思います」

市川哲也 | TEAM HRC監督 「平田は、ヒート1ではトップ集団でのレースができました。レース中盤には、ライバル選手としっかり勝負した上で4番手に浮上するなど、内容的にはよい部分も多かったと思います。ただしヒート2は、スタートで出遅れて、意気消沈してしまった印象があります。もうちょっと前に出てやるという意気込みが必要だったと思います。増田は、両ヒートともスピードが不足していました。とくに気になったのは、コーナー進入時の速度です。インターバル中の努力が、レースでの走りに結びついていないという印象もあります。戦う姿勢やメンタル面も含めて、改善していきたいと思います。今季はあと3大会となってしまいましたが、TEAM HRCとしてはこのままでは終われません。なにがなんでも、1勝をもぎ取りたいと思います」

小方誠(IA2・4位/4位) 「両ヒートともスタートで大きく出遅れてしまいました。どちらも、スタート直後は20番手くらいだったのですが、かなりの混戦状態で、抜け出すのに時間がかかり、結果的に4位までしか追い上げられませんでした。集団を抜け出してからのラップタイムはかなりよく、走りの内容も全体的に満足できるレベルだったので、とにかくスタートに失敗したことが、悔しくてたまりません。前大会からマシンの仕様をガラリと変え、マシンは完ぺきに近い状態です。次戦が行われるスポーツランドSUGOは、夏の大会でも走りはよかったですし、得意なコースなので、スタートをしっかり決めて、今季初優勝を目指したいと思います」

星野優位(IA2・6位/3位) 「ヒート1は、自分らしい走りができず、序盤の追い上げはよかったのですが、その後は順位を下げてしまいました。そこでヒート2は、気持ちを入れ替えて臨みました。スタートも決まり、トップを走る三原選手の後ろを走りながらチャンスをうかがう作戦でした。ところが、レース終盤につまらないミスで転倒して、優勝するどころか3位に落ちてしまいました。今回もまた初優勝を達成することができず、とても悔しいですが、ヒート1から走りを修正して、表彰台に上がることができたので、いい部分もあったと思います。次戦は得意なスポーツランドSUGOでの大会なので、両ヒートとも優勝できるようにがんばります」

山本泉(レディース・優勝) 「2週間前にヒザを痛めてしまい、ちょっと不安があったのですが、チームのみんなが支えてくれて、どうにかレースをできるコンディションで臨むことができました。決勝では、スタートがうまく決まって、最初からトップに立つことができました。自分でも不思議なくらい冷静だったので、普段どおりの走りをしようと心がけました。レース前、このレースが開催された世羅町にある温泉施設の店長さんに『気功』を施してもらったおかげで、とても集中して乗ることができました。今季のテーマである“楽しむ走り”を続けながら、今後も優勝を重ねたいです」

決勝

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1982成田亮ヤマハ2033:04.020
21熱田孝高スズキ20+00:02.690
3331新井宏彰カワサキ20+00:08.715
47平田優Honda20+00:17.326
52田中教世カワサキ20+00:18.932
6753勝谷武史カワサキ20+00:20.673
      
813福留善秀Honda20+01:04.276
925納屋望Honda20+01:06.713
116増田一将Honda20+01:27.867
1520芹沢翔悟Honda19+1Lap
2081矢野昇平Honda18+2Laps
2223馬渕崇之Honda18+2Laps
2374佐々木雅規Honda18+2Laps

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11熱田孝高スズキ1931:49.691
2982成田亮ヤマハ19+00:09.692
3331新井宏彰カワサキ19+00:15.390
42田中教世カワサキ19+00:27.031
544小島庸平スズキ19+00:34.775
67平田優Honda19+00:54.101
      
76増田一将Honda19+01:02.711
825納屋望Honda19+01:11.223
1313福留善秀Honda18+1Lap
1520芹沢翔悟Honda18+1Lap
1881矢野昇平Honda18+1Lap
1974佐々木雅規Honda18+1Lap
2323馬渕崇之Honda17+2Laps

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
143稲垣佳樹スズキ2033:23.869
2411中村友則カワサキ20+00:04.251
337三原拓也カワサキ20+00:08.204
486小方誠Honda20+00:22.015
5123星野裕カワサキ20+00:23.425
6166星野優位Honda20+00:24.575
      
1148富田俊樹Honda20+00:52.044
1402小川孝平Honda20+01:16.017
16151黒澤良太Honda20+01:31.922
1870近藤祐介Honda20+01:33.381
1905飯田義明Honda20+01:37.836
2304馬場大貴Honda19+1Lap
RT06榎田諒介Honda13DNF
RT113田中雅己Honda12DNF

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
137三原拓也カワサキ1932:13.077
2123星野裕カワサキ19+00:03.633
3166星野優位Honda19+00:10.568
486小方誠Honda19+00:14.656
5411中村友則カワサキ19+00:21.016
6350島崎大祐スズキ19+00:25.208
      
9113田中雅己Honda19+00:44.085
1048富田俊樹Honda19+00:44.532
14151黒澤良太Honda19+01:28.199
1970近藤祐介Honda18+1Lap
2204馬場大貴Honda18+1Lap
2306榎田諒介Honda18+1Lap
2605飯田義明Honda18+1Lap
RT02小川孝平Honda1DNF
ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ316
2熱田孝高スズキ297
3新井宏彰カワサキ242
4小島庸平スズキ241
5田中教世カワサキ227
6平田優Honda210
 
8増田一将Honda185
10深谷広一Honda109
13芹沢翔悟Honda88
15福留善秀Honda77
18納屋望Honda44
21辻健二郎Honda32
24高濱龍一郎Honda27
25芹沢直樹Honda25
28矢野昇平Honda14
30佐々木雅規Honda10
32伊田井佐夫Honda4
33馬渕崇之Honda4

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1三原拓也カワサキ307
2中村友則カワサキ241
3稲垣佳樹スズキ237
4小方誠Honda232
5星野優位Honda226
6星野裕カワサキ218
 
7田中雅己Honda175
15富田俊樹Honda93
17黒澤良太Honda68
25小川孝平Honda24
27近藤祐介Honda15
30片倉久斗Honda11
31馬場大貴Honda8
35富田健二Honda4
36飯田義明Honda4