round 6

September 11 2011
All Japan Motocross Championship Meihan Sports Land
第6戦 名阪スポーツランド(奈良県)

IA1の平田優はヒート2で5位入賞!
IA2では田中雅己と星野優位が表彰台に!

5週間の夏休みが明け、全日本モトクロス選手権の今季後半戦がスタート。第6戦近畿大会が、奈良県の名阪スポーツランドで開催されました。今季第2戦でも使われたこのコースは、サンド質の路面と、ハイスピードかつテクニカルなレイアウトを特徴としています。

天候は、土曜日は晴れ時々曇り。各クラスの決勝が行われた日曜日は、一時的に日が陰ることがありましたが晴天に恵まれ、強い日差しにより気温は30℃を超えました。奈良県は、台風12号によって前の週に大きな被害を受けましたが、コースにその影響はなく、レースはドライコンディションで行われました。

Honda勢では、前戦をケガで欠場したIA1の福留善秀やレディースクラスの益春菜が、今大会から復帰し、決勝レースのスターティンググリッドに並びました。

  • 平田優平田優
  • 増田一将増田一将
  • 田中雅己田中雅己
  • 田中雅己田中雅己
  • 星野優位星野優位
  • 星野優位星野優位
  • 小方誠小方誠
  • 岸萌水岸萌水
  • 益春菜益春菜

▼IA1(450/250)ヒート1

増田一将(TEAM HRC)が6番手、福留善秀(TODAY SPORT)が7番手、平田優(TEAM HRC)が9番手でオープニングラップをクリア。2周目、福留は転倒により大きく後退すると、マシンの転倒によるダメージがあったため、次周にリタイアしてしまいました。これにより、平田は8番手にポジションアップしました。

3周目、平田は小島太久摩(ヤマハ)をパスして7番手に浮上。4周目以降、増田と平田がTEAM HRC同士による6番手争いを展開しました。そして7周目、増田と平田は順位を入れ替え、平田が6番手に。増田は、勝谷武史(カワサキ)にも抜かれて8番手に後退しました。

しかしその直後の8周目、巻き返しを狙った増田のプレッシャーを受けた勝谷が転倒。これにより増田は、単独の7番手となりました。レース終盤、平田はエンジンをストールさせるミスにより5番手に逃げられ、増田は勝谷に抜かれて8番手に後退。そしてレースは19周でチェッカーとなり、平田は6位、増田は8位でゴールしました。

▼IA1(450/250)ヒート2

平田は3番手、増田は6番手と、TEAM HRCの2台は好位置でレースをスタート。レース序盤、小島庸平(スズキ)、成田亮(ヤマハ)、平田、田中教世(カワサキ)、熱田孝高(スズキ)までの5台が、トップグループを形成しました。増田はこの集団から遅れてしまい、5周目には福留が、増田をパスしました。

レース中盤、5台によるトップグループはなおも接近戦を続け、平田はこの中で3番手をキープ。8周目、福留はややスローダウンすると、次周にマシンの不調を訴えてピットインし、10周でリタイアしました。これにより増田は順位を上げ、再び7番手となりました。

レース後半になっても、平田は順位を守っていましたが、レースが残り10分ほどになった段階で、田中と熱田に抜かれてしまい5番手へと後退。しかし平田は、レース終盤になって順位を落とした4番手の成田へと迫り、猛アタックを行いました。しかし最後まで攻略には至らず、平田は5位に入賞しました。増田は7位でフィニッシュしています。

▼IA2(250/125)ヒート1

田中雅己(TEAM ナカキホンダ)がホールショットを奪い、1周目をトップでクリア。スタート直後に2カ所でマルチクラッシュが発生し、星野優位(HRF SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS)はほぼ最後尾からの追い上げを強いられてしまいました。2周目、小方誠(DREAM Honda RT Ogata)が須田純(カワサキ)を抜いて6番手に浮上。田中は、2番手の三原拓也(カワサキ)を引き離しにかかりました。

4周目、小方は井上眞一(カワサキ)をパスして5番手。田中は三原との差を約2秒に拡大すると、レース中盤になってもトップをキープし、一時は三原との差をさらに拡大しました。ところが終盤、田中は三原に抜かれて2番手に後退。最終ラップに再逆転を狙ってアタックするもわずかに届かず、田中は2位で表彰台に上がりました。小方は5位に入賞。星野は10位でゴールしました。

▼IA2(250/125)ヒート2
小方が好スタートを決め、三原に続き2番手で1周目をクリア。田中は6番手につけました。すると2周目、田中は一気に4番手へと浮上。ところが次周に転倒し、15番手まで順位を下げてしまいました。小方は、三原との差を3秒程度にとどめながら、2番手をキープしました。するとレース後半、順位を守る小方に、中村友則(カワサキ)、星野裕(カワサキ)、星野優位が接近しました。

そして、4台による激しい2番手争いの末、星野裕が2番手、星野優位が3番手となると、終盤にはこの2台が三原へと迫りました。そして、一時は星野優位がトップの三原に並びましたが、パッシングには至らず。星野優位は3位表彰台に登壇しました。小方は、終盤にペースを落として7位。最後まで激しい追い上げを続けた田中が6位に入賞し、総合成績では2位となりました。

▼レディースクラス
V3チャンピオンの益春菜(HRF SEKI Racing MotoRoman&KBF-RS)がホールショット。しかし邵洋子(スズキ)に抜かれてしまい、益は1周目を2番手でクリアしました。2周目、益の背後に山本泉(TEAM HAMMER)と竹内優菜(スズキ)が迫りましたが、次周には益が山本との差を拡大。4周目に、山本は竹内にパスされ、4番手に後退しました。

6周目、邵をマークしていた益が転倒。その後は大きくペースを落とし、15位でゴールしました。これで3番手に浮上した山本は、竹内へと迫りましたが、ラスト2周となった8周目に転倒してリタイア。これにより、1周目11番手から追い上げを続けていた岸萌水(B.K APPLE RACING)が、4番手に浮上。開幕戦以来となる4位入賞を果たしました。

コメント

平田優(IA1・6位/5位)「レース内容はシーズン前半よりもよくなっていると思いますが、それが結果につながらなかったのが悔しいです。ヒート1は、スタートに失敗して、自分より昨年のランキングが上位の選手がすべて前にいる、厳しい状況でした。それらが焦りにもつながり、エンストというミスも生みだしてしまったと思います。しかしヒート2では、序盤からトップ争いができ、シーズン前半と比べれば終盤に粘ることもできました。夏休みに、これまでやっていたトレーニングから、教えてもらった別の方法へと切り替えたのですが、正直なところ、これほど短期間で成果が出るとは思っていませんでした。いまはまだ、すごく低い階段を一歩ずつ上っている状態だと思いますが、それを大きなステップにつなげたいと思います」

増田一将(IA1・8位/7位)「両ヒートとも、スタートはトップ6くらいで出て、序盤はそのペースで走れているけど、中盤以降は単独走行、というような展開でした。調子は決して悪くないのですが、なぜかマシンと一体感がある走りをすることができずにいます。インターバル中にいろいろと努力を続けてきたのですが、もう一度リセットしてみて、新たな方法にトライしてみようと思います。開幕したときのことを考えてみれば、ライバルと比較してもよい走りができていました。たった数カ月で彼らが劇的に速くなるとか、逆に自分が突然遅いライダーになってしまうということは、あまり現実的な話ではないので、自分でもまだ気がつかない大きな原因があるのだと思います。現状を徹底的に分析して、次戦までに修正を図ります」

市川哲也|TEAM HRC監督「平田は、この1カ月ほどのインターバルを使って、体力面やメンタル面の改善に取り組んできました。ヒート1はスタートの出遅れが響きましたが、ヒート2ではその成果が表れ、終盤までトップ争いを演じることができました。努力をさらに継続することで、争うだけでなくて最終的にトップでゴールできるライダーになると思います。タイムのバラつきが大きめなので、今後は安定感も課題に入れたいと思います。増田は、事前テストで好調を確認していたのですが、レースでは思うような結果を残せませんでした。部分的には走りのよい部分もあるのですが、タイムが伸びなかったのが敗因です。ただし、ジャンプの距離感が合わないなど、課題は明確です。力のあるライダーなので、そういった部分を集中的に見直せば、次戦では必ず立ち直ってくれると信じています」

田中雅己(IA2・2位/6位)「ヒート1は、残り5分くらいのところで、トップの座を逃してしまいました。気持ちは最後まで保てたのですが、体力や技術に少し足りない部分があるのかもしれません。三原選手に自分のラインをずっと見られていたぶん、不利だったかもしれません。それでも、最終ラップに背後まで迫ることもできたので、大きな自信になりました。ところがヒート2は、優勝争いをしたことで気持ちが入りすぎて、動きが固くなってしまいました。転倒してからは、冷静に走ることを心がけて走り、なんとか6位に入れました。今年からHondaのマシンに乗っていますが、ノーマルでもファクトリー車と勝負できることを、この大会で証明できたと思います」

星野優位(IA2・10位/3位)「ヒート1は、スタート直後に他車と接触して転倒。後続にひかれてしまい、呼吸ができなくて再スタートが遅れました。それでも、思っていたよりも追い上げられたので、納得はしています。悔しかったのはヒート2です。ラスト2周で、一瞬ながらトップに立ったのですが、勝つことができませんでした。狙っていたラインがあって、そこにうまく入れたのですが、完全なリードを奪えず、次のコーナーで三原選手と接触。この隙にまた星野裕選手にも抜かれてしまいました。前大会に続き、自分の速さはアピールできていると思うので、あとは勝つだけ。チャンスは十分にあると思うので、焦ることなく、次の大会でもIA初優勝を狙っていきます」

岸萌水(レディース・4位)「地元に近い大会ということで、応援してくれるひとたちがたくさん来場していたので、初表彰台を目指していました。スタートそのものはうまく前に出られたのですが、1コーナーでちょっと慎重になりすぎて、だいぶん出遅れてしまいました。でもその後はうまく追い上げられて、4位まで上がることができました。最後は、熱中症のような状態になってしまい、フラフラになってゴールしました。表彰台には届きませんでしたが、次の大会も地元から近い会場なので、またがんばりたいと思います」

決勝

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1982成田亮ヤマハ1932:59.798
21熱田孝高スズキ19+00:08.150
344小島庸平スズキ19+00:14.674
42田中教世カワサキ19+00:17.007
5331新井宏彰カワサキ19+00:35.128
67平田優Honda19+00:41.271
      
86増田一将Honda19+01:01.506
1420芹沢翔悟Honda18+1Lap
2023馬渕崇之Honda17+2Laps
2474佐々木雅規Honda17+2Laps
2593伊田井佐夫Honda17+2Laps
RT13福留善秀Honda3DNF
RT33山本亮平Honda1DNF

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
144小島庸平スズキ1932:54.910
22田中教世カワサキ19+00:01.059
31熱田孝高スズキ19+00:01.450
4982成田亮ヤマハ19+00:12.615
57平田優Honda19+00:15.814
6331新井宏彰カワサキ19+00:39.277
      
76増田一将Honda19+00:54.606
1420芹沢翔悟Honda18+1Lap
1974佐々木雅規Honda17+2Laps
2223馬渕崇之Honda17+2Laps
2533山本亮平Honda14+5Laps
RT13福留善秀Honda10DNF
RT93伊田井佐夫Honda 9DNF

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
137三原拓也カワサキ1933:08.618
2113田中雅己Honda19+00:00.647
343稲垣佳樹スズキ19+00:01.368
4 87 池谷優太 スズキ 19 +00:26.915
5 86 小方誠 Honda 19 +00:28.321
6615須田純カワサキ19+00:40.369
      
848富田俊樹Honda19+00:52.066
10166星野優位Honda19+00:59.890
13 02 小川孝平 Honda 19 +01:20.240
17151黒澤良太Honda18+1Lap
21 05 飯田義明 Honda 18 +1Lap
2470近藤祐介Honda18+1Lap
26 06 榎田諒介 Honda 17 +2Laps
RT 80 前田祐希 Honda 1 DNF

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
137三原拓也カワサキ1933:21.431
2123星野裕カワサキ19+00:01.351
3166星野優位Honda19+00:02.565
4411中村友則カワサキ19+00:06.876
5 87 池谷優太 スズキ 19 +00:17.809
6113田中雅己Honda19+00:18.933
      
7 86 小方誠 Honda 19 +00:26.225
1148富田俊樹Honda19+00:54.291
14151黒澤良太Honda19+01:15.411
1870近藤祐介Honda19+01:23.106
20 05 飯田義明 Honda 19 +01:42.845
RT 06 榎田諒介 Honda 10 DNF
RT 02 小川孝平 Honda 6 DNF
RT 80 前田祐希 Honda 0 DNF
ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ269
2熱田孝高スズキ250
3小島庸平スズキ211
4新井宏彰カワサキ202
5田中教世カワサキ193
6平田優Honda177
 
8増田一将Honda161
10深谷広一Honda109
13芹沢翔悟Honda76
15福留善秀Honda56
19辻健二郎Honda32
22高濱龍一郎Honda27
24芹沢直樹Honda25
25納屋望Honda19
29矢野昇平Honda10
32伊田井佐夫 Honda4
33馬渕崇之Honda4

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1三原拓也カワサキ262
2中村友則カワサキ203
3稲垣佳樹スズキ198
4小方誠Honda196
5星野優位Honda191
6星野裕カワサキ180
 
7田中雅己Honda163
15富田俊樹Honda72
17黒澤良太Honda56
25小川孝平Honda17
27片倉久斗Honda11
28近藤祐介Honda10
29馬場大貴Honda8
33富田健二Honda4
36飯田義明Honda2