round 8

September 12 2010
All Japan Motocross Championship Meihan Sports Land
第8戦 名阪スポーツランド(奈良県)

IA1の増田一将が今季初優勝を達成!
レディースクラス優勝の益春菜は3連覇に王手!

2カ月弱の長い夏休みが終わり、全日本モトクロス選手権の第8戦が、開幕戦でも使用された奈良県の名阪スポーツランドで開催された。サンド質の路面を特徴とするコースは、開幕戦から一部のレイアウトが変更され、よりテクニカルな設定となっていた。

今大会のIAクラスには、第4戦以来、全日本では2回目となる、シュートアウト方式が採用された。これは、従来の決勝ヒート2を、IA1とIA2の混走にするというもの。各クラスのヒート1上位14名ずつに、10分+1周で競われる混走ラストチャンスレースの上位2名を加えた30台が、通常のヒート同様に30分+1周で競われるIAシュートアウトに出場した。

天候は、予選が行われた土曜日、決勝が開催された日曜日ともに晴れで、気温は土曜日が30℃、日曜日はそれ以上まで上昇した。ライダーは、厳しい残暑とも勝負することになった。

  • 増田一将増田一将
  • 増田一将増田一将
  • 平田優平田優
  • 福留善秀福留善秀
  • 深谷広一深谷広一
  • 益春菜益春菜
  • 益春菜益春菜

▼IA1(450/250)ヒート1

DREAM Honda RT Masudaの増田一将がホールショットを奪うと、そのままトップで1周目をクリア。2番手に田中教世(カワサキ)を挟み、DREAM Honda RT Fukudomeの福留善秀、DREAM Honda RT Hirataの平田優がこれに続いた。2周目、福留が一気に2台をパスしてトップに浮上。増田が2番手となり、平田は5番手に後退した。

レース序盤から中盤にかけて、先頭集団の9台は、まるでスタート直後のような混戦を続けた。こうした状況の中、5周目に福留がミスにより5番手に後退。再び増田がトップに立ったが、7周目に成田亮(ヤマハ)、8周目に小島庸平(スズキ)に抜かれてしまい、3番手に後退した。

レース後半、4番手に浮上していた福留が増田をパス。その後、増田と福留は新井宏彰(カワサキ)の先行を許し、4番手に福留、5番手に増田となった。ところが、残り2周のところで福留が転倒して負傷。リタイアとなってしまった。レースは18周でチェッカー。増田が4位、平田が6位に入賞した。

▼IA2(250/125)ヒート1
HRF SEKI Racing MotoRoman&KBF-RSの深谷広一が好スタートを決め、1周目をトップでクリア。また、深谷と同じチームに所属する星野優位は、1周目9番手から一気に追い上げ、4周目には4番手まで順位を上げた。5周目、星野は田中雅己(ヤマハ)の転倒により3番手に浮上するが、深谷は中村友則(カワサキ)の先行を許し、2番手に後退した。

レース中盤、深谷は中村をピタリとマークすると、レース後半になってパッシングに成功。再びトップに立った。しかしレース終盤、またもや中村に抜かれてしまい、2番手にポジションダウン。最後まで粘りをみせた深谷だったが、そのまま2位でチェッカーを受けた。なお星野は、レース中盤に順位を1つ落としたが、5位入賞を果たした。

▼IAシュートアウト
増田は再び好スタートを決め、1周目を3番手でクリア。また深谷も、全体では8番手で、クラスでは2番手と、好位置からのレース開始となった。しかし、平田はスタートでミスし、1周目19番手からの追い上げを強いられた。2周目、深谷が転倒を喫し、13番手に後退。レース序盤、増田は前を走る田中と成田を追走した。

6周目に、増田はまず成田をパス。勢いをキープし、次周には成田を引き離して田中に迫ると、トップ浮上に成功した。すると、2周目にはこのヒートのファステストラップを叩き出し、スピードにもアドバンテージがあった増田は、一気に田中との差を拡大した。

レース後半、増田と田中の間隔は変わらなくなったが、それでも増田は数秒のアドバンテージをキープ。すると、レース終盤になって田中が後退。これで、より有利な状況となった増田は、そのまま単独走行を続けてフィニッシュ。今季初優勝を挙げた。平田は、驚異的な追い上げで6位入賞。深谷は全体の9位、IA2の3番手まで順位を回復してゴールした。

▼レディース
前戦に続き、HRF SEKI Racing MotoRoman&KBF-RSの益春菜がホールショット。オープニングラップを、益、邵洋子(スズキ)、こちらもCRF150Rを駆るTEAM HAMMERの山本泉と岸萌水、安原さや(ヤマハ)の順でクリアした。2周目、岸は安原に抜かれて5番手に後退。山本は、懸命に順位をキープしようと試みたが、4周目に安原に抜かれ、4番手に後退した。

レース序盤、益は快調な走りで、邵との差を拡大。大きなアドバンテージを築いた。レース終盤になって、邵を抜いた安原が、益へと接近したが、それでも益と安原の差は5秒以上。結局、益は9周をほぼノーミス走行でまとめ、今季4勝目を挙げた。山本は4位、岸も5位で入賞を果たした。なお、早ければ次戦で、益の全日本3連覇が決定する。

コメント

増田一将(IA1・4位/優勝)「ようやく今季初優勝を挙げることができました。夏休みは北海道で乗り込みを行いましたが、その成果も出たと思います。ヒート1は、走りそのものは悪くなかったと思うのですが、混戦の中で順位を落としてしまいました。パッシングポイントが少なく、スピードレンジが高い状況だったので、前のライダーに仕掛けると、逆に後続から攻められてしまう展開になってしまいました。しかしシュートアウトでは、ヒート1での反省点を生かして勝つことができました。具体的には、とにかく抜いたら一気に引き離し、バトルを避ける展開に持ち込もうという作戦でした。田中選手を抜いた後、2周ほどである程度のアドバンテージを確保し、レース終盤は田中選手が離れてくれたので、楽な展開になりました。この優勝を残り2戦につなげ、自分の実力をアピールできるようにがんばります」

平田優(IA1・6位/6位)「ヒート1は、せっかくスタートで上位に食い込んだのに、うまくリザルトに結びつけることができませんでした。もったいないレースをしてしまったと思います。でも、トップ争いについていくことはできていたので、スピードで負けているという感じではありませんでした。なにかいいタイミングがあれば、前に出られたと思います。シュートアウトは、スタートを完全に失敗してしまい、後ろから数えたほうが早い位置からのレースとなってしまいました。ホコリも多く、混戦がバラけてくれるまでにも時間がかかり、さらにパッシングポイントが少ないコースだったので、追い上げるのが難しく、トップグループには追いつくことができませんでした。でも、走りそのものはかなりよかったと思います。残り2大会、まずはとにかくIA1での初優勝をめざして、全力を尽くします」

福留善秀(IA1・DNF/DNS)「ヒート1は、レース序盤にトップに立つことができ、ラップタイムもかなりよかったので、いい成績につながると思って走っていました。2周目には、このヒートのファステストラップも出せました。途中でリズムを崩し、ミスが出るようになってきましたが、それでもうまく立て直しながら、上位集団でレースをすることができました。ところがラスト2周で、単独で転倒してしまいました。そしてこの時に左手を負傷してしまい、レースをリタイアしました。シュートアウトは、ケガがひどかったため、出場をあきらめました。ケガの詳しい状況は、病院に行ってしっかり検査してみないと分かりませんが、できるだけ早い復帰をめざして、最大限の努力をしていきたいと思っています」

深谷広一(IA2・2位/9位)「今季はこれまで優勝がなく、この大会では絶対に勝つつもりで、そのための準備をしてきました。シュートアウトは、IA1との混走でさすがに厳しいので、ヒート1に集中しようと考えていました。しかし結果的には、2度もトップを走りながらも、負けてしまいました。悔しくてたまりません。いま考えると、レース中盤に中村選手の様子を見るために2番手に後退した後、抜き返すタイミングが早すぎたと思います。もちろん、中村選手を引き離せるだろうと思って前に出たのですが、後続も離れていたし、レース終盤まで勝負を待ってもよかったかなとは思います。ただ、前大会から比べると、いいレースができたとは思います。次は絶対に負けないように、さらに努力してレースに臨みたいと思います」

益春菜(レディース・優勝)「実は、諸事情によりトレーニング不足で今大会に臨むことになりました。そのため決勝では、やや無難な走りという感じになってしまいましたが、優勝できてよかったです。HMJが、夏休みにこのコースで練習合宿を開催してくれたおかげもあり、勝つことができました。スポンサーのみなさん、チーム、そして応援してくれるファンのみなさんに感謝しています。次戦でチャンピオンが決まる可能性があります。安原選手が2位以下でも決まるのですが、優勝して、自力で3年連続のシリーズタイトルを手にしたいと思います」

決勝

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11成田亮ヤマハ1832:23.332
244小島庸平スズキ18+00:01.943
3331新井宏彰カワサキ18+00:05.917
42増田一将Honda18+00:09.730
54熱田孝高スズキ18+00:13.116
639平田優Honda18+00:22.330
      
85北居良樹Honda18+01:03.850
99辻健二郎Honda18+01:41.059
1215高濱龍一郎Honda17+1Lap
1635馬渕崇之Honda17+1Lap
1975山本亮平Honda14+4Laps
207福留善秀Honda16DNF

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1411中村友則カワサキ1832:26.486
241深谷広一Honda18+00:00.989
3935小島太久摩ヤマハ18+00:26.614
449三原拓也カワサキ18+00:29.997
5166星野優位Honda18+00:31.610
6122稲垣佳樹スズキ18+00:41.483
      
1259富田俊樹Honda18+01:06.694
1354黒澤良太Honda18+01:07.381
1680松下光Honda18+01:56.831
2124片倉久斗Honda17+1Lap
2205近藤祐介Honda17+1Lap
RT58杉山和起Honda6DNF

IA : シュートアウト

順位 No. クラス ライダー マシン 周回数 タイム/差
12IA1増田一将Honda1832:40.938
244IA1小島庸平スズキ18+00:08.091
36IA1田中教世カワサキ18+00:09.228
4331IA1新井宏彰カワサキ18+00:10.594
51IA1成田亮ヤマハ18+00:24.427
639IA1平田優Honda18+00:39.746
       
941IA2深谷広一Honda18+01:01.954
13166IA2星野優位Honda18+01:27.098
1659IA2富田俊樹Honda18+01:36.839
189IA1辻健二郎Honda18+01:49.951
225IA1北居良樹Honda17+1Lap
RT15IA1高濱龍一郎Honda8DNF
RT54IA2黒澤良太Honda7DNF
ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ304
2熱田孝高スズキ271
3田中教世カワサキ264
4新井宏彰カワサキ240
5小島庸平スズキ223
6増田一将Honda209
 
7平田優Honda181
9辻健二郎Honda125
11福留善秀Honda100
14芹沢直樹Honda82
15北居良樹Honda76
18高濱龍一郎Honda53
20鈴木友也Honda36
22芹沢翔悟Honda28
24松本耕太Honda20
25馬渕崇之Honda18
26納屋望Honda18
29熱田高輝Honda5
31山本亮平Honda2

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1小島太久摩ヤマハ278
2勝谷武史カワサキ258
3深谷広一Honda256
4三原拓也カワサキ195
5島崎大祐スズキ188
6星野裕カワサキ149
 
7星野優位Honda139
15富田俊樹Honda75
16黒澤良太Honda73
17杉山和起Honda69
23冨田健二Honda22
35松下光Honda5