round 4

May 30 2010
All Japan Motocross Championship Sportsland SUGO
第4戦 スポーツランドSUGO(宮城県)

IA1の平田優が両ヒートで入賞!
レディースクラスの益春菜が2大会連続優勝!

全日本モトクロス選手権第4戦は、宮城県にあるスポーツランドSUGOで開催。今大会では、全日本で初めてシュートアウト方式が採用された。IAクラスに導入されたこの新方式は、従来の決勝ヒート2を、IA1とIA2の混走にするというもの。各クラスヒート1の上位14名ずつに加えて、10分+1周で競われるラストチャンスレースの上位2名を加えた30台が、通常のヒート同様に30分+1周で競われるIAシュートアウトに出場できる。

30日土曜日昼ごろから、予想外の降雨となった今大会。それでも日曜日には天候が回復し、寒かった土曜日と比べると大幅に気温も上昇した。コースは、これまでの基本レイアウトを踏襲しつつ、ジャンプの新設やコーナーの手直しなどで細部を改良。入念なメンテナンスの結果、降雨の影響をまったく感じさせないベストコンディションで、決勝レースが開催された。

なお、今大会の直前に、口蹄疫の感染拡大を防止するため、熊本県で6月12日、13日に開催予定だった第5戦九州大会の中止が発表された。

▼IA1(450/250)ヒート1

DREAM Honda RT Hirataの平田優がホールショットを奪うが、すぐに順位を下げ、1周目を4番手でクリア。これに、DREAM Honda RT Masudaの増田一将が続く。また、DREAM Honda RT Fukudomeの福留善秀は9番手、ケガから復帰して今季初レースとなったHRF SEKI Racing MotoRoman&KBF-RSの北居良樹は11番手から、追い上げを狙った。

2周目、3番手を走行していた小島庸平(スズキ)の転倒もあって、平田が3番手、増田が4番手、福留が7番手、北居が9番手にポジションアップ。しかし、増田は予選で激しくクラッシュした影響でペースが上がらず、その後は徐々に後退。また平田も、4周目と5周目に1つずつ順位を下げた。

7周目、6番手まで順位を上げていた福留と、後方から追い上げてきた小島が接触。これにより、両者ともリタイアとなった。レース後半になると、平田はトップ4台に離されてしまい、単独の5番手を走行。また、北居と増田は順位を入れ替えた。そしてレースは18周でチェッカーとなり、平田が5位、北居が6位、増田が7位でゴールした。

▼IA2(250/125)ヒート1

T.E.SPORTの黒澤良太とHRF SEKI Racing MotoRoman&KBF-RSの深谷広一が好スタートを決め、黒澤が2番手、深谷が4番手で1周目をクリア。しかし、黒澤は2周目に3番手へと後退し、3周目には深谷も6番手までポジションダウン。深谷のチームメートの星野優位は、1周目7番手から追い上げ、5番手に浮上した。

その後、黒澤は徐々に順位を下げていく。レース時間が残り半分となった8周目の段階で、星野は4番手、深谷は7番手を走行。ここで、レース後半に強さを発揮することが多い深谷が追い上げを開始。最終的には星野もパスし、5位でフィニッシュした。その深谷を最後まで追った星野が6位、黒澤は10位でチェッカーを受けた。

  • 平田優平田優
  • 平田優平田優
  • 増田一将増田一将
  • 福留善秀福留善秀
  • 深谷広一深谷広一
  • 星野優位星野優位
  • 益春菜益春菜

▼IAシュートアウト

ヒート1で転倒した福留が右肩を負傷。ラストチャンスレースへの出走を取りやめた。シュートアウトで、平田は7番手、増田は8番手で1周目をクリア。北居は転倒を喫し、最後尾からの追い上げを強いられることになった。また、IA2の深谷は、1周目のコントロールラインを、IA2では4番手となる13番手で通過した。

3周目、8番手をキープしていた増田がスリップダウン。なんとか再スタートを切ったものの、23番手まで順位を落としてしまった。5周目、平田はIA2の小島太久摩(ヤマハ)をパスして6番手に浮上。しかし、再び転倒を喫し、さらにポジションダウン。

レース中盤、後方からの追い上げを狙っていた北居も再び転倒。これにより身体を痛めた北居は、8周を走ったところでリタイアした。また、平田は単独の6番手をキープして周回を重ねていく。そして、レースは17周で終了。成田亮(ヤマハ)、小島庸平(スズキ)、熱田孝高(スズキ)が1位から3位を占める結果となった。Honda勢は、平田が6位入賞を果たすも、増田が22位に終わった。また、深谷は全体では11位まで追い上げたが、IA2では5位となった。

▼レディース

前戦で今季初優勝を達成したHRF SEKI Racing MotoRoman&KBF-RSの益春菜は、今大会でも好調をキープ。圧倒的な速さで予選をトップ通過すると、決勝でもCRF150Rのパワーを見事に引き出してホールショットを奪い、1周目をトップでクリアした。また、同じくCRF150Rを駆るTEAM HAMMERの山本泉も、1周目3番手の好位置に着けた。

益は、レース序盤から逃げ切り態勢。3周目に入るころには、早くも2番手との差を約7秒に拡大した。そして、4周目にファステストラップを叩き出すなど、レース中盤になってもハイペースを維持。そのまま8周を走りきり、今季2勝目を挙げた。また、山本は3周目に4番手へと後退すると、そのまま4番手をキープし、4位入賞を果たした。

コメント

平田優(IA1・5位/6位) 「ヒート1は、前の4台を追いかけたかったのですが、引き離されてしまいました。シュートアウトも、自分が出せる力はすべて出しましたが、6位でした。今回は、深いワダチやギャップが非常に多い、とてもタフなコース状況でした。それに対して、自分が必要以上に構えてしまったのだと思います。シュートアウトのときに、ペースが上がって深いギャップに入った際、それほどフラれなかったことで、それに気付かされました。こういうコンディションで練習できるコースは、日本にはまずありません。シュートアウトのトップ3は、世界を経験しているライダーたちですが、その差が出たと思います。でもこれで、僕にも経験値が増えました。一歩一歩、着実に階段を上がっていきたいと思います」

北居良樹(IA1・6位/DNF) 「今季からチームを移籍したのですが、シーズンオフに股関節脱きゅうなどのケガをしてしまい、さらに復帰予定だった第3戦の前に再び激しく転倒して身体を痛めてしまい、ようやく今回、移籍後初レースを走ることができました。完全に準備不足な状態だったので、今回はレース感覚を取り戻すことを一番の目的にしました。ところがヒート1は、ライバルの転倒が重なり、6位に入賞することができました。シュートアウトは、2回目に転倒した際にまた股関節を痛めてしまい、その影響でその後のジャンプで腰をひねってしまいました。これ以上の走行は無理と判断してリタイアしました。九州大会が中止になり、1カ月ほどインターバルがあるので、少しでもライバルとの差を埋められるようにがんばります」

増田一将(IA1・7位/22位) 「朝の予選でクラッシュした影響もあって、よくないレースになってしまいました。気持ちの切り替えができなかったのが、一番の原因だと思います。ヒート1は、途中で手に力が入らなくなり、ペースアップできませんでした。シュートアウトは、序盤はそれなりによかったのですが、追い上げようと思った矢先に転倒し、そこからリズムが完全に崩れてしまい、再び転倒してしまいました。身体のダメージは多少ありますが、骨折とかではないので、次の大会までのインターバルで回復すると思います。まずはしっかり身体を治して、次のレースではいい走りができるように最善を尽くしたいと思います」

深谷広一(IA2・5位/11位) 「今回は荒れた路面に対応できず、まったくいい走りができませんでした。走りそのものは、それほど悪くなかったのですが、CRF250Rのいい部分を引き出せなかったです。とくにヒート1は、スタートもまずまずだったのに、レース前半はまるでリズムをつかめず、順位を落としてしまいました。それでも、このヒートの後半くらいから少しよくなっていたので、シュートアウトではもう少しいい走りができると感じていました。ところが、途中で転倒したこともあって、終わってみればIA2では5位でした。残念ながら、地元の九州大会は中止になってしまいましたが、今回の悔しさと九州で活躍できない悔しさを、次のレースにぶつけます」

益春菜(レディース・優勝) 「前回のレースから調子が上がってきて、連勝することができました。今回も前戦に続いてしっかりスタートを決めることができました。周回遅れが多くなってきたレース後半には、あまりラインを変えて走ることができなく、少しペースを落としましたが、それでも全体的にいい走りができたと思います。とはいえ、まだまだ改善したい点はあるので、もっと調子を上げていけるよう練習したいと思います。今こうやって好調な走りができているのも、応援してくださっているみんなやチームのおかげです。ありがとうございます」

決勝

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1331新井宏彰カワサキ1833:42.304
21成田亮ヤマハ18+00:14.298
34熱田孝高スズキ18+00:25.249
46田中教世カワサキ18+00:39.711
539平田優Honda18+01:00.359
65北居良樹Honda18+01:31.451
      
72増田一将Honda18+01:36.966
89辻健二郎Honda18+01:51.501
1430松本耕太Honda17+1Lap
1515高濱龍一郎Honda17+1Lap
1835馬渕崇之Honda16+2Laps
2120芹沢翔悟Honda13DNF
RT14芹沢直樹Honda9DNF
RT7福留善秀Honda7DNF

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11勝谷武史カワサキ1732:02.419
2935小島太久摩ヤマハ17+00:03.145
343島崎大祐スズキ17+00:23.823
449三原拓也カワサキ17+00:31.062
541深谷広一Honda17+00:36.770
6166星野優位Honda17+00:42.706
      
1054黒澤良太Honda17+01:04.511
1258杉山和起Honda17+01:12.762
2886矢野和都Honda12DNF

IA シュートアウト

順位 No. クラス ライダー マシン 周回数 タイム/差
11 IA1 成田亮ヤマハ1732:20.991
244 IA1 小島庸平スズキ17+00:02.207
34 IA1 熱田孝高スズキ17+00:02.699
46 IA1 田中教世カワサキ17+00:10.545
5331 IA1 新井宏彰カワサキ17+00:20.597
639 IA1 平田優Honda17+00:49.656
       
1141 IA2 深谷広一Honda17+01:31.461
129 IA1 辻健二郎Honda17+01:35.243
14166 IA2 星野優位Honda17+01:38.600
2154 IA2 黒澤良太Honda16+1Lap
222 IA1 増田一将Honda16+1Lap
2358 IA2 杉山和起Honda16+1Lap
2430 IA1 松本耕太Honda15+2Laps
RT5 IA1 北居良樹Honda8DNF
ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ180
2熱田孝高スズキ172
3田中教世カワサキ147
4新井宏彰カワサキ132
5平田優Honda132
6小島庸平スズキ118
 
7増田一将Honda90
8辻健二郎Honda84
10福留善秀Honda62
14芹沢直樹Honda54
16鈴木友也Honda36
17高濱龍一郎Honda25
19松本耕太Honda20
20納屋望Honda18
22北居良樹Honda15
27馬渕崇之Honda9

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1勝谷武史カワサキ163
2小島太久摩ヤマハ149
3深谷広一Honda142
4島崎大祐スズキ136
5三原拓也カワサキ110
6田中雅己ヤマハ88
 
8星野優位Honda81
15杉山和起Honda46
16黒澤良太Honda35
18富田俊樹Honda24
28冨田健二Honda8