round 3

May 16 2010
All Japan Motocross Championship Sera Greenpark Korakuen
第3戦 世羅グリーンパーク弘楽園(広島県)

IA1では平田優、IA2では深谷広一が表彰台に登壇!
レディースクラスの益春菜は今季初優勝!

広島県の世羅グリーンパーク弘楽園を舞台とした中国大会は、今年もシーズンの前半と後半に1回ずつ開催される。このうち春の大会が第3戦として行われた。土・日とも天候に恵まれ、特に日曜日は強い日差しにより気温も上昇。しかし、これらの影響で路面はかなり乾いた状態となり、散水しても効果があまり持続せず、コースには大量の土ボコリが舞うことになった。

ホコリによる視界不良から思わぬアクシデントが発生することを抑止するため、IA1・ヒート1のスタート直前には選手会からの要望により、スタート時刻を遅らせて、入念な散水作業が行われた。

随所に岩盤が埋まった非常にハードな路面と、広いコース幅を特徴とした全日本屈指のハイスピードコースは、基本的なレイアウトはこれまでとほぼ同様。ただしコーナーなどに若干の手直しが加えられ、以前よりもさらにライン選択幅が大きい設定となった。

  • 平田優平田優
  • 平田優平田優
  • 増田一将増田一将
  • 福留善秀福留善秀
  • 深谷広一深谷広一
  • 深谷広一深谷広一
  • 益春菜益春菜

▼IA1(450/250)ヒート1

DREAM Honda RT Masudaの増田一将は、スタート直後に転倒を喫し、最後尾からレースを開始。DREAM Honda RT Hirataの平田優とDREAM Honda RT Fukudomeの福留善秀は好スタートを決め、平田が2番手、福留が4番手で1周目をクリアした。しかし、平田は2周目に3番手へと後退。福留は4周目に他車と接触して転倒し、リタイアとなってしまった。

さらに、平田は5周目に田中教世(カワサキ)、7周目に新井宏彰(カワサキ)に抜かれて5番手にポジションダウン。しかし、レース中盤、小島庸平(スズキ)の後退と新井のパンクにより、再び3番手に浮上した。レース後半、トップを走っていた成田亮(ヤマハ)に、田中と平田、さらに熱田孝高(スズキ)が接近した。

そして、まず田中が成田をパス。次に平田も成田の前に出るも、すぐに再逆転を許し、逆に平田は熱田に抜かれて4番手に後退。しかし、その後、熱田に抜かれて3番手に後退した成田を平田がパスし、平田が3位でフィニッシュした。なお、増田は最後まで追い上げを続け、6位でゴールした。

▼IA1(450/250)ヒート2

ヒート1で転倒した福留は、負傷によりヒート2への出走をキャンセルした。腕を数針ほど縫い、現在のところ次戦での復帰が検討されている。レースは、増田が今度は好スタートを決め、大幅にショートカットされた設定の1周目をトップでクリア。また、平田も1周目5番手の好位置につけた。

フルコースとなった2周目、増田は2番手、平田は6番手に後退。さらに次周には、増田が3番手、平田が7番手にポジションを落としてしまった。レース序盤、トップを走る小島から7番手の平田までは、縦に長い展開。レース中盤になると平田は遅れてしまったが、増田は成田をパスし、再び2番手となった。

しかし、6台によるトップ集団の中で新井と熱田がペースを上げ、増田は4番手に後退。さらに、終盤には田中にも抜かれてしまった。しかしラスト2周となった19周目に、田中が転倒してポジションダウン。これにより増田は4位でのゴールとなった。また、平田は成田と転倒した田中を抜き、5位でフィニッシュした。

▼IA2(250/125)ヒート1

短い設定の1周目をHRF SEKI Racing MotoRoman&KBF-RSの深谷広一が5番手でクリア。フルコースとなった2周目、深谷は上田康平(スズキ)を難なくパスして4番手に浮上すると、前を走る3台を追った。そして4周目、西山翌(スズキ)を抜いた深谷は、これでまずは表彰台圏内までの順位アップを果たした。

レース中盤以降の追い上げにも定評のある深谷は、3番手浮上後は勝谷武史(カワサキ)と小島太久摩(ヤマハ)の追撃を開始。ところが、今回は思うようにペースが上がらず、逆に引き離される展開となってしまった。そして20周目にチェッカーとなったこのレースを、深谷は勝谷と小島に次ぐ3位でフィニッシュした。

▼IA2(250/125)ヒート2

深谷が再びまずまずのスタートを決め、1周目を5番手でクリア。2周目には西山を抜いて4番手、3周目には須田純(カワサキ)をパスして3番手に浮上すると、その勢いをキープして、2番手を走る小島へと迫った。そして4周目、フープスで抜群の速さを見せると、小島に代わり2番手のポジションを得た。

パッシングの際に小島と接触してしまった深谷だが、そのままレースに復帰しトップを走る勝谷へと接近。7周目には、このヒートの自己ベストタイムを記録して、逆転を試みた。しかし、レース後半になると、勝谷との差は徐々に拡大。深谷は2位でのゴールとなった。

▼レディース

V2チャンピオンとしてレースに臨みながら、今季のこれまでの2戦では勝ち星をつかめずにいたHRF SEKI Racing MotoRoman&KBF-RSの益春菜が、クラス唯一の4ストロークマシンとなるCRF150Rのパワーを最大限に生かし、ホールショットを決めた。そしてトップ争いは、序盤から益と安原さや(ヤマハ)の一騎打ちとなった。

益は安原を徐々に引き離し、レース中盤にはすでに独走態勢を築き上げた。さらに、ラスト3周となった8周目には、安原より1秒以上も速いファステストラップタイムを出し、勝負を決定的なものにした。結局、益は最後まで圧倒的な速さをキープしたままゴール。今季初優勝を果たした。

コメント

平田優(IA1・3位/5位)「ヒート1は、レース後半までトップ争いに加わることができ、優勝こそできませんでしたが、いい内容のレースだったと思います。こういうレースを重ねていけば、いつか勝てる日がくると思います。トレーニングを今後もしっかり続けていこうと、改めて誓ったレースでした。今季は、IA1にステップアップしたことに加えてシーズンオフにケガをしたため、乗り込みが足りないまま開幕を迎えてしまいました。ヒート2ではリズムに乗れずに表彰台圏内を逃しましたが、ようやくここにきて少しずついい走りができるようになってきたと思います。レースをする以上は優勝を狙っているので、その目標に届くよう、短い期間ですがトレーニングや練習をしっかりとやり、次戦に挑みたいと思います」

増田一将(IA1・6位/4位)「ヒート1は、1コーナー進入へ向けてのポジション争いの結果、思ったよりもアウト側にふくらんでしまい、スリップダウンしてしまいました。その後、特にレース序盤は前走車のホコリがひどく、追い抜くのが難しかったです。そういったことも考えれば、まずまずの位置まで追い上げられたと思います。ヒート2は、スタートも決まり、序盤からいいペースで走れました。レース中盤、後ろからきた新井選手が速く、これで自分のリズムが崩れてしまったのが、残念でした。でも、開幕戦や第2戦に比べれば、だいぶんいいレースができるようになってきました。今季は開幕前からずっとケガ続きで乗り込みが不足し、苦戦してはいますが、ここから徐々に調子を上げていけると思います」

深谷広一(IA2・3位/2位)「ヒート1は体力が足りず、前の2台に引き離されてしまいました。レース序盤にもっと攻めていれば、気持ちも乗ってきたと思うので、作戦的にも失敗だったと思います。その点でヒート2は、序盤から攻めの走りができました。故意でないとはいえ、途中で小島(太)選手とぶつかってしまったのは申し訳なかったです。その後、勝谷選手を追ったのですが、後半には少しずつ離されてしまったので、もっとスタミナもスピードも必要だと感じました。また、今回のレースでCRF250Rは硬い路面との相性が非常にいいと再認識しました。次戦、まずは今季初優勝を目指してがんばりたいと思います」

益春菜(レディース・優勝)「ようやく勝つことができました。これも応援してくれているみんなのおかげだと思います。ありがとうございました。開幕戦と第2戦が、あまりに悪い内容だったので、忘れて、吹っ切れた走りをしようと思っていました。2戦目までの結果に落ち込む私を見かねて、佐藤健二チーム監督が近場での練習にも付き合ってくれたのですが、その特訓の成果も出たと思います。最後までペースを落とすことなく走りきり、レース内容もとてもよかったので、この感じをキープし、次戦以降も優勝を狙っていきたいと思います」

決勝

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
16田中教世カワサキ2033:17.749
24熱田孝高スズキ20+00:02.004
339平田優Honda20+00:14.352
41成田亮ヤマハ20+00:26.485
544小島庸平スズキ20+00:45.257
62増田一将Honda20+00:50.860
 
89辻健二郎Honda20+01:19.288
1026納屋望Honda20+01:28.866
1114芹沢直樹Honda20+01:29.960
1515高濱龍一郎Honda19+1Lap
1935馬渕崇之Honda19+1Lap
RT7福留善秀Honda4DNF

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1331新井宏彰カワサキ2033:18.646
24熱田孝高スズキ20+00:11.357
344小島庸平スズキ20+00:15.066
42増田一将Honda20+00:17.962
539平田優Honda20+00:45.856
61成田亮ヤマハ20+01:00.313
 
89辻健二郎Honda20+01:17.505
1214芹沢直樹Honda19+1Lap
1426納屋望Honda19+1Lap
1615高濱龍一郎Honda19+1Lap
1935馬渕崇之Honda19+1Lap

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11勝谷武史カワサキ2033:01.469
2935小島太久摩ヤマハ20+00:04.047
341深谷広一Honda20+00:30.166
449三原拓也カワサキ20+00:35.750
5444星野裕カワサキ20+00:36.106
653田中雅己ヤマハ20+00:48.518
 
11166星野優位Honda20+01:05.860
1258杉山和起Honda20+01:12.479
2780松下光Honda19+1Lap
RT81矢野昇平Honda11DNF
RT54黒澤良太Honda9DNF

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11勝谷武史カワサキ2033:18.327
241深谷広一Honda20+00:08.068
3935小島太久摩ヤマハ20+00:15.805
443島崎大祐スズキ20+00:17.656
5444星野裕カワサキ20+00:25.757
6555加藤吏一カワサキ20+00:37.814
 
11166星野優位Honda20+00:55.434
2058杉山和起Honda19+1Lap
2280松下光Honda19+1Lap
2724片倉久斗Honda19+1Lap
2854黒澤良太Honda19+1Lap
RT81矢野昇平Honda10DNF
ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ133
2熱田孝高スズキ132
3田中教世カワサキ111
4平田優Honda101
5小島庸平スズキ96
6新井宏彰カワサキ91
 
7増田一将Honda76
9辻健二郎Honda62
10福留善秀Honda62
11芹沢直樹Honda54
15鈴木友也Honda36
18高濱龍一郎Honda19
19 納屋望 Honda 18
21松本耕太Honda13
26馬渕崇之Honda6
28山本亮平Honda0

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1勝谷武史カワサキ125
2深谷広一Honda116
3小島太久摩ヤマハ113
4三原拓也カワサキ81
5星野裕カワサキ76
6田中雅己ヤマハ75
 
10星野優位Honda59
15杉山和起Honda37
18黒澤良太Honda24
19富田俊樹Honda24
29冨田健二Honda8
35松下光Honda0
36近藤祐介Honda0
41片倉久斗Honda0
42矢野昇平Honda0