IA1の福留善秀がヒート2で3位表彰台!
IA2では深谷広一が両ヒートで2位入賞!

2009年5月16日(土)・17日(日)
決勝
会場:グリーンパーク弘楽園
天候:雨ときどき曇り
気温:19℃
コースコンディション:ウエット/マディ
観客:1万1000人

全日本モトクロス選手権第4戦は、春と秋の年2回開催が通例となっている中国大会。コースは春、秋ともに、広島県の東部にあるグリーンパーク弘楽園が使用される。ここは、ハードな路面に、広いコース幅を確保してレイアウトを施した、全日本モトクロス選手権屈指のハイスピードコース。テクニカルなジャンプも随所に設けられていて、毎回見ごたえのあるレースが展開される。

天候は、予選が行われた土曜日は曇りで、ときどき弱い雨が降る状況。決勝が開催された日曜日はさらに悪く、朝の練習走行中に降り出した雨は時折り強くなり、風も吹き荒れるあいにくのコンディションとなった。これにより決勝のコースは、徐々にマディ状態になっていった。

▼IA1(450/250)ヒート1

トップと1ポイント差のランキング2位で今大会を迎えたDREAM Honda RT Masudaの増田一将は、田中教世(カワサキ)、熱田孝高(スズキ)、成田亮(ヤマハ)に次ぐ4番手で1周目をクリア。さらにその後方には、DREAM Honda RT Fukudomeの福留善秀が続いた。

しかし2周目に、増田は6番手に後退。トップには成田が立ち、これを熱田、田中、福留、新井宏彰(カワサキ)が追った。さらに次周には田中が後退。以降、熱田、福留、新井の3台は、接近戦を繰り広げながら成田を追った。一方の増田は、4周目に8番手まで後退した。

6周目、福留は2番手に浮上。逃げ切りを図っていた成田を追った。ところが9周目、熱田とバトルを展開していた福留が、まさかの転倒。すぐさま再スタートを切ったが、福留は次周にも再び転倒を喫し、最終的には15位でゴールとなった。また増田は、18周のレースを7位でフィニッシュした。

▼IA1(450/250)ヒート2

ホールショットを奪った福留が、そのまま1周目をトップでクリア。これに成田、熱田、北居良樹(スズキ)、溝口哲也(カワサキ)、DREAM Honda RT Ogataの小方誠、増田が続いた。2周目、福留は成田と熱田に抜かれ、3番手までポジションダウン。北居と溝口、小方と増田は、それぞれ順位を入れ替えた。

レース序盤、ヒート1で負傷した福留は、トップの2台には離されてしまったが、懸命に順位をキープ。後方では、徐々にリズムをつかんだ増田が北居をパス。その際に接触があり、北居が転倒し、小方も順位を上げると、2台は前を走る溝口との差を縮めていった。

レース中盤、増田は溝口をパスして4番手に浮上。そのまま今度は福留との差を縮め、終盤には福留と増田の差はわずか数秒となった。さらに成田がマシントラブルによりペースを落としたため、最終ラップには3台が接近。しかし順位変動までは至らず、福留が3位、増田が4位、溝口をパスした小方が5位に入賞した。

▼IA2(250/125)ヒート1

スタート直後、ランキングトップで今大会を迎えたDREAM Honda RT Hirataの平田優が転倒。平田は、ほぼ最後尾からレースをスタートすることになった。一方、ランキング3位で迎えたSEKI Racing MotoRoman&KBF-RSの深谷広一は好スタートを決め、1周目を3番手でクリアした。レース序盤、6台ほどで形成されたトップ集団では、激しい順位争いが展開された。

この中で深谷も順位を上下させながら奮闘。レース中盤には一時5番手に落ち着き、上位陣からは差を広げられつつあったものの、終盤に再び差を詰め、接近戦を演じていた2〜4番手のライダーを次々にパス。惜しくもトップには届かなかったが2位入賞を果たした。なお平田は8位まで追い上げてゴールした。

▼IA2(250/125)ヒート2

深谷と同じチームに所属する星野優位が1周目をトップでクリア。深谷も好スタートを決めると、2周目に2台をパスして2番手にポジションアップ。Hondaが序盤で1-2態勢を築いた。3周目、深谷が星野を抜いてトップに浮上。その後、星野は徐々に順位を下げたが、深谷は首位の座をキープし続けた。

ところが、レース時間が残り10分強となった11周目、攻めの走りを続けていた深谷が転倒を喫し、すぐに再スタートしたものの、2番手に後退。そのままの順位を守り、再び2位表彰台に登壇した。また平田は2周目に転倒し、ヒート1に続いて苦しい展開となった。それでも15番手付近から追い上げを続け、5位でチェッカーを受けた。

▼レディース

SEKI Racing MotoRoman & KBF-RSの益春菜がホールショットを奪うが、すぐに安原さや(ヤマハ)に抜かれ2番手に後退。これにHonda DREAM RT 垂水の山本泉が続いた。3周目、益がフープスで転倒して5番手まで後退。これで山本は2番手に浮上するもペースが上がらず、2台に追われる苦しい展開となった。しかし、3番手に後退しかけたことで山本のペースが上がり、逆にレース終盤にはトップの安原に接近。逆転には至らなかったが、山本は2位表彰台に上がった。

コメント

増田一将(IA1・7位/4位)

「今回は予選からなぜか乗れていなくて、決勝も悪い流れを引きずったままのレースとなってしまいました。ヒート1は、前のライダーがはね上げた泥にジャマされるなどして順位を落とし、後半になって前との差を縮めたのですが、結局は詰めきれぬままレースが終了。ヒート2は、コンディションが悪くラインが少ない中でも何台かを抜いて、最後までペースも落ちることなく前に詰め寄ったのですが、表彰台には届きませんでした。もうちょっと序盤から、ポンポンと前に出られれば、表彰台にも届いたと思いますが、調子が悪い状態で4位まで上がれただけでもよかったのかもしれません。スタートとレース運びでなんとかごまかしたという感じだと思います。たまにはこんなときもあります。それでも総合成績は3位なので救われました。次からまたいい成績が出せるよう、トライしていきます」

小方誠(IA1・8位/5位)

「ヒート1は、スタートであまり前のほうに出られず、10番手くらいからのレースでした。難しい路面コンディションでペースが上がらず、ムリをするとすぐ転倒してしまいそうな状況だったので、確実に結果を残す走りに切り換えました。ヒート2は、ヒート1よりはスタートもよく、増田選手に抜かれた後も、離されることなく走っていました。でも、増田選手が4番手のライダーを抜き、僕も続こうと思ったら意外とパスするのに手間取ってしまい、増田選手にも逃げられてしまいました。このバトルで捨てレンズを使い果たし、ゴーグルを外してしまったので、その後はペースが上げられませんでした。少し悔やまれるレースだったと思います。ただ、今大会も転倒なく終われたのは、よかったと思います。次の大会まで少し時間が空くので、しっかり準備をして、より上の順位を目指したいと思います」

福留善秀(IA1・15位/3位)

「ヒート1はちょっとあせりすぎました。終わってから冷静に考えれば、トップ争いをしていた2名のライバルは、いずれもケガからの復帰レースだったので、じっくり待てばチャンスはあったと思います。ところが実際には、その前の2周くらいにミスを連発して熱田選手に追いつかれ、ラインが交錯した際に熱田選手と接触し、転倒してしまいました。しかもその際にヒザを痛め、思った以上に踏ん張れず、次周にも転倒しました。そこでヒート2は、ヒザにテーピングをして臨みましたが、後半はキツかったです。それでもしぶとく走って、最後に成田選手を抜けなかったのが残念ですが、今後につながる走りができたとは思います。いい成績は残せませんでしたが、ヒート1の走りもよかったですし、悩んでいたバイクのセッティングも方向性が見えてきたので、あとは攻めの走りでトップを狙っていくだけです」

深谷広一(IA2・2位/2位)

「ヒート1は、序盤から腕上がりの症状が出て、中盤まではペースがいまひとつでした。でも粘りの走りをしていたら、雨が降ってきて、前3台のペースが落ちてきました。接戦で相手も疲れているはずだし、ゴーグルを外しているライダーが多かったので、一気にパスしてしまえば追ってこられないだろうと思い、がんばりました。ヒート2は、攻めの走りができていたのですが、転倒してしまいました。ただ、走りはよかったと思うし、転んだときもエンジンを止めずにすぐ再スタートすることができ、結果的には2位になれたので、よかったと思います。今シーズンは開幕から調子がいいのですが、まだヒート優勝がありません。今回は達成できませんでしたが、次戦以降で優勝できるよう、狙っていきます」

山本泉(レディース・2位)

「応援ありがとうございました。レース中盤、少し疲れてしまってペースが落ち、3番手に後退しそうになりました。でも今回は、遠方から会場に来てくれている知人がいて、その人たちにカッコ悪い姿は見せられないと思い、力を振り絞りました。とはいえ優勝できたわけではないので悔しさもあります。スタートはまずまずでしたが、もっと前に出られていたら展開も違ったと思います。残りのレースで優勝できるようがんばります」

決勝リザルト

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11成田亮ヤマハ1832:16.496
2331新井宏彰カワサキ18+00:03.439
36北居良樹スズキ18+00:13.186
49熱田孝高スズキ18+00:26.588
55田中教世カワサキ18+00:30.500
615釘村太一ヤマハ18+00:34.466
73増田一将Honda18+00:37.163
88小方誠Honda18+00:59.233
913辻健二郎Honda18+01:14.641
1125納屋望Honda18+01:26.655
1220高濱龍一郎Honda18+01:31.036
1324芹沢直樹Honda18+01:32.569
1510福留善秀Honda18+01:36.639
1703筒井卓也Honda17+1Lap
2477馬渕崇之Honda16+2Laps

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
19熱田孝高スズキ1732:41.132
21成田亮ヤマハ17+00:19.416
310福留善秀Honda17+00:21.017
43増田一将Honda17+00:22.421
58小方誠Honda17+00:37.149
622小川裕紀カワサキ17+00:40.731
1020高濱龍一郎Honda17+01:09.943
1113辻健二郎Honda17+01:23.037
1225納屋望Honda17+01:28.180
1524芹沢直樹Honda16+1Lap
1977馬渕崇之Honda15+2Laps
2003筒井卓也Honda15+2Laps

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11勝谷武史カワサキ1933:00.520
239深谷広一Honda19+00:03.751
3935小島太久摩ヤマハ19+00:09.349
440井上眞一カワサキ19+00:10.820
541星野裕スズキ19+00:12.485
653島崎大祐スズキ19+00:13.699
836平田優Honda19+00:26.403
1870冨田健二Honda19+01:21.998
1964杉山和起Honda19+01:23.447
2047富田俊樹Honda19+01:28.193
2169芹沢翔悟Honda19+01:36.992
2267黒澤良太Honda19+01:39.581
2362出口隼飛Honda19+01:47.698
2842星野優位Honda18+1Lap

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11勝谷武史カワサキ1732:54.334
239深谷広一Honda17+00:14.119
340井上眞一カワサキ17+00:23.045
4122稲垣佳樹スズキ17+00:41.668
536平田優Honda17+00:50.132
653島崎大祐スズキ17+00:54.917
1367黒澤良太Honda17+02:01.460
1847富田俊樹Honda16+1Lap
1969芹沢翔悟Honda16+1Lap
2142星野優位Honda16+1Lap
2670冨田健二Honda16+1Lap
2864杉山和起Honda16+1Lap
3062出口隼飛Honda13+4Laps

ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 熱田孝高 スズキ 160
2 増田一将 Honda 148
3 新井宏彰 カワサキ 143
4 北居良樹 スズキ 136
5 成田亮 ヤマハ 132
6 小方誠 Honda 119
8 福留善秀 Honda 110
9 辻健二郎 Honda 85
11 高濱龍一郎 Honda 70
12 芹沢直樹 Honda 58
14 筒井卓也 Honda 39
17 出口隼飛 Honda 25
20 片倉久斗 Honda 22
21 鈴木友也 Honda 20
22 松本耕太 Honda 20
23 納屋望 Honda 19
30 馬渕崇之 Honda 2

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 勝谷武史 カワサキ 157
2 平田優 Honda 156
3 深谷広一 Honda 156
4 小島太久摩 ヤマハ 132
5 中村友則 カワサキ 119
6 井上眞一 カワサキ 112
14 出口隼飛 Honda 40
15 黒澤良太 Honda 35
20 星野優位 Honda 25
21 杉山和起 Honda 25
26 冨田健二 Honda 14
27 富田俊樹 Honda 13
34 芹沢翔悟 Honda 2