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リザルト ポイント
第8戦 近畿・名阪スポーツランド 第8戦 近畿・名阪スポーツランドview

ヒート1で増田一将、ヒート2で熱田孝高が優勝!
TEAM HRCがIA1クラス両ヒート制覇!

2008年9月7日(日)
決勝
会場:奈良県・名阪スポーツランド
天候:晴れ時々曇り一時雨
気温:28℃
コースコンディション:ドライ
観客:1万2122人

約1カ月半のサマーブレイクも終わり、いよいよシーズン終盤を迎えた今季の全日本モトクロス選手権シリーズ。残り3戦のうち最初の大会となった第8戦近畿大会が、今季開幕戦と同じコース、奈良県の名阪スポーツランドで開催された。

金曜日夕方に激しい雨が降り、練習走行と予選が行われた土曜日は、かなり軟らかい路面コンディション。しかし、サンド質の路面を持つこのコースは水はけが非常によく、日曜日の決勝レースまでにはベストコンディションへと回復した。また、日曜日は朝から気温が上昇。各クラスともタフなレースとなった。

HondaファクトリーチームのTEAM HRCからは、IA1に増田一将と熱田孝高がエントリー。しかし、IA2クラスのポイントリーダーとなっている平田優は、今大会前の練習走行で負傷し、欠場となってしまった。また、HondaがサポートするTeam BAS with ITOMOからは、福留善秀がIA1に参戦した。

▼IA1(450/250)ヒート1
ホールショットの小島庸平(スズキ)を、福留、増田、熱田のHonda勢がピタリとマークしてレースがスタート。3周目、熱田は成田亮(ヤマハ)に抜かれて5番手に後退してしまったが、福留はこのヒートの最速ラップタイムを叩き出し、小島に肉迫した。しかし抜くには至らず。7周目には増田がこの福留をパスした。

2番手に浮上した増田は、勢いをキープして小島に接近。そして13周目に、満を持して小島をパスすると一気に引き離した。レース終盤、増田が単独走行を続ける一方で、小島に福留と成田が追いつき、2番手争いは3台による接近戦に発展。そして16周目、成田、福留、小島の順へと変動した。

ラスト3周となった17周目には、熱田も小島に追いつき、難なくこれをパス。さらに熱田は、3番手の福留に迫った。ところが次周、福留と熱田が接触し、両者とも転倒。これにより福留はリタイアとなり、熱田は小島に抜かれてしまった。そしてレースは19周でチェッカー。最後まで安定した走りをみせた増田が今季2勝目を挙げ、熱田は4位でフィニッシュした。

▼IA1(450/250)ヒート2
決勝ヒート2は再び小島のホールショット。この小島に熱田が続いた。しかし、ヒート1優勝の増田は、スタート直後の1コーナーで他車と接触して転倒。すぐに再スタートを切ったものの、大きく遅れてしまった。それでも増田は、1周目を15番手でクリア。さらに2周目には10番手、3周目には8番手に順位を上げた。

一方、好スタートを切った熱田は、レース序盤から積極的な走りを披露すると、5周目には小島を抜きトップに浮上。次周には、このヒートの自己ベストタイムを出して、すぐさま小島を引き離し、その後は徐々に独走態勢を築き上げた。また増田も、5周目に7番手、6周目には6番手までポジションをアップした。

ところが増田は、10周目のジャンプで転倒。短時間のロスで再スタートしたが、この際に手を負傷したため、最終的には9位でゴールとなった。その一方で熱田は、堅実な走りを続け、19周のレースをトップでフィニッシュ。ケガからの完全復活をアピールする、今季初優勝を達成した。なお福留は、ヒート1で負傷して病院へと搬送され、このヒート2は欠場となった。

▼IA2(250/125)ヒート1
ホールショットの三原拓也(カワサキ)に、小島太久摩(ヤマハ)、池谷優太(スズキ)、勝谷武史(カワサキ)らが続いてレースがスタート。Honda勢では、予選2番手から決勝に臨んだSEKI Racing MotoRomanの星野優位はスタートで大きく出遅れてしまったが、チームメートの深谷広一が1周目6番手と好位置につけた。

レース序盤、トップグループは池谷を先頭に混戦模様となった。この中、深谷は2周目に5番手、9周目には4番手に浮上。しかし10周目と13周目に順位を下げ、6位でゴールとなった。レースは、いずれもレース後半に混戦から抜け出した勝谷、星野裕(スズキ)、渡辺学(ヤマハ)の順でチェッカー。途中で転倒した星野(優)は27位に終わった。

▼IA2(250/125)ヒート2
ヒート1に続きホールショットを奪った三原を、1周目に勝谷がパス。以下、小島、渡辺、池谷、平塚雅樹(カワサキ)、深谷の順でオープニングラップをクリアした。2周目、深谷は平塚をパスして6番手に浮上。さらに、4周目には池谷の後退で5番手、5周目には渡辺をパスして4番手、6周目には小島をパスして3番手と、一気に順位を上げた。

さらにその後も、深谷は追い上げを続け、レース後半の13周目には、ついに三原を抜いて2番手に浮上。レース序盤から逃げきりを図っていた勝谷を追った。そしてレース終盤、深谷は勝谷に接近した。しかしここでタイムオーバーとなり、深谷は勝谷と約3秒差の2位でゴール。第5戦ヒート2以来となる、今季3度目の表彰台に上がった。

コメント

熱田孝高(IA1・4位/優勝)

「ヒート1は、レース序盤にペースがつかみきれず、上位4台に引き離されてしまいました。後半になってからはリズムに乗れてよかったのですが、ラスト2周のフープスで、福留選手と絡んでお互い転倒してしまいました。彼がちょっと横に振られたところに、僕が接触したような状況です。福留選手がケガしてしまったので、申し訳ないことをしたと思っています。ヒート2は、さらにスタートが決まり、1周目2番手からレースができました。このヒートは、最初から身体も動いて、簡単に小島選手をパスすることができました。ただその後は、久しぶりにトップを走ったので硬くなってしまい、攻めの走りができませんでした。それでも、優勝できたのでよかったと思います。やっと1勝できたので、残り4ヒートはガンガンに攻めていきます」

増田一将(IA1・優勝/9位)

「ヒート1は、序盤からうまく走れていました。安全確実にパスしようと、車速が落ちるコーナーで狙い通りに小島選手を抜いてから、すぐにマージンを作れたので、成田選手やほかのライダーが追ってきても、レース終盤は楽ができると思いました。ヒート2は、スタート直後の1コーナーで誰かと接触してしまいました。エンジンはかかったままだったので、すぐに再スタートできましたが、これで大きく遅れてしまいました。それでも、序盤は追い上げのペースもよかったのですが、ラインを変えて跳んだジャンプで横を向いたまま着地して転び、その際に指を痛めてしまいました。その後は、レースを走りきることに専念しました。ケガの状態は、明日病院に行ってからでないと分かりませんが、次のレースまでに最善を尽くします」

深谷広一(IA2・6位/2位)

「ヒート1は、混戦の中でのレースになって、後半が勝負だと思っていたのですが、自分が先に疲れてしまい、腕上がりで思うように追い上げることができませんでした。ヒート2も、スタートはベストではなかったのですが、このレースは序盤から順調に、前を走るライバルを抜き、レース後半になっても追い上げを続けることができました。ただ、残り5分くらいまでの間に勝谷選手に追いつければ、面白い展開になったと思うので、少し残念です。第6戦と第7戦は、どちらも片方のヒートで大きく順位を落としていたので、そういった意味では、今回の結果はよかったと思います。残り2戦も全力でがんばります」

渡部誠多|TEAM HRC 監督

「IA1では、まずヒート1で増田が優勝することができました。増田は前戦から好調で、このインターバルでもさらに乗り込みをし、非常によいコンディションでした。本人もさらなる自信につながったと思います。ヒート2は、スタート直後からアンラッキーでしたが、その後の追い上げはよかったと思います。レース中盤にミスを犯してしまい、好成績を収めることができなかったのが残念です。

しかしそういった状況をカバーするかのように、ヒート2では熱田が優勝しました。チーム構成としては、理想的な結果だったと思っています。熱田はヒート1で、序盤のペースがつかめず苦労しましたが、逆にこれで身体が動かせたことでヒート2は優勝できたので、結果的にはよかったと思っています。

IA1クラスのタイトル獲得は厳しい状況ですが、最後まであきらめることなく、残り4ヒートをすべて勝つという目標を掲げ、全力で勝負していきたいと思います。

またIA2の平田は、練習中に左手を骨折し、今回は欠場となりました。しかし、手術も成功し、すでにリハビリ段階に入っています。またポイントランキングでも依然としてトップですし、次の中国大会で復帰できればと考えております。

最後になりましたが、HRCがレースで培った技術をフィードバックした市販モトクロッサー、CRFシリーズの'09モデルが発表となりました。全日本選手権でも結果を出しているCRFシリーズの新型を楽しみにしていてください」

決勝リザルト

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 4 増田一将 Honda 19 32:38.632
2 1 成田亮 ヤマハ 19 +00:14.399
3 44 小島庸平 スズキ 19 +00:34.897
4 712 熱田孝高 Honda 19 +00:42.749
5 13 田中教世 カワサキ 19 +00:55.444
6 5 北居良樹 スズキ 19 +00:59.692
8 11 小方誠 Honda 19 +01:00.441
12 8 高濱龍一郎 Honda 19 +01:38.948
14 25 鈴木友也 Honda 18 +1Lap
18 52 辻健二郎 Honda 18 +1Lap
19 18 芹沢直樹 Honda 18 +1Lap
21 30 片倉久斗 Honda 17 +2Laps
26 952 福留善秀 Honda 17 DNF
RT 93 太田幸仁 Honda 9 DNF

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 712 熱田孝高 Honda 19 33:02.366
2 1 成田亮 ヤマハ 19 +00:11.826
3 44 小島庸平 スズキ 19 +00:20.896
4 121 釘村忠 ヤマハ 19 +00:21.003
5 13 田中教世 カワサキ 19 +00:31.894
6 11 小方誠 Honda 19 +00:43.567
9 4 増田一将 Honda 19 +01:15.249
11 52 辻健二郎 Honda 19 +01:33.758
14 18 芹沢直樹 Honda 18 +1Lap
15 25 鈴木友也 Honda 18 +1Lap
18 30 片倉久斗 Honda 18 +1Lap
23 93 太田幸仁 Honda 17 +2Laps
RT 8 高濱龍一郎 Honda 7 DNF

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 111 勝谷武史 カワサキ 19 33:18.341
2 444 星野裕 スズキ 19 +00:01.008
3 103 渡辺学 ヤマハ 19 +00:05.394
4 47 池谷優太 スズキ 19 +00:11.154
5 935 小島太久摩 ヤマハ 19 +00:17.272
6 42 深谷広一 Honda 19 +00:17.536
17 68 黒澤良太 Honda 19 +01:34.395
20 24 杉山和起 Honda 18 +1Lap
22 03 出口隼飛 Honda 18 +1Lap
26 59 富田俊樹 Honda 17 +2Laps
27 50 星野優位 Honda 17 +2Laps
28 08 飯沼泰裕 Honda 17 +2Laps
RT 69 芹沢翔悟 Honda 9 DNF

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 111 勝谷武史 カワサキ 19 33:05.033
2 42 深谷広一 Honda 19 +00:03.409
3 103 渡辺学 ヤマハ 19 +00:05.951
4 49 三原拓也 カワサキ 19 +00:18.061
5 935 小島太久摩 ヤマハ 19 +00:40.888
6 444 星野裕 スズキ 19 +00:43.796
11 59 富田俊樹 Honda 19 +01:05.194
15 68 黒澤良太 Honda 19 +01:16.093
16 24 杉山和起 Honda 19 +01:17.662
18 03 出口隼飛 Honda 18 +1Lap
24 50 星野優位 Honda 17 +2Laps
RT 69 芹沢翔悟 Honda 12 DNF
RT 08 飯沼泰裕 Honda 5 DNF

ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ326
2小島庸平スズキ296
3増田一将Honda272
4田中教世カワサキ244
5新井宏彰カワサキ241
6北居良樹スズキ209
7福留善秀Honda190
9小方誠Honda166
13辻健二郎Honda122
16熱田孝高Honda112
18鈴木友也Honda79
19高濱龍一郎Honda57
23芹沢直樹Honda42
24納屋望Honda23
25片平竜英Honda22
26片倉久斗Honda19
33太田幸仁Honda1

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1平田優Honda317
2勝谷武史カワサキ310
3小島太久摩ヤマハ257
4深谷広一Honda230
5 井上眞一 カワサキ 230
6渡辺学ヤマハ228
10星野優位Honda138
16富田俊樹Honda94
29出口隼飛Honda18
32黒澤良太Honda16
33杉山和起Honda12
35芹沢翔悟Honda6

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