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リザルト ポイント
第7戦 藤沢スポーツランド 第7戦 藤沢スポーツランドview

増田一将がIA1で今季初の総合ウイン!
ヒート2は福留善秀がIA1初優勝
IA2では平田優がパーフェクトウイン!

2008年7月20日(日)
決勝
会場:岩手県・藤沢スポーツランド
天候:曇り
気温:28℃
コースコンディション:ドライ
観客:8000人

夏休み前最後の一戦となる、全日本モトクロス選手権第7戦が、岩手県南部の藤沢スポーツランドで行われた。毎年7月中旬に開催されるこの東北大会は、雨か猛暑となることがほとんど。今年は土曜日は強い日差しが照りつける暑い一日となったが、日曜日は曇り空で、前日ほど気温は上昇しなかった。また、サンド系のコースは、今大会に合わせて一部レイアウトが変更された。

今大会も、HondaファクトリーチームのTEAM HRCからは、IA1に増田一将と熱田孝高、IA2に平田優が出場。またHondaがサポートするTeam BAS with ITOMOからは、福留善秀がIA1に参戦した。IA1では福留、IA2では平田が予選トップ通過を果たした。

▼IA1(450/250)ヒート1
小島庸平(スズキ)に続き、溝口哲也(カワサキ)、増田、新井宏彰(カワサキ)、福留の順で1周目をクリアした。熱田は、スタート直後に転倒し、トップから30秒近く遅れ、20番手からの追い上げを強いられることになった。2周目、溝口の後退により増田が2番手、福留が4番手に浮上。さらに3周目には、福留が新井をパスして3番手にポジションアップ。2名のHondaライダーが、ペースの上がらない小島を追った。

レース中盤には3台によるトップ争いが接近戦となった。ところが12周目に、3番手の福留が痛恨の転倒。レースに復帰はできたものの、5番手へと順位を落としてしまった。一方の増田は、冷静に小島の走りをチェック。13周目に満を持してトップに立つと、そのまま小島を突き放し、今季初優勝を達成した。福留は一時7番手まで順位を下げたが、最終的にはデッドヒートとなった5番手争いを制し、5位でフィニッシュ。熱田は驚異的な追い上げを見せ、8位でゴールした。

▼IA1(450/250)ヒート2
ホールショットの田中教世(カワサキ)をすぐさま小島がパスし、小島、田中、増田、新井、小方誠(Honda)、加賀真一(スズキ)、福留の順で1周目をクリアした。熱田はスタート直後の1コーナーで激しく転倒。何とか再スタートは切れたものの、身体にダメージを抱えた状態で走行することになった。

3周目、田中がマシントラブルにより後退。福留はこの周に2台をパスし、4周目にはトップから小島、増田、新井、福留というオーダーになった。この上位の接近戦を経て、10周目には増田がトップ、13周目には福留が2番手に浮上し、Honda同士の一騎打ちへと突入してゆく。

終盤14周目には福留がリーダーとなったが、増田もあきらめず次周には再び首位に返り咲く。しかし、福留がラスト2周となった16周目に再逆転。最後は福留がそのまま逃げきり、このクラスでの自身初優勝を達成した。増田は2位でゴールし、今季初の総合優勝を獲得。熱田は18位で完走した。

▼IA2(250/125)ヒート1
平田は、オープニングラップを2番手でクリア。2周目前半に斉木達也(ヤマハ)をパスしてトップに浮上すると、早くもスパートをかけてこの周にファステストラップを記録。さらに3周目以降もハイペースを維持して、平田は中盤7周目あたりまでにレースを掌握する。平田はその後も危なげなく逃げきり、今季6勝目を挙げた。

また、予選2番手だったSEKI Racing MotoRomanの深谷広一(Honda)は、1周目7番手と少し出遅れたが、トップ3を猛追し、4位入賞を果たした。深谷のチームメートで予選3番手だった星野優位も1周目11番手から追い上げて5位でゴールした。

▼IA2(250/125)ヒート2
ヒート1に続き、平田は1周目2番手の好位置からレースをスタート。3周目には、CRF250Rのパワーも生かしつつ、上りストレートでトップの伊藤正憲(ヤマハ)に並ぶと、その先のセクションで難なく伊藤をパスした。平田は5周目には、2番手以下よりも1秒以上速い、このヒートの最速ラップタイムを叩き出し、早くも独走態勢を築き上げる。

早々にアドバンテージを得た平田は、最終的には2位を15秒以上も引き離し、第2戦以来となる今季2度目の両ヒート優勝を達成。これにより平田は、前大会ヒート2からの連勝記録を、「3」に伸ばした。

コメント

増田一将(IA1・優勝/2位)

「ヒート1は、かなり思い通りの展開に持ち込むことができました。レース後半まで、小島選手の後ろで自分のペースを守って走り、抜いてからは一気に差を広げることもできたので、非常によかったと思います。ヒート2も同じような展開になったので、このレースも勝てるかと思いましたが、最後は福留選手にやられてしまいました。ラスト数周で逆転されたし、ピンピン(両ヒート優勝)もとりたかったので、もちろん悔しいですけど、この大会では予選から福留選手のペースが速かったので、まあ仕方ないと思います。今シーズンのこれまでを考えれば上出来なレースでしたし、自分が思ったような展開で走れたし、両ヒート総合成績でも勝つことができたので。なにより、これで変にハマらずに夏休みのテストを迎えられるというのが大きいと思います」

福留善秀(IA1・5位/優勝)

「自分の誕生日にIA1初優勝を達成できたのでうれしいです。ただし、ヒート1で勝てるレースを落としてしまい、ピンピンをとれなかった悔しさのほうが大きいです。ヒート1は、最初からすごくいいペースで走れていて、小島選手と増田選手の後ろでしばらく様子を見て、終盤に勝負をかけようと思っていたら、周回後れに行く手を阻まれて転倒してしまいました。転倒そのものは自分のミスです。とにかく悔しくて、実はパドックに戻ってからもその思いはなかなか消えなかったのですが、なんとか次のレースに向け気持ちを入れ替えられました。ヒート2はスタートがヒート1より悪かったのですが、うまく追い上げられました。最初に増田選手を抜いたあと、ひと息ついていたら再逆転されてしまいました。最後は気力で勝ちました」

熱田孝高(IA1・8位/18位)

「スタートが今季の課題だったのですが、チームとスタッフのおかげもあって、今回までに大分改善されました。ヒート1は、スタート直後に5、6番手くらいを走っていて、自分にしてはよいと思っていたら、1周目に転倒してしまいました。その際にハンドルを曲げてしまったこともあり、その後はペースが上がらず、それでもなんとか追い上げて8位でゴールしました。あと1周あれば、5位くらいまで狙えそうだったのですが、時間が足りませんでした。ヒート2もスタートそのものは決まったのですが、何かに引っかかったのか、気がついたときには1コーナーで前回りしていました。その際のダメージが大きく、その後はレースになりませんでした。今回は、調子はよかったのに空回りしてしまいました。この夏に走り込みをして流れを引き寄せたいと思います」

平田優(IA2・優勝/優勝)

「ここ数戦、ヒート1の走りが課題の1つとなっていましたが、今大会はヒート1から自分の走りができたと思います。ヒート2は、これまで通り身体が動き、気持ちよく走ることができました。予選でもトップになれたので、リザルト的には完ぺきな大会だったと思います。ただ今季は、IA1クラスのベストラップタイムを上回ることを目標の1つとしてきましたが、両ヒートともこれを達成することができなかったので、内容的にはまだまだ満足していません。今回の両ヒート優勝で、ポイントランキングでは2番手以下をさらに大きく引き離せたので、かなり有利な立場でラスト3戦を迎えることができます。一戦でも早くシリーズタイトル獲得を決定できるよう、約1カ月半の夏休みを有効に使い、乗り込みやトレーニングに励みたいと思います」

渡部誠多|TEAM HRC 監督

「IA1では増田が今季初優勝を達成し、同時に両ヒート総合成績でも優勝することができました。勝利に向け、ライン取りやライダーの分析などを、チームとしてあきらめずに行ってきた結果だと思います。今後も、最後までしぶとくレースをすれば、必ずリザルトに結びつくと信じて戦っていきたいと思います。

また熱田は、調子は決して悪くなかったのですが、両ヒートとも不運なアクシデントにより、好成績を残すことができませんでした。今後はレースを想定した乗り込みなどで、安定感を増す努力をしていきたいと思います。

IA2の平田は、事前の乗り込みも功を奏し、完全優勝を達成することができました。両ヒートとも最速ラップタイムも記録していて、大いに満足できる結果だと思います。課題だったヒート1の走りについても、チームでさまざまな作戦を練ってきましたが、その成果が出たと思います。この先、もっともっと多くの方が、このすばらしいスポーツに興味を持ってくれることを願っています」

決勝リザルト

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 4 増田一将 Honda 17 32:41.414
2 44 小島庸平 スズキ 17 +00:12.512
3 331 新井宏彰 カワサキ 17 +00:15.839
4 13 田中教世 カワサキ 17 +00:39.606
5 952 福留善秀 Honda 17 +00:44.501
6 5 北居良樹 スズキ 17 +00:45.497
8 712 熱田孝高 Honda 17 +00:46.243
9 11 小方誠 Honda 17 +00:46.955
11 25 鈴木友也 Honda 17 +01:46.634
15 30 片倉久斗 Honda 16 +1Laps
RT 8 高濱龍一郎 Honda 6 DNF

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 952 福留善秀 Honda 17 33:15.200
2 4 増田一将 Honda 17 +00:03.060
3 44 小島庸平 スズキ 17 +00:17.305
4 331 新井宏彰 カワサキ 17 +00:20.639
5 13 田中教世 カワサキ 17 +00:44.518
6 5 北居良樹 スズキ 17 +00:46.648
8 11 小方誠 Honda 17 +01:03.571
11 8 高濱龍一郎 Honda 17 +01:25.977
14 25 鈴木友也 Honda 16 +1Laps
15 30 片倉久斗 Honda 16 +1Laps
18 712 熱田孝高 Honda 15 +2Laps

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 197 平田優 Honda 17 33:06.270
2 111 勝谷武史 カワサキ 17 +00:05.939
3 555 加藤吏一 カワサキ 17 +00:10.238
4 42 深谷広一 Honda 17 +00:16.940
5 50 星野優位 Honda 17 +00:28.611
6 49 三原拓也 カワサキ 17 +00:31.370
17 69 芹沢翔悟 Honda 17 +01:28.596
19 24 杉山和起 Honda 17 +01:41.556
20 03 出口隼飛 Honda 17 +01:43.134
RT 59 富田俊樹 Honda 7 DNF

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 197 平田優 Honda 17 33:49.348
2 111 勝谷武史 カワサキ 17 +00:16.626
3 555 加藤吏一 カワサキ 17 +00:31.430
4 49 三原拓也 カワサキ 17 +00:33.378
5 444 星野裕 スズキ 17 +00:34.089
6 41 井上眞一 カワサキ 17 +00:37.212
7 50 星野優位 Honda 17 +00:37.575
9 59 富田俊樹 Honda 17 +00:44.893
17 24 杉山和起 Honda 17 +01:21.357
19 69 芹沢翔悟 Honda 17 +01:27.283
22 03 出口隼飛 Honda 17 +01:47.016
RT 42 深谷広一 Honda 9 DNF

ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ282
2小島庸平スズキ256
3新井宏彰カワサキ241
4増田一将Honda235
5田中教世カワサキ212
6福留善秀Honda190
10小方誠Honda138
13辻健二郎Honda109
17熱田孝高Honda69
18鈴木友也Honda66
19高濱龍一郎Honda48
23芹沢直樹Honda33
24納屋望Honda23
25片平竜英Honda22
26片倉久斗Honda16
31太田幸仁Honda1

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1平田優Honda317
2 勝谷武史 カワサキ 260
3小島太久摩ヤマハ225
4 井上眞一 カワサキ 205
5 深谷広一 Honda 193
6加藤吏一カワサキ191
9星野優位Honda138
16富田俊樹Honda84
30出口隼飛Honda15
31杉山和起Honda6
31芹沢翔悟Honda6
33黒澤良太Honda6

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