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リザルト ポイント
第6戦 北海道・わっさむサーキット 第6戦 北海道・わっさむサーキットview

増田一将がIA1両ヒートで4位!
IA2の平田優は、総合優勝!

2008年7月6日(日)
決勝
会場:北海道・わっさむサーキット
天候:晴れ
気温:33℃
コースコンディション:ドライ
観客:8600人

全日本モトクロス選手権の第6戦が、全日本開催最北の地、北海道のわっさむサーキットで行われた。ここは、山の斜面を利用して配置された、急こう配で長いストレートを特徴とするハイスピードコース。路面は超ハードで、しかも石が多く含まれている。大会期間前に大量のもみがらが搬入され、コース全周にまかれたが、スケジュールが進むにつれ、路面状況は以前と近い状態へと戻ってしまった。

梅雨前線の影響をあまり受けない北海道の中央部に位置しているだけあって、天候は今季初めて土・日とも晴れ。強い日差しを受けて気温は上昇し、決勝が開催された日曜日は、最高気温が30℃を超えた。

▼IA1(450/250)ヒート1
ホールショットの小島庸平(スズキ)に続き、新井宏彰(カワサキ)、田中教世(カワサキ)、増田一将(TEAM HRC)、熱田孝高(TEAM HRC)の順でオープニングラップをクリア。これに、2周目に6番手へと浮上してきた成田亮(ヤマハ)を加えた6台が、トップグループを形成していった。この中で、3周目に熱田は成田に抜かれて6番手、さらに6周目に出原忍(ヤマハ)にもパスされ、7番手に後退した。

一方、増田は成田の追撃を受けつつもトップの3台を追うと、7周目に3番手を走っていた田中が転倒したため、3番手に浮上した。そしてその後は、徐々に2番手を走る新井との距離を縮め、一時は6秒以上あった差を、11周目までに2秒以下へと縮めた。

しかしレース終盤になると、増田と新井の差は再び拡大。しかもラスト2周となった19周目に、増田は成田に抜かれてしまい、最終的には4位でのゴールとなった。なお、熱田は7位でフィニッシュ。HondaがサポートするTeam BASから参戦した福留善秀は、転倒により1周目16番手となったが、怒とうの追い上げをみせ、5位入賞を果たした。

▼IA1(450/250)ヒート2
田中のホールショットでレースがスタート。新井、出原、小島、成田に続き、6番手以下に増田、福留、高濱龍一郎(Honda)、熱田とHonda勢が並び、1周目をクリアした。4周目、熱田が高濱をパスして8番手に浮上。6周目には、福留が増田を抜いて6番手にポジションを上げ、レースは中盤を迎えた。

7周目には福留、8周目には増田が、ペースの上がらない小島をパス。さらに、3番手を走行していた新井がパンクによりピットインしたため、福留が4番手、増田が5番手に順位を上げた。また熱田も10周目に小島を抜き去って6番手に浮上。Honda勢の3選手が、接近した4番手争いを展開することになった。

福留と増田の争いは、近づいたり離れたりを繰り返しつつ、最短で約1秒差にまで接近するが、順位変動には至らず。熱田は14周目に増田とほぼ並んだが、次周に5秒ほどタイムロスし、増田から3秒以上遅れてしまった。そして、15周目に3番手を走行していた出原が転倒したため、3位に福留、4位に増田、5位に熱田という順でゴール。福留が3位表彰台に登壇した。

▼IA2(250/125)ヒート1
須田純(カワサキ)がホールショット。平田優(TEAM HRC)はスタートで若干出遅れてしまい、1周目を9番手でクリアした。2周目、平田は2台をパス。同じ周に3番手を走っていた渡辺学(ヤマハ)が転倒したため、一気に6番手へと浮上した。さらに平田は、4周目に中島敬則(ヤマハ)を抜いて5番手に上がると、その後は一気にトップ集団へと迫っていった。

先頭を走っていた木下隼(ヤマハ)が6周目に転倒し、トップ争いは4台に。こうした中、平田は7周目に須田をパスして3番手まで浮上。逃げる小島太久摩(ヤマハ)と勝谷武史(カワサキ)を追った。しかし、序盤の追い上げで多くの体力を使った平田は、後半になると若干ペースダウン。小島、勝谷に次ぐ3位でゴールし、表彰台に上がった。

▼IA2(250/125)ヒート2
ヒート1ではスタートの出遅れが最後まで響いた平田だったが、ヒート2では問題点をしっかり修正して、ホールショットを決めると、1周目から早くもスパート。2番手を走る小島より、1周目と2周目は約2秒、3周目には1.5秒、4周目には再び約2秒も速いラップタイムを叩き出し、この4周目までに、小島を約7.5秒も引き離した。

平田はこの有利な展開でもなおハイペースをキープ。そしてレース時間が半分の15分を過ぎた9周目には、小島との差を約12秒にまで拡大した。結局、平田は最後まで独走を続けてトップでゴール。小島がレース終盤に勝谷にパスされ3位となったため、両ヒート総合でもトップに輝き、ポイントランキングでも2番手以下をさらに引き離した。

コメント

福留善秀(IA1・5位/3位)

「ヒート1は、スタートもまずまず決まって5番手ぐらいを走っていたのに、前のマシンにフロントタイヤが当たって、転倒してしまいました。すぐに再スタートできたのですが、これで大きく遅れてしまいました。ただ、このヒートはかなり乗れていて、パッシングが難しいといわれるコースなのに、かなり追い上げることができました。逆にヒート2は、その前のヒートでミスしていたので、同じ過ちを犯してはいけないと、序盤は少し堅くいきすぎてしまったと思います。この間に、上位勢に逃げられてしまいました。それでもなんとか3位に入賞できました。今年はなかなか両ヒートで成績をまとめることができなかったのですが、ようやく両ヒートでまずまずの結果を出せました。バイクも自分に合ってきたので、次の東北大会では今回以上の好成績を狙います」

増田一将(IA1・4位/4位)

「スタートは悪くなかったのですが、ちょっと不発でした。たしかに、ラップタイムでは差が出にくいコースではあります。それでも、バッチリ決まればライバルより速く走れるのですが、うまくいきませんでした。両ヒートとも序盤のペースが上がらず、リズムに乗れない間に前のライダーと間隔が開いてしまったのも、敗因だと思います。中盤になんとか差を詰めても、なかなかパッシングするまでにはならず、逆に最後で抜かれてしまったりと、あまりいい内容ではありませんでした。何が原因というわけではないとは思うのですが、もう少しバイクとの一体感を出しつつ走れるようにしたいと思います。次戦は、今回の修正をしつつ、あまりペース配分を考えずに序盤から攻めて、走りきりたいと思います。タフなレースになると思いますが、まずはどちらか片方、優勝を狙っていきます」

熱田孝高(IA1・7位/5位)

「日曜日の朝の公式練習で、決勝を想定した攻めの走りをしていて転倒し、その際に右ヒザの古傷を痛めてしまいました。ヒート1は、踏ん張りが利かなくて、うまく走ることができませんでした。ただヒート2は、結果には満足していませんが、自分の走りができたと思います。タイム差のないコースでしたが、レース後半はかなり攻めることもできたと思っています。足は痛かったですけど、気合で乗りきりました。開幕戦で負った左手のケガはもう完ぺきに治りましたし、問題だったレース勘についても、今回でだいぶん戻ったと思います。次戦は、スポーツランドSUGOに次ぐ第2の地元コース、岩手県の藤沢スポーツランドで開催されるので、優勝を狙っていきたいと思います。みなさん、ぜひ会場に足を運んで、僕とHondaを応援してください」

平田優(IA2・3位/優勝)

「ヒート1は、スタートで少し出遅れてしまい、パッシングポイントが少ないコースということもあって、3番手に上がるまでに時間が掛かってしまいました。気温が高かったこともあり、その追い上げでかなり体力を消耗し、トップの2台に迫ることができませんでした。ヒート2は、今回は予選の結果も悪かったので、自分自身へのうっぷんがすごく蓄積した状態で臨みました。スタートからトップに立ちましたが、そういったイライラを吹き飛ばそうと、とにかく攻め続けました。ようやくいい走りができたと思っています。結果的には今大会も、チャンピオンを狙う上でもっとも重要な、両ヒート総合成績のトップを獲得することができたので、よかったと思います。ただ、第2戦以降は両ヒート優勝を達成していないので、次の東北大会では、ヒート1から攻めていきます」

渡部誠多|TEAM HRC 監督

「増田は、1カ月間のインターバルを利用して、マシンとライダーのレベルアップを行ってきました。これまではスタートが課題でしたが、この成果により両ヒートとも序盤から有利な位置にいることができました。ただし、トップに立つことはできませんでした。まだまだ絶対的なスピードが足りていないのだと思います。

熱田は、左手のケガはほぼ完治したのですが、自らのミスにより右ヒザを負傷してしまいました。万全な体調で決勝に出場できなかったのが、敗因だと思います。

平田は、この1カ月でマシンをさらに煮詰め、これまで以上にエンジンも速くなりました。ヒート1こそスタートで出遅れてしまいましたが、ヒート2は今年1番ともいえる会心のレースでした。マシンポテンシャルの高さを証明できたと思います。次のレースでは、さらに上を目指し、IA1のタイムを参考にしつつ、両ヒート優勝を目指します」

決勝リザルト

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 44 小島庸平 スズキ 20 31:49.724
2 331 新井宏彰 カワサキ 20 +00:00.832
3 1 成田亮 ヤマハ 20 +00:09.557
4 4 増田一将 Honda 20 +00:14.920
5 952 福留善秀 Honda 20 +00:19.956
6 13 田中教世 カワサキ 20 +00:24.406
7 712 熱田孝高 Honda 20 +00:30.868
11 52 辻健二郎 Honda 20 +01:24.553
12 8 高濱龍一郎 Honda 19 +1Lap
15 18 芹沢直樹 Honda 19 +1Lap
16 23 片平竜英 Honda 19 +1Lap
17 11 小方誠 Honda 19 +1Lap
22 93 太田幸仁 Honda 18 +2Laps

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 1 成田亮 ヤマハ 20 32:24.232
2 13 田中教世 カワサキ 20 +00:02.246
3 952 福留善秀 Honda 20 +00:07.179
4 4 増田一将 Honda 20 +00:07.994
5 712 熱田孝高 Honda 20 +00:08.760
6 5 北居良樹 スズキ 20 +00:39.487
10 8 高濱龍一郎 Honda 20 +01:10.934
11 11 小方誠 Honda 20 +01:19.580
12 52 辻健二郎 Honda 20 +01:24.816
14 18 芹沢直樹 Honda 19 +1Lap
20 93 太田幸仁 Honda 18 +2Laps
RT 23 片平竜英 Honda 4 DNF

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 935 小島太久摩 ヤマハ 20 32:31.073
2 111 勝谷武史 カワサキ 20 +00:01.718
3 197 平田優 Honda 20 +00:24.846
4 45 須田純 カワサキ 20 +00:40.180
5 42 深谷広一 Honda 20 +00:48.005
6 51 伊藤正憲 ヤマハ 20 +00:52.368
9 59 富田俊樹 Honda 20 +00:58.889
11 50 星野優位 Honda 20 +01:01.488
21 24 杉山和起 Honda 19 +1Lap
25 03 出口隼飛 Honda 19 +1Lap

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 197 平田優 Honda 19 31:49.308
2 111 勝谷武史 カワサキ 19 +00:08.556
3 935 小島太久摩 ヤマハ 19 +00:19.134
4 41 井上眞一 カワサキ 19 +00:23.827
5 51 伊藤正憲 ヤマハ 19 +00:28.139
6 02 稲垣佳樹 スズキ 19 +00:30.223
9 50 星野優位 Honda 19 +00:42.887
15 59 富田俊樹 Honda 19 +01:05.153
17 03 出口隼飛 Honda 19 +01:32.496
20 42 深谷広一 Honda 18 +1Lap
RT 24 杉山和起 Honda 10 DNF

ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ282
2小島庸平スズキ214
3新井宏彰カワサキ203
4増田一将Honda188
5田中教世カワサキ178
6北居良樹スズキ151
7福留善秀Honda149
11小方誠Honda113
12辻健二郎Honda109
17熱田孝高Honda53
18鈴木友也Honda49
19高濱龍一郎Honda38
21芹沢直樹Honda33
24納屋望Honda23
25片平竜英Honda22
26片倉久斗Honda4
30太田幸仁Honda1

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 平田優 Honda 267
2 小島太久摩 ヤマハ 225
3 勝谷武史 カワサキ 216
4 渡辺学 ヤマハ 188
5 井上眞一 カワサキ 176
6 深谷広一 Honda 175
9 星野優位 Honda 108
15 富田俊樹 Honda 72
29 出口隼飛 Honda 14
30 黒澤良太 Honda 6

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