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リザルト ポイント
第4戦 グリーンパーク弘楽園 第4戦 グリーンパーク弘楽園view

IA1の福留善秀が、ヒート1で3位表彰台!
IA2では平田優が、3大会連続の総合優勝!

2008年5月25日(日)
決勝
会場:広島県・世羅グリーンパーク弘楽園
天候:曇り
気温:25℃
コースコンディション:マディからドライ
観客:1万1000人

第4戦は、広島県の世羅グリーンパーク弘楽園で開催。アップダウンやテクニカルなジャンプ、広いコース幅などを兼ね備えた、ハード路面のコースだ。

ここは、全日本が開催される週末に雨が降る確率が高い。今大会も予選が行われた土曜日は雨模様で、土曜日夕方から日曜日早朝にかけて雨脚が強まり、決勝日午前中はマディに近いコンディションとなった。それでも、レースがスタートするとベストラインから順に乾き出し、徐々に硬いギャップやワダチが増え、午後にはドライに近いコンディションとなった。

TEAM HRCは今大会も、IA1に増田一将、IA2にランキング首位をキープする平田優という布陣。開幕戦で負傷したIA1の熱田孝高は、今大会も残念ながら欠場した。

▼IA1(450/250)ヒート1
スタート直後の1コーナーでマルチクラッシュが発生。増田が転倒して出遅れる波乱の幕開けとなった。この中、HondaサポートチームのTeam BASから参戦する福留善秀は好スタートを切り、成田亮(ヤマハ)に次ぐ2番手で、ショートカットコースとなる1周目をクリアした。

トップグループは、レース序盤から縦に長くなる展開。その中、福留は堅実な走りで周回を重ね、2番手のポジションをキープする。ほぼ最後尾からのレースとなった増田は、ベストライン以外がぬかるんでいて追い上げるのが非常に難しい状況の中で、レースが折り返し地点を迎えた9周目には14番手まで順位を回復した。

レース終盤、成田が独走する一方で、序盤から3番手をキープしていた出原忍(ヤマハ)と、後方から追い上げてきた新井宏彰(カワサキ)が、2番手の福留に接近。福留は、出原をパスした新井の先行を許してしまうも、出原の追撃は振り切り、3位でゴール。表彰台へと上がった。増田は11位まで追い上げてフィニッシュした。

▼IA1(450/250)ヒート2
予選の転倒で左足を負傷し、思うようにギアチェンジができずにいた増田は、ヒート2でもスタートで出遅れてしまい、1周目を14番手でクリア。福留は1周目5番手の好位置から上位進出を狙うも、レース序盤は前との差を広げられてしまう苦しい展開。6周目には、新井に抜かれて6番手に後退してしまった。そのあとも、若干ながらペースを落としてしまうが、9周目に再びペースを取り戻すと、6番手をキープしたままレース後半へ臨んだ。一方で増田は、ケガを感じさせない走りでレース序盤から着実にポジションを上げ、11周目には8番手、次周には7番手に浮上。福留の背後に迫った。

ところが13周目に増田は、荒れたコースでバランスを崩して転倒。この際に身体を強打し、リタイアすることになってしまった。これにより福留は、再び6番手を単独走行することとなったが、レース終盤に釘村忠(ヤマハ)が急接近。しかし、この追撃を最後までかわし6位でゴール。福留は両ヒート総合成績で3位入賞を果たした。

▼IA2(250/125)ヒート1
平田がマシンのパワーをフルに使ったスタートダッシュで、真っ先に1コーナーへと進入。ところが、ぬかるんだ路面の影響で、若干オーバーランをしてしまった。それでも転倒を回避した平田は、短縮化された1周目を5番手でクリア。さらに、2周目には井上眞一(カワサキ)をパスして4番手に浮上。渡辺学(ヤマハ)らトップ集団を追った。

6周目、3番手を走行していた小島太久摩(ヤマハ)のスローダウンにより、平田は3番手にポジションアップすると、ここから2番手を走る星野裕(スズキ)へと一気に迫った。しかし、降雨の影響でベストラインが1本しかないコンディションだったため、逆転までは至らず、平田は、渡辺、星野裕に次ぐ3位で表彰台に上がった。

▼IA2(250/125)ヒート2
ショートカットされた1周目を、渡辺、SEKI Racing MotoRomanの星野優位、小島、平田の順でクリア。3周目には平田が3番手に浮上、4周目に入ったところで星野(優)が渡辺を抜いてトップに立つ。さらに5周目には、平田が渡辺と星野(優)をパスし、一気に集団のトップに立った。

すると平田は、次周にはこのヒートの最速ラップタイムを記録する走りでスパートをかけ、徐々に後続を引き離していった。結局、危なげなく18周を走りきった平田が、2位に入賞した星野裕の追撃も受けることなくトップでゴール。今季4勝目を挙げた。星野(優)はレース中盤に順位を落として9位だった。

コメント

増田一将(IA1・11位/DNF)

「ヒート1はスタートで出遅れ、転倒車に突っ込んでしまいました。予選で転倒して足が痛い状態でのレースで、しかもラインを変えると失速するようなコース状況だったので、非常に苦しいレースでした。ヒート2は、ギャップに入って対処できないままバイクから投げ出されてしまいました。肩から背中にかけて強打し、あまりに苦しかったので、ピットに戻ってリタイアすることにしました。予選日の練習走行では非常によく乗れていたので、それだけに本当に残念です。ポイントも大きく取りこぼしてしまいました。ただ、終わったレースをとやかく言っても、ポイントが戻ってくるわけではないですし、大きな骨折とかではなさそうなので、次のレースに向けてできる限りの努力をして、ばん回したいと思います」

福留善秀(IA1・3位/6位)

「前回のレースからこの大会までの間に、かなり乗り込みもでき、身体の調子はだいぶんよくなってきました。ただ、マシンと自分のマッチングがまだベストな状態ではなく、またマシンセッティングに関しても詰めきれていない感じがあります。ヒート1は、途中まで2番手を走っていたので、できれば順位をキープしたかったです。ヒート2もせめて表彰台には上がりたかったのですが……。今回、リザルトは残りましたが、まだマシンを100%操れているという感じではありませんでした。ただ、マシンのポテンシャルは高いですし、次は地元の九州です。走り慣れたコースなので、臨機応変に対応できれば、もっとやれると思います。地元のみなさん、ぜひ応援にきてください」

平田優(IA2・3位/優勝)

「ヒート1ではスタートで前に出たのに、1コーナーで止まりきれなくて、いいラインを外してしまいました。コースコンディションが悪く、ベストラインが1本しかない状況だったので、スタートで前に出ないと厳しいと分かっていたのですが、痛恨のミスを犯してしまいました。ヒート2は、コースコンディションが回復したことに加え、チームのみんながレース前に情報を的確に伝えてくれたので、しっかり追い上げて優勝することができました。レース序盤は、前の集団に逃げられるかもしれないと思ったのですが、離されることもなかったし、自分の方がよいラインを走っていることも分かっていたので、冷静にレースを組み立てることができました。今回も総合優勝できましたが、目標はあくまでシリーズチャンピオンなので、残り6大会もしっかりと集中してがんばります」

渡部誠多|TEAM HRC 監督

「まずIA1の熱田は、すでにバイクに乗れる状態まで回復しています。ただし、今大会はまだレースができる状態に達していないため、欠場とさせていただきました。ただし、次戦には復帰する予定です。また、IA1の増田は得意としているコースとあって、予選日の練習走行ではトップタイムを記録していました。しかし、予選でスタート直後の不運なアクシデントにより転倒し、足を負傷してしまいました。それでも、森永トレーナーさんによる治療により状態もだいぶんよくなり、決勝のヒート2では猛烈な追い上げで一時は7番手まで浮上しました。しかし再び不運な転倒により、リタイアとなってしまいました。長いレースシーズンの中には、こういうこともあると思います。まずはしっかりと身体をケアし、次のレースに臨んで欲しいと思います。IA2の平田は、今季はヒート2でのリカバリー能力が上がったと評価しています。今大会もヒート1は3位でしたが、ヒート2ではしっかりと優勝して、レースをまとめ上げました。勝ち続けたいという願望もあるので、今回を始まりとして連続優勝を狙えるように、チーム一丸となって課題に取り組んでいきたいと思います。次戦は、CRFシリーズの生産工場がある熊本で開催されます。TEAM HRCとしてもぜひこの地で華やかな成績を飾りたいと思っています。Hondaファンのみなさん、ぜひ会場まで応援にきてください」

決勝リザルト

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11成田亮ヤマハ1833:00.697
2331新井宏彰カワサキ18+00:25.504
3952福留善秀Honda18+00:40.278
412出原忍ヤマハ18+00:42.086
5981戸田蔵人スズキ18+00:42.887
613田中教世カワサキ18+01:05.793
727納屋望Honda18+01:09.845
852辻健二郎Honda18+01:16.736
114増田一将Honda18+01:26.833
1411小方誠Honda18+01:37.684
1725鈴木友也Honda17+1Lap
2023片平竜英Honda17+1Lap
2130片倉久斗Honda17+1Lap
2493太田幸仁Honda16+2Laps
RT8高濱龍一郎Honda8DNF

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11成田亮ヤマハ1933:42.923
244小島庸平スズキ19+00:11.329
314釘村太一ヤマハ19+00:16.443
4331新井宏彰カワサキ19+00:18.629
513田中教世カワサキ19+00:43.711
6952福留善秀Honda19+00:45.547
1227納屋望Honda19+01:20.130
1452辻健二郎Honda19+01:29.993
1525鈴木友也Honda19+01:30.412
1823片平竜英Honda18+1Lap
2011小方誠Honda17+2Laps
2130片倉久斗Honda17+2Laps
2293太田幸仁Honda17+2Laps
RT4増田一将Honda13DNF

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1103渡辺学ヤマハ1834:05.269
2444星野裕スズキ18+00:18.650
3197平田優Honda18+00:39.398
442深谷広一Honda18+00:49.244
5555加藤吏一カワサキ18+00:54.466
650星野優位Honda18+01:18.602
1559富田俊樹Honda18+01:53.860
2068黒澤良太Honda17+1Lap
2124杉山和起Honda17+1Lap
24104大薮亮人Honda17+1Lap
2503出口隼飛Honda17+1Lap

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1197平田優Honda1832:46.645
2444星野裕スズキ18+00:04.501
3555加藤吏一カワサキ18+00:04.827
4103渡辺学ヤマハ18+00:05.980
5935小島太久摩ヤマハ18+00:12.055
6111勝谷武史カワサキ18+00:32.493
742深谷広一Honda18+00:36.004
950星野優位Honda18+00:38.000
2068黒澤良太Honda18+01:46.793
2159富田俊樹Honda18+01:47.615
2403出口隼飛Honda17+1Lap
2824杉山和起Honda17+1Lap
29104大薮亮人Honda17+1Lap

ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1成田亮ヤマハ187
2新井宏彰カワサキ151
3小島庸平スズキ135
4増田一将Honda122
5北居良樹スズキ111
6田中教世カワサキ108
10福留善秀Honda86
12小方誠Honda80
13辻健二郎Honda73
17鈴木友也Honda41
19納屋望Honda23
20高濱龍一郎Honda18
23芹沢直樹Honda14
24片平竜英Honda11
25片倉久斗Honda2

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 平田優 Honda 180
2 渡辺学 ヤマハ 159
3 小島太久摩 ヤマハ 139
4 勝谷武史 カワサキ 125
5 井上眞一 カワサキ 122
6 深谷広一 Honda 122
12 星野優位 Honda 57
14 富田俊樹 Honda 46
29 出口隼飛 Honda 8
30 黒澤良太 Honda 6

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