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リザルト ポイント
第2戦 関東・オフロードヴィレッジ 第2戦 関東・オフロードヴィレッジview

IA1の増田一将が、ヒート1で2位表彰台!
平田優が、今大会のIA2クラスを完全制覇!

2008年4月27日(日)
決勝
会場:埼玉県・ウエストポイント オフロードヴィレッジ
天候:曇りのち晴れ
気温:20℃
コースコンディション:ウエットからドライ
観客:1万6000人

今季は第2戦として開催された関東大会の舞台は、昨年に続き埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジ。ここは、荒川と入間川に挟まれた河川敷に設けられたフラットなコース。タイトなターンと多くのジャンプで構成され、コース幅は狭めという、スーパークロス風のレイアウトを特徴としている。

予選が行われた土曜日は、今年もまた天候が崩れ、午後2時過ぎから10時間近く雨が降った。しかし日曜日の決勝レースがスタートするころには、コースコンディションが回復。また天候も、午後には青空が見えるほどまで好転した。

HondaファクトリーチームのTEAM HRCからは、IA1に増田一将、IA2に平田優がエントリー。しかし、増田とともにIA1にフル参戦する熱田孝高は、開幕戦で左手を負傷したため、この大会への出場をキャンセルした。また、TEAM BASからIA1にフル参戦する福留善秀をはじめ、今大会にも多くのHondaライダーが出場した。

▼IA1(450/250)ヒート1
増田が好スタートを決め、1周目を新井宏彰(カワサキ)に次ぐ2番手でクリア。福留も1周目6番手と、好位置につけた。レースは、2周目に3番手へと浮上してきた成田亮(ヤマハ)までの3台が、序盤から後続を大きく引き離す展開に。また第2集団では、福留が5周目に4番手へと浮上し、さらに5番手以下を引き離していった。

7周目、新井を攻略できずにいた増田は、逆に成田の先行を許してしまった。しかし3台は依然として僅差。レースが後半戦となった11周目に新井がスパートをかけたが、新井は14周目に転倒。これにより優勝争いは、成田と増田の2名にほぼ絞られた。一方、福留はマシントラブルにより、思うようにペースを上げられずにいた。

14周目の段階で、トップの成田と2番手を走る増田との差は3秒半ほど。ここから増田は、1周ごとに約1秒ずつ差を削り、16周目には成田との差を約1秒にまで縮めた。しかし、残念ながら逆転のチャンスが来る前にタイムアップ。増田は、2位で今季初表彰台に上がった。なお福留は、レース後半に大きくペースダウンし、14位でゴールした。

▼IA1(450/250)ヒート2
福留は4番手、増田は5番手で1コーナーをターン。しかしその直後の2連ジャンプで、前を走っていたライバルと福留が転倒するアクシデントが発生した。これにより福留は、ピットまで自力で戻ってリタイア。しかし、前の4台とはわずかながら距離を置いていた増田は、これに巻き込まれることなく、1周目を3番手でクリアした。

レースは、ヒート1同様に新井が逃げる展開。しかし今度は、3周目に成田が新井をパスしてトップに浮上した。ヒート1ではこの2名とトップ争いを繰り広げた増田だが、このヒートでは序盤のペースが上がらず苦しい展開。増田は5周目のフィニッシュジャンプ近くで、追い上げてきた小島庸平(スズキ)と接触し、転倒してしまった。

このアクシデントにより増田は、7番手まで後退。さらに9周目には、転倒により8番手まで順位を落としてしまった。しかしその後、増田は自分の走りを取り戻すと、徐々にペースを上げて順位を回復。そして残り4周のところで4番手まで浮上し、21周を走りきって4位でフィニッシュした。なおレースは、成田のエンストにより新井が逆転優勝となった。

▼IA2(250/125)ヒート1
昨年の関東大会で総合優勝している平田が、予選をトップで通過。1コーナーに対して一番イン側のスターティンググリッドを選ぶと、絶妙なタイミングで飛び出した。そして、そのまま一気に加速してホールショット。その後方には、池谷優太(スズキ)、小島太久摩(ヤマハ)、井上眞一(カワサキ)、勝谷武史(カワサキ)らが続いた。

平田はその勢いのまま、レース序盤から中盤にかけ、後続を引き離していった。レース後半になると、多数の周回遅れが発生。この影響もあって平田は、2番手に浮上してきた勝谷の接近を許してしまった。しかし、それでも冷静に安定したペースで走り続けた平田は、そのまま逃げきって今季初優勝。2位には勝谷、3位には井上が入賞している。

▼IA2(250/125)ヒート2
ホールショットこそ斉木達也(ヤマハ)に譲ったものの、平田は再びスタート直後からトップに立ち、1周目で早くも後続との差を2秒弱に広げた。レース序盤、ハイペースで逃げる平田に誰も追いつくことはできず、後続との差は拡大。それでも平田はペースを落とすことなく、7周目にはこの日のIA2クラス最速タイムを記録した。

ヒート1に続き勝谷が2番手に上がってきた8周目の時点で、平田と勝谷の差は7秒以上。しかし平田は、このヒートでは周回遅れを積極的にパスしつつ、なおもハイペースをキープした。そして最終ラップこそスローダウンしたものの、後続を約10秒も引き離してゴール。予選と決勝、そしてベストラップタイムのすべてを制覇する、完全勝利を収めた。

コメント

増田一将(IA1・2位/4位)

「ヒート1は、冷静に走れていたのですが、中盤に少し離されてしまったのが残念でした。ただ、関東は僕の地元で、なおかつ、ここはHondaのホームコースともいえる場所なので、表彰台に上がれてよかったと思います。ヒート2は、小島選手に接触されてしまいました。前大会でも小島選手と当たって転倒しているのですが、僕自身はレースなので仕方のないことだと思っています。特にこのコースは、ぶつけないと抜けないようなレイアウトですし、序盤は僕のペースが上がらなかったので……。ポイントを大きく取りこぼしたわけではないですし、2回転倒してあの順位だったので、ラッキーだったと思います。この大会でも、自分の走りができれば勝負できることが証明できたと思います。あとはレースの組み立てを考えるなどして、シーズン中盤に向けて調子を上げていきたいと思います」

福留善秀(IA1・14位/DNF)

「ヒート1は、序盤に4番手まで上がって、ここからペースアップして前との差を詰めようかと思っていたところで、マシントラブルが発生してしまいました。なんとか10位以内でゴールしたかったのですが、残念です。ヒート2は、2連ジャンプの着地で前を走っていたバイクが転倒してしまい、そこに突っ込んで僕も転んでしまいました。エンジンがかかっていたので、すぐに再スタートしたのですが、足をひどく痛めてしまっていたので、そのままリタイアしました。事前テストでもすごくタイムがよく、相性のいいコースで自信もあっただけに、悔しくてたまりません。この気持ちを、次戦以降にぶつけます」

平田優(IA2・優勝/優勝)

「昨年、Hondaに移籍して、だいぶん時間がかかってしまいましたが、ようやく両ヒート優勝を達成することができました。もちろんそれもうれしいのですが、なによりHondaの地元で勝てたことがうれしいです。ここまで、ずっと開発やテストなどで協力してもらっていましたし、たくさんの方々が応援に駆けつけてくださっていたので、どうしても勝ちたいレースでした。スタートダッシュもまずまず決まりましたが、チームスタッフがコース状況を的確に伝えてくれて、その情報を生かせた結果、序盤からライバルを引き離せたのだと思います。チームのおかげで優勝できました。まだ第2戦なので先は長いですが、今年こそシリーズタイトルを獲得したいです。ただ、そのために手堅く走りたくはないので、毎ヒート優勝を狙って、勝ち星を増やしつつチャンピオンになりたいと思います」

渡部誠多|TEAM HRC 監督

「IA2の平田は、両ヒートで優勝することができました。前回の開幕戦で課題となったスタートでの出遅れに対処すべく、この2週間でマシンの改良とライダーの練習を徹底的に行いました。今回はその努力が結果となった、会心のレースでした。平田にとって次の課題は、シリーズを戦い抜ける、安定して速いライダーになることだと思っています。これで気を抜くことなく、努力していきます。IA1では、残念ながら優勝を逃してしまいました。しかし昨年の関東大会と比べれば、成田選手との差は確実に縮まっています。ヒート1で、少し展開でミスしてしまったのが、唯一の惜しい点でした。ヒート2は、小島選手と絡んでしまいましたが、そういったなかでも4位まで追い上げた点を、高く評価してあげたいと思います。今後の増田の活躍にもご期待ください。

また、増田と小島の接触転倒に関して、私はこの原因を追究するつもりは一切ありません。プロのライダーが、お互いに駆け引きし、勝負した結果だと思っています。もちろん、転倒やそれにともなうケガを望んでいるわけではありませんが、レースを面白くするため、今後とも積極果敢に、そして正々堂々と、ライダーがどんどん勝負してくれることを望んでいます。

そして最後となりましたが、今回はHondaのホームコースということで、たくさんのお客様が会場で応援してくださり、それがライダーの刺激となり、結果につながったと思います。ありがとうございました。第3戦以降の会場へも、ぜひ足をお運びください」

決勝リザルト

IA1 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
11成田亮ヤマハ2132:10.781
24増田一将Honda21+00:01.942
3331新井宏彰カワサキ21+00:15.360
4981戸田蔵人スズキ21+01:03.116
55北居良樹スズキ21+01:05.674
611小方誠Honda21+01:06.261
1252辻健二郎Honda20+1Lap
14952福留善秀Honda20+1Lap
1618芹沢直樹Honda20+1Lap
1825鈴木友也Honda19+2Laps
2130片倉久斗Honda19+2Laps
RT8高濱龍一郎Honda8DNF
RT 23片平竜英Honda6DNF

IA1 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1331新井宏彰カワサキ2132:31.630
21成田亮ヤマハ21+00:18.945
344小島庸平スズキ21+00:37.063
44増田一将Honda21+00:47.499
5981戸田蔵人スズキ21+01:00.126
65北居良樹スズキ21+01:06.686
711小方誠Honda21+01:09.244
1252辻健二郎Honda20+1Lap
138高濱龍一郎Honda20+1Lap
1525鈴木友也Honda20+1Lap
2030片倉久斗Honda19+2Laps
RT18芹沢直樹Honda5DNF
RT952福留善秀Honda1DNF

IA2 : ヒート1

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1197平田優Honda2032:12.841
2111勝谷武史カワサキ20+00:03.582
341井上眞一カワサキ20+00:29.750
4103渡辺学ヤマハ20+00:39.141
5216斉木達也ヤマハ20+00:42.743
642深谷広一Honda20+00:45.890
850星野優位Honda20+01:06.806
1759富田俊樹Honda19+1Lap
1968黒澤良太Honda19+1Lap
2303出口隼飛Honda19+1Lap

IA2 : ヒート2

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1197平田優Honda2032:08.304
2111勝谷武史カワサキ20+00:09.710
3935小島太久摩ヤマハ20+00:17.625
4103渡辺学ヤマハ20+00:18.951
541井上眞一カワサキ20+00:25.277
6555加藤吏一カワサキ20+00:28.489
1042深谷広一Honda20+00:51.359
1259富田俊樹Honda20+00:58.210
1803出口隼飛Honda20+01:27.378
2350星野優位Honda19+1Lap
2468黒澤良太Honda19+1Lap
RT05松下光Honda7DNF

ポイントスタンディング

IA1

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 新井宏彰 カワサキ 89
2 成田亮 ヤマハ 87
3 増田一将 Honda 74
4 溝口哲也 カワサキ 63
5 小島庸平 スズキ 62
6 北居良樹 スズキ 59
8 小方誠 Honda 53
12 辻健二郎 Honda 33
14 福留善秀 Honda 27
16 鈴木友也 Honda 20
20 芹沢直樹 Honda 8
21 高濱龍一郎 Honda 8
23 片平竜英 Honda 3
24 片倉久斗 Honda 1

IA2

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 平田優 Honda 88
2 勝谷武史 カワサキ 82
3 渡辺学 ヤマハ 71
4 小島太久摩 ヤマハ 70
5 井上眞一 カワサキ 68
6 深谷広一 Honda 61
13 富田俊樹 Honda 29
15 星野優位 Honda 22
28 出口隼飛 Honda 3
31 黒澤良太 Honda 2

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