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日本 日本GP・スポーツランドSUGO
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ROUND
#10
OCTOBER 21, 2007
リザルト ポイント

スポット参戦したアンドリュー・ショートが実力を発揮して両ヒートを制覇!

第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
2007年10月21日(日)・決勝
会場:スポーツランドSUGO
天候:晴れ
気温:20℃
コースコンディション:ドライ
観客:1万1200人

年間10戦で競われる全日本モトクロス選手権、最終戦の会場はスポーツランドSUGO。10月下旬とあって朝晩は冷え込んだものの、予選が行われた土曜日、決勝が開催された日曜日とも、昼間の日なたは半袖でも歩けるほどの陽気となった。コースは、最終戦にふさわしいベストコンディション。とくに決勝は、ハードな路面を深く掘り起こした上で散水を行ったため、一日を通してほとんどホコリが発生しないという観客にとってもすばらしい状態が最後まで続いた。ただし、コースには深く硬いワダチが多数発生し、攻略が非常に難しい状態となった。

第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO

HondaファクトリーのTEAM HRCからは、レギュラーメンバーに加えてAMAモトクロスでランキング3位のアンドリュー・ショートが出場。さらに、今季はAMAのチームに在籍した福留善秀も帰国して、今大会にスポット参戦を果たした。

▼IA1(450/250)ヒート1
ホールショットを奪ったのはショート。成田亮(ヤマハ)とともに、1周目から後続を大きく引き離していった。3番手以下は、福留、出原忍(ヤマハ)、熱田孝高(TEAM HRC)の順で1周目をクリア。2周目には、熱田が出原をパスして4番手へと浮上した。一方、増田一将(TEAM HRC)は、転倒により1周目最後尾。前戦での負傷を踏まえると、非常に厳しい展開となった。

トップ2台が序盤から逃げる状況の中、熱田は福留の攻略に時間がかかり、4周目にようやく3番手へと上がる。この段階で2番手を走る成田との差は、15秒以上に広がってしまっていた。一方の福留は、熱田に抜かれた2周後にマシントラブルでリタイア。さらに出原も後退したため、4番手にはHonda DREAM RTの高濱龍一郎が浮上した。

一方、序盤からの激しいトップ争いはレース中盤まで続き、ショートは何度か2番手に後退。しかし10周目にトップに復活すると、その後は成田を引き離して、トップでチェッカーを受けた。2番手には成田が入り、タイトル獲得が決定。熱田は4周目以降単独走行を続けて3位でゴール。高濱も4位でフィニッシュした。増田は一時17番手まで順位を回復。しかしマシントラブルが発生し、22位でレースを終えた。

▼IA1(450/250)ヒート2
ホールショットの成田に、ショート、高濱、熱田のHonda勢が続いて1周目をクリア。福留は、スタート直後にマシントラブルでリタイアした。2周目、高濱をパスした熱田は、ベストラップを叩き出す走りで、逃げ切りを図る成田とショートに迫っていった。ところが3周目に入った直後に、熱田は転倒を喫し、12番手まで順位を落としてしまった。

一方、トップ争いは、ショートが成田に激しくプレッシャーを与える展開。ところがショートは6周目に、成田に追突して転倒。2台の差は広がってしまったが、すぐさま復帰したショートは、その次周にこのヒートのファステストラップを叩き出して、再び成田へと接近。10周目についにトップに立った。

その後ショートは、成田を完全に引き離してゴールして、両ヒート優勝を果たした。2位には成田、そして3位には、大河原功次(ヤマハ)をレース終盤に振り切った高濱が入った。また最終ラップには、7周目に5番手まで順位を回復していた熱田が、大河原の背後へと迫り、並んでフィニッシュジャンプを跳んだが、わずかに逆転はならず、熱田は5位でゴール。増田は1周目10番手から追い上げて、7位でチェッカーを受けた。今大会の結果によりシリーズランキングでは、熱田が2位、増田は4位となった。

▼IA2(250/125)ヒート1
前大会で負傷した影響でうまくバイクを加速させられない状態ながら、平田優(TEAM HRC)は、CRF250Rのパワーにも助けられ、1周目を4番手でクリア。しかし、やはり思うようにバイクをコントロールすることができず、2周目には5番手、3周目には6番手に後退してしまう。それでも意地を見せた平田は、5周目に5番手へと復帰。レース後半まで、この順位をキープした。

しかし激しい順位争いにより、9周目には一気に9番手まで後退。その後の2周で再び7番手まで上がるが、さらに次の2周で10番手へとポジションを落としてしまった。それでも、最後まであきらめずに上を目指した平田は、ラスト3ラップとなる16周目に9番手、そして17周目には8番手へと再浮上。そのまま8位でフィニッシュした。

▼IA2(250/125)ヒート2
平田はオープニングラップを、SEKI Racing MotoRomanの深谷広一(Honda)に次ぐ7番手でクリア。4周目に深谷の攻略に成功して6番手に上がると、痛みをこらえつつ、前を走る小島太久摩(ヤマハ)を追った。そして、レース時間が残り半分以下となった10周目、ついに5番手へと浮上。しかし次周に、尾崎友哉(ヤマハ)にパスされてしまった。

これで再び6番手となった平田は、なおも懸命に走行を続けるが、序盤でパスした深谷に詰め寄られてしまう。そしてラスト3ラップとなる15周目に抜かれて、6位の深谷に次ぐ7位でフィニッシュした。しかしシリーズランキングでは、前戦終了時で12ポイント差があった3番手に逆転されることなく、2位となった。

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COMMENT

コメント

Yoshitaka Atsuta 熱田孝高(IA1・3位/5位)
 

「ヒート1は、まずまずのスタートだったのですが、序盤からトップの2台が逃げてしまっていて、3番手に上がったときには前がいませんでした。しかも、3番手に上がるのにムリをしたら、腕上がりも起こしてしまって、そのまま単独走行でした。ヒート2はさらにスタートがよくて、すぐに3番手に上がったら前2台との距離も縮まってきて、よしこれでいける! と思ったら滑って転んでしまいました。フィニッシュジャンプ着地からの左コーナーで、ライン取りが悪かったんだと思います。たいした転倒ではなかったのですが、エンジンが止まってしまっていたので、再スタートするのに時間がかかり、最終的には5位までしか追い上げられませんでした。監督からは、今年を象徴するようなレースでした、と言われてしまいました。でも、自分の課題も見えたので、この悔しい気持ちでシーズンオフのトレーニングに励んで、来年はシリーズタイトルを奪還したいと思います!」

Kazumasa Masuda 増田一将(IA1・22位/7位)
 

「言い訳になるからあまり言いたくはないのですが、前回の広島で転倒した際に右手首と肩を負傷し、体調が悪いままこの最終戦を迎えることになってしまいました。ヒート1ではマシントラブルも出てしまい、非常に苦しい展開でした。途中でリタイアしようかとも思ったのですが、何とか走りきって1ポイントでも獲得できればと思い、走り続けました。でもヒート2は、体が痛いなかでも何とか粘ることができたので、まあよかったかな、とは思っています。今年は、シーズン中盤は連勝したりしてすごくよかったのですが、終盤3戦でノーポイントが続いたりしてしまいました。そういった意味では、すごく悔しいシーズンでした。毎年こんな感じなので、来年こそ脱出したいですね。とはいっても、まずはこのケガを治すのが先決だと思いますが……。今年1年間応援してくれた多くのファンやスポンサーの方々、ありがとうございました」

Yu Hirata 平田優(IA2・8位/7位)
 

「広島でのケガは、そのあとでちゃんと検査をした結果、左ヒザの側副じん帯断裂と判明しました。前大会からたった2週間しかなかったので、今回はかなりキツいレースとなりました。痛みは我慢できても、バイクに乗ることもトレーニングもできなかったので、かなり涼しかったとはいえ、体力的にも非常に厳しいレースとなってしまいました。ヒザが曲がらないので、マシンをうまく加速させることもできませんでした。ただ、ランキング2位だけはキープして終わりたかったので、そういう意味では満足しています。今季は自分の走りができたレースが少なかったし、とても悔しいレースが多かったと思います。来年は序盤から自分の走りができるよう、まずはこのケガを治し、オフシーズンでのレベルアップに臨みたいと思っています。1年間のご声援、本当にありがとうございました」

Andrew Short アンドリュー・ショート(IA1・優勝/優勝)
 

「HondaやHRCをはじめ、多くの人たちのおかげで、日本のレースに出場することができたことに、とても興奮すると同時に感謝しています。そして、日本のレースを楽しむことができました。ヨシ(熱田)もアキラ(成田)も、AMAのレースを一緒に走ったことがあるので、速いライダーであることは知っていました。彼らとのバトルも面白かったです。またSUGOは、AMAのコースにはないスタイルで、チョッピーかつハードパックで、とても挑戦しがいのあるタフなコースでした。でも同時に、とても楽しいコースでした。それから、日本にも僕のファンがたくさんいて感激しました。来年もAMAのレースに参戦します。間もなくスーパークロスが開幕するので、日本でも応援してくださいね!」

Ryuichiro Takahama 高濱龍一郎(IA1・4位/3位)
 

「前々回の近畿大会から調子がよくなって、前回のヒート1では本当に久しぶりに、表彰台に上ることができました。そしてこの最終戦でも、その好調を維持して、ヒート2で表彰台に上れたし、両ヒートで成績をまとめることもできました。応援してくれているファンのみんなや、チームのみんなにも、感謝しています。僕の場合、しっかり乗り込みができればレースでの成績がすごくよくなるので、このシーズンオフは乗り込みができる時間をたくさん作って、この好調を来季につなげたいと思います。現状ではベストの成績だと思いますが、優勝したわけではないので、結果には心の底から満足しているわけではありません。来年はもっと上を目指すので、また応援してください!」

Yoshihide Fukudome 福留善秀(IA1・DNF/DNF)
 

「今季は1年間、AMAのスーパークロスとモトクロスに参戦しました。といっても途中でケガをするなど、満足できるシーズンではありませんでしたが、今回の参戦は、自分がこの1年間アメリカでレースをしてきて、どれくらい成長できたのかを確かめるために、エントリーしました。しかし、ヒート1の途中でマシントラブルが出てしまい、さらに直ったと思って臨んだヒート2でも、すぐに同じ症状が出てしまい、両ヒート合わせても3周しか走ることができませんでした。でもこればっかりは、レースをやっていればあることなので、仕方のないことだと思っています。チームのスタッフが一生懸命やってくれた結果なので、運が悪かっただけと思っています。期待してくれていたファンのみなさん、すみませんでした」

Seita Watanabe 渡部誠多
  TEAM HRC 監督
 

「熱田は今回、今シーズンの海外レースでの成果を確かめるというのが、大きな目標でした。そのためにショートも呼んだのですが、結果的には今季の敗因でもある単独転倒などにより、思ったような結果を出すことができませんでした。ただショートが参戦したことにより、お客さんに盛り上がってもらえましたので、やはり走ってもらってよかったと思っています。また、我々もいい勉強をすることができました。協力してくれたアメリカンホンダにも、感謝しています。増田は、広島でのケガが思わしくないなか、ヒート2ではこの体調でのベストを出せたと思います。ヒート1ではマシントラブルが出てしまいましたが、そんな状況でもあきらめずに走り続けました。内容は濃かったと思います。また平田は、左ヒザのケガがひどく、本当は参戦を止めようと思っていました。ただ公式練習で、本人の集中力が非常に高かったので、ランキング2位を死守することを目標に、決勝を走ることにしました。そして、結果的には目標を達成することができました。今年の2位は、非常に意味のあるものだと思います。平田は、強いライダーになるという目標に向かって、また一歩階段を上ったと思います。両クラスともシリーズタイトルを逃しているというのは事実なので、この悔しさを忘れず、来年のタイトル獲得に向け、トレーニングやテストを繰り返したいと思います。TEAM HRCへの1年間のご声援、ありがとうございました」

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RESULT × POINT

決勝リザルト

IA1:ヒート1
ROUND
#10
OCTOBER 21, 2007
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 129 A.ショート Honda 18 33:19.152
2 982 成田亮 ヤマハ 18 +00:04.48
3 1 熱田孝高 Honda 18 +00:22.92
4 8 高濱龍一郎 Honda 18 +00:49.69
5 10 大河原功次 ヤマハ 18 +00:58.45
6 15 北居良樹 スズキ 18 +01:03.76
9 955 勝谷武史 Honda 18 +01:33.28
12 22 小方誠 Honda 18 +01:42.77
17 54 芹沢直樹 Honda 17 +1Lap
18 23 沼田誠司 Honda 17 +1Lap
21 27 片平竜英 Honda 17 +1Lap
22 4 増田一将 Honda 17 +1Lap
23 61 杉山和起 Honda 16 +2Laps
24 94 片倉久斗 Honda 16 +2Laps
26 83 太田幸仁 Honda 16 +2Laps
RT 952 福留善秀 Honda 5 DNF
IA1:ヒート2
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 129 A.ショート Honda 17 32:09.708
2 982 成田亮 ヤマハ 17 +00:11.34
3 8 高濱龍一郎 Honda 17 +00:15.46
4 10 大河原功次 ヤマハ 17 +00:19.31
5 1 熱田孝高 Honda 17 +00:19.31
6 9 加賀真一 スズキ 17 +00:55.26
7 4 増田一将 Honda 17 +00:58.11
10 955 勝谷武史 Honda 17 +01:12.97
11 22 小方誠 Honda 17 +01:16.35
16 54 芹沢直樹 Honda 17 +01:59.15
17 23 沼田誠司 Honda 16 +1Lap
19 61 杉山和起 Honda 16 +1Lap
20 27 片平竜英 Honda 16 +1Lap
21 94 片倉久斗 Honda 16 +1Lap
26 83 太田幸仁 Honda 15 +2Laps
RT 952 福留善秀 Honda 0 DNF
IA2:ヒート1
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 811 G.ポーリン カワサキ 18 33:27.033
2 331 新井宏彰 カワサキ 18 +00:06.94
3 101 小島太久摩 ヤマハ 18 +00:47.84
4 41 尾崎友哉 ヤマハ 18 +00:57.15
5 103 渡辺学 ヤマハ 18 +01:05.02
6 42 井上眞一 カワサキ 18 +01:09.40
8 197 平田優 Honda 18 +01:11.83
11 45 深谷広一 Honda 18 +01:16.99
15 51 中堀敏宏 Honda 18 +01:36.57
19 16 辻健二郎 Honda 18 +01:58.96
24 07 芹沢翔悟 Honda 17 +1Lap
25 99 黒澤良太 Honda 17 +1Lap
27 02 富田俊樹 Honda 17 +1Lap
RT 55 星野優位 Honda 8 DNF
IA2:ヒート2
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 811 G.ポーリン カワサキ 17 32:24.283
2 102 釘村忠 ヤマハ 17 +00:03.72
3 611 T.チャーチ カワサキ 17 +00:18.64
4 331 新井宏彰 カワサキ 17 +00:26.48
5 41 尾崎友哉 ヤマハ 17 +00:45.20
6 45 深谷広一 Honda 17 +00:46.34
7 197 平田優 Honda 17 +00:51.89
13 51 中堀敏宏 Honda 17 +01:47.42
17 07 芹沢翔悟 Honda 16 +1Lap
24 99 黒澤良太 Honda 16 +1Lap
26 02 富田俊樹 Honda 16 +1Lap
27 55 星野優位 Honda 15 +2Laps
RT 16 辻健二郎 Honda 11 DNF
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暫定ポイントランキング

IA1
 
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 成田亮 ヤマハ 449
2 熱田孝高 Honda 409
3 小島庸平 スズキ 290
4 増田一将 Honda 286
5 北居良樹 スズキ 267
6 大河原功次 ヤマハ 264
8 高濱龍一郎 Honda 239
11 小方誠 Honda 209
18 芹沢直樹 Honda 97
20 勝谷武史 Honda 67
22 沼田誠司 Honda 62
23 片平竜英 Honda 53
24 杉山和起 Honda 30
27 納屋望 Honda 21
28 池田孝宏 Honda 18
30 片倉久斗 Honda 7
34 くわ垣竜斗 Honda 1
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IA2
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 新井宏彰 カワサキ 458
2 平田優 Honda 360
3 釘村忠 ヤマハ 354
4 小島太久摩 ヤマハ 353
5 尾崎友哉 ヤマハ 325
6 井上眞一 カワサキ 269
7 深谷広一 Honda 246
13 中堀敏宏 Honda 116
15 星野優位 Honda 102
17 辻健二郎 Honda 92
24 富田俊樹 Honda 46
33 黒澤良太 Honda 12
34 芹沢翔悟 Honda 12
35 谷本功志 Honda 10
37 鈴木拓也 Honda 9
40 安達広頼 Honda 5
41 佐々木雅規 Honda 4
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