HondaファクトリーのTEAM HRCからは、レギュラーメンバーに加えてAMAモトクロスでランキング3位のアンドリュー・ショートが出場。さらに、今季はAMAのチームに在籍した福留善秀も帰国して、今大会にスポット参戦を果たした。
▼IA1(450/250)ヒート1
ホールショットを奪ったのはショート。成田亮(ヤマハ)とともに、1周目から後続を大きく引き離していった。3番手以下は、福留、出原忍(ヤマハ)、熱田孝高(TEAM HRC)の順で1周目をクリア。2周目には、熱田が出原をパスして4番手へと浮上した。一方、増田一将(TEAM HRC)は、転倒により1周目最後尾。前戦での負傷を踏まえると、非常に厳しい展開となった。
トップ2台が序盤から逃げる状況の中、熱田は福留の攻略に時間がかかり、4周目にようやく3番手へと上がる。この段階で2番手を走る成田との差は、15秒以上に広がってしまっていた。一方の福留は、熱田に抜かれた2周後にマシントラブルでリタイア。さらに出原も後退したため、4番手にはHonda DREAM RTの高濱龍一郎が浮上した。
一方、序盤からの激しいトップ争いはレース中盤まで続き、ショートは何度か2番手に後退。しかし10周目にトップに復活すると、その後は成田を引き離して、トップでチェッカーを受けた。2番手には成田が入り、タイトル獲得が決定。熱田は4周目以降単独走行を続けて3位でゴール。高濱も4位でフィニッシュした。増田は一時17番手まで順位を回復。しかしマシントラブルが発生し、22位でレースを終えた。
▼IA1(450/250)ヒート2
ホールショットの成田に、ショート、高濱、熱田のHonda勢が続いて1周目をクリア。福留は、スタート直後にマシントラブルでリタイアした。2周目、高濱をパスした熱田は、ベストラップを叩き出す走りで、逃げ切りを図る成田とショートに迫っていった。ところが3周目に入った直後に、熱田は転倒を喫し、12番手まで順位を落としてしまった。
一方、トップ争いは、ショートが成田に激しくプレッシャーを与える展開。ところがショートは6周目に、成田に追突して転倒。2台の差は広がってしまったが、すぐさま復帰したショートは、その次周にこのヒートのファステストラップを叩き出して、再び成田へと接近。10周目についにトップに立った。
その後ショートは、成田を完全に引き離してゴールして、両ヒート優勝を果たした。2位には成田、そして3位には、大河原功次(ヤマハ)をレース終盤に振り切った高濱が入った。また最終ラップには、7周目に5番手まで順位を回復していた熱田が、大河原の背後へと迫り、並んでフィニッシュジャンプを跳んだが、わずかに逆転はならず、熱田は5位でゴール。増田は1周目10番手から追い上げて、7位でチェッカーを受けた。今大会の結果によりシリーズランキングでは、熱田が2位、増田は4位となった。
▼IA2(250/125)ヒート1
前大会で負傷した影響でうまくバイクを加速させられない状態ながら、平田優(TEAM HRC)は、CRF250Rのパワーにも助けられ、1周目を4番手でクリア。しかし、やはり思うようにバイクをコントロールすることができず、2周目には5番手、3周目には6番手に後退してしまう。それでも意地を見せた平田は、5周目に5番手へと復帰。レース後半まで、この順位をキープした。
しかし激しい順位争いにより、9周目には一気に9番手まで後退。その後の2周で再び7番手まで上がるが、さらに次の2周で10番手へとポジションを落としてしまった。それでも、最後まであきらめずに上を目指した平田は、ラスト3ラップとなる16周目に9番手、そして17周目には8番手へと再浮上。そのまま8位でフィニッシュした。
▼IA2(250/125)ヒート2
平田はオープニングラップを、SEKI Racing MotoRomanの深谷広一(Honda)に次ぐ7番手でクリア。4周目に深谷の攻略に成功して6番手に上がると、痛みをこらえつつ、前を走る小島太久摩(ヤマハ)を追った。そして、レース時間が残り半分以下となった10周目、ついに5番手へと浮上。しかし次周に、尾崎友哉(ヤマハ)にパスされてしまった。
これで再び6番手となった平田は、なおも懸命に走行を続けるが、序盤でパスした深谷に詰め寄られてしまう。そしてラスト3ラップとなる15周目に抜かれて、6位の深谷に次ぐ7位でフィニッシュした。しかしシリーズランキングでは、前戦終了時で12ポイント差があった3番手に逆転されることなく、2位となった。 |