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日本 中国・世羅グリーンパーク弘楽園
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ROUND
#09
OCTOBER 07, 2007
第9戦 広島・世羅グリーンパーク弘楽園
リザルト ポイント

熱田孝高がヒート2で今季4勝目をマーク!
総合優勝も熱田が獲得!

第9戦 広島・世羅グリーンパーク弘楽園
2007年10月7日(日)・決勝
会場:グリーンパーク弘楽園
天候:晴れのち曇り
気温:25℃
コースコンディション:ドライ
観客:1万1500人

いよいよ大詰めを迎えた今季の全日本モトクロス選手権シリーズ。最終戦前のレースとして、第9戦中国大会が広島県のグリーンパーク弘楽園で開催された。土曜日は、これぞ秋晴れという雲一つない青空のもとで予選が開催され、そして日曜日は、午前中は晴天、午後は厚い雲に覆われた下で、決勝レースが行われた。

第9戦 広島・世羅グリーンパーク弘楽園

このコースの路面は、非常にハード。今回も、走行のたびに土の中の岩盤が浮き出してきた。そして、例年よりも少ない散水量だったことなどから、両日ともに大量の土ぼこりが発生。選手たちはライバル以外に、硬い路面や視界の悪さとも格闘しなければならない状況となった。

今大会にも、HondaファクトリーチームのTEAM HRCは、IA1クラスに熱田孝高と増田一将、IA2に平田優という、今シーズンのここまでと同様の体制で参戦。両クラスとも、ここまでライバルにポイントランキングにおいて先行を許しており、最終戦での逆転タイトル獲得に望みをつなぐためにも、是が非でも負けられない大会となった。

▼IA1(450/250)ヒート1
熱田と増田は、いずれもスタートでやや出遅れてしまい、ショートカットコースとなる1周目を、増田が7番手、熱田が10番手でクリア。一方、Honda DREAM RTの高濱龍一郎は、1周目を5番手でクリアした。ここから、まずは増田が激しい追い上げを見せ、2周目に5番手へ浮上。3周目には、早くも3番手へと上がりかけた。

ところが、3周目の終わりのフィニッシュジャンプの着地で、増田は激しく転倒。このままリタイアとなってしまった。一方、熱田は、3周目にはまだ8番手を走行していたが、その次周に一気に順位を4つアップ。さらに5周目に3番手、レースが折り返し地点となった9周目には、2番手へと浮上した。

しかしこの段階で、トップの成田亮(ヤマハ)とは大差があり、そのまま成田に次ぐ2位でゴールすることになった。また高濱は、4周目には7番手まで順位を落とすが、その後にじわじわとポジションアップ。レース終盤には、ついに3番手を走る溝口哲也(カワサキ)へと迫った。そして最終ラップ半ばで、ついに溝口をかわしてチェッカー。2006年第2戦以来となる、全日本の表彰台に上がった。

▼IA1(450/250)ヒート2
ヒート1で転倒した増田は、このレースへの出走をキャンセル。Honda勢は、1周目を終えた段階で高濱が4番手、熱田が5番手と、好ポジションからレースをスタートした。さらに2周目には、高濱が一気に3台をパスして、トップへと躍り出た。すると高濱は、次周にはベストラップを叩き出し、後続を引き離しにかかった。

ところが、独走になりつつあった6周目に、硬い路面のためタイヤがパンク。これにより高濱は、タイヤ交換を余儀なくされてしまった。一方、熱田は、4周目に4番手へと浮上すると、その後は成田と激しいバトルを繰り広げつつ、順位をアップ。7周目にはこれが2番手争い、そして2人で同一周回に溝口をパスした12周目以降は、これがトップ争いとなった。

その後も熱田は成田と、幾度となく前後を入れ替えながらバトルを展開。そのまま、レースは終盤を迎えた。すると、ラスト4周となった16周目、トップに立った熱田がラストスパート。一気に成田を引き離すことに成功し、そのまま優勝のチェッカーを受けた。これにより熱田は、両ヒート総合成績でもトップとなった。

▼IA2(250/125)ヒート1
平田は、前日の予選から好調な走りをみせ、これをトップでクリア。1番最初に、マシンをスターティンググリッドへと入れた。しかし、スタートでやや出遅れ、他車とも接触。これにより、ショートカットコースとなる1周目を9番手でクリアすることになった。それでも平田は、すぐに追い上げを開始。早い段階でのトップ浮上を狙った。

ところがフルコースとなった2周目中盤のジャンプで、平田と尾崎友哉(ヤマハ)が接触し、両者とも転倒。平田は、そのまま担架で医務室へと運ばれてしまった。レースは新井宏彰(カワサキ)が優勝。SEKI Racing MotoRomanの深谷広一が、レース序盤からの追い上げで、Honda勢最上位の6位でゴールとなった。

▼IA2(250/125)ヒート2
ヒート1で転倒した平田は左ヒザを負傷。ダメージは大きく、ヒート2の出走をキャンセルしても当然というような状態だった。それでも平田は、最後までタイトル争いをあきらめない姿勢をみせ、決勝のグリッドへと並んだ。しかし、思うようにはバイクを走らせることができず、1周目を終えた段階でピットへと戻り、そのままリタイアした。

この平田のリタイアにより、新井のIA2クラスタイトル獲得が決定。レースは、その新井が序盤から逃げ切りを図り、ヒート1に続いて優勝した。なおその後方では、深谷が激しい追い上げを展開。1周目16番手と出遅れた深谷だったが、レースの序盤と終盤に大きくポジションを上げ、最終的には表彰台まであと一歩となる4位でチェッカーを受けた。

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COMMENT

コメント

Yoshitaka Atsuta 熱田孝高(IA1・2位/優勝)
 

「ヒート1は、スタートで出遅れて成田選手が逃げてしまっていたので、どうしようもありませんでした。レース序盤に集団を抜く際に無理をしすぎて、腕上がりを起こしてしまい、苦しいレースでした。でもヒート2は、成田選手とバトルができて、僕も楽しかったし、観客のみなさんも楽しませることができたと思うので、よかったです。レース中盤、成田選手にラインを見せないために、時間もあったので駆け引きをしていたら、後ろから溝口選手が迫ってきて、ちょっと焦りました。それで、最後は引き離しにかかったのですが、うまく成功しました。タイトル争いを考えれば、ポイントが縮まらなかったのは残念なのですが、久しぶりに全日本で総合優勝することができ、これはよかったかなと思っています。まだタイトルを逃したわけでもないですし、最終戦は海外のライダーも参戦するようなので、地元で行われる最終戦も、気合いを入れてがんばります!」

Kazumasa Masuda 増田一将(IA1・DNF/DNS)
 

「決勝ヒート1の途中で転倒して、脳しんとうを起こしたようですが、実は一部の記憶が飛んでしまい、転んだ場所とかはあまり覚えていません。スタートはまずまずで、そこから追い上げていって、前が4台くらいになって、というくらいまでは覚えているのですが……。ただ、勝負しにいっての転倒だったので、仕方がないとは思います。決勝前に、勝負ポイントのひとつだと思っていた場所での転倒でしたから、アンラッキーだったのだと思っています。自滅だったので、残念といえばそうなのですが、いずれにせよ起きてしまったことは取り返せないし、攻めた結果だったと思うので、悔いはありません。身体の状態ですが、今はまだ吐き気がするのに加え、手も痛めてしまいました。ただ、頭のほうは検査では異常がなかったですし、手も骨折しているわけではないようです。残り1戦しかないので、少しでもよい状態で臨めるようにしたいと思います」

Yu Hirata 平田優(IA2・DNF/DNF)
 

「ヒート1の転倒は、空中で尾崎選手とラインが交錯して、低くジャンプしていた僕の上に、尾崎選手が乗っかるようになってのものでした。それで地面に叩きつけられてしまいました。そのときはでん部も強打していて痛かったのですが、それよりも左ヒザが重症でした。それでもヒート2も走ろうと思っていたのですが、ちょっと走ってみたら、ギアチェンジがまったくできないような状態だったので、リタイアしました。レースなので、接触することもあります。すべては、スタートで出られなかった僕に原因があると思います。いまは、タイトルが獲得できなかったことが非常に悔しいのですが、僕自身は最終的に強いライダーになりたいと思っているので、こういう経験も必要なんだと考えています。負けっぱなしにならないよう、この経験を次に生かしたいと思います。気持ちを切り替えて、ケガを治してリハビリして、練習します」

Seita Watanabe 渡部誠多
  TEAM HRC 監督
 

「熱田は、狙いとしては両ヒート優勝だったのですが、ヒート1は残念ながら2位となりました。ただヒート2では勝つことができ、しかも内容的には一度のミス以外は非常によかったので、ポイント差は縮まりませんでしたが、収穫は大きかったと思います。最終戦は、ポイント差はありますが、レースは何があるか分からないので、万全の態勢でベストを尽くすことだけを考えたいと思います。増田は、決勝前まで非常に調子もよかったのですが、ヒート1の途中に不運な場所で転倒し、脳しんとうを起こしてしまいました。そのためヒート2は、大事をとってリタイアすることにしました。今、無理をするより、2週間後の最終戦を少しでもベストに近い状態で臨むことを目指した結果です。今大会で一将を応援してくださっていたファンの方々には申し訳ありませんが、最終戦でまた一将本来の走りを披露できるよう、この2週間で努力いたします。平田も、予選までは非常に順調で、ライダーもマシンも非常によい状態だったのですが、決勝は流れをつかむことができず、アンラッキーなことに他車と絡み、このような結果になってしまいました。ただ、流れをつかめるかも実力のうちだと思いますので、この結果を厳粛に受け止め、今後も安定した強さを目指していきたいと思います。今回は、増田と平田を不運が襲いましたが、これもライダーとチームがこれからさらに強くなっていくための試練なのだと受け止めております。これからも、Hondaへの応援をよろしくお願いいたします!」

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RESULT × POINT

決勝リザルト

IA1:ヒート1
ROUND
#09
OCTOBER 07, 2007
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 982 成田亮 ヤマハ 19 32:17.627
2 1 熱田孝高 Honda 19 +00:16.63
3 8 高濱龍一郎 Honda 19 +00:31.56
4 711 溝口哲也 カワサキ 19 +00:32.37
5 15 北居良樹 スズキ 19 +00:46.00
6 7 釘村太一 ヤマハ 19 +00:49.99
10 28 納屋望 Honda 19 +01:23.61
13 54 芹沢直樹 Honda 18 +1Lap
14 27 片平竜英 Honda 18 +1Lap
15 31 池田孝宏 Honda 18 +1Lap
18 61 杉山和起 Honda 18 +1Lap
21 94 片倉久斗 Honda 18 +1Lap
23 35 くわ垣竜斗 Honda 17 +2Laps
24 955 勝谷武史 Honda 17 +2Laps
25 22 小方誠 Honda 17 +2Laps
28 23 沼田誠司 Honda 16 +3Laps
RT 4 増田一将 Honda 3 +16Laps
IA1:ヒート2
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 1 熱田孝高 Honda 19 32:38.794
2 982 成田亮 ヤマハ 19 +00:02.86
3 711 溝口哲也 カワサキ 19 +00:05.79
4 411 中村友則 カワサキ 19 +00:36.79
5 11 戸田蔵人 スズキ 19 +00:41.75
6 10 大河原功次 ヤマハ 19 +00:42.94
9 955 勝谷武史 Honda 19 +01:08.94
11 23 沼田誠司 Honda 19 +01:25.07
12 22 小方誠 Honda 19 +01:26.09
14 61 杉山和起 Honda 18 +1Lap
16 27 片平竜英 Honda 18 +1Lap
17 54 芹沢直樹 Honda 18 +1Lap
19 31 池田孝宏 Honda 18 +1Lap
22 8 高濱龍一郎 Honda 18 +1Lap
25 35 くわ垣竜斗 Honda 17 +2Laps
26 94 片倉久斗 Honda 17 +2Laps
RT 28 納屋望 Honda 12 +7Laps
IA2:ヒート1
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 331 新井宏彰 カワサキ 19 32:09.128
2 101 小島太久摩 ヤマハ 19 +00:20.88
3 48 星野裕 スズキ 19 +00:21.39
4 103 渡辺学 ヤマハ 19 +00:26.91
5 42 井上眞一 カワサキ 19 +00:29.68
6 45 深谷広一 Honda 19 +00:46.50
8 55 星野優位 Honda 19 +01:01.05
15 16 辻健二郎 Honda 19 +01:19.28
16 02 富田俊樹 Honda 19 +01:21.48
24 07 芹沢翔悟 Honda 18 +1Lap
RT 197 平田優 Honda 1 +18Laps
RT 111 川島雄一郎 Honda 1 +18Laps
IA2:ヒート2
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 331 新井宏彰 カワサキ 19 32:34.838
2 102 釘村忠 ヤマハ 19 +00:11.50
3 103 渡辺学 ヤマハ 19 +00:19.37
4 45 深谷広一 Honda 19 +00:26.72
5 101 小島太久摩 ヤマハ 19 +00:35.27
6 41 尾崎友哉 ヤマハ 19 +00:36.22
9 16 辻健二郎 Honda 19 +00:47.89
10 02 富田俊樹 Honda 19 +00:48.63
21 55 星野優位 Honda 19 +01:38.80
23 07 芹沢翔悟 Honda 18 +1Lap
RT 111 川島雄一郎 Honda 13 +6Laps
RT 197 平田優 Honda 1 +18Laps
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暫定ポイントランキング

IA1
 
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 成田亮 ヤマハ 399
2 熱田孝高 Honda 367
3 小島庸平 スズキ 280
4 増田一将 Honda 269
5 溝口哲也 カワサキ 239
6 北居良樹 スズキ 233
8 高濱龍一郎 Honda 195
10 小方誠 Honda 184
18 芹沢直樹 Honda 82
20 沼田誠司 Honda 49
21 片平竜英 Honda 49
23 勝谷武史 Honda 38
25 杉山和起 Honda 25
27 納屋望 Honda 21
28 池田孝宏 Honda 18
30 片倉久斗 Honda 7
34 くわ垣竜斗 Honda 1
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IA2
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 新井宏彰 カワサキ 412
2 平田優 Honda 327
3 釘村忠 ヤマハ 315
4 小島太久摩 ヤマハ 314
5 尾崎友哉 ヤマハ 285
6 井上眞一 カワサキ 237
7 深谷広一 Honda 215
13 星野優位 Honda 102
14 中堀敏宏 Honda 96
16 辻健二郎 Honda 87
22 富田俊樹 Honda 46
32 黒澤良太 Honda 12
33 谷本功志 Honda 10
35 鈴木拓也 Honda 9
38 芹沢翔悟 Honda 5
39 安達広頼 Honda 5
40 佐々木雅規 Honda 4
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