TEAM HRCからIA1クラスに参戦する熱田孝高と増田一将は、熱田が予選3番手、増田が同4番手で決勝へ進出。またIA2クラスに参戦する平田優も、予選を2番手でクリアし、好グリッドから決勝レースに臨むことになった。なおIA1クラスでは、Honda
DREAM RTの高濱龍一郎も快走をみせ、予選ヒートレースをトップでゴールした。
決勝が行われた日曜日は、朝から晴天に恵まれて気温も上昇。しかし昼休みを迎えたころから雲が増え、決勝ヒート2は雨天レースとなった。ただし、水はけのよい路面ということもあり、路面コンディションへの影響はさほど大きくなかった。
▼IA1(450/250)ヒート1
熱田、増田、高濱、成田亮(ヤマハ)らが、スタート直後から激しいトップ争いを展開。ところが3コーナーで、熱田、成田、高濱が競り合う中、熱田と高濱が接触転倒。これにより、熱田が15番手、高濱が26番手で1周目を終えることになってしまった。その一方で、増田は成田をパスして1周目をトップでクリアした。
2周目、増田は成田に抜かれて2番手に後退するが、4周目に成田が転倒したため再びトップへ浮上。レース中盤はこの座を守り続けた増田だったが、12周目に転倒して成田の直後で再スタートすることになった。それでも、再逆転のチャンスを狙って力走した増田。ところがレースも残り2周半という16周目にマシントラブルが発生し、リタイアとなってしまった。
一方の熱田は、2周目に一気に順位を5つ上げるなどの激走で、10周目には3番手まで順位を回復。その次周に5番手へ後退するが、再び追い上げて、16周目には増田のリタイアにより3番手に浮上した。そして、ラスト2周となった17周目に、2番手を走っていた北居良樹(スズキ)をパス。そのままゴールして、2位表彰台に上がった。
▼IA1(450/250)ヒート2
増田がヒート1に続く好スタートで、1周目を2番手でクリア。また熱田は、1周目7番手というポジションからトップを狙う展開。高濱は、1周目18番手からの追い上げレースとなった。レース序盤、増田はヒート1で優勝した成田を追い、3周目にはベストラップを記録。しかし、成田との差はじりじりと拡大してしまう。
その後方では、熱田が2周目に6番手、4周目に5番手へと浮上すると、さらに前を走る小島庸平(スズキ)へと肉迫。ところが7周目に、まさかの転倒を喫して13番手まで後退。さらに9周目にも再び転倒して、16番手まで順位を下げてしまう。それでも、再びレースに復帰した熱田は、11位でフィニッシュ。不本意ながらも10ポイントを獲得した。
一方の増田は、最後まであきらめることなく成田を追い、逆転はかなわなかったものの2位でフィニッシュ。ランキング3位を死守した。高濱は、最終的には8位でゴールしている。
全日本選手権第9戦は10月の開催となるが、その間に熱田と増田は、モトクロス・オブ・ネイションズ(国別対抗世界選手権)に、日本代表選手として参加することが決まっている。
▼IA2(250/125)ヒート1
オープニングラップを制したのは、IAルーキーとなるTeam BAS with ITOMOの富田俊樹(Honda)。しかし富田は2周目にコースアウトし、大きく遅れてしまった。また、逆転でのタイトル獲得を果たすために、まずは地元に近いこのコースでの両ヒート優勝を狙う平田は、スタートで大きく出遅れ、1周目16番手と苦しい展開となってしまった。
さらに平田は、混戦が続く2周目に18番手へと後退。しかし4周目に1台をパスすると、その後は順調に追い上げを続けた。そして8周目には、このヒート2番手となるベストラップを記録。13周目には、6番手まで順位を上げた。しかし、序盤の出遅れが大きく響き、そのあとはこの位置で単独走行を続けての6位フィニッシュに終わった。
▼IA2(250/125)ヒート2
富田が再び好スタートを見せ、1周目3番手。平田はやや出遅れて、8番手でオープニングラップをクリアした。2周目、富田は今大会IA2クラス決勝におけるファステストラップを記録する激走で、2番手へと浮上。また平田も、3周目に6番手へと順位を上げた。ところがその後は、両者とも思うようにペースを上げられなかった。
富田は4周目に3番手へと順位を戻すと、その後は徐々に後退。12周目には7番手となってしまった。しかし、レース終盤になっても粘り強く走り続けた富田は、それ以下へは順位を落とすことなく、IA1年目としては称賛に値する7位でチェッカーを受けた。また平田は、苦しいレースを走り抜き、6位入賞を果たした。 |