モータースポーツ > 全日本モトクロス選手権 > 第7戦 東北・藤沢スポーツランド 決勝

JMX

INFORMATION
日本 東北・藤沢スポーツランド
レース情報 フォトギャラリー
 
ROUND
#07
JULY 22, 2007
リザルト ポイント

熱田が今季3勝目をマーク! IA2では平田が総合優勝!

第7戦 東北・藤沢スポーツランド
2007年7月22日(日)・決勝
会場:藤沢スポーツランド
天候:曇りのち晴れ
気温:31℃
コースコンディション:マディ
観客:7000人

夏休み前最後となるシリーズ第7戦が、岩手県最南部に位置する藤沢スポーツランドで開催された。毎年この時期の恒例となっている東北大会は、梅雨明けの時期が早ければ酷暑、遅ければ雨に見舞われ、過酷なレースとなることが多い。今年は梅雨が明けず、大会前から決勝日の午前中まで天候不良が続き、予選、決勝ともマディコンディションで行われることになった。

第7戦 東北・藤沢スポーツランド

予選や決勝ヒート1は、一部区間をショートカットしなければならないほどのコースコンディションとなり、選手はグリップの悪さや深いワダチに苦しめられた。さらに、決勝日午後になって雲のすき間から太陽が顔をのぞかせると、一気に気温が上昇。サンドを多く含んだ土質ということもあり、コンディションは多少よくなったが、今度は暑さに苦しめられることになった。

HondaファクトリーのTEAM HRCから参戦した、IA1クラスの熱田孝高と増田一将、IA2の平田優は、それぞれ順当に予選をクリア。中でも平田は、総合トップでの予選通過を果たし、決勝レースでの活躍に期待が集まった。

▼IA1(450/250)ヒート1
ホールショットを奪ったのは小島庸平(スズキ)。TEAM HRCの熱田と増田は、ともにスタートで出遅れ、オープニングラップを熱田が9番手、増田が12番手でクリアする、苦しい展開となった。3周目、熱田は数少ないパッシングポイントを見つけて7番手へと浮上。しかし増田は転倒を喫し、15番手へと後退してしまう。

前が空いたことでペースが上がった熱田は、続く4周目に6番手へと上がると、さらにラップタイムを縮めて、6周目には3番手集団へと接近。そして、7周目にHonda DREAM RTの高濱龍一郎らを抜いて4番手に浮上すると、次周にはさらに加賀真一(スズキ)をパスして、ついに表彰台圏内に入った。

ところがこの8周目終了時点で、2番手を走る成田亮(ヤマハ)との差は約40秒もあり、これ以上の追い上げは厳しい状況となってしまっていた。それでも熱田は、9周目にベストラップを出すなど、最後まであきらめずに周回を重ね、14周を走りきって3位表彰台へと上がった。1位は小島、2位に成田。高濱は6位に入賞し、増田は転倒後に追い上げて11位でゴールした。

▼IA1(450/250)ヒート2
午前のスケジュール進行が遅れたため、IAクラスのヒート2は、本来より5分短い25分+1周とされた。IA1決勝ヒート2は、再びホールショットを奪った小島に、増田と熱田が続く展開でスタートした。1周目、熱田が増田をパスして2番手に浮上。しかし増田も、大きく引き離されることなく熱田と小島をマーク。レース序盤から、この3台が後続を大きく引き離した。

2番手に浮上した熱田は、ハイペースで逃げ切りを図る小島を冷静に追撃。そして6周目にパッシングに成功し、トップに立った。ところが同じ周に増田は、コーナーで転倒。しかも再スタートに2分近くを費やし、21番手まで後退してしまった。これによりトップ集団は、熱田と小島の2台となった。

熱田は、トップに立った次周にベストラップを叩き出し、小島を引き離しにかかった。そして、見事これに成功すると、難しいコンディションの中、13周を危なげなく走りきってゴール。今季3度目のヒート優勝を達成した。一方の増田は、タイムロス後も懸命に走行を続け、16位まで追い上げてチェッカーを受けた。

▼IA2(250/125)ヒート1
バイクに泥が付着するのを嫌い、スタート前のサイティングラップ出走をやめた平田は、1周目を6番手でクリア。次周には、一気にポジションを上げて、3番手へと浮上した。そして、7秒ほど前を走る池谷優太(スズキ)を追うと、ジワジワとその差を詰め、ちょうどレース時間が半分過ぎた6周目に、池谷の攻略に成功した。

しかしこの段階で、トップを走る釘村忠(ヤマハ)との差は30秒弱と、大きく開いてしまっていた。それでも、8周目にはベストラップを出しつつ、極めて安定したラップタイムで周回を重ねた平田は、釘村との差を6周で15秒も削り取ってゴール。2位表彰台に登壇した。3位には、ポイントランキングトップの新井宏彰(カワサキ)が入っている。

▼IA2(250/125)ヒート2
IA1のヒート2と同じく、こちらのレースも25分+1周に短縮された。ホールショットを奪ったのは平田。さらに、ヒート1で7位に入ったSEKI Racing MotoRomanの星野優位が、1周目に2番手に浮上し、Hondaの1-2態勢でオープニングラップを終えた。平田はここから一気に後続との差を広げ、序盤から早くも独走。一方の星野は、3周目に3番手に後退するが、その後は粘りの走りを続けた。

レース中盤、この星野をパスした釘村が、平田との差を急激に詰めて接近。すると平田は、ラスト3周で釘村よりも約2秒速いファステストラップを叩き出す余裕をみせつつスパート。最終的には釘村との差を約20秒まで拡大してゴールし、今季3勝目を挙げた平田が総合優勝を果たした。2位には釘村。3位には星野が入り、IA昇格後初の全日本表彰台に上がった。

ページトップへ
COMMENT

コメント

Yoshitaka Atsuta 熱田孝高(IA1・3位/優勝)
 

「ヒート1は、自分が得意とするコースコンディションでしたが、スタートで出遅れてしまい、速く走れるラインが1本しかなく、上位に進出するまでに時間を使いすぎてしまいました。3番手に浮上したときには、前2台とは完全に離されてしまっていたので、どうすることもできませんでした。ヒート2は、午前のレースで悪かった部分もしっかり修正でき、スタートも決まりました。確実にいこうと思い、(小島)庸平選手の後ろについてから抜くまでに、少し周回を重ねましたが、狙い通りの展開でした。今回も、ポイントランキングでは大きく差を詰めることができませんでしたが、何があるか分からないので一歩一歩着実に、と思っています。今回の優勝で波に乗れたと思いますし、1カ月のインターバル中はアメリカでのAMA参戦とトレーニングができるので、全日本の残り3戦は絶好調で迎えられるはずです。残り6ヒート、すべて勝ちにいきます!」

Kazumasa Masuda 増田一将(IA1・11位/16位)
「ヒート1はスタートで出遅れて、途中で転倒があって、そこから追い上げましたが及ばず。ヒート2は、スタートはよかったのですが、レース中盤にオーバースピードでコーナーに進入してしまい、立ち上がりで転んだときに、フロントタイヤが柔らかい部分(ブルドーザーで泥を寄せた場所)に入って、抜け出せなくなってしまいました。このコースは、ここ何年もあまり成績がよくありませんでした。それでもあまり意識せず、表彰台に上がれればいいかな、くらいの気持ちで臨みましたが、思ったよりもうまく走ることができませんでした。予選から大分苦戦を強いられてしまいました。納得はいきませんが、この現実をしっかりと受け止めて、次につながるようにしたいと思います。この1カ月のインターバルでリセットして、残り3戦をしっかり走れるようにしたいと思います」
Yu Hirata 平田優(IA2・2位/優勝)
「ヒート1は、2番手に上がった段階でトップが離れてしまっていて、少し守りに入ってしまいました。コースコンディションもかなり悪かったので、転倒したくないという気持ちから、身体も硬くなっていたと思います。速くなる、という自分の目標に対しては、まったく意味のない2位入賞でした。それに対してヒート2は、結果もそうですが、収穫のあるレースだったと思います。特にスタートでは、ちゃんと有利なグリッドを見つけて、しっかりと集中し、バイクもよく走ってくれて、ホールショットを奪うことができました。途中で(釘村)忠選手に差を詰められましたが、ラスト3周でベストラップを出して、引き離すこともできました。暑い中でもタレることなく、しっかり走れたと思います。来週は、楽しみにしていたAMAでの初レースです。まず経験し、吸収し、この先につなげていきたいと思います。全日本は今季の残り6ヒート、全部勝ちます!」
Yu Hoshino 星野優位(IA2・7位/3位)
「IA昇格4年目で、ようやく表彰台に立つことができました。これも、支えてくれた皆さんのおかげです。ありがとうございました。これまで、レースでは転倒で順位を落としてしまうことがとにかく多くて、いつもチャンスをダメにしていました。この大会では、予選からとても調子がよく、ヒート1でも転んだにもかかわらず7位に入れたので、ヒート2は絶対に大きなミスなく走りきろうと思っていました。これで、ようやくひとつの目標を達成したので、今後のレースでは安定してこの位置を走れるよう、がんばりたいと思います。そんなに甘い世界ではないことは十分に分かっていますが、また表彰台に上がれるようなレースをしたいと思います。最近は、モタードレースの全日本も走っているのですが、ここで養われたスピード感覚も、モトクロスで速くなるために役立っていると実感しています。どちらのレースも、応援よろしくお願いします!」
Seita Watanabe 渡部誠多
  TEAM HRC 監督
「熱田は昨年の覇者ですから、勝つことを第一の目標としています。久しぶりにこの目標を達成できて、ホッとしています。8月には、再びアメリカンホンダのファクトリーチームから、AMAモトクロスに2戦出場します。非常にレベルの高い挑戦となりますが、この経験を弾みにして、全日本の残り3戦では勝ち星を多く挙げてくれると思います。増田は、前大会まで好調なレースを続けてきましたが、このコースは彼にとって難所となっており、果敢に前向きな走りをしましたが、よい結果は残せませんでした。しかし、きっとこの弱点を克服すべく、このインターバルを有意義に使ってくれるはずです。残り3戦は、増田の得意とするコースばかりですから、期待していてください。また平田については、後半追い上げプロジェクトというのをやっていて、その成果が今回のレースでも表れたと思っています。平田も、修業を兼ねてプライベーターとして来週のワシューガルに参戦します。初めてのAMAでの経験や、今後も続けていくプロジェクトが、残り3戦でのポイントランキング逆転につながるものと信じています」
ページトップへ
RESULT × POINT

決勝リザルト

IA1:ヒート1
ROUND
#07
JULY 22, 2007
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 44 小島庸平 スズキ 14 33:47.095
2 982 成田亮 ヤマハ 14 +00:14.52
3 1 熱田孝高 Honda 14 +00:41.12
4 9 加賀真一 スズキ 14 +01:12.74
5 5 出原忍 ヤマハ 14 +01:25.33
6 8 高濱龍一郎 Honda 14 +01:31.64
11 4 増田一将 Honda 14 +02:06.22
12 22 小方誠 Honda 14 +02:45.81
17 27 片平竜英 Honda 12 +2Laps
18 54 芹沢直樹 Honda 12 +2Laps
19 31 池田孝宏 Honda 12 +2Laps
20 61 杉山和起 Honda 12 +2Laps
22 94 片倉久斗 Honda 12 +2Laps
23 83 太田幸仁 Honda 11 +3Laps
24 23 沼田誠司 Honda 11 +3Laps
IA1:ヒート2
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 1 熱田孝高 Honda 13 28:06.004
2 44 小島庸平 スズキ 13 +00:09.34
3 982 成田亮 ヤマハ 13 +00:29.85
4 15 北居良樹 スズキ 13 +00:50.89
5 711 溝口哲也 カワサキ 13 +00:52.61
6 9 加賀真一 スズキ 13 +01:10.34
7 22 小方誠 Honda 13 +01:12.09
9 8 高濱龍一郎 Honda 13 +01:22.60
13 23 沼田誠司 Honda 12 +1Lap
14 27 片平竜英 Honda 12 +1Lap
15 54 芹沢直樹 Honda 12 +1Lap
16 4 増田一将 Honda 12 +1Lap
17 61 杉山和起 Honda 12 +1Lap
18 94 片倉久斗 Honda 12 +1Lap
19 31 池田孝宏 Honda 12 +1Lap
25 83 太田幸仁 Honda 11 +2Laps
IA2:ヒート1
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 102 釘村忠 ヤマハ 13 33:42.629
2 197 平田優 Honda 13 +00:16.93
3 331 新井宏彰 カワサキ 13 +00:33.68
4 41 尾崎友哉 ヤマハ 13 +00:58.72
5 42 井上眞一 カワサキ 13 +01:08.48
6 48 星野裕 スズキ 13 +01:22.84
7 55 星野優位 Honda 13 +02:27.83
9 99 黒澤良太 Honda 12 +1Lap
10 45 深谷広一 Honda 12 +1Lap
11 51 中堀敏宏 Honda 12 +1Lap
12 112 鈴木拓也 Honda 12 +1Lap
16 67 安達広頼 Honda 12 +1Lap
17 02 富田俊樹 Honda 12 +1Lap
19 107 佐々木雅規 Honda 11 +2Laps
RT 74 谷本功志 Honda 0 DNF
IA2:ヒート2
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 197 平田優 Honda 13 29:15.226
2 102 釘村忠 ヤマハ 13 +00:20.51
3 55 星野優位 Honda 13 +01:09.80
4 45 深谷広一 Honda 13 +01:12.47
5 331 新井宏彰 カワサキ 13 +01:18.02
6 41 尾崎友哉 ヤマハ 13 +01:30.30
19 107 佐々木雅規 Honda 12 +1Lap
20 74 谷本功志 Honda 12 +1Lap
21 67 安達広頼 Honda 12 +1Lap
24 112 鈴木拓也 Honda 11 +2Laps
25 02 富田俊樹 Honda 10 +3Laps
26 99 黒澤良太 Honda 9 +4Laps
27 51 中堀敏宏 Honda 9 +4Laps
ページトップへ
 

暫定ポイントランキング

IA1
 
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 成田亮 ヤマハ 302
2 熱田孝高 Honda 288
3 増田一将 Honda 247
4 小島庸平 スズキ 245
5 溝口哲也 カワサキ 183
6 北居良樹 スズキ 169
10 高濱龍一郎 Honda 150
11 小方誠 Honda 142
18 芹沢直樹 Honda 63
20 沼田誠司 Honda 34
21 片平竜英 Honda 32
22 勝谷武史 Honda 26
24 杉山和起 Honda 15
25 納屋望 Honda 10
26 池田孝宏 Honda 10
28 片倉久斗 Honda 6
32 くわ垣竜斗 Honda 1
      MORE
IA2
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 新井宏彰 カワサキ 319
2 平田優 Honda 297
3 釘村忠 ヤマハ 245
4 小島太久摩 ヤマハ 234
5 尾崎友哉 ヤマハ 220
6 井上眞一 カワサキ 194
9 深谷広一 Honda 160
12 中堀敏宏 Honda 89
13 星野優位 Honda 77
20 辻健二郎 Honda 47
26 富田俊樹 Honda 16
30 谷本功志 Honda 10
32 鈴木拓也 Honda 9
34 芹沢翔悟 Honda 5
35 安達広頼 Honda 5
38 佐々木雅規 Honda 4
      MORE
Page top
※このサイトをご覧になるには最新の Flash Player が必要です。