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日本 九州・HSR九州
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ROUND
#05
JUNE 10, 2007
リザルト ポイント

増田一将が2戦連続パーフェクトウイン! IA2の平田優は両ヒート2位表彰台!

第5戦 九州・HSR九州
2007年6月10日(日)・決勝
会場:HSR九州
天候:晴れ
気温:26℃
コースコンディション:ドライ
観客:1万1200人

シーズン前半戦の最後を飾る第5戦が、熊本県のHSR九州で開催された。ここは本田技研工業(株)熊本製作所の敷地内にある、Hondaのホームコース。阿蘇の火山灰による黒土と、数年にわたる改修で運び込まれた茶褐色土などが混ざった土質や、タイトターンが連続したレイアウトなどを特徴とする。

第5戦 九州・HSR九州

今大会も、予選が行われた土曜日に一時、大粒の雨が降った以外は土日とも天候に恵まれ、強い日差しにより気温も上昇。これによりコースが乾き、土曜日には大量のホコリが発生した。ただし日曜日は、懸命な散水作業などにより、この点は大きく改善された。

ホームコースでライバルを迎え撃つ、HondaファクトリーチームのTEAM HRCからは、これまで同様に熱田孝高と増田一将がIA1、平田優がIA2にエントリー。熱田は予選トップ、熱田と同組で走った増田は予選3番手と、両者とも順当に決勝へと駒を進めた。しかし平田は、予選で転倒して腕を負傷。12番手で予選は通過したが、決勝に向け苦しい展開となった。

▼IA1(450/250)ヒート1
ホールショットを奪ったのは、T.E.SPORTの杉山和起(Honda)。しかし杉山はすぐに大きく後退し、1周目を終えた段階で、トップ争いは増田が小島庸平(スズキ)を追う展開となった。熱田は、スタートで出遅れて1周目10番手。ライバルのミスなどで3周目には8番手へと浮上するが、しばらくはその順位をキープするにとどまっていた。

5周目、ここまで小島をピタリとマークしていた増田が、早くも勝負に出てこれをパス。トップに浮上すると、ジワジワと引き離しにかかった。ところが熱田は逆に、同じ周の最終コーナーで戸田蔵人(スズキ)と接触転倒して、20番手まで後退してしまう。これで火がついた熱田は、怒とうの追い上げを開始した。

熱田は、7周目に一気に5番手も浮上するなど、9周目には12番手まで順位を回復。レース終盤までその位置をキープすると、ラスト3周でさらに4つ順位を上げ、8位でフィニッシュした。一方の増田は、レース中盤以降は独走状態。結局、2位に入った成田亮(ヤマハ)に約15秒の大差をつけ、優勝のチェッカーを受けた。

▼IA1(450/250)ヒート2
午前のレースでは、スタートの出遅れが響く結果となった熱田だったが、このヒート2ではオープニングラップでトップに浮上。一方の増田は、1周目8番手と前回よりは悪いスタートとなった。ところがここから増田は、2周目に5番手、3周目には2番手へとジャンプアップ。すでに逃げ切り態勢を築きつつあった熱田を追い始めた。

すると、3周目には7秒弱あった熱田と増田の差がジワジワと減りはじめ、レース後半にはついに、2台の接近戦となった。そして増田は、何度か熱田にプレッシャーを与えつつ、スキを狙い続けたあと、ラスト3周となった16周目にいよいよ勝負に出た。しかし熱田も引かず、両者が並んでジャンプを飛ぶことになった。

すると、ここで両者が接触。ジャンプは空中でマシンの向きを変えるレイアウトだったため、アウト側にいた熱田がはじき飛ばされ、転倒してしまった。しかし熱田は、3番手以降が大きく遅れていたために、2番手でレースへ復帰。そのまま2位でチェッカーを受けた。一方の増田は、このバトル以降は余裕のクルージング走行。独走でゴールし、前大会に続く両ヒート制覇を果たした。

▼IA2(250/125)ヒート1
ホールショットを奪ったのは、コンクリートスタートを得意とする平田。前日に腕を負傷しての出走ということもあり、序盤でリードを稼いでおきたい平田は、最大のライバルである新井宏彰(カワサキ)が小島太久摩(ヤマハ)を攻略できずにいた序盤の4周だけで、約5秒のアドバンテージを築き上げた。

さらにその次周には、このヒートのファステスト・ラップに匹敵するタイムをマークして、新井との差を0.5秒拡大。しかしこれ以降、徐々に新井との差が減りだした。そしてレース中盤になると、ケガの影響でマシンの抑えが効かなくなった平田の直後に新井が接近。それでも、粘りをみせた平田だったが、ラスト3周のところで新井にパスされ、惜しくも2位でフィニッシュとなった。

▼IA2(250/125)ヒート2
ヒート1に続いて平田が好スタートを決め、1周目をトップでクリア。これに新井が続き、ヒート1の中盤以降と同じ展開になるかと思われた。しかし平田は、ヒート1よりもさらにケガの状態が悪く、思うようにバイクを操ることができない。3周目には早くもトップの座を明け渡すことになってしまった。

しかし、ここでズルズルとタイムを落とすことなく、懸命に周回を重ねた平田は、レース終盤になっても2番手をキープ。しかも、残り3周となった16周目には、このヒートのファステスト・ラップを叩き出す意地もみせた。そして平田は、そのまま2位でチェッカーを受け、最悪の体調にもかかわらず、総合成績でも2位という好成績を収めた。

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COMMENT

コメント

Kazumasa Masuda 増田一将(IA1・優勝/優勝)
「九州はHondaのコースということで、是が非でも優勝したかったです。マシンと僕とのマッチングなどに関して、今はすごくいい状態にあり、それが今回の両ヒート優勝につながったんだと思います。今日のヒート2は追い上げる展開だったので、スタートが決まって逃げきりで勝つレースより、充実感もありました。もっとも、序盤はちょっと遅れていたので、トップまではけっこうキツイかな、とは思いました。とくに熱田選手も後半に強いライダーなので……。ただ、後半にジワジワと追いついていけたので、抜けるかもと思いチャンスをうかがっていました。今回の両ヒート優勝で全日本4連勝となり、うれしく思っています。次のレースに向けてまたがんばっていきたいと思います」
Yoshitaka Atsuta 熱田孝高(IA1・8位/2位)
 

「ヒート1はスタートで出遅れてしまい、中団から抜け出そうと思ってちょっと強引にパスしにいったら、戸田選手のマシンに突っ込んでしまいました。しかも再スタートに手間取って、最後尾付近まで落ちてしまい、あまり追い上げられませんでした。ヒート2は、最初はよかったのですが、ペースが上がらずにいるうちに一将(増田)に追いつかれ、最後は一将の気迫に押しきられる結果になってしまいました。ただ、途中でバイクを離したこともあってケガもなかったし、バイクも壊れずに再スタートすることもできたので、よしとします。世界戦はまずまずでしたが、全日本は今回もまったくダメな走りをしてしまいました。でも、結果的にはランキングトップとの差も縮まったので、タイトル獲得に関してはあまり心配していません。来週は、AMAモトクロスにスポット参戦するので、そこで自分の感覚を取り戻してきたいと思います!」

Yu Hirata 平田優(IA2・2位/2位)
「予選でミスして、単独で転んでしまい、そのときに右手を負傷してしまいました。詳しいことはこのあとに検査してみないと分からないのですが、やはりそのケガの影響が決勝に出てしまいました。ヒート1は、最初は痛み止めの効果もあってよかったのですが、レース後半になって、まったくバイクの抑えが効かなくなってしまいました。ヒート2は、最初から身体がキツイ状態でした。ただ両ヒートとも、今回は表彰台に上がれればよいと考えていたので、そういった意味ではうまくまとめられたと思っています。むしろ、この身体でもトップを走れるということが分かったので、今後のレースに向けてのいい自信となりました。自分のコンディションさえよくなれば、あとは今回のようにスタートを決められれば絶対に勝てる、と思えるようになりました。次の北海道に備え、とにかくまずはケガを治すことに専念したいと思います」
Seita Watanabe 渡部誠多
  TEAM HRC 監督
「増田は、前戦での好調をキープすることが今回の目標でした。それを完ぺきに達成できたということで、今回は彼がいままでにないほど大きく成長できた、非常に内容のあるレースだったと思います。今後のタイトル争いが、非常に楽しみになってきました。熱田は、ヒート1はちょっと大人しすぎたと思います。この間の世界戦のような、彼本来の走りができていませんでした。ヒート2はそれが修正できていたので、内容的にはよかったと思います。ただ、後ろにずっと増田がつけていたので、増田有利の展開でしたし、気持ち的にも増田のほうが勝っていたと思います。とにかく、今日も増田デイでした。またIA2の平田は、負傷した状態でも勝利をあきらめずに戦えたと思っています。最終的には優勝こそ逃しましたが、転倒もありませんでしたし、セルフコントロールがしっかりできていたと思います。そういった部分では、平田もまた1つ大きくなったレースだと思います。最後に、熱田は今度の週末に、AMAモトクロス第4戦(バッズクリーク)に出場します。今回は、アメリカン・ホンダのパドックを使い、アメリカン・ホンダのマシンで参戦という、恐らくこれまで日本人はだれも体験したことのないような、すばらしい体制での出場となります。是非とも、皆さん応援してください!」
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RESULT × POINT

決勝リザルト

IA1:ヒート1
ROUND
#05
JUNE 10, 2007
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 4 増田一将 Honda 18 32:18.442
2 982 成田亮 ヤマハ 18 +00:14.94
3 44 小島庸平 スズキ 18 +00:18.10
4 5 出原忍 ヤマハ 18 +00:20.19
5 711 溝口哲也 カワサキ 18 +00:33.32
6 7 釘村太一 ヤマハ 18 +00:34.21
8 1 熱田孝高 Honda 18 +00:38.71
9 54 芹沢直樹 Honda 18 +00:40.93
15 8 高濱龍一郎 Honda 18 +01:06.75
16 22 小方誠 Honda 18 +01:10.22
19 23 沼田誠司 Honda 17 +1Lap
20 61 杉山和起 Honda 17 +1Lap
21 27 片平竜英 Honda 17 +1Lap
22 31 池田孝宏 Honda 17 +1Lap
25 94 片倉久斗 Honda 17 +1Lap
27 35 くわ垣竜斗 Honda 16 +2Laps
28 114 永田寛典 Honda 16 +2Laps
IA1:ヒート2
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 4 増田一将 Honda 18 33:07.123
2 1 熱田孝高 Honda 18 +00:34.59
3 711 溝口哲也 カワサキ 18 +00:39.51
4 10 大河原功次 ヤマハ 18 +00:44.31
5 11 戸田蔵人 スズキ 18 +00:51.89
6 25 田中教世 カワサキ 18 +00:54.94
14 8 高濱龍一郎 Honda 18 +01:29.80
15 22 小方誠 Honda 18 +01:53.32
17 23 沼田誠司 Honda 17 +1Lap
18 61 杉山和起 Honda 17 +1Lap
19 31 池田孝宏 Honda 17 +1Lap
22 94 片倉久斗 Honda 17 +1Lap
23 114 永田寛典 Honda 17 +1Lap
24 27 片平竜英 Honda 16 +2Laps
RT 54 芹沢直樹 Honda 7 +11Laps
RT 35 くわ垣竜斗 Honda 5 +13Laps
IA2:ヒート1
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 331 新井宏彰 カワサキ 18 32:07.968
2 197 平田優 Honda 18 +00:11.42
3 101 小島太久摩 ヤマハ 18 +00:24.38
4 103 渡辺学 ヤマハ 18 +00:26.68
5 46 須田純 カワサキ 18 +00:28.37
6 41 尾崎友哉 ヤマハ 18 +00:35.23
12 16 辻健二郎 Honda 18 +01:28.56
16 51 中堀敏宏 Honda 18 +01:45.08
19 02 富田俊樹 Honda 18 +01:50.01
21 05 大薮亮人 Honda 17 +1Lap
23 74 谷本功志 Honda 17 +1Lap
24 99 黒澤良太 Honda 17 +1Lap
25 90 友山雅人 Honda 17 +1Lap
28 45 深谷広一 Honda 16 +2Laps
29 55 星野優位 Honda 16 +2Laps
IA2:ヒート2
 
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 331 新井宏彰 カワサキ 18 +33:40.943
2 197 平田優 Honda 18 +00:13.03
3 101 小島太久摩 ヤマハ 18 +00:16.02
4 103 渡辺学 ヤマハ 18 +00:21.62
5 102 釘村忠 ヤマハ 18 +00:22.78
6 41 尾崎友哉 ヤマハ 18 +00:23.76
10 45 深谷広一 Honda 18 +01:17.75
11 55 星野優位 Honda 18 +01:29.37
14 74 谷本功志 Honda 18 +01:36.23
16 16 辻健二郎 Honda 18 +01:44.93
17 02 富田俊樹 Honda 17 +1Lap
22 99 黒澤良太 Honda 17 +1Lap
24 05 大薮亮人 Honda 17 +1Lap
RT 51 中堀敏宏 Honda 9 +9Laps
RT 90 友山雅人 Honda 2 +16Laps
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暫定ポイントランキング

IA1
 
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 成田亮 ヤマハ 215
2 熱田孝高 Honda 199
3 増田一将 Honda 187
4 小島庸平 スズキ 164
5 戸田蔵人 スズキ 127
6 溝口哲也 カワサキ 122
12 小方誠 Honda 100
13 高濱龍一郎 Honda 99
18 芹沢直樹 Honda 45
19 勝谷武史 Honda 26
22 片平竜英 Honda 20
23 沼田誠司 Honda 17
24 納屋望 Honda 10
25 杉山和起 Honda 8
26 池田孝宏 Honda 6
27 片倉久斗 Honda 3
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IA2
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 新井宏彰 カワサキ 247
2 平田優 Honda 203
3 小島太久摩 ヤマハ 182
4 尾崎友哉 ヤマハ 159
5 釘村忠 ヤマハ 151
6 須田純 カワサキ 148
9 深谷広一 Honda 103
11 中堀敏宏 Honda 77
16 辻健二郎 Honda 43
18 星野優位 Honda 37
27 谷本功志 Honda 9
29 富田俊樹 Honda 6
32 芹沢翔悟 Honda 5
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