予選が行われた土曜日は、午前中は晴れたものの、当初の予報どおり午後になって急に天候が崩れ、一時は大粒のヒョウが降った。このため、IA1予選B組のスタートが大幅に遅れたが、最終的にはすべてのスケジュールが無事に終了した。日曜日には、汗ばむほどの日差しに恵まれ、午後を中心に大量の土ぼこりがコースを覆った。
Hondaにとっては地元大会ともいえるこの関東大会に、TEAM HRCは熱田孝高と増田一将がIA1、平田優がIA2という布陣で臨んだ。
▼IA1(450/250)ヒート1 増田は7番手、熱田は8番手で1周目をクリア。ここから、抜きどころが少ないコースにもかかわらず、2周目と3周目に両者がそろって1つずつ順位をアップ。さらに5周目にも再び両者そろって1つ順位を上げ、ランデブー走行を続けたまま、トップをキープする小島庸平(スズキ)と成田亮(ヤマハ)を追った。
ところが7周目に熱田が転倒。すぐに再スタートを切ったものの、7番手まで後退してしまった。一方の増田は、順調に追い上げを続けて、8周目には3番手まで浮上。さらにレース後半には、2番手を走る小島との差をジワジワと詰めていった。また熱田も、11周目には再び6番手へと浮上した。
そして、レース終盤となる14周目に、熱田はさらに順位を1つアップすると、最後まで力走を続けた。しかし、レースは19周目の終わりでチェッカー。追い上げもここまでとなり、熱田は5位フィニッシュとなった。また増田は、最後は小島に2秒半のところまで詰め寄ってチェッカー。3位に入賞し、今季初の表彰台に上がった。
▼IA1(450/250)ヒート2 増田がすばらしいスタートを決め、ホールショットを奪取。ところが、3コーナーでオーバーランしてしまい、残念ながら大きく後退。1周目を14番手でクリアすることになった。一方の熱田は、スタート直後の1コーナーで発生した2つのクラッシュに巻き込まれることなく、1周目を7番手で通過して、上位進出を狙った。
そして熱田は、2周目には6番手へとポジションを上げた。ところがその次周、エンジンをストールさせるミス。2周目に11番手、3周目には9番手まで順位を回復した増田よりも後方となる11番手まで後退してしまった。しかしここから両者とも、パッシングポイントの少ないこのコースで、激しい追い上げを開始した。
レース中盤には両者でバトルを展開。熱田がこの争いを制すると、その後はヒート1同様のランデブー走行で順位を回復していった。しかし、序盤のミスが響いて表彰台圏内には届かず。熱田が5位、増田が6位でチェッカーを受けることになった。なおレースは、ヒート1に続き成田が優勝した。
▼IA2(250/125)ヒート1 予選トップで決勝へと臨んだ平田だったが、スタートで若干出遅れてしまった。しかし、オープニングラップから積極的なパッシングを見せ、1周目のコントロールラインは5番手で通過。さらに、2周目には4番手へと浮上した。しかしその後は、コース設定が独特なこともあり、パッシングに多くの時間を費やしてしまった。
それでも、レース中盤には2番手へと浮上。この段階で逃げ切り態勢を築いていた新井宏彰(カワサキ)を追った。そして、これ以降は新井と変わらぬペースでラップを刻み、逆転のチャンスをうかがい続けた。しかし、序盤でのタイム差が最後まで響く結果となり、平田は2位でフィニッシュ。ヒート2での雪辱を誓うこととなった。
▼IA2(250/125)ヒート2 ホールショットこそ奪えなかったものの、ヒート1での課題を見事にクリアする絶妙なスタートを見せた平田が、オープニングラップからトップに立った。これに続く2番手には、ヒート1優勝の新井。しかし平田は、その気合が観客にまで伝わるかのような走りで、序盤から2番手の新井を徐々に引き離していった。
そして5周目には、このヒートのファステストラップを記録して、さらに後続との差を拡大。その後は、新井との差を保ちつつ、周回を重ねた。レース後半、1-2位の間隔が詰まる場面もあったが、平田は新井を再度引き離し、トップでゴール。今季初、そしてHonda移籍後初となるヒート優勝を挙げると同時に、今大会の総合優勝に輝いた。 |