土曜日の雨量が多かったため、決勝日朝は、コースは水を含んだ状態。ただし、サンド質で水はけがいいこともあり、徐々にベストコンディションに変わっていった。レイアウトは、昨年までとほぼ同様。決勝日は各所に深いワダチが発生し、ライダーを苦しめた。
今季、HondaファクトリーチームのTEAM HRCからは、熱田孝高と増田一将がIA1、平田優がIA2に参戦。マシンは、IA1がCRF450R、IA2がCRF250Rとなっている。なお今大会では、SEKI Racing MotoRomanの勝谷武史(Honda)が、IA1の予選をトップで通過して決勝へと臨んだ。
▼IA1(450/250)ヒート1
熱田、増田ともスタートで若干出遅れ、増田が8番手、熱田が9番手でオープニングラップをクリア。2周目に熱田が増田をパスし、その後はランデブー走行で着実に順位を上げていく展開となった。そして4周目には、6番手走行中の勝谷にこの2人が追いついた。
ところが勝谷は、次周のフープスで転倒。この際に肩を脱きゅうし、そのままリタイアとなってしまった。一方の熱田と増田も、前半は思うようにペースが上がらず、さらに熱田にはエンストにより順位を落とすミスも出てしまい、5、6番手での走行が続いた。
しかし熱田は、11周目に増田を再び抜いて4番手に浮上するとペースアップ。熱田に引かれるように、増田もラップタイムを縮めた。そして、ラスト4周のところで熱田が3番手、残り2周のところで増田が4番手へと浮上。熱田は、2番手の小島庸平(スズキ)に最後は約0.4秒差まで接近しての3位、増田は4位でゴールとなった。
▼IA1(450/250)ヒート2
熱田が抜群のスタートを切り、1周目を小島に次ぐ2番手でクリア。3番手にはHonda DREAM RTの高濱龍一郎が続き、また増田も7番手の好位置からレースをスタートした。ところが2周目に、増田は転倒を喫して26番手まで後退。さらにその次周にも、他車の転倒に巻き込まれて再び転倒してしまった。
序盤のトップ争いは、熱田が小島の背後につけ、さらにこの2台を高濱がピッタリと追走する展開。ここから、6周目に高濱が成田亮(ヤマハ)に抜かれて4番手に後退。熱田は7周目に小島をパスし、トップへと浮上した。ところが成田が追いついてきたので、熱田は12周目に成田を前に出した。
レースは、熱田が成田を追う形で終盤へと突入。再逆転のチャンスをうかがう熱田は、さまざまなラインを試しながら、最終ラップまで2番手キープを続けた。そして、ゴールまで残りわずかというフープスで勝負を仕かけ、再逆転に成功。そのままゴールラインを駆け抜け、熱田が今季2勝目を飾った。なお、高濱は最終ラップに1つ順位を落として6位、増田は懸命に走行を続けて15位でフィニッシュした。
▼IA2(250/125)ヒート1
まずまずのスタートを決めた平田は、1周目4番手からトップを目指した。しかし、トップの釘村忠(ヤマハ)と新井宏彰(カワサキ)が序盤からハイペースで逃げるのに対し、最初の3周は前のライダーにさえぎられてスローペース。それでも平田は4周目に、釘村の転倒もあって一気に2番手に浮上。約7秒先を走る新井を追った。
そして、7周目にはこのヒートの自己ベストラップタイムを記録。ところが平田は、この次周以降は思うようにタイムアップを図ることができず、レース後半になると、新井との間隔はジワジワと開いてしまった。結局、レースはこのままゴールを迎え、平田は新井に次ぐ悔しい2位でのフィニッシュとなった。
▼IA2(250/125)ヒート2
平田は、1周目を6番手でクリアするも、またしても序盤は遅いライダーの集団に阻まれたため、ゆっくりと順位を上げていく展開。ようやく4番手に浮上した4周目の段階で、トップを走る新井との差は10秒以上と、非常に厳しい状態となってしまった。それでも、前がクリアになった5周目以降、平田は驚異的なラップタイムで走行を続けた。
そして、6周目には最速ラップを記録して3番手、8周目には2番手へと浮上。この時点で、トップとの差は約6秒にまで縮まっていた。ところがその次の周、平田はまさかの転倒を喫して3番手に後退。すぐさま再スタートを切り、12周目に2番手に再浮上した後もハイペースでトップを追ったが、新井に約5秒差まで詰め寄ったところでゴールとなった。 |