全日本モトクロス選手権 Honda Racing
モータースポーツ > 全日本モトクロス選手権 > 第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO 決勝
レース情報 決勝レポート フォトギャラリー
2006.10.22 Rd.10 SUGO・スポーツランドSUGO
スケジュール
Rd. Date
01 3/26
SUGO・スポーツランドSUGO
02 4/9
近畿・名阪スポーツランド
03 4/23
関東・自動車安全運転センター
04 5/14
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
05 6/11
九州・HSR九州
06 7/2
北海道・わっさむサーキット
07 7/16
東北・藤沢スポーツランド
08 9/3
近畿・名阪スポーツランド
09 10/8
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
10 10/22
日本GP・スポーツランドSUGO
第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大
熱田選手が完全優勝でチャンピオン獲得!
福留選手も両ヒートで2位表彰台!
決勝日:2006年10月22日(日)
会場:スポーツランドSUGO 天候:晴れ 気温:21℃ コースコンディション:ドライ 観客:1万1200人
リザルト&ポイント

 最終戦の舞台となったのは、開幕戦以来となるスポーツランドSUGO。ここは本来の赤土にウッドチップを混ぜ、サンドセクションなどを設けたハイスピードコースで、世界選手権の日本GPもほぼ同じレイアウトで開催された。深いわだちやギャップもできやすく、これらの攻略がキーポイントとなるコースである。

第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大
第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大

 決勝が行われた日曜日の朝方こそ曇ったものの、土・日を通じておおむね晴天に恵まれた今大会。朝晩は10℃近くまで気温が下がったが、日中はほどよく暖かさも感じられ、走るのにも観戦するのにも絶好のモトクロス日和となった。

 TEAM HRCからは熱田孝高選手、増田一将選手、福留善秀選手の3名がCRF450Rを駆りトップクラスのIA1に参戦。熱田選手は、どちらかのヒートで20位以内に入ればチャンピオンが決定する状況だったが、あくまでも優勝を目標にレースに臨んだ。一方、増田選手は前大会の予選で右手じん帯を負傷しており、前大会の決勝以降は一度もバイクに乗れぬままの参戦となった。

▼IA1(450/250)ヒート1
 熱田選手と福留選手が好スタートを切り、TEAM HRCがオープニングラップからトップ2を奪取した。2周目、2番手を走行していた福留選手は、溝口哲也選手(カワサキ)にその座をいったん譲るが、4周目に再び2番手に返り咲き、トップを走る熱田選手を追った。その後方では、Honda DREAM RTから参戦する高濱龍一郎選手が、5周目に6番手へと浮上。さらに7周目には、一気に3台をパスし3番手にポジションを上げた。これでHonda勢はトップ3を形成した。

 その後、高濱選手はベストラップを叩き出してトップの2台を追撃。さらに福留選手もペースを上げた熱田選手にしぶとく食らいついた。しかし、熱田選手が大きなアドバンテージを確保したまま、レースは終盤に突入。最後まで安定した走りで独走した熱田選手が、優勝と同時にシリーズタイトル獲得を決めた。

 また、福留選手は2位に入り、全日本トップクラスでの自己最高位を記録。高濱選手はラスト3周となる15周目に成田亮選手(ヤマハ)に抜かれてしまい、惜しくも4位となった。なお、増田選手はケガの影響で序盤から苦戦し、12位でフィニッシュとなった。

 熱田選手にとっては、これが5年ぶり2度目の全日本タイトル獲得となる。また、HRCにとっても5年ぶりのチャンピオンシップ獲得となった。


▼IA1(450/250)ヒート2
 ヒート1でチャンピオンが決定した熱田選手は、金色に輝く記念ヘルメットで出場。ヒート1に続く好スタートで、熱田選手がオープニングラップからトップに立った。また福留選手も再び好スタートを決め、1周目3番手。2周目には、溝口選手を抜いて2番手に浮上。さらに3周目には、このヒートのファステストラップを叩き出し、熱田選手からトップの座を奪い取った。しかし抜かれた熱田選手も福留選手をぴったりと追走し、チームメイト同士による激しいバトルを展開した。

 中盤の8周目には、再び熱田選手がトップに。福留選手はこれに応戦できず、2人の距離はジワジワと広がっていった。レース終盤は、熱田選手がトップを独走。そのままチェッカーを受け、今季最終戦をパーフェクトウインで締めくくり、タイトル獲得に花を添えた。さらに福留選手も、ヒート1に続き2位入賞。総合成績でもIA1自己最高となる12位を獲得して、今シーズンを終えた。

 また高濱選手は、1周目15番手と出遅れながらも、激しい追い上げをみせ、最終的には5位まで順位を上げてゴールした。なお増田選手は、負傷した手をかばいながらも最後まで走り切り、10位でフィニッシュ。今季はケガに泣かされたものの、シリーズランキング4位を獲得した。

▼IA2(250/125)ヒート1
 今大会IA2クラスには、今季の世界選手権MX2チャンピオンとなったC.ポールセル選手(カワサキ)がゲスト参戦。しかしヒート1では、Hondaマシンを駆るSEKI Racing MotoRomanの勝谷武史選手は、スタートで出遅れてしまい、1周目12番手となってしまった。

 それでも、追い上げ時のスピードと判断力に定評のある勝谷選手は、レースが折り返し地点となった9周目までに7台をパスし、5番手まで浮上した。しかし、上位4台とはこの段階で大きな差が開いていたため、そのまま5位でフィニッシュとなった。なおレースは、ポールセル選手が優勝。2位に平田優選手(カワサキ)、3位に小島庸平選手(スズキ)が入った。

▼IA2(250/125)ヒート2
 ヒート1の雪辱を誓った勝谷選手であったが、オープニングラップのヘアピンで単独転倒を喫してしまった。これにより大きく出遅れた勝谷選手は、1周目を23番手でクリア。しかし再び激しい追い上げをみせ、7周目までに10台をパスした。なおもパッシングを続けた勝谷選手は、最終的には16台を抜いてゴール。しかし、1周目の転倒が大きく響き、7位となった。

 レースは、序盤から独走したポールセル選手が再び優勝。2位に平田選手、3位に小島選手が入り、この結果により小島選手のチャンピオンが決定。Hondaは、昨年の福留選手に続くタイトル獲得を果たすことはできなかった。シーズン3勝を挙げた勝谷選手は、第8戦をケガによりノーポイントで終えたのが響いたものの、ランキング4位でシーズンを終えた。

第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大
第10戦 日本GP・スポーツランドSUGO
拡大
ページの先頭へ
コメント

熱田孝高(IA1・優勝/優勝)
「1年間応援してくれた皆さん、本当にありがとうございました。ヒート1はちょっと走りが硬かったですけど、優勝してシリーズタイトルを獲得することができました。両ヒートともスタートも決まり、ヒート2も勝てて、今日はとにかく万々歳です。とくに、ヒート2は自分でも納得の走りができたので、いい気持ちでシーズンオフのトレーニングを始められると思います。このシリーズタイトル獲得は、自分にとって最低限の果たさなければならない目標だったので、それをクリアできてホッとした気持ちもあります。そして、来シーズンにつながる1年になったと思っています。ただ今日だけは、最後だし今まで節制してきたので、とにかく飲んで、飲んで、飲み明かしたいと思います。来年も絶対に応援してくださいね!」

福留善秀(IA1・2位/2位)
「最終戦になってこの調子のよさというのはちょっと遅すぎですが、とりあえず自己最高位でシーズンを終えることができました。今大会の目標の一つだったファステストラップも、ヒート2では記録することができました。ただ、レースの結果は1番ではないので、満足していません。ヒート2の熱田選手は本当に強くて、スピードでは勝ちましたが、レース結果では負けてしまいました。むしろ、トップには立っていませんが、ヒート1の方が勝てる可能性があったと思います。しかし、百戦錬磨のベテランを前に、若さで押していくことができず、自分でそのチャンスをつぶしてしまったと思います。このレースでトップ争いをして、今の自分に足りないものが明確になったと思うので、オフシーズンの間にきっちりトレーニングをして、レベルアップをしていきたいと思います。応援ありがとうございました。来年も頑張ります!」

増田一将(IA1・12位/10位)
「前回の広島で手にケガをして、一度もバイクに乗れないまま、この最終戦に出ることになってしまいました。ケガをした直後よりは痛みをこらえることができましたが、やはり力が入らなくて、うまく乗ることができませんでした。乗るたびに転んでいましたし。ランキング争いで少しでも上に残るために、やれるだけのことはやろうと思って、何とか走ったという感じですね。今シーズンは、開幕前にケガをして準備不足でシーズンを迎え、中盤からは感触もよくなってきたのですが、それがリザルトに結びつかない前半戦でした。第6戦で両ヒート勝って、これでいけると思ったらまたケガをしてしまいましたし、浮き沈みの激しい1年でした。この悔しさをバネに、オフシーズンを頑張って、来年はチャンピオンを獲りたいと思います。1年間の声援、ありがとうございました。また応援してください!」

高濱龍一郎(IA1・4位/5位)
「今季最後のレースで、いろんな人とも約束をしていたので、とにかく気合を入れて臨みました。ただ、目標としていた表彰台には上がれなかったので、満足できるレースではありませんでした。両ヒートとも、前のライダーがあと少しのところに見えていたので、最後まであきらめずに走り続けましたが、中盤の追い上げで力を使いすぎてしまいました。今季は納得いく内容ではありませんでしたが、来年は絶対にチャンピオンを取りにいきます!」

川村幸市 TEAM HRC 監督
「まず、チームにとっても私にとっても念願のタイトルを熱田が獲得したことを、非常にうれしく思っています。しかも、両ヒートとも勝っていたので、シーズン最後のレースを最高のカタチで終えることができたと思います。また福留も、今年一番の走りでトップ争いをできたというのは、この1年で大きく成長した証だと思っています。増田は、残念ながら前大会のケガの影響でやっと出られる状態でした。ただ、ヒート2で意地の走りを見せてくれたので、結果はよくありませんでしたが、満足できる最終戦だったと思います。今季は、3名全員がケガをしてしまいました。それでも多くのいいレースができたのは、選手の頑張りに尽きると思っています。来年に向け、明日からでもトレーニングを開始して、ここSUGOの世界選手権日本GPでも通用するくらいに、レベルを上げてもらいたいし、我々もそのサポートをしていく所存です。この1年間チームへの温かいご支援に対し、心より御礼申し上げます」

ページの先頭へ
決勝リザルト&ポイントランキング
【IA1:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 86 熱田孝高 Honda 17 32:08.507
2 952 福留善秀 Honda 17 +5.87
3 982 成田亮 ヤマハ 17 +14.02
4 2 高濱龍一郎 Honda 17 +16.00
5 411 中村友則 カワサキ 17 +18.30
6 11 戸田蔵人 スズキ 17 +19.10
12 3 増田一将 Honda 17 +57.96
15 12 田中教世 Honda 17 +1:24.52
18 30 沼田誠司 Honda 16 +1Lap
22 40 太田真成 Honda 16 +1Lap
23 01 片倉久斗 Honda 16 +1Lap
RT 21 小方誠 Honda 5 DNF
【IA1:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 86 熱田孝高 Honda 17 32:27.993
2 952 福留善秀 Honda 17 +5.15
3 11 戸田蔵人 スズキ 17 +9.00
4 7 大河原功次 ヤマハ 17 +9.55
5 2 高濱龍一郎 Honda 17 +16.28
6 982 成田亮 ヤマハ 17 +29.81
10 3 増田一将 Honda 17 +45.57
12 12 田中教世 Honda 17 +57.14
22 01 片倉久斗 Honda 16 +1Lap
25 106 くわ垣竜斗 Honda 16 +1Lap
RT 30 沼田誠司 Honda 0 DNF
RT 40 太田真成 Honda 0 DNF
【IA2:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 377 C.ポールセル カワサキ 17 31:56.005
2 197 平田優 カワサキ 17 +19.54
3 44 小島庸平 スズキ 17 +27.82
4 331 新井宏彰 カワサキ 17 +36.59
5 955 勝谷武史 Honda 17 +43.77
6 52 加藤吏一 カワサキ 17 +44.19
10 47 深谷広一 Honda 17 +1:18.16
14 56 芹沢直樹 Honda 17 +1:36.92
17 55 中堀敏宏 Honda 17 +1:45.04
21 63 杉山和起 Honda 16 +1Lap
22 74 星野優位 Honda 16 +1Lap
28 113 大熊雅美 Honda 16 +1Lap
【IA2:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 377 C.ポールセル カワサキ 18 33:42.352
2 197 平田優 カワサキ 18 +37.08
3 44 小島庸平 スズキ 18 +39.34
4 51 釘村忠 ヤマハ 18 +40.23
5 331 新井宏彰 カワサキ 18 +1:06.92
6 52 加藤吏一 カワサキ 18 +1:17.12
7 955 勝谷武史 Honda 18 +1:28.84
8 55 中堀敏宏 Honda 18 +1:37.79
9 47 深谷広一 Honda 18 +1:39.23
17 74 星野優位 Honda 17 +1Lap
18 56 芹沢直樹 Honda 17 +1Lap
26 113 大熊雅美 Honda 16 +2Laps
RT 63 杉山和起 Honda 7 DNF

【IA1】   【IA2】
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 熱田孝高 Honda 441
2 成田亮 ヤマハ 371
3 溝口哲也 カワサキ 321
4 増田一将 Honda 317
5 出原忍 ヤマハ 265
6 小池田猛 ヤマハ 247
7 釘村太一 ヤマハ 235
8 高濱龍一郎 Honda 234
9 加賀真一 スズキ 224
10 大河原功次 ヤマハ 201
12 福留善秀 Honda 181
ポイント一覧
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 小島庸平 スズキ 420
2 平田優 カワサキ 396
3 新井宏彰 カワサキ 361
4 勝谷武史 Honda 342
5 尾崎友哉 ヤマハ 294
6 井上眞一 カワサキ 284
7 加藤吏一 カワサキ 276
8 渡辺学 ヤマハ 264
9 深谷広一 Honda 244
10 須田純 カワサキ 234
ポイント一覧
ページの先頭へ