全日本モトクロス選手権 Honda Racing
モータースポーツ > 全日本モトクロス選手権 > 第9戦 中国・世羅グリーンパーク弘楽園 決勝
レース情報 決勝レポート フォトギャラリー
2006.10.08 Rd.09 中国・世羅グリーンパーク弘楽園
スケジュール
Rd. Date
01 3/26
SUGO・スポーツランドSUGO
02 4/9
近畿・名阪スポーツランド
03 4/23
関東・自動車安全運転センター
04 5/14
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
05 6/11
九州・HSR九州
06 7/2
北海道・わっさむサーキット
07 7/16
東北・藤沢スポーツランド
08 9/3
近畿・名阪スポーツランド
09 10/8
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
10 10/22
日本GP・スポーツランドSUGO
第9戦 中国・世羅グリーンパーク弘楽園
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熱田選手がパーフェクトウインを飾り
シリーズチャンピオン獲得に王手!
決勝日:2006年10月8日(日)
会場:世羅グリーンパーク弘楽園 天候:晴れ 気温:25℃ コースコンディション:ドライ 観客:1万2500人
リザルト&ポイント

 第8戦から5週間のインターバルを挟んで開催された第9戦の舞台は、広島県の世羅グリーンパーク弘楽園。春と秋の年2回開催となっている中国大会は、コースの一部が小変更されたものの、基本的に第4戦と同様の設定。全日本屈指のハイスピードレイアウトで、ジャンプセクションも難易度が高く、また路面がとても硬い難コースである。

第9戦 中国・世羅グリーンパーク弘楽園
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第9戦 中国・世羅グリーンパーク弘楽園
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 例年、マディレースになることが多い秋の中国大会。しかし、今年は天候に恵まれ、予選が行なわれた土曜日こそ一時的に雨が降ったものの、日曜日は秋晴れとなり、決勝レースは完全なドライコンディションで行われた。

 前大会から、全ライダーがFI(フューエルインジェクション)仕様のCRF450Rを駆ることになったチームHRCからは、今大会も熱田孝高選手、増田一将選手、福留善秀選手の3人がエントリー。ポイントランキング1位の熱田選手は、前大会終了時点でランキング2位との差を36ポイントに広げており、相手選手の結果によっては今大会でシリーズタイトルの獲得が決定する。なお、増田選手は予選レースで他車と接触して右手じん帯を負傷したため、決勝レースでは右手をかばいながらの走行を強いられることになった。

▼IA1(450/250)ヒート1
 ショートカットコースとなる1周目をトップでクリアしたのは熱田選手。しかし、2周目に熱田選手は溝口哲也選手(カワサキ)に抜かれて2番手へと後退。その後方では、出原忍選手(ヤマハ)を挟み、こちらも好スタートを切った福留選手と増田選手が続いた。熱田選手は、3周目に出原選手に先行されて3番手へ後退。さらに4周目からは、チームメートの福留選手が襲いかかる。

 しかし、熱田選手は6周目に出原選手をパスし、2番手へと順位を回復。福留選手もこれに続き、再び熱田選手を追った。ところが、その次の周に福留選手は熱田選手を抜けぬまま痛恨の転倒。順位を6番手まで落としてしまった。一方、増田選手はケガの影響でペースを上げることができずに走行を続けたが、それでも7周目から13周目にかけて4番手をキープし続けた。

 熱田選手は、レース後半に入っても安定したペースを維持。終盤になると、一度は引き離された溝口選手に再び迫り、ラスト2周となった18周目に鮮やかにパッシング。そのまま逃げ切って、今季8勝目を挙げた。なお、増田選手は6位、転倒の際に足を痛めた福留選手は11位でゴール。ホンダドリームRTから参戦する高濱龍一郎選手は、マシントラブルによりリタイアとなった。

▼IA1(450/250)ヒート2
 ヒート1で、ポイントランキング2位の成田亮選手(ヤマハ)が12位に終わったため、ヒート2で熱田選手が成田選手に5ポイント差をつければ、熱田選手のチャンピオンが決定することになった。熱田選手はヒート1に続く好スタートを決め、1周目をトップでクリア。フルコースとなる2周目には、このヒートの最速ラップを叩き出し、序盤から後続を突き放していく。

 熱田選手はレース中盤以降も、後続をまったく寄せつけない完ぺきなレース運びを披露。結局、2番手以降を10秒引き離したまま19周を走破し、今シーズン3度目のパーフェクトウイン(両ヒート優勝)を達成した。しかし、成田選手が2位に入ったため、チャンピオン決定は最終戦に持ち越しとなった。熱田選手は、最終戦のどちらかのヒートで20位以内に入ればタイトル獲得となる。

 なお、このヒート2では、スタートで出遅れた高濱選手が激しく追い上げるレースを展開し、最後は3位、4位から僅差の5位でゴールした。また、福留選手も序盤10番手から着実に順位を上げ、6位入賞を果たした。増田選手は、ヒート1よりも痛みが激しくなった右手をかばいながら、最後まで走行を続けて16位でゴールし5ポイントを獲得している。

▼IA2(250/125)ヒート1
 前大会でろっ骨を骨折した、Hondaサテライトチームのセキレーシングモトロマンから参戦する勝谷武史選手は、長めのインターバルに助けられて今大会に出場することができた。勝谷選手は1周目の8番手から追い上げて、3周目には4番手へと浮上。さらに、レース中盤にペースアップを果たし、ラスト6周で3番手に上がると、前を走る2台を追った。

 しかし、勝谷選手は負傷によりトレーニングできなかったことが影響し、いつものような鋭い追い上げを披露することはかなわなかった。それでも、レース終盤には2番手を走行する小島庸平選手(スズキ)に迫るが、最終的には約1.5秒届かず、3位でチェッカーを受けた。なおレースは、中盤に小島選手をパスした新井宏彰選手(カワサキ)が優勝した。

▼IA2(250/125)ヒート2
 勝谷選手は、ヒート1以上の好スタートを決めると、前のレース同様に序盤から追い上げ、3周目には4番手、5周目には3番手へと浮上。ところが、その後はあまりペースが上がらず、3番手をキープしたままレース後半を迎えた。その後、勝谷選手は徐々に荒れた路面に対応し、11周目に2番手に浮上すると、さらに13周目にはこのヒートの自己ベストラップを叩き出した。

 なおも勝谷選手はトップを追うが、その差を詰めきれずに2位でフィニッシュ。ケガからの復帰戦で、見事に両ヒートとも表彰台に上がり、今大会の総合成績でも2位という好成績を収めた。なお、このヒートも、序盤から逃げ切りをはかった新井選手が優勝。勝谷選手に次ぐ3位には、スタートで出遅れて後方から追い上げてきた平田優選手(カワサキ)が入った。

第9戦 中国・世羅グリーンパーク弘楽園
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第9戦 中国・世羅グリーンパーク弘楽園
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コメント

熱田孝高(IA1・優勝/優勝)
「風邪気味で身体が疲れていたこともあってか、ヒート1の序盤はリズムが悪く、さらにあまり路面が荒れていないためにタイム差が出にくかったこともあり、ほかのライダーの先行を許してしまいました。ただヒート2は路面もかなり荒れていて、自分のペースに持ち込んでレースをすることができました。何とか優勝できたヒート1でアキラ(成田選手)が12位に終わったので、かなりポイント差が開いて気持ちが楽になり、ヒート2はのびのびと走れました。今大会の結果で、最終戦はチャンピオンシップポイントのことを考えた走りをしなくてもよくなったので、とにかくいいレースをしたいと思います。ギリギリのポイント差でタイトル確定とはいかなかったけれど、最終戦は僕の地元のSUGOで開催されるので、地元ファンのことを考えると、むしろよかったのかもしれません。最終戦のヒート1で優勝して、チャンピオンを決めたいと思います!」

増田一将(IA1・6位/16位)
「予選でケガをしてしまいました。実は接触したのは熱田選手で、僕の予想とは違うラインを通った熱田選手のリアタイヤと、僕のフロントタイヤが当たってしまいました。この転倒の際に、右手の親指がグリップに引っかかったような形になってしまい、精密検査をもう一度してみないと分からないのですが、じん帯を伸ばしてしまったようです。かなりの痛みがあり、ヒート1の前半は何とか耐えられたのですが、途中から力が入らなくなってしまいました。ただ、序盤のうちに後方を離せていたので、6位に踏みとどまることができました。ヒート2は序盤が混戦だったし、路面もかなり荒れていたので、早い段階で痛くなってしまい、かなり苦しい状況でしたが、少しでもポイントを獲得しようと思い、最後まで走り切りました。調子が悪くて乗れていないわけではないので、最終戦は何とかがんばって前の方でゴールできればと思います」

福留善秀(IA1・11位/6位)
「ヒート1の出足は最高で、自分でもすごく乗れているのが分かりました。熱田選手の後ろについても、どこでパスしようかと考えるほど余裕もありましたし、熱田選手を抜いたらトップまでイケそうな感触もありました。そんな矢先、甘さが出て転倒してしまいました。そのときにヒザを痛めてしまい、さらに再スタートしてすぐに足首もひねってしまったので、踏ん張りがきかずにズルズルと順位を落としてしまいました。ヒート2になっても足が痛むので、どうしても上半身で乗ってしまい、腕上がりを起こしてしまいました。この半年間でかなりトレーニングをしてきましたが、まだ足りないのだと思います。もっと、いろいろなことを習得しないと、トップにはなれないと痛感しました。次の最終戦は、一発のスピードをどこまで伸ばせるかをテーマに挑戦したいと思います。まずは、とにかくファステストラップを目指します!」

高濱龍一郎(IA1・DNF/5位)
「ヒート1は、リアブレーキが途中からきかなくなって、最終的にリタイアとなってしまいました。ヒート2は、スタートで出遅れてしまったのですが、とにかく最後までがんばって走りました。最終ラップに、3番手争いをしている2台に迫ったのに、抜けなかったのが残念です。今回は地元のレースだったので、表彰台に上がることができなくて悔しいです。次戦は今シーズン最終戦なので、とにかく表彰台を目指してがんばります」

川村幸市 TEAM HRC 監督
「熱田は今回の両ヒート優勝で、タイトル獲得がほぼ間違いないところにきました。ただし、今日のヒート1の走りは、よくありませんでした。腕上がりで前半のペースが上がらなかったということですが、乗れていないときに腕上がりが起こることが多いので、完ぺきな走りでタイトルを獲得できるよう、最終戦に向けて調整させたいと思います。増田は、予選でケガをしてしまいました。状態を考えると、最後までよく走り切ったとほめてあげたいくらいです。福留もヒート1でバンクに足を引っかけてケガをしてしまい、これがレースに響く結果となってしまいました。今回は、熱田以外はケガによって実力を発揮できませんでしたが、最終戦では単にタイトル獲得を目指すのではなく、今シーズンにやってきたことをすべて出し切るレースを目指していきたいと思います。今季も残り1戦となりましたが、最後までTEAM HRCの応援をよろしくお願いいたします!」

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決勝リザルト&ポイントランキング
【IA1:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 86 熱田孝高 Honda 19 32:46.725
2 711 溝口哲也 カワサキ 19 +2.36
3 411 中村友則 カワサキ 19 +7.88
4 6 出原忍 ヤマハ 19 +15.69
5 11 戸田蔵人 スズキ 19 +20.68
6 3 増田一将 Honda 19 +32.26
8 12 田中教世 Honda 19 +41.45
11 952 福留善秀 Honda 19 +54.89
15 14 納屋望 Honda 19 +1:11.82
18 30 沼田誠司 Honda 19 +1:33.53
20 21 小方誠 Honda 18 +1Lap
21 28 池田孝宏 Honda 18 +1Lap
22 40 太田真成 Honda 18 +1Lap
26 106 くわ垣竜斗 Honda 18 +1Lap
27 01 片倉久斗 Honda 17 +2Laps
RT 2 高濱龍一郎 Honda 13 DNF
【IA1:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 86 熱田孝高 Honda 19 33:12.057
2 982 成田亮 ヤマハ 19 +10.07
3 6 出原忍 ヤマハ 19 +11.59
4 4 加賀真一 スズキ 19 +11.74
5 2 高濱龍一郎 Honda 19 +13.17
6 952 福留善秀 Honda 19 +30.63
10 14 納屋望 Honda 19 +47.73
13 21 小方誠 Honda 19 +56.82
16 3 増田一将 Honda 19 +1:30.24
17 30 沼田誠司 Honda 19 +1:33.03
18 28 池田孝宏 Honda 18 +1Lap
22 40 太田真成 Honda 18 +1Lap
23 01 片倉久斗 Honda 18 +1Lap
26 106 くわ垣竜斗 Honda 18 +1Lap
RT 12 田中教世 Honda 10 DNF
【IA2:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 331 新井宏彰 カワサキ 19 32:52.468
2 44 小島庸平 スズキ 19 +5.92
3 955 勝谷武史 Honda 19 +7.59
4 51 釘村忠 ヤマハ 19 +7.94
5 52 加藤吏一 カワサキ 19 +16.80
6 60 尾崎友哉 ヤマハ 19 +18.10
8 47 深谷広一 Honda 19 +21.46
11 55 中堀敏宏 Honda 19 +38.41
13 74 星野優位 Honda 19 +40.87
17 56 芹沢直樹 Honda 19 +1:10.65
21 63 杉山和起 Honda 19 +1:38.06
22 02 矢野昇平 Honda 19 +1:38.50
26 98 安達広頼 Honda 18 +1Lap
27 99 友山雅人 Honda 18 +1Lap
30 85 関川信一 Honda 15 +4Laps
【IA2:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 331 新井宏彰 カワサキ 19 33:10.621
2 955 勝谷武史 Honda 19 +7.65
3 197 平田優 カワサキ 19 +12.29
4 50 須田純 カワサキ 19 +16.63
5 22 渡辺学 ヤマハ 19 +21.44
6 49 井上眞一 カワサキ 19 +23.61
9 47 深谷広一 Honda 19 +44.43
12 55 中堀敏宏 Honda 19 +48.54
16 74 星野優位 Honda 19 +1:15.86
17 63 杉山和起 Honda 19 +1:20.65
21 02 矢野昇平 Honda 19 +1:31.76
25 56 芹沢直樹 Honda 18 +1Lap
26 85 関川信一 Honda 18 +1Lap
28 98 安達広頼 Honda 17 +2Laps
30 99 友山雅人 Honda 14 +5Laps

【IA1】   【IA2】
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 熱田孝高 Honda 385
2 成田亮 ヤマハ 330
3 溝口哲也 カワサキ 293
4 増田一将 Honda 291
5 出原忍 ヤマハ 251
6 小池田猛 ヤマハ 217
7 加賀真一 スズキ 213
8 釘村太一 ヤマハ 209
9 高濱龍一郎 Honda 194
10 大河原功次 ヤマハ 163
13 福留善秀 Honda 131
ポイント一覧
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 小島庸平 スズキ 374
2 平田優 カワサキ 346
3 新井宏彰 カワサキ 321
4 勝谷武史 Honda 306
5 尾崎友哉 ヤマハ 269
6 井上眞一 カワサキ 262
7 渡辺学 ヤマハ 242
8 加藤吏一 カワサキ 240
9 深谷広一 Honda 215
10 須田純 カワサキ 206
ポイント一覧
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