全日本モトクロス選手権 Honda Racing
モータースポーツ > 全日本モトクロス選手権 > 第8戦 近畿・名阪スポーツランド 決勝
レース情報 決勝レポート フォトギャラリー
2006.09.03 Rd.08 近畿・名阪スポーツランド
スケジュール
Rd. Date
01 3/26
SUGO・スポーツランドSUGO
02 4/9
近畿・名阪スポーツランド
03 4/23
関東・自動車安全運転センター
04 5/14
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
05 6/11
九州・HSR九州
06 7/2
北海道・わっさむサーキット
07 7/16
東北・藤沢スポーツランド
08 9/3
近畿・名阪スポーツランド
09 10/8
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
10 10/22
日本GP・スポーツランドSUGO
第8戦 近畿・名阪スポーツランド
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ヒート2でTEAM HRCが表彰台を独占!
熱田選手はランキングトップをキープ!
決勝日:2006年9月3日(日)
会場:名阪スポーツランド 天候:晴れ 気温:31℃ コースコンディション:ドライ 観客:1万6758人
リザルト&ポイント

 前大会から約1カ月半のインターバルを挟み、全日本モトクロス選手権第8戦が開催された。その舞台となったのは、第2戦と同じ奈良県の名阪スポーツランド。ただし、サンド質の路面が特徴のコースは、ジャンプを中心に変更が加えられ、レイアウトも第2戦とは若干異なる設定がされた。

第8戦 近畿・名阪スポーツランド
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第8戦 近畿・名阪スポーツランド
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 天候は土・日を通して晴れ。真夏のような暑さとなったが、大会前に雨が降ったため、予選が行われた土曜日のコースコンディションは軟質状態で、深いわだちが多く発生した。しかし日曜日は、ベストに近いコンディションでレースが行われた。

 TEAM HRCからは、ポイントランキングトップをキープする熱田孝高選手、第6戦で両ヒート優勝を達成した増田一将選手、そして第5戦で負傷してこれが復帰レースとなる福留善秀選手の3名がエントリー。予選では増田選手がトップ、熱田選手が3番手、福留選手が4番手で決勝へと進んだ。予選2番手には、ホンダドリームRTから参戦する高濱龍一郎選手が入ったため、Honda勢が予選トップ4を独占した。

 なお、今季開幕戦で福留選手がデビューさせたFI(フューエルインジェクション)仕様車だが、今大会から熱田選手と増田選手にも供給され、HRC全員が同じマシンを駆ることになった。

▼IA1(450/250)ヒート1
 真っ先に1コーナーへと飛び込んだのは福留選手。しかし福留選手は、3つめのコーナーで転倒を喫して大きく後退。さらに高濱選手もすぐ先で他車ともつれるように転倒し、トップからは40秒も遅れてしまった。この混乱したオープニングラップを、トップで戻ってきたのは増田選手。チームメイトの熱田選手が1周目12番手と出遅れる一方で、快調に首位をキープしてレース中盤を迎えた。

 ところが増田選手は、8周目に転倒と他車との接触により、7番手まで順位を後退。さらにこの時にマシンを傷めてしまい、9周目を走ったところでリタイアとなった。一方、熱田選手は、2周目に一気に9番手へと浮上すると、その後も追い上げを続けて6周目には6番手。また福留選手も、1周目24番手から7周目には12番手まで順位を回復してきた。さらにその後方では、高濱選手も激しい追い上げを続けた。

 9周目には2番手まで浮上した熱田選手が、ラスト3周となる16周目に、ついに戸田蔵人選手(スズキ)をパスしてトップへと浮上。最後はそのまま逃げ切って、今季7勝目を挙げた。2位には戸田選手、3位には加賀真一選手(スズキ)。福留選手は、ラストラップに3台を抜いて5位、高濱選手は1周目最下位から9位まで追い上げてフィニッシュした。

▼IA1(450/250)ヒート2
 ヒート1ではスタートで出遅れた熱田選手だが、またしても中ほどの順位で1コーナーをクリア。しかし、1周目で7番手までポジションを上げた。増田選手と福留選手は、ヒート1に続く好スタートで、増田選手が2番手、福留選手が3番手。さらに高濱選手も、スタート直後の混戦で少し順位を落としたものの、6番手で1周目をクリアした。

 3周目、福留選手は4番手へとポジションを落としてしまったが、増田選手が溝口哲也選手(カワサキ)をパスしてトップに浮上した。その次の周、6番手を走行していた高濱選手が、ジャンプで大転倒してリタイア。熱田選手は、2つ順位を上げて5番手に浮上した。そしてここから、まずはチームメイトの福留選手をパスすると、さらに溝口選手、成田亮選手(ヤマハ)を順に抜き、2番手まで浮上した。

 快調に走る熱田選手は、ラスト5周となる14周目にこのヒートの自己ベストラップを叩き出し、7秒ほど前を走る増田選手との差を、一気に縮め始めた。しかし増田選手も、その次の周に同じくベストラップを記録して応戦。結局、そのまま増田選手が今季3度目となる優勝。熱田選手は2位に入賞し、今大会の総合優勝も獲得した。また3位には、トップ2台から大きく離されたものの最後まで粘りをみせた福留選手が入り、TEAM HRCが5シーズンぶりの表彰台独占を果たした。

▼IA2(250/125)ヒート1
 スタート直後の1コーナーでマルチクラッシュが発生。Hondaサテライトチームのセキレーシングモトロマンから参戦する深谷広一選手らが、これにより大きく出遅れてしまった。また、深谷選手のチームメイトとなる勝谷武史選手も、1周目に転倒して、ほぼ最後尾まで順位を下げた。

 それでも深谷選手と勝谷選手は、あきらめることなく追い上げを開始。しかし深谷選手は、転倒とは直接関係のないマシントラブルにより6周でリタイア。また勝谷選手は、転倒の際に身体を痛めてしまい、13周を走ったところでリタイアした。なおレースは、終盤に平田優選手(カワサキ)を抜いた小島庸平選手(スズキ)が優勝した。

▼IA2(250/125)ヒート2
 ヒート1で負傷した勝谷選手は、バイクに乗れる状態ではないという判断により出場をキャンセル。これで前大会まで3番手につけていたポイントランキングも、大きく後退することになってしまった。一方、深谷選手は、ヒート1終了後にマシン修復を行い、無事にスターティンググリッドに並んだ。

 しかしスタートはあまりよくなく、1周目11番手。それでも、予選は4番手と好調だった深谷選手だけに、2周目以降に着実に追い上げ、最後は6位まで順位を上げてチェッカーを受けた。なおレースは、8周目にトップに立った平田選手が優勝。2位には、1周目に転倒して28番手から追い上げた小島選手が入った。

第8戦 近畿・名阪スポーツランド
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コメント

熱田孝高(IA1・優勝/2位)
「両ヒートとも、とにかくスタートが決まりませんでしたが、ヒート1はトップにたどり着くことができました。FI仕様車の全日本初優勝を、自分の手で達成できたのでうれしく思っています。ただ、ヒート2はチームとしては1-2-3だったのでよかったのですが、カズマサ(増田選手)に詰められるかなあ、と思ったらダメだったので、ちょっと悔しいですね。課題はスタートというのが分かっているので、次はこれを克服して、両ヒート優勝を目指したいと思います。もっとも、この大会の前にかなりスタートの練習をしてきて、今回もスタートダッシュそのものはそんなに悪くなかったんですけどね……。それからFI仕様のバイクですが、かなりいいです。本当なら、スタートもバッチリのはずです。あと、この大会でも発表の場を作っていただきましたが、日本代表選手のひとりとして、第9戦の前の週にモトクロス国別対抗戦(モトクロス・オブ・ネイションズ)に出場してきます。精いっぱいがんばるので、ぜひ応援してください!」

増田一将(IA1・DNF/優勝)
「ヒート1は、トップを走っていたのに単独で転倒して、これはすぐ復帰できたのですが、ちょっと焦っていたのか周りがよく見えていなくて、次のジャンプで周回遅れと接触して、また転んでしまいました。その時にラジエーターに穴を開けてしまったみたいで……。このまま無理に走り続けてエンジンを壊すよりは、リタイアしたほうがよいという判断で走るのを止めました。ただ、自分の調子が悪いというわけではなかったので、あまり気落ちもしていなくて、ヒート2に向けて切り替えることができました。そして序盤に溝口選手をパスしてからは、自分のペースで走ることができました。終盤、ヨッシー(熱田選手)が得意の粘りで追い上げてきましたけど、僕もがんばってみたらまた差がついたので、そのままいけると確信しました。今回からFI仕様のマシンになりましたけど、とても乗りやすいし、スタートも出られます。なんにせよ、FI仕様の初レースでチームとしていい結果が残せたので、僕のヒート1を除いては、いい週末だったと思います」

福留善秀(IA1・5位/3位)
「ようやくレースに復帰できましたが、今回はいいレースができたと思います。また、自分が今季の最初からテストをしてきたマシンで表彰台を独占することができて、僕が要求してきたものが間違いではなかったと証明された部分もあるのではと、うれしく思っています。ただ本音でいえば、僕が最初にFI仕様に乗っていたので、自分の手で初優勝を達成したかったという気持ちもあります。でも自分自身も、ヒート1ではいきなり転んでしまって、それでも最後まで追い上げることができましたし、ヒート2ではIA1に参戦して初めての表彰台に上がることもできたので、とりあえず満足しています。第5戦でケガをしたあと、バイクに乗ることはできませんでしたが、その間にものすごくハードにトレーニングをして、筋力がかなりアップしたと実感しています。実際、今まで攻めていけなかった部分もいけるし、ケガする前よりも調子がいいんです。あとは、バイクに乗れなかった時間が長かったので、スタミナは落ちていると思うので、この部分を強化していけば、今回よりもいい成績を出せると信じています。一歩一歩、前に進んでいきたいと思います」

川村幸市 TEAM HRC監督
「ヒート2で、表彰台独占というチームとしての目標を今季初めて達成することができましたが、実は今回これが実現できるとは思っていなかったので、正直ちょっと驚いています。というのも福留は、前の週のテストでようやく、復帰後初の30分間走行をしたんです。そこで今回は、いけるところまでがんばってもらえばいい、という気持ちでいました。最後は、気力でがんばってくれたんだと思います。また増田は、本当なら勝てるはずだったヒート1のレースを、自らダメにしてしまいました。しかし気持ちの切り替えがうまくできて、ヒート2は同じような展開から優勝できました。これは精神的に成長した結果だと思っています。熱田は、スタートは残念ながら悪かったですが、キッチリ実力を出し切ってヒート1は優勝、ヒート2は増田がトップということで手堅くまとめて2位と、いいレースができたと思います。この大会の後、熱田は米国AMAとモトクロス国別対抗戦に参戦する予定ですが、海外でのレースでさらにモチベーションを高め、残り2戦もいい走りをしてくれると信じています。最後に、TEAM HRCは今大会から、3名全員がFI仕様のマシンを使うことにしました。これは、テストにより十分なポテンシャルがあると判断したためですが、これも表彰台独占の要因になっていると思います」

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決勝リザルト&ポイントランキング
【IA1:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 86 熱田孝高 Honda 18 32:55.645
2 11 戸田蔵人 スズキ 18 +5.89
3 4 加賀真一 スズキ 18 +14.33
4 711 溝口哲也 カワサキ 18 +22.80
5 952 福留善秀 Honda 18 +26.11
6 8 釘村太一 ヤマハ 18 +26.62
9 2 高濱龍一郎 Honda 18 +36.76
12 21 小方誠 Honda 18 +54.08
17 12 田中教世 Honda 18 +1:46.64
18 30 沼田誠司 Honda 18 +2:01.80
22 116 三原基 Honda 17 +1Lap
23 40 太田真成 Honda 17 +1Lap
RT 3 増田一将 Honda 9 DNF
RT 28 池田孝宏 Honda 7 DNF
【IA1:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 3 増田一将 Honda 18 32:27.942
2 86 熱田孝高 Honda 18 +5.81
3 952 福留善秀 Honda 18 +39.76
4 11 戸田蔵人 スズキ 18 +43.58
5 45 北居良樹 スズキ 18 +48.28
6 982 成田亮 ヤマハ 18 +52.42
10 21 小方誠 Honda 18 +1:01.74
17 12 田中教世 Honda 18 +1:48.13
22 116 三原基 Honda 17 +1Lap
23 40 太田真成 Honda 16 +2Laps
25 28 池田孝宏 Honda 16 +2Laps
RT 106 くわ垣竜斗 Honda 9 DNF
RT 2 高濱龍一郎 Honda 4 DNF
RT 30 沼田誠司 Honda 3 DNF
【IA2:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 44 小島庸平 スズキ 18 32:58.681
2 197 平田優 カワサキ 18 +4.48
3 60 尾崎友哉 ヤマハ 18 +15.63
4 331 新井宏彰 カワサキ 18 +23.02
5 52 加藤吏一 カワサキ 18 +37.40
6 22 渡辺学 ヤマハ 18 +41.56
10 56 芹沢直樹 Honda 18 +1:11.59
16 63 杉山和起 Honda 17 +1Lap
17 74 星野優位 Honda 17 +1Lap
19 02 矢野昇平 Honda 17 +1Lap
20 64 杉尾寿城 Honda 17 +1Lap
21 65 杉本高規 Honda 17 +1Lap
22 122 A.テプリッブ Honda 17 +1Lap
25 55 中堀敏宏 Honda 16 +2Laps
26 98 安達広頼 Honda 16 +2Laps
28 81 佐々木雅規 Honda 13 +5Laps
29 955 勝谷武史 Honda 13 DNF
RT 47 深谷広一 Honda 6 DNF
【IA2:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 197 平田優 カワサキ 18 32:59.055
2 44 小島庸平 スズキ 18 +11.73
3 52 加藤吏一 カワサキ 18 +14.11
4 60 尾崎友哉 ヤマハ 18 +17.03
5 49 井上眞一 カワサキ 18 +24.14
6 47 深谷広一 Honda 18 +29.94
12 55 中堀敏宏 Honda 18 +1:12.60
16 74 星野優位 Honda 18 +1:26.46
18 63 杉山和起 Honda 18 +1:38.26
19 122 A.テプリッブ Honda 17 +1Lap
20 64 杉尾寿城 Honda 17 +1Lap
23 81 佐々木雅規 Honda 16 +2Laps
24 98 安達広頼 Honda 16 +2Laps
25 65 杉本高規 Honda 16 +2Laps
RT 02 矢野昇平 Honda 10 DNF
RT 56 芹沢直樹 Honda 8 DNF

【IA1】   【IA2】
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 熱田孝高 Honda 335
2 成田亮 ヤマハ 299
3 増田一将 Honda 271
4 溝口哲也 カワサキ 257
5 出原忍 ヤマハ 213
6 釘村太一 ヤマハ 201
7 加賀真一 スズキ 195
8 小池田猛 ヤマハ 193
9 高濱龍一郎 Honda 178
10 大河原功次 ヤマハ 149
16 福留善秀 Honda 106
ポイント一覧
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 小島庸平 スズキ 341
2 平田優 カワサキ 326
3 新井宏彰 カワサキ 271
4 勝谷武史 Honda 264
5 尾崎友哉 ヤマハ 247
6 井上眞一 カワサキ 236
7 渡辺学 ヤマハ 214
8 加藤吏一 カワサキ 211
9 深谷広一 Honda 190
10 須田純 カワサキ 174
ポイント一覧
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