第7戦の会場は、岩手県藤沢町にある藤沢スポーツランド。このコースは、一部区間に本来の土が残るものの、大部分が上質のサンドという設定。晴れでも雨でも独特のワダチやギャップが発生するため、その攻略が上位進出のカギともなる。
予選が行われた土曜日は、午前中から雨模様。一時は大粒の雨が激しく叩きつけた。午後になると小康状態となったが、夜になってまた雨となった。ところが、日曜日の朝には雲の間から青空が見えるほど天気が回復。終日大きく崩れることがなく、コースの砂は最後まで完全なドライにはならなかったものの、徐々に乾いていった。
前大会で熱田孝高選手がランキングトップに浮上、さらに増田一将選手が両ヒート制覇を達成し、勢いに乗るTEAM HRCからは、今回もこの2名がIA1クラスに参戦。熱田選手が予選トップ、増田選手が13番手から決勝へと臨んだ。なお、もう1名のTEAM HRC所属ライダーである福留善秀選手は、6月の九州大会で負傷したため、北海道大会に続き、今回も欠場している。
▼IA1(450/250)ヒート1
大きな混乱のないきれいなスタートが切られ、熱田選手が1コーナーを立ち上がった段階で4番手をキープ。ホールショットを奪った溝口哲也選手(カワサキ)が3コーナーで転倒したため、難なく3番手に浮上。さらに釘村太一選手(ヤマハ)、成田亮選手(ヤマハ)を次々にパスし、熱田選手がオープニングラップからトップに立った。
1周目終了時点で2番手以下は成田選手、加賀真一選手(スズキ)、釘村選手と続き、増田選手も5番手をキープ。そして3周目には、増田選手が釘村選手を抜いて4番手へと浮上した。一方、熱田選手は2周目にこのヒートの最速ラップを叩き出し、早くも逃げ切りの態勢。続く成田選手と加賀選手もベストラップで追いすがるが、その後は徐々に差が開いていった。
熱田選手は終始、独走態勢をキープし、2位以下を20秒以上引き離す圧勝。2位に加賀選手、3位に成田選手という結果となった。増田選手は、釘村選手をパスした後は思うようにペースが上がらず、最後まで単独走行となるも、堅実に4位でフィニッシュ。ホンダドリームRTから参戦する高濱龍一郎選手は、難しいコースコンディションに手こずり、12位でゴールとなった。また、今大会で約1年ぶりに全日本復帰を果たした小方誠選手(Honda)が6位入賞と健闘した。
▼IA1(450/250)ヒート2 ヒート1に続いてホールショットを奪ったのは溝口選手。その後に出原忍選手(ヤマハ)、釘村選手、加賀選手の順で1周目をクリアし、ヒート1優勝の熱田選手も5番手に続いた。また、増田選手も成田選手をはさんで、7番手で1周目のコントロールラインを通過した。
2周目に、熱田選手は加賀選手と釘村選手を抜いて3番手。次の周には、出原選手をかわして2番手に。そして5周目、この日の最速ラップで溝口選手に迫った熱田選手が、トップへと浮上した。
ヒート1同様、ここから熱田選手が後続との差をじわじわと拡大。最終的には、2位となった出原選手より10秒以上、3位の加賀選手より15秒以上早くゴールし、今季2度目のパーフェクトウインを達成した。一方の増田選手は、レース終盤まで5位をキープするも、ラスト3周となった14周目に転倒を喫し、7位でフィニッシュした。なお、高濱選手は1周目10番手から追い上げ、最後は小方選手を抑えて8位でゴールしている。
▼IA2(250/125)ヒート1 ヒート1は、ホールショットを奪った小島庸平選手(スズキ)を、平田優選手(カワサキ)、井上眞一選手(カワサキ)、渡辺学選手(ヤマハ)が追う展開でスタートした。これに、CRF250Rを駆る星野優位選手(Honda)と勝谷武史選手(Honda)も続き、さらに同じセキレーシングモトロマンに所属する深谷広一選手(Honda)も、11番手から上位進出を狙った。星野選手はここから徐々に順位を下げてしまったが、深谷選手は4周目に8番手、勝谷選手は6周目に4番手まで浮上した。
着実にポジションをばん回してきた勝谷選手は、7周目には3番手を走行する井上選手の背後へと迫った。ところが、ここで転倒を喫してしまい、順位を9番手までダウン。その後もあまりペースを上げられなかった勝谷選手は、9周目に7番手まで浮上すると、後半はその順位をキープして16周を走りきり、7位でフィニッシュした。チームメイトの深谷選手も、7周目に6番手に上がった後は順位の変動がなく、そのまま6位入賞となった。なお、星野選手は12位でゴールしている。
▼IA2(250/125)ヒート2 小島選手がホールショット。勝谷選手は5番手で1周目をクリアし、さらに平田選手を間において、深谷選手が続いた。3周目、勝谷選手は平田選手に抜かれて6番手に後退。しかし、5周目には渡辺選手をパスして5番手、7周目には井上選手を抜いて4番手、そして9周目には須田選手をかわして、ついに表彰台圏内へと入った。なおも追撃の手を緩めない勝谷選手は、残り5周となる12周目にこのヒートの最速ラップを記録。これでトップ3台は、完全な接近戦となった。
勝谷選手は、疲れの見えた平田選手を残り3周のところでパス。トップを走る小島選手に迫った。そして迎えた最終ラップ、必死に小島選手を追撃する勝谷選手だが、逆転には至らぬままコースの後半に突入した。するとここで、バックマーカーが小島選手の進路をふさぎ、この間に勝谷選手がトップに浮上。前大会ヒート2に続き、今季3勝目となる優勝を果たした。2位に小島選手、3位に平田選手。深谷選手は、1周目から最後まで同じ順位をキープしての7位フィニッシュとなった。
|