全日本モトクロス選手権 Honda Racing
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2006.07.02 Rd.06 北海道・わっさむサーキット
スケジュール
Rd. Date
01 3/26
SUGO・スポーツランドSUGO
02 4/9
近畿・名阪スポーツランド
03 4/23
関東・自動車安全運転センター
04 5/14
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
05 6/11
九州・HSR九州
06 7/2
北海道・わっさむサーキット
07 7/16
東北・藤沢スポーツランド
08 9/3
近畿・名阪スポーツランド
09 10/8
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
10 10/22
日本GP・スポーツランドSUGO
第6戦 北海道・わっさむサーキット
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増田選手が今季初優勝。パーフェクトウインを達成!
熱田選手はランキングトップに浮上
決勝日:2006年7月2日(日)
会場:わっさむサーキット 天候:晴れ 気温:28℃ コースコンディション:ドライ 観客:1万1500人
リザルト&ポイント

 後半戦へと突入した第6戦北海道大会の会場、わっさむサーキットは、道央の旭川から30kmほど北上した和寒町にある、山の斜面に作られたアップダウンの多いコース。かねてより石の多さに悩まされてきたため、今回はコースの一部にもみ殻や土を入れるなどして、改善に向けての努力がなされた。

第6戦 北海道・わっさむサーキット
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第6戦 北海道・わっさむサーキット
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 梅雨とは無縁の北海道とあって、天候は土・日を通じて快晴。強い日差しが照りつけ、真夏並みの暑さを感じるコンディションとなった。その結果、決勝日午後を中心に、多くの砂塵が舞うこととなった。

 TEAM HRCは今季、熱田孝高選手、増田一将選手、福留善秀選手の3名を起用し、トップクラスとなるIA1に参戦。しかし福留選手は、前回の九州大会で左ヒジを負傷したため、この大会を欠場。第8戦近畿大会での復帰を目指し、手術を受けるなどの治療を続けている。

 土曜日に行われた予選では、熱田選手が4位。増田選手は転倒を喫したものの、9位で決勝グリッドに並んだ。なお、ここまでポイントリーダーだった成田亮選手(ヤマハ)が、予選で負傷し決勝レースをキャンセルしたため、ランキング2番手の熱田選手に、トップ浮上のチャンスが訪れた。

▼IA1(450/250)ヒート1
 1周目を終えて、トップに溝口哲也選手(カワサキ)、2番手に大河原功次選手(ヤマハ)、3番手に熱田選手という布陣。パッシングポイントが少なく、さらに前走車からの飛び石と砂塵が多いので、スタートが非常に重要とされるコースだが、増田選手も1周目6番手とまずまずの順位を確保した。増田選手は、2周目5番手、4周目4番手、6周目3番手と、序盤で着実に順位を上げた。熱田選手も4周目に2番手へと浮上したため、TEAM HRCは2台ともが表彰台圏内にポジションアップ。ランデブー走行を行いつつも、前を走る溝口選手を追った。

 レース中盤の9周目には、増田選手が熱田選手を抜いて2番手に浮上。熱田選手がその後もタイムを上げられずにいる一方で、増田選手はペースアップを果たし、溝口選手との距離を徐々に縮めていった。そしてスタートから約20分が過ぎた13周目に、増田選手は全ライダーのベストラップより1秒近くも速いファステストラップを叩き出し、ついに溝口選手の背後へと接近した。なおも勢いの止まらない増田選手は、次周にあっさりと溝口選手をパス。そのまま逃げ切って、今季初優勝を挙げた。熱田選手は3位、ホンダドリームRTから参戦する高濱龍一郎選手は、一時は10番手まで後退しながらも、後半に粘りを見せて5位でチェッカーを受けた。

▼IA1(450/250)ヒート2
 午前のレースで今季初優勝を達成して波に乗る増田選手が、スタート直後の1コーナーを3番手で通過すると、このラップで一気に2台を抜き去りトップに浮上。このヒートで3位以内に入ればポイントリーダーになれる熱田選手は、6番手で1周目をクリアした。一方で高濱選手は、スタート直後に他車と接触してバランスを崩し、大きく出遅れた18番手で1周目のコントロールラインを通過した。

 トップを走る増田選手は、序盤こそ後続を引き離せずにいたものの、7周目には2番手と約4秒半の差を確保。レース終盤まで、この差を保ちながら周回を重ねた。逆に熱田選手は、ヒート1の増田選手と同じように、2周目に5番手、4周目に4番手、9周目に3番手へと浮上。さらに13周目には溝口選手を抜いて2番手に上がり、5秒前を走るチームメイトを追った。

 しかしその差は劇的には縮まらず、レースは大詰めへ。ラスト2周となる18周目には、熱田選手がこん身のファステストラップを記録し、増田選手に約1秒差と急接近。しかし増田選手も意地を見せ、最終周にこのヒートのベストラップを叩き出して逃げ切り、昨年開幕戦以来となる両ヒート優勝を果たした。さらに熱田選手が2位に入ったため、TEAM HRCは1-2フィニッシュを達成。また熱田選手が、4ポイント差で暫定ランキングトップに立った。なお高濱選手は、レース前半で10番手まで追い上げ、最終的には7位まで浮上してゴールしている。

▼IA2(250/125)ヒート1
 ホールショットを奪ったのは平田優選手(カワサキ)。これに、小島庸平選手(スズキ)、勝谷武史選手(Honda)、渡辺学選手(ヤマハ)が続いた。1周目、早くも小島選手がトップに浮上。しかし勝谷選手は、2周目に転倒を喫し、チームメイトの深谷広一選手(Honda)に次ぐ8番手まで後退してしまった。

 しかもばん回を図った勝谷選手は、5周目にようやく6番手へと浮上するも、8周目にエンストさせてしまい、9番手まで後退。そのため勝谷選手は、レース終盤で再び追い上げたものの、6位でゴールとなった。また深谷選手は、後半に激しい4番手争いを展開。最終周に抜かれてしまったものの、5位でフィニッシュした。なおレースは、後半になってトップに返り咲いた平田選手が優勝。2位に渡辺選手、3位に小島選手が入った。

▼IA2(250/125)ヒート2
 午後に行われたヒート2も、再び小島選手がトップで1周目を通過。これに、釘村忠選手(ヤマハ)、平田選手が続き、勝谷選手はその3台を追う4番手でオープニングラップを終えた。2周目には釘村選手の転倒もあり、勝谷選手は平田選手をパスし、一気に2番手へと浮上した。その後方では、深谷選手が6番手を走行。前大会に続く上位進出を狙ったが、思うようにペースは上がらず、前との差はジワジワと開いてしまった。

 勝谷選手は、2周目以降は常に小島選手をマーク。ピッタリと後ろに付け、逆転のチャンスを狙い続けた。そして、スタートから25分過ぎ、残り5周のところで、ついにトップの座を小島選手から奪った。さらに勝谷選手は、その次周にこのヒートのファステストラップを叩き出し、一気に小島選手を振り切って最後は独走。第3戦ヒート2以来となる今季2勝目を挙げた。2位は小島選手、3位には渡辺選手が入賞。深谷選手は7位でフィニッシュした。

第6戦 北海道・わっさむサーキット
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コメント

増田一将選手(IA1・優勝/優勝)
「ここのところ調子も良かったですし、北海道は250(現在のIA1)に上がってから最初に優勝したコースでもあるし、得意な場所でもあるので、どちらか1ヒートでも勝てればと思って臨みました。結果的に両ヒートとも取れたんで良かったです。ヒート1はちょっとスタートで出遅れてしまったけど、2番手までは早めに上がれたのでだいぶ助かりました。後半、テツ(溝口選手)との差が詰まらなくて厳しいと思ったんですけど、周回遅れが絡んだこともあって逆転できました。逆にヒート2は、序盤からトップを走れていて、残り5周で5秒くらいあるから余裕だと思っていたら、ミスを連発してしまい、ちょっと危なかったですね。今回、コースコンディションや気温的にも厳しい中で優勝できたし、いい波が来ていると思うので、次の藤沢でもそれを潰さないような走りをしたいと思います」

熱田孝高選手(IA1・3位/2位)
「アキラ(成田選手)がケガしてしまい、ちょっと気が抜けたような感じもあって、ヒート1は全然ダメでした。まあこれは、予選からセッティングに苦しんでいたというのもあるんですけど。でもそんな状況の中で、ヒート2は最後にいい走りが出来たんで、まあ良かったかなと思います。1位がチームメイトということで、ワンツーが達成できたのがうれしいです。これでランキングはトップになりましたけど、僕もケガで前半戦にポイントを落としているように、何があるか予想も付かないのがレースだと思うので、1秒たりとも気を抜かずにシーズンを戦い抜きたいと思います。次の藤沢はサンドのコースで、路面も荒れると思いますけど、そういうコースは大好きですし、地元にも近いため昔からよく走っている場所ですから、きっとトップになれると思います。応援しに来てください!」

高濱龍一郎選手(IA1・5位/7位)
「ヒート1もあまりいいスタートではなかったんですけど、ヒート2はかなり前のほうで最初のコーナーをクリアしたにもかかわらず、その先のフープスで他のバイクと当たってバランスを崩し、一気に最下位あたりまで落ちてしまいました。どのレースでも、せめて表彰台の上には乗りたいと思うんですけど、このコースではスタートが悪いとまったく届きませんでした。次の東北大会までは2週間しかありません。何とか立て直して頑張りたいと思います。今回はうまく噛み合いませんでしたけど、逆に考えればまだまだ速くなる可能性がいっぱいあるってことですから! まだまだ上を目指していくんで、みんなも応援で力を下さい!」

勝谷武史選手(IA2・6位/優勝)
「シーズン中盤になってマシンが良くなって来て、開幕の頃は悪かったスタートも、バッチリ決まるようになってきました。それで、両ヒートともかなりいい位置からレースを始められたのですが、ヒート1は転倒とエンストで2回もミスしてしまい、それを結果に結びつけることができませんでした。だからヒート2は、2番手に上がって庸平(小島選手)の後ろについてからも、焦らずに相手がミスするかタレるのを待つことにしました。ラップタイムを見てもらえば分かると思いますけど、僕はタレないんで! 次の藤沢(東北大会)も、暑くてタフなレースになると思いますけど、優勝を目指しますよ!」

川村幸市 TEAM HRC監督
「前大会の熊本でも良い材料がいくつかあって、前半でこれだけ差がついたのだから、この先でウチにもチャンスが訪れるはずと言ったのですが、ライダーのケガを喜ぶわけではありませんが、その通りになったと思います。ただ熱田は、最大のライバルである成田選手がケガにより欠場したため、ちょっと意識しすぎて、ミスなく走り切ろうと硬くなってしまったと思います。それでもヒート2は、最後に増田まで追い付いて、チーム内で優勝を争えたので、まずまずと言ってよいでしょう。逆に増田は、今回とても落ち着いていて、予選でこそ転倒しましたけど、決勝ではミスも少なく走れたと思います。気持ちと実際の走りがうまく噛み合ったと感じています。今回のレースで、ランキング上位が非常に近いポイント差になったので、ここから本当に面白いレースが出来るのではないかと思っています。チームとしても、今大会総合成績での1-2フィニッシュという結果も含め、非常に盛り上がってきました」

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決勝リザルト&ポイントランキング
【IA1:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 3 増田一将 Honda 19 31:57.544
2 711 溝口哲也 カワサキ 19 +3.28
3 86 熱田孝高 Honda 19 +23.44
4 8 釘村太一 ヤマハ 19 +32.35
5 2 高濱龍一郎 Honda 19 +34.29
6 7 大河原功次 ヤマハ 19 +35.20
18 30 沼田誠司 Honda 18 +1Lap
19 106 くわ垣竜斗 Honda 18 +1Lap
22 26 本田太一 Honda 18 +1Lap
23 40 太田真成 Honda 18 +1Lap
【IA1:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 3 増田一将 Honda 19 32:25.807
2 86 熱田孝高 Honda 19 +1.10
3 711 溝口哲也 カワサキ 19 +19.74
4 11 戸田蔵人 スズキ 19 +23.08
5 4 加賀真一 スズキ 19 +36.69
6 7 大河原功次 ヤマハ 19 +41.80
7 2 高濱龍一郎 Honda 19 +45.01
16 30 沼田誠司 Honda 18 +1Lap
20 106 くわ垣竜斗 Honda 18 +1Lap
22 26 本田太一 Honda 17 +2Laps
RT 40 太田真成 Honda 8 DNF
【IA2:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 197 平田優 カワサキ 19 32:16.226
2 22 渡辺学 ヤマハ 19 +2.02
3 44 小島庸平 スズキ 19 +4.81
4 331 新井宏彰 カワサキ 19 +36.73
5 47 深谷広一 Honda 19 +37.34
6 955 勝谷武史 Honda 19 +44.09
13 56 芹沢直樹 Honda 19 +1:22.71
18 55 中堀敏宏 Honda 18 +1Lap
20 74 星野優位 Honda 18 +1Lap
22 85 関川信一 Honda 18 +1Lap
27 118 宮川洋平 Honda 17 +2Laps
28 65 杉本高規 Honda 16 +3Laps
【IA2:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 955 勝谷武史 Honda 19 33:01.526
2 44 小島庸平 スズキ 19 +5.55
3 22 渡辺学 ヤマハ 19 +7.79
4 51 釘村忠 ヤマハ 19 +16.45
5 197 平田優 カワサキ 19 +19.89
6 331 新井宏彰 カワサキ 19 +25.07
7 47 深谷広一 Honda 19 +32.86
13 55 中堀敏宏 Honda 19 +1:18.18
14 74 星野優位 Honda 19 +1:21.61
19 98 安達広頼 Honda 18 +1Lap
24 85 関川信一 Honda 18 +1Lap
26 65 杉本高規 Honda 18 +1Lap
28 118 宮川洋平 Honda 17 +2Laps
30 56 芹沢直樹 Honda 16 +3Laps

【IA1】   【IA2】
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 熱田孝高 Honda 238
2 成田亮 ヤマハ 234
3 増田一将 Honda 214
4 溝口哲也 カワサキ 195
5 出原忍 ヤマハ 163
6 小池田猛 ヤマハ 157
7 釘村太一 ヤマハ 146
8 高濱龍一郎 Honda 144
9 大河原功次 ヤマハ 133
10 平塚雅樹 カワサキ 123
17 福留善秀 Honda 70
ポイント一覧
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 小島庸平 スズキ 247
2 平田優 カワサキ 237
3 勝谷武史 Honda 225
4 新井宏彰 カワサキ 219
5 尾崎友哉 ヤマハ 185
6 井上眞一 カワサキ 175
7 加藤吏一 カワサキ 149
8 渡辺学 ヤマハ 148
9 深谷広一 Honda 146
10 須田純 カワサキ 137
ポイント一覧
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