全日本モトクロス選手権 Honda Racing
モータースポーツ > 全日本モトクロス選手権 > 第5戦 九州・HSR九州 決勝
レース情報 決勝レポート フォトギャラリー
2006.05.14 Rd.05 九州・HSR九州
スケジュール
Rd. Date
01 3/26
SUGO・スポーツランドSUGO
02 4/9
近畿・名阪スポーツランド
03 4/23
関東・自動車安全運転センター
04 5/14
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
05 6/11
九州・HSR九州
06 7/2
北海道・わっさむサーキット
07 7/16
東北・藤沢スポーツランド
08 9/3
近畿・名阪スポーツランド
09 10/8
中国・世羅グリーンパーク弘楽園
10 10/22
日本GP・スポーツランドSUGO
第5戦 九州・HSR九州
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熱田がケガからの復帰レースで優勝!
増田もヒート2で2位入賞!
決勝日:2006年6月11日(日)
会場:HSR九州 天候:曇り時々晴れ 気温:28℃ コースコンディション:ドライ 観客:1万3200人
リザルト&ポイント

 第5戦九州大会は、本田技研工業(株)の熊本製作所敷地内にあるHSR(ホンダセーフティ&ライディングプラザ)九州での開催。このコースは当初、阿蘇の火山灰からなる黒土が特徴だったが、数年にわたり粘土質の茶褐色土などを運び入れてメンテナンスをしてきたため、現在は各コーナーで路面状況が異なる難コースとなっている。

第5戦 九州・HSR九州
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第5戦 九州・HSR九州
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 梅雨入りしたこともあり、天気予報が直前まで二転三転したものの、終わってみれば予選、決勝日ともに降雨を免れた。しかし、コースは乾き、風が強くなった日曜午後を中心に、随所で大量の土ボコリが舞う、難しいコンディションとなった。

 TEAM HRCからは、熱田孝高選手、増田一将選手、福留善秀選手がCRF450Rを駆り、IA1クラスに参戦している。熱田選手は前大会ヒート2で負傷し、その翌週に行われた世界選手権日本グランプリへの出場を見合わせたが、今大会には問題なく参戦を果たしている。また、今季からIA1クラスにステップアップした福留選手は、今大会が年に一度の地元開催となるため、予選からいつも以上の気迫。この組別予選ヒートレースをトップで通過し、決勝に臨んだ。

▼IA1(450/250)ヒート1
 増田選手と福留選手が好スタートを切り、TEAM HRCが序盤からレースをコントロール。熱田選手はスタートで若干出遅れて、1周目を10番手でクリアするが、着実にライバルたちをパスし、6周目には5番手まで浮上。この段階で福留選手が3番手、増田選手が4番手へと後退していたため、TEAM HRCのランデブー走行となった。

 すると次周には熱田選手が3番手に上がり、前を走る成田亮選手(ヤマハ)、出原忍選手(ヤマハ)を追った。9周目に出原選手、10周目には成田選手をパスして、ついにトップへと浮上。しかし、成田選手も追いすがり、この2人が独走状態でトップ争いを展開した。残り4周となった15周目、熱田選手は、成田選手にトップの座を明け渡した。

 しかし、迎えた最終ラップ。熱田選手はコーナー進入でインを突き、再逆転に成功。そのまま成田選手を抑え切り、優勝を果たした。一方、3位争いも最後まで白熱。11周目に増田選手、15周目に福留選手が出原選手をパスし、さらに16周目には福留選手が増田選手をかわして、最終ラップを迎えた。ところがここで増田選手と福留選手が接触。両者とも転倒し、出原選手が3位、再スタートを切った増田選手が5位でゴールとなった。福留選手は負傷し、そのままリタイアした。

▼IA1(450/250)ヒート2
 スタート直後の混戦の中、大河原功次選手(ヤマハ)と小池田猛選手(ヤマハ)がジャンプ着地で接触するクラッシュが発生。熱田選手がこれに巻き込まれて転倒し、再スタートは切ったものの、最後尾からのレースとなってしまった。トップ勢は、1周目を終えた段階で、成田選手、釘村太一選手(ヤマハ)、溝口哲也選手(カワサキ)、増田選手の順。ここから、増田選手が2周目に3番手、3周目に2番手へと浮上した。

 これにより直前を走るライダーがいなくなった増田選手は、4周目にはこのヒートのファステスト・ラップを叩き出して、トップを走る成田選手を猛追。背後に迫ると、9周目にはついにトップへと浮上した。一方、再スタート後の熱田選手は、混戦の中で増田選手の最速ラップに迫るタイムを記録しつつ、3周目には16番手、6周目には11番手、7周目には9番手まで順位を上げた。

 そしてレースは後半に突入。ここで増田選手に、コース脇の杭に手があたり負傷するアクシデントが発生してしまった。さらに14周目、周回遅れのライダーがトップ集団の接近に気付かずにラインをふさぐ不運。この際に、増田選手は成田選手にパスされてしまう。それでも増田選手は、あきらめずに再逆転を狙い続け、成田選手と僅差の2位でフィニッシュした。さらに、後半になっても追い上げを続けた熱田選手は、加賀真一選手(スズキ)、出原選手に続く5位まで順位を上げてチェッカーを受けた。なお福留選手は、このヒートをキャンセルした。

▼IA2(250/125)ヒート1
 ホールショットの平田優選手(カワサキ)を、小島庸平選手(スズキ)、2週間前の世界選手権で負傷した勝谷武史選手(Honda)、新井宏彰選手(カワサキ)らが追う展開でレースがスタート。九州出身でこのコースを大得意とする深谷広一選手(Honda)は、1周目を7番手で通過した。2周目、小島選手が転倒して4番手へ後退。さらに3周目には新井選手が転倒しかけて6番手まで順位を下げ、勝谷選手が2番手、深谷選手は4番手となった。

 しかし、ケガにより事前練習ができないまま参戦した勝谷選手は、7周目に4番手へ後退。平田選手、小島選手、深谷選手、勝谷選手、新井選手の順でレース後半を迎えた。すると11周目、平田選手がマシントラブルにより、トップ集団から脱落。これで小島選手がトップに立つと、その次周に深谷選手が小島選手をパス。その後は小島選手を突き放し、今季初優勝を達成した。2位には小島選手。勝谷選手はトップ集団に迫りつつあったレース終盤に転倒を喫し、新井選手に次ぐ4位でゴールとなった。

▼IA2(250/125)ヒート2
 平田選手、小島選手、尾崎友哉選手(ヤマハ)、新井選手の順で1周目をクリア。深谷選手は6番手、勝谷選手は転倒により集団から大きく遅れた最後尾で、それぞれ1周目を終えた。ここから深谷選手は、2周目に5番手、3周目に4番手へと着実に順位アップ。しかし、新井選手の攻略に手こずり、9周目にようやく3番手に浮上した。一方の勝谷選手は激しい追い上げをみせ、6周目には15番手、9周目には13番手にまで上がった。

  そしてレース後半、前が開けた深谷選手は平田選手を抜いて2番手に浮上。そのまま2位フィニッシュとなった。これにより総合成績では、深谷選手がトップと同ポイントの2位となった。なお勝谷選手は、8位まで追い上げてゴールし、総合成績では5位に入った。
第5戦 九州・HSR九州
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第5戦 九州・HSR九州
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コメント

熱田孝高(IA1・優勝/5位)
「ヒート1は、体調的にもかなり良くて、スタートは少し出遅れたのですが、最後は競り勝ったので、満足できるレースでした。路面がかなり滑りやすく、最後のパッシングは難しかったのですが、一度はトップを走っていて負けたらピットに帰れないと思い、ちょっと強引に成田選手のインに飛び込みました。ヒート2は、運がなかったと言うしかないです。キャメルジャンプを跳んだら、前で2人が転んで、僕の着地地点のすぐ前にバイクが転がっていました。何とかもう一度飛び跳ねて避けようと思いましたが、引っかかって前転するように転倒してしまいました。ただ、けっこう大きなクラッシュだったのですが、ケガがなかったのが不幸中の幸いでした。本当は3位くらいまで追い上げたかったけれど、時間が足りませんでした。チャンピオン争いはきつくなりましたが、残りのレースを全部勝つつもりで、いけるところまでいきます」

増田一将(IA1・5位/2位)
「ヒート2は、途中で杭に手をぶつけてしまい、指の爪をはがしてしまいました。抜かれた時は、周回遅れに引っかかったのですが、これはレースなので仕方がない部分もあるし、とにかく今回は亮(成田選手)のいつもの戦略にやられました。それでも、最終ラップに勝負を仕掛けたけれど、並ぶところまででした。ヒート1はスタートが良かったのですが、ちょっとリズムに乗れなくてペースが決まらず、ミスもしながらそれでも追い上げて、最終ラップになりました。クラッシュは、表彰台がかかっている局面だったので、チームメイトが相手でしたがプッシュしました。レースだからぶつかるのは仕方がない部分もあると思うのですが、ドメ(福留選手)がケガしてしまったので、その部分は申し訳ないと思っています。自分の状態としてはどんどん良くなっているので、次の北海道も勝負していきたいと思います」

福留善秀(IA1・DNF/DNS)
「整形外科の先生にきちんと診てもらうまでは分からないのですが、ケガの状況としては左ヒジの脱臼で、復帰まで3週間くらいではないかとのことです。もしそうであれば、次の北海道大会はギリギリのところで、今は出る方向で調整したいと思っています。とは言え、あくまで無理をせず、80%以上の走りができると確信した場合にのみ、出場したいと思います。それにしても、ここで成績を出してリズムに乗りたかったのですが、あと半周が走り切れませんでした。序盤にミスをしてトップから落ちて、後半になるまでペースが上がらなかったために、増田選手に追いつかれてしまったというのが、この結果を生んでしまったと思います。ただあの場面は、僕が増田選手の立場でもアタックしたかもしれないので、仕方がないと思います。とにかく、きっちり身体を治して、また頑張ります」

高濱龍一郎(IA1・17位/11位)
「ケガのため前大会の後に病院に行き、またチームとも相談した結果、世界選手権(日本グランプリ)はキャンセルしました。そしてこの3週間はバイクに乗らず、とにかくケガの治療に専念してきました。おかげさまで、ケガはかなり治ってきたのですが、やはりまったくバイクに乗らずに臨んだこともあり、今大会は思うように走ることが出来ませんでした。しかし、これでまた3週間のインターバルを挟むので、次の北海道では今回より自分らしい走りをすることができると思います。シーズン後半はまた活躍できるように頑張ります」

深谷広一(IA2・優勝/2位)
「今年から、これまで住んでいた九州を離れ、埼玉県のホンダ学園に通いながらレースをしています。環境の変化や練習量の減少もあって、開幕から前大会までは思うようなレースをすることが出来ませんでした。しかし、このコースだけは意地でも負けられないと思い、先週の土日にはわざわざ練習走行に来るなどして、調整をしてきました。その成果が現れたので、本当にうれしく思います。また同時に、これまでもそうだったようにこの大会で弾みを付けて、後半の5大会で好成績が続けられればいいと思います。応援に駆けつけてくれた地元の皆さん、ありがとうございました」

川村幸市 TEAM HRC監督
「まず熱田選手ですが、今回に関しては久々のコンクリートスタートということもあり、スタートが悪かったですね。それでもヒート1は、彼の類いまれなるスピードにより優勝できましたが、ヒート2は転倒に巻き込まれることになってしまいました。でも、あきらめずに5位まで上がってくれたので、次につながるレースだったと思います。ポイント差はまた開いてしまいましたが、まだまだチャンスはあると思います。ヒート2の増田選手については、途中で不運なケガもありましたが、トップに立った後に成田選手を引き離せなかったのが敗因です。それからヒート1の増田選手と福留選手のクラッシュですが、これはいくらチームメイトとはいえ、レースをしているわけですから、仕方のないものだと思います。チームとしては、内部でも切磋琢磨して、高めていければと思います。また今大会全体では、熱田選手は万全な体調ではなくても優勝、増田選手はヒート2で今大会一番の走り、福留選手もクラッシュがなければ3位表彰台と、流れは徐々に来ていると思います。あとはこの借りを、次回以降に返していくだけです」

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決勝リザルト&ポイントランキング
【IA1:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 86 熱田孝高 Honda 18 32:14.522
2 982 成田亮 ヤマハ 18 +0.39
3 6 出原忍 ヤマハ 18 +29.06
4 1 小池田猛 ヤマハ 18 +30.78
5 3 増田一将 Honda 18 +32.11
6 7 大河原功次 ヤマハ 18 +33.03
17 2 高濱龍一郎 Honda 18 +1:28.28
22 40 太田真成 Honda 17 +1Lap
24 37 永田寛典 Honda 17 +1Lap
25 116 三原基 Honda 17 +1Lap
26 28 池田孝宏 Honda 17 +1Lap
29 952 福留善秀 Honda 17 DNF
RT 30 沼田誠司 Honda 2 DNF
RT 106 くわ垣竜斗 Honda 1 DNF
RT 101 山本恵大 Honda 1 DNF
【IA1:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 982 成田亮 ヤマハ 18 32:45.372
2 3 増田一将 Honda 18 +1.07
3 4 加賀真一 スズキ 18 +11.25
4 6 出原忍 ヤマハ 18 +14.46
5 86 熱田孝高 Honda 18 +23.93
6 711 溝口哲也 カワサキ 18 +26.96
11 2 高濱龍一郎 Honda 18 +58.34
18 30 沼田誠司 Honda 17 +1Lap
19 40 太田真成 Honda 17 +1Lap
20 28 池田孝宏 Honda 17 +1Lap
23 37 永田寛典 Honda 17 +1Lap
25 116 三原基 Honda 17 +1Lap
27 106 くわ垣竜斗 Honda 16 +2Laps
【IA2:ヒート1】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 47 深谷広一 Honda 18 32:38.946
2 44 小島庸平 スズキ 18 +6.05
3 331 新井宏彰 カワサキ 18 +6.61
4 955 勝谷武史 Honda 18 +14.09
5 22 渡辺学 ヤマハ 18 +17.16
6 49 井上眞一 カワサキ 18 +21.98
18 06 谷本功志 Honda 18 +1:46.44
22 74 星野優位 Honda 17 +1Lap
23 55 中堀敏宏 Honda 17 +1Lap
25 98 安達広頼 Honda 17 +1Lap
RT 64 杉尾寿城 Honda 7 DNF
【IA2:ヒート2】
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
1 44 小島庸平 スズキ 18 32:55.946
2 47 深谷広一 Honda 18 +3.26
3 197 平田優 カワサキ 18 +7.21
4 331 新井宏彰 カワサキ 18 +16.84
5 49 井上眞一 カワサキ 18 +33.11
6 60 尾崎友哉 ヤマハ 18 +42.31
8 955 勝谷武史 Honda 18 +51.57
10 55 中堀敏宏 Honda 18 +1:03.00
19 74 星野優位 Honda 18 +1:42.83
22 06 谷本功志 Honda 17 +1Lap
24 64 杉尾寿城 Honda 17 +1Lap
25 98 安達広頼 Honda 17 +1Lap

【IA1】   【IA2】
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 成田亮 ヤマハ 234
2 熱田孝高 Honda 196
3 増田一将 Honda 164
4 溝口哲也 カワサキ 153
5 小池田猛 ヤマハ 142
6 出原忍 ヤマハ 139
7 釘村太一 ヤマハ 116
8 高濱龍一郎 Honda 114
9 大河原功次 ヤマハ 103
10 平塚雅樹 カワサキ 100
16 福留善秀 Honda 70
ポイント一覧
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 小島庸平 スズキ 205
2 平田優 カワサキ 196
3 新井宏彰 カワサキ 186
4 勝谷武史 Honda 185
5 尾崎友哉 ヤマハ 173
6 井上眞一 カワサキ 149
7 加藤吏一 カワサキ 123
8 須田純 カワサキ 116
9 深谷広一 Honda 116
10 渡辺学 ヤマハ 106
ポイント一覧
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