第4戦は例年通り、春と秋の2回開催となる中国大会。なぜか雨にたたられることが多いラウンドだが、土曜の予選日は今年もまた雨模様。大粒の雨が時おり激しく降り注ぎ、極度のマディ状態となったため、コースは一部区間がショートカットされた。さらにIA1クラスは、エントリー台数が決勝グリッド数を下回っていたため、予選レースがキャンセルとなった。
決勝が行われた日曜日は天候も回復し、風は多少冷たいものの、5月らしい暖かな陽気。コースも、さすがに午前中はマディとなったが、午後には大部分がドライコンディションに回復した。
今大会も、TEAM HRCからは熱田孝高選手、増田一将選手、福留善秀選手の3名が4ストロークマシンCRF450Rを駆り、IA1クラスに参戦。IA1クラスは予選がキャンセルされたため、第3戦までのランキングにより、熱田選手が2番手、増田選手が4番手、福留選手が11番手で、それぞれ決勝グリッドに着いた。
▼ IA1(450/250)ヒート1
1周目を終え、加賀真一選手(スズキ)を高濱選手、熱田選手、増田選手が追う展開。さらに、福留選手も8番手から上位進出を狙った。しかし2周目、増田選手が転倒を喫して14番手まで後退。福留選手も10番手へと順位を下げてしまった。
上位勢にまず変動が見られたのは5周目。高濱選手が加賀選手をパスしてトップへと浮上した。しかしその高濱選手は、7周目に転倒して5番手へと後退。これにより熱田選手が2番手に浮上し、ぴったりと加賀選手を追走しながらチャンスをうかがった。
ところがその熱田選手は、レース後半に入りフープスでミスを犯した際に成田亮選手(ヤマハ)に抜かれ、3番手へと後退してしまう。それでも、上位2台と熱田選手の差はわずか。レース終盤を迎え、熱田選手は2番手へと後退した加賀選手をパスし、トップの成田選手にプレッシャーを掛けた。
すると、ラスト2周で成田選手が転倒。これにより熱田選手はトップに浮上し、今季3勝目を挙げた。2位に成田選手、3位に加賀選手が入賞。高濱選手は5位、福留選手は7位、増田選手は9位でフィニッシュとなった。
▼ IA1(450/250)ヒート2
IA1の決勝ヒート2は、コースの大部分が乾いた状態でスタート。TEAM
HRC勢は、1周目を終えて増田選手が3番手、熱田選手が5番手、福留選手が7番手と好位置につけた。2周目に熱田選手が4番手、増田選手が6番手へ入れ替わるが、3周目以降は成田選手と出原忍選手(ヤマハ)のワンツー態勢を崩すべく、上位進出のチャンスをうかがった。
レースは、11周目に熱田選手が2番手、13周目に増田選手が3番手に浮上して、成田選手を追う形で終盤を迎えた。すると、残り5周となる14周目に、熱田選手がこのヒートの最速ラップを叩き出して、成田選手と約7秒差まで接近した。ところがその次周のジャンプの着地で、熱田選手は第2戦で負傷した右手首を再び痛め、コースサイドにストップ。何とかチェッカーは受けたものの、ノーポイントに終わってしまった。
レースは、成田選手が優勝。熱田選手のトラブルにより順位を上げた増田選手が、溝口哲也選手(カワサキ)の追撃を振り切って、2位でゴール。福留選手は、15分すぎにフロントホイールを損傷させてしまいピットイン。前輪交換後に再スタートするも、ポイント圏外でレースを終えた。
▼ IA2(250/125)ヒート1
小島庸平選手(スズキ)、井上眞一選手(カワサキ)、平田優選手(カワサキ)が好スタートを切り、レース序盤からトップグループを形成。勝谷武史選手(Honda)は、1周目12番手とやや苦しい展開となった。しかし、レース序盤で一気に順位アップを果たした勝谷選手は、小島選手がミスにより3番手へと順位を下げた7周目には、尾崎友哉選手(ヤマハ)に次ぐ5番手まで浮上した。
レース後半、トップ勢から井上選手が脱落。平田選手がやや独走態勢となる一方で、2番手争いはし烈さを増す。勝谷選手は、レース終盤に尾崎選手、小島選手をパスして、ついに2番手へと浮上。しかしラストラップ、周回遅れに阻まれて2連ジャンプを跳べずに通過したために小島選手にパスされ、平田選手、小島選手に次ぐ3位でゴールとなった。
▼ IA2(250/125)ヒート2
井上選手、平田選手、須田純選手(カワサキ)、小島選手の順で1周目をクリア。ここから、2周目に小島選手が3番手へと浮上し、トップグループが形成された。勝谷選手はまたしてもスタート16番手と出遅れたが、ヒート1同様に序盤から激しい追い上げをみせ、6周目には7番手までポジションアップを果たした。
さらにペースアップを試みた勝谷選手は、11周目には4番手まで浮上。そして、残り5周となる14周目に3番手へ上がると、残り3周のところでベストラップを叩き出して、2番手を走る小島選手へと急接近。ラストラップにはテールトゥノーズ状態に持ち込んだ。しかし、逆転には僅かコンマ数秒届かず、2ヒート連続の3位でゴールとなった。なおレースは、序盤からリーダーとなった平田選手が優勝した。
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