決勝日:2004年9月4・5日(土、日)
会場:名阪スポーツランド 天候:晴れ時々曇り一時雨 気温:30℃ コースコンディション:ドライ(ヒート1)、マディ(ヒート2)
観客:1万4810人
藤沢から1か月のインターバルを挟み、終盤戦を迎えた全日本選手権。舞台は、開幕戦と同じ名阪スポーツランド。IA250で13連勝中の成田は、チャンピオンに王手をかけて今大会を迎えた。2位の田中との差は109ポイント。今大会終了時に106ポイント以上の差を維持できれば、成田の3年連続チャンピオンが確定する。
午前中のヒート1は残暑を感じさせる気温の高さで、曇り空から雨が落ちることはなかった。ところが、午後から急に豪雨となり、コースはマディへ。その影響が、大波乱のレースを生むことになった。
▼250ヒート1
レース序盤から、激しいトップ争いが勃発。ホールショットから後続を引き離しにかかる成田に、辻が激しくプッシュ。1周目のヘアピンで辻が仕掛け、続く2番ポストで成田が逆転、3番ポストで辻が…。そんな激しいバトルが、4周にわたって繰り広げられた。ところが5周目、辻が転倒を喫してしまい、5番手にダウン。単独首位となった成田の楽勝パターンとなった。2番手は大河原、その後ろに溝口、加賀、辻の3台が僅差で続く。
レース中盤、3番手争いが激化。溝口、加賀、辻に加え、後方から増田、田中、小池田が迫り、6台が連なる接戦となった。レース終盤まで緊迫した空気は続いたが、残り3周で辻がその集団のトップに躍り出る。最後は辻が抑えきり、成田、大河原に続き3位の座を守った。成田はこれで14連勝とした。一方、10番手辺りからのスタートとなった勝谷は、思うように順位を上げられない周回が続いたが、終盤になりペースを上げて6位でゴールした。
▼250ヒート2
4番手スタートの辻が1周目のコーナーでマディにスタック。このハプニングが出遅れた成田の進路を塞ぐ形となり、成田は大きなタイムロスを喫した。1周目を終えた時点で、上位は田中、大河原、加賀、溝口というオーダーだったが、4周目には加賀がトップを奪う。10番手からレースを開始した勝谷は、序盤にして4番手まで浮上する。
レース中盤、トップの加賀は後続を大きく離して独走。2番手は田中を抜いた大河原。勝谷は3番手の田中との差をじりじりと縮めながら周回。驚異的な追い上げを見せた成田は勝谷に続く5番手まで浮上していた。
ラスト3周、勝谷が田中をパスし、加賀、大河原に続いて3位入賞。一方、成田の猛追は田中との差をみるみる縮めたが、5位のままでチェッカーとなる。開幕以来の連勝はここで途絶えたが、成田は残り4ヒートの結果を待たずに全日本3連覇を達成。市販CRF450Rのポテンシャルの高さを証明した。
▼125ヒート1
ホールショットの平田が1コーナー直後で転倒し、新井がトップに。好スタートの芹沢は2番手につけた。序盤、芹沢は福留と中村のチャージを受け、4番手に後退する。5周目、福留と新井を抜いた中村がリーダーとなり、独走態勢を固めた。その直後から新井のペースが落ち、入れ替わるように福留と芹沢がポジションアップ。
その後、中村、福留、芹沢のトップ3はそれぞれ単独走行となり、オーダーも変わることなくチェッカー。芹沢はシリーズ終盤の緒戦をポディアムフィニッシュで飾った。
▼125ヒート2
スタート前から降り始めた雨がすぐに豪雨となり、コースコンディションはあっという間にマディに。前の周では通ることができたラインでも、翌周には沼になるという、綱渡りをするようなサバイバルレースだった。
そんな中、芹沢がレース序盤をリードする。ホールショットを奪って独走し、2番手の出原をぐんぐん引き離したかに思えた。しかし、3番手スタートで出原を抜いた中村にぴったりとマークされる。テールツーノーズに持ち込まれると、先行を許した。レースはその後、中村が大量リードで優勝。芹沢はマディの中、2位でフィニッシュする健闘を見せた。 |