決勝日:7月17・18日(土、日) 会場:藤沢スポーツランド 天候:晴れ 気温:30.1℃ コースコンディション:マディのちドライ 観客:1万500人
予選が行われた土曜日、早朝は小雨がぱらつく程度だったが、公式練習が始まる頃には豪雨となり、コースは一気に泥沼と化した。まるで川のように雨水がコースを流れ、一部では腰まで埋まってしまうほどの悪路面となった。
IA250は予選がキャンセルされ、決勝は最新のランキングがグリッド順位とされた。それ以外のクラスは、泥沼のような路面に足を取られながらも、予選を走り抜いた。そんな中、芹沢直樹(Team HRC)は深谷広一(Honda)のすぐ後方である5番手を獲得し、菅生に続く上位フィニッシュの期待を膨らませて決勝を迎えた。
日曜日は朝から好天に恵まれ、路面も回復方向。午前中はさすがにマディだったが、午後からは主催者たちの懸命なコース整備もあって、絶好の路面コンディションとなった。
▼250ヒート1
好スタートを決めたのは釘村太一、大河原功次のヤマハ勢。しかし、すぐ後方につけた成田亮(Honda)が、あっという間に2人をパスして首位を奪取し、わずか3周する間に大量リードを築き上げた。2番手の釘村もペースを上げ、3番手争いをする大河原と小島太久摩(スズキ)を引き離し始める。
レース中盤、さらにリードを広げようと全開走行をするトップの成田。2番手の釘村は取り残され単独走行となる。一方、大河原、小島が繰り広げていた3番手争いに渡辺学(ヤマハ)が加わり、一時は三つ巴の接戦が繰り広げられる。しかし、大河原が徐々に遅れ始め、小島と渡辺の一騎打ちとなり、最後は小島が3位を獲得した。
成田は終始ハイペースをキープして、昨年の圧勝劇を彷彿させるかのような7位以下を周回遅れにする独走で優勝を果たした。
辻健二郎(Team HRC)と勝谷武史(Team HRC)はともにスタート直後の1コーナーで転倒を喫して、最下位からの追い上げを強いられたが、辻は7位、勝谷は10位まで挽回して貴重なポイントを加算した。
▼250ヒート2
釘村、大河原、小池田猛(ヤマハ)が好スタートを決めるが、すぐさま3番手につけていた成田が抜き去る。成田はヒート1同様に2位以下の後続を引き離し、またも序盤から独走態勢を築く。
5番手からのスタートとなった辻は1周する間に3番手まで浮上し、2番手の釘村を追走する。勝谷も好調な滑り出しを見せ、3周目には辻のすぐ後方に迫る4番手を確保する。
レース中盤、辻と勝谷はテールトゥノーズの状態で、2番手の釘村に迫った。6周目、辻が釘村をパスすると、勝谷も続いて3番手を奪取。そのまま2人の接戦は中盤戦に突入するまで繰り広げられる。
12周目、前方に数台の周回遅れが現れ、2位を走る辻が追走する勝谷に隙を見せる。勝谷はここぞとばかりにアタックを仕掛け、2番手浮上に成功。左足首剥離骨折、靭帯断裂を負っての参戦とは思えない力走をその後も続けた。
トップ成田、2番手に勝谷、3番手に辻というHonda1-2-3フォーメーションはその後も崩れることなく、表彰台をHondaの赤一色で染めてヒート2は幕を閉じた。成田は13連勝を達成した。
▼125ヒート1
スターティングマシンの不具合が原因で、レースは赤旗中断。気持ちの切り替えが難しい再スタートでホールショットを奪ったのは平田優(カワサキ)。しかし、直後にスリップダウンを喫して、尾崎友哉(ヤマハ)、小島庸平(スズキ)、釘村忠(ヤマハ)、武田慎平(スズキ)に抜かれて5位まで後退してしまう。
2周目、釘村がペースの上がらない尾崎を抜いてトップに立つと、徐々にその差を広げ始めて独走。そのまま初優勝を決めた。尾崎は8周目の1コーナーでラインを外してスタック、武田は残り10分でフロントタイヤがパンクして、両者ともリタイア。最終的に2番手争いに残ったのは小島と、追い上げてきた出原忍(ヤマハ)。最終ラップまでもつれ込んだが、僅差で小島が制した。
芹沢はスタートで出遅れハイペースで追い上げるが、7周目に転倒。泥が深かったために再スタートにも時間がかかり、最終的には22位でゴールするのが精一杯だった。
▼125ヒート2
ホールショットは平田。それに福留善秀(スズキ)、鈴木友也(Honda)が続くが、芹沢が狙いをすまして2コーナーまでに2番手に躍り出る。芹沢はトップを走る平田を狙ってペースを上げるが、それが裏目に出てしまい、4番ポスト手前の下り右コーナーでコースアウト。福留に逆転を許して3位に後退してしまった。
レースが中盤に差し掛かる頃、トップの平田のペースが落ち始め、福留が急接近。11周目、ついに福留がトップの座を奪う。芹沢も平田との差を徐々に縮め、レース終盤にパスして2番手に浮上。しかし、トップの福留には届かなかった。
結局、福留、芹沢、平田の順位のままでチェッカー。芹沢は北海道に続く表彰台獲得に笑顔を見せていた。
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