決勝日:7月3・4日(土、日) 会場:わっさむサーキット 天候:晴れ 気温:30.5℃ コースコンディション:ドライ 観客:9500人
菅生大会から1か月のインターバルを挟んで再開した全日本選手権。今回はコース全面を1m近くも掘り下げて岩盤や石を取り除き、レイアウトの一部が改修された、わっさむ(和寒)サーキットでの開催である。
圧倒的な強さで今季9連勝中の成田亮(Honda)が、市販CRF450Rでどこまで連勝を築き上げるのか。今の全日本の注目は、そこに集まっている。インターバル中にテストを重ねてきた勝谷武史(Team HRC)、辻健二郎(Team HRC)、そしてライバルたちの追撃を成田は振り切ることができるのか。からりと晴れ上がった北の大地で、熱戦が幕を開けた。
▼250ヒート1
ヒート10連勝を狙う成田が好スタートを決めて、1コーナーを通過。田中教世(カワサキ)、大河原功次(ヤマハ)、辻がそれに続く。序盤、成田は田中を振り切れずにチャージを受けたが、5周ほど周回したところで僅かな差を築き、徐々に独走モードへ突入する。
大河原をパスした辻も成田に続きたいところだったが、2位を行く田中のペースにはついていくのが精一杯。レースが中盤に差し掛かると、辻は田中に大きく水を開けられてしまい、このトップ3台は単独での走行となった。
4番手争いは、20分辺りから4番手の大河原に増田一将(スズキ)、小池田猛(ヤマハ)が迫り、三つ巴の戦いとなった。しかし、前戦で負傷した小池田が、大河原を抜いた増田をパスして勝負を制した。
結局、トップ3台のオーダーは最後まで変わらず、成田、田中、辻の順でゴールを迎えた。また、10番手辺りからのスタートを強いられた勝谷は、8番手まで挽回するが、4周目に転倒してしまい左足を負傷。このヒートをリタイアした。
▼250ヒート2
成田、釘村太一(ヤマハ)、田中の順でレースがスタート。田中はすぐに釘村をパスするが、成田の勢いはヒート1以上。序盤から成田は独走態勢を築き上げた。
スタートを失敗して1周目を8番手で終えた辻は、そこから怒涛の追い上げを見せる。加賀真一(スズキ)、小方誠(Honda)、大河原の4番手争いに割って入り、次々にパス。5周目には4番手を手中にして、3番手の釘村を追いかける。
20分過ぎ、辻がついに釘村を捕らえて3番手に浮上。だが、そこまでに費やした時間で、2番手の田中には大きく逃げられていた。その後、トップ3台の順位変動はなく、成田が11連勝を決めた。
ヒート1で負傷した勝谷は、左足をギプスで固めてヒート2に出走。後方スタートとなったが徐々に順位を上げ、6位でフィニッシュを果たし、後半戦挽回への望みをつないだ。
▼125ヒート1
福留善秀(スズキ)がホールショットを奪い、レースを序盤からリードする。それに続くのは、北居良樹(スズキ)、井上眞一(カワサキ)、深谷広一(Honda)。北居は福留に食い下がるが、井上、深谷は徐々に引き離されてしまう。
10番手辺りからのスタートとなった芹沢直樹(Team HRC)は、1周する間に7番手まで順位を上げ、4周目には4位の深谷のテールに迫った。そして5周目、深谷を抜き、8周目には井上も捕らえて3番手に浮上。その後、北居の背後につけてレース中盤は激しく追い立てた。
迎えた12周目、北居を抜き去り2番手の座を手にしたが、15周目に逆転を許してしまう。その後、急に芹沢のペースがダウン。北居に離されてしまい、そのまま芹沢は3位でフィニッシュとなった。優勝は、スタートからトップを守った福留が決めた。
▼125ヒート2
スタートで5番手につけた芹沢は、ホールショットを奪った福留、それに続く尾崎友哉(ヤマハ)、中村友則(カワサキ)、須田純(カワサキ)を追いかける。序盤の4周目、須田をパスして4番手に浮上すると、芹沢は3番手の中村にじりじりと迫った。
レースが中盤に差し掛かるころ、2番手を走行する尾崎が転倒して戦線離脱。中村が2番手、芹沢が3番手となる。トップの福留と中村の差は5秒ほどあったが、中村と芹沢の差は周回ごとに縮まる。15分を過ぎたころには、4位の深谷以下を大きく引き離して、2人はテールトゥーノーズで激しく競り合う。
13周目、6番ポスト手前の下りで芹沢は中村を抜き2番手奪取に成功。しかし、福留との差は大きく、最終的に2位でゴールとなった。粘り強いレース展開を見せた深谷、鈴木友也(Honda)も健闘して、それぞれが4位、5位でチェッカーを受けた。 |