決勝日:5月22・23日(土、日) 会場:HSR九州 天候:晴れ 気温:29.5℃ コースコンディション:ドライ 観客数1万2200人
本州での3戦を終え、全日本選手権の今回の舞台は、阿蘇山の麓にあるHSR九州。高速コーナーから、2連、3連ジャンプ、フープス、そして5速までシフトアップするストレートなど、バラエティに富んだレイアウトになっている。
土曜日に行われたIA250の予選では、勝谷武史(Team HRC)がトップタイムをマークし、2番手には成田亮(Honda)が並ぶ。IA125でも芹沢直樹(Team HRC)がトップにつけ、Honda勢は両クラスとも優勝を射程内に捉えて、日曜日の決勝を迎えた。
▼250ヒート1
大河原功次(ヤマハ)が先頭で1コーナーを抜け、増田一将(スズキ)、溝口哲也(カワサキ)の順で続く。勝谷は4番手、成田は8番手、辻健二郎(Team HRC)もその後方につける。
成田は次々にポジションを上げていき、2周目までにトップへ浮上し、得意の独走態勢を築く。勝谷も3位へと順位を上げ、4周目に大河原を抜いて2位へ。だが辻は、5番手の小島太久摩(スズキ)をパスする際に接触してしまい、最後尾まで順位を落としてしまった。
レース序盤から成田、勝谷のオーダーは変わらず周回は進み、3番手には戸田蔵人(カワサキ)、4番手には大河原と続く。終盤まで激戦が続いたのは、5番手争い。平塚雅樹(Honda)、田島久(Honda)、釘村太一(ヤマハ)を筆頭に、6台ものライダーがひしめき合う。最後尾から追い上げてきた辻は、その集団を1台、また1台とパス。最終ラップではフープスでミスした釘村をも抜き、5位の座を獲得した。
トップの成田、それに続く勝谷、戸田の順位は最後まで変わらずチェッカーを迎えた。
▼250ヒート2
ホールショットは大河原が奪ったが、1周する間に田中教世(カワサキ)がトップを奪う。2番手の大河原の後ろには増田、戸田と続く。2周目、増田が大河原をパスして2番手に上がり、トップの田中に肉薄し始める。
辻は1コーナーを抜けた時点で8番手だったが、1周する間に6番手まで順位を上げる。しかし、3周目に転倒し、16番手まで順位を落とした。成田はスタートで出遅れてしまい、12、3番手辺りからの追い上げとなったが、2周目に9位、3周目に6位、5周目には戸田を抜き4位に浮上し、トップ集団を追いかける。
6周目、増田が田中をパスして首位に立つ。増田、田中、大河原、そして4番手の成田までが連なるようにトップ集団を形成する。7周目、成田が大河原、田中を続けてパス。その勢いは衰えず、成田は8周目のフープスで増田を抜き去りトップを奪取した。しかし、抜かれた増田の追撃も激しく、なかなか振り切ることができない。その緊迫したトップ争いは、終盤まで展開された。
残り4周、成田を追う増田がフープスで転倒。増田は再スタートするが、その直後に再び転倒しリタイア。成田は悠々とチェッカーを受け、今季7勝目、3度目の完全優勝を果たした。スタートで出遅れた勝谷は、中盤を過ぎる頃には4位まで挽回したが、14周目にパンクのためピットイン。順位を大きく落としたが17位に入り、貴重な4ポイントを獲得した。
▼125ヒート1
スタートで2番手につけた釘村忠(ヤマハ)が、1周目に須田純(カワサキ)を抜いてトップを奪う。福留善秀(スズキ)もそれに続き、2番手に浮上するが、2周目の6番ポストで転倒し順位を落とす。代わって2番手に浮上したのが深谷広一(Honda)。中村友則(カワサキ)、須田がそれを追いかける。
5周目、深谷が9番ポストで釘村をパスしてトップに浮上するが、同じく釘村を抜いた中村が徐々に差を詰め始める。2人の差はテール トゥ ノーズまで迫ったが、最後まで深谷は力走を見せ、地元でA級初優勝を手にした。
スタートで出遅れた芹沢は、中盤は北居良樹(スズキ)と4番手争いを展開し、8周目にパス。しかし、その後も北居にマークされ、ラスト2周で逆転を許し5位に終わった。
▼125ヒート2
ホールショットを奪った釘村をすぐさま福留、中村がパス。2周目、釘村は深谷に抜かれ、トップ3は、福留、中村、深谷というオーダーとなった。
トップの福留とそれを追う中村は、テール トゥ ノーズの接近戦を展開。ところが、8周目に福留が転倒し、中村が首位へ。2番手は深谷、3番手には北居がつけ、福留は6番手まで順位を落としていた。
中村との差は徐々に広がり、深谷は単独2位を走行する。終盤、3番手北居に芹沢が迫ったが、あと一歩のところでタイムアップ。中村が優勝し、深谷、北居、芹沢の順でチェッカーが振られた。深谷は総合でも2位に輝き、地元ファンの声援に応えた。 |