決勝日:5月8、9日(土、日) 会場:世羅グリーンパーク弘楽園 天候:雨のち曇り 気温:25℃ コースコンディション:ウエットのちドライ 観客数1万1500人
真夏の日差しを思わせるような土曜日とはうって変わり、日曜日は未明から雨が降りだし、コース全周がウエットになった。だが、昨年のようなマディコンディションには至らず、公式練習前には雨も上がり、路面は程良く散水された状態。決勝は、ウエットからドライに向かう良好なコンディションに恵まれた。
世羅グリーンパーク弘楽園のコースレイアウトは、今大会を機に手が加えられた。ラムソンジャンプやフープスなど、コースの名所はそのまま継承しつつ、コースの延長や拡幅などにより、パッシング機会の増加を狙った形だ。
また、今大会で注目の的となったのは、IA125クラス芹沢直樹のCRF250Rに採用された、ツインエキゾースト(2本出しマフラー)。これは操安性の向上と、低速から中速のトルクアップを図ったもので、熟成が進むマシンを与えられた芹沢のライディングに期待が寄せられた。
IA250クラスでは、勝谷武史と辻健二郎も今季初優勝に向けて調子を上げ始めており、ランキング首位の成田亮に対する追撃態勢は整っている。
▼250ヒート1
釘村太一(ヤマハ)、大河原功次(ヤマハ)に続いて1コーナーを抜けた成田は、ショートコースを周回する1周目にトップへ浮上。2周目以降は得意の独走ペースで後続を離すレース展開を見せる。3周目、3位の大河原をパスした増田一将(スズキ)が釘村を抜き去り2位へ。成田の背中を追うが、ハイペースを維持する成田との差は徐々に広がっていく。
6番手スタートを決めた辻は、フープスでエンストしてしまい順位を落としていた。15番手前後から再スタートして10番手まで挽回するが、他車との接触で転倒し、さらに順位を落とす。スタートで出遅れた勝谷は、2周目に7位、3周目には5位まで追い上げていた。ところが、3位の釘村、4位の大河原を抜くのに苦戦。10周目の6番ポストで3位の座を奪った時には、2位の増田に大きく水を開けられていた。
レース終盤、トップの成田は2位の増田に3秒差まで詰め寄られたが、その座を譲ることなく優勝を果たした。勝谷は単独3位でフィニッシュ、辻は11位でゴールした。
▼250ヒート2
スタートを完璧に決めた成田が、1周目から目の覚めるような果敢なアタックでレースをリードする。それに続くのは辻、増田、大河原、勝谷。2周目では、辻が増田にパスされ、3位に後退してしまう。一方、勝谷は大河原を抜くのに手間どったが、6周目に前へ出ると、3位の辻のテールまで一気に迫った。
8周目、ラムソンジャンプ先の下りで、勝谷が辻をパス。トップの成田、2位の増田を追いかけたいところだが、その背中が視界に映らないほど離されていた。
レース中盤に突入すると、ラップリーダーの成田は完全に独走態勢。そのままチェッカーまで駆け抜け、今季5勝目をマークした。2位は増田、3位は勝谷、そして終盤の田中の追撃を封じた辻が4位フィニッシュを果たした。また、高濱龍一郎(Honda)が8位、平塚雅樹(Honda)も9位に入賞。トップ10内をHonda勢5台が占め、シーズン中盤に向けての勢いを感じさせた。
▼125ヒート1
ホールショットを奪ったのは福留善秀(スズキ)。中村友則(カワサキ)、釘村忠(ヤマハ)、出原忍(ヤマハ)、北居良樹(スズキ)と続く。芹沢は6番手からのスタートだったが、2周目には5位、3周目には4位まで浮上。ところが、そこからペースが上がらず、単独4位走行を余儀なくされた。
レースは、3周目にトップの福留をパスした中村をラップリーダーに、周回が重ねられていく。2番手は福留と出原が争い、テールトゥノーズで何度も並びかける攻防戦を繰り返し、7周目には出原が前に出る。しかし、11周目に再び福留が逆転に成功した。
2位争いが激しくなったことにより、4位の芹沢が出原との差を一気に詰め、虎視眈々とインをうかがう。12周目、ついに芹沢が出原を抜き3位へ。福留も射程内だったが、中村、福留、芹沢のオーダーのままチェッカーとなった。
▼125ヒート2
スタートを決めた福留が、レースを序盤からリードして、尾崎友哉、北居、井上と続く。芹沢は少し出遅れてしまい、10番手からのスタート。だが、2周目には7位まで順位を上げ、出原を追いかける。ペースを上げていく出原に対し、芹沢も負けじとぴったりテールを捕らえ、4位を走行する井上をパスするのもほぼ同時。一瞬の隙をついた芹沢は、出原の前に出て4位の座を奪取する。
レース中盤、トップは福留、2位は北居、3位は尾崎、そして4位が芹沢。尾崎との差を縮めたい芹沢だったが、5位の出原から猛烈なプッシュを受け、それを凌ぐことで精一杯だった。最後はなんとか出原を抑え込み、4位でフィニッシュ。レースは福留が制した。 |