決勝日:4月24、25日(土、日) 会場:自動車安全運転センター 天候:晴れ 気温:23℃ コースコンディション:ドライ 観客数:1万8300人
自動車安全運転センター内に特設されたコースは全体的に幅が狭く、パッシングが難しい。また、土質がやわらかいため、路面が滑りやすいこともその難しさに大きく影響しており、スタートの成否が勝敗を左右するコースだと言える。
今季はまだ表彰台に立っていないHondaワークスだが、250の勝谷武史や125の芹沢直樹の勢いは衰えていない。辻健二郎は前戦で右肩を負傷したが、今大会もCRF450Rを駆り上位を狙う。また、セキレーシング・モトロマンから参戦の成田亮も大きな戦力となり、Honda一丸となってタイトル奪還を目指す。
▼250ヒート1
スタートを決めて、矢のような速さで1コーナーを抜けていった成田。ぐんぐんペースを上げ、僅か3周で後続に大きなリードを築く。2位の大河原功次(ヤマハ)、3位の小池田猛(ヤマハ)がそれを追いかけるが、差は広がるばかり。
辻と勝谷の2人は出遅れてしまい、3周目の時点で辻が9位、勝谷が12位と苦しい展開。5周目に入り、それぞれ順位を上げるが、小島太久摩(スズキ)、田中教世(カワサキ)を交えた7番手争いがヒートアップして、ペースが上がらない状況となってしまった。
9周目には前方を走る戸田蔵人(カワサキ)、平塚雅樹(Honda)、小方誠(Honda)、溝口哲也(カワサキ)、田中をも巻き込み、辻、勝谷の走るグループは大混戦。その中を抜けて上位を捕らえたいところだったが、12周目に辻がエンストして順位を大きく落とす。8位を走行していた勝谷は、粘り強くポジションを上げていき、ペースダウンして順位を下げていた大河原を抜いて5位まで挽回。しかし、混戦をうまく抜け出た4位の田中とは、10秒以上もの差があった。
トップの成田は、中盤から終盤にかけてもペースを落とすことなく独走し、トップでチェッカーを受けた。4ストとのマッチングもかなり煮詰まってきたようだ。残り2周で増田一将(スズキ)が転倒したため、2位には小池田、3位には田中、そして勝谷が4位入賞を果たした。
▼250ヒート2
成田の集中力はすでに国内では突出しており、またもホールショットを奪った。序盤は、逃げる成田を増田、田中、大河原が追いかけるというレース展開が続いた。
6周目を過ぎた辺りから、急に成田と2位の増田の差が開き始め、みるみる内に広がっていった。その差は10周を過ぎると8秒にまで広がり、ヒート1同様に成田の独走劇が展開された。
レース終盤、増田との差は縮まったように見えたが、前半に築いたマージンで成田が楽々独走優勝を決め、今季初の完全優勝を達成した。スタートを失敗して追い上げレースとなった勝谷は4位を獲得。辻はスタートで転倒してしまい、最終的に10位でフィニッシュした。
▼125ヒート1
スタート後、芹沢は3番手で1コーナーを抜けたのだったが、スターティングマシンの故障で直後に赤旗中断され、仕切り直しとなった。これでケチがついたのか、芹沢は2度目のスタートを失敗してしまい、中盤辺りからの追い上げレースとなった。
トップはホールショットを奪った武田慎平(スズキ)、2位は福留善秀(スズキ)、3位は尾崎友哉(ヤマハ)。3周目、福留が武田をパスしてトップへ、そして北居良樹(スズキ)も尾崎を抜き3位に順位を上げた。その後、北居が福留を追い立てて10周目にトップを奪うが、北居が8番ポストでエンストして、福留が再び首位へ。福留はそのままトップを守り、追い上げてきた出原忍(ヤマハ)を振り切り優勝した。
芹沢は中盤の混戦を抜け出すのに手間どり、最後は6位でチェッカーを受けた。
▼125ヒート2
ホールショットを奪ったのは、またも武田。それに続くのは福留、井上、尾崎。7番手スタートとなった芹沢は、1周目で6位、3周目に5位、4周目に4位と、徐々にポジションを上げトップを狙える順位につけていた。
ところが5周目、4連の着地でバランスを崩してしまい転倒。再スタートを切ったが、胸へのダメージが大きく、数周はペースダウンを余儀なくされ、15番手辺りまで順位を下げてしまう。レース終盤までにはなんとか盛り返したが、6位までが精一杯だった。
中盤まで独走し、終盤にかけて尾崎の追撃を封じた福留は、初の完全優勝を果たした。2位は尾崎、3位は中村友則(カワサキ)が入り、Hondaワークス勢の表彰台は、次戦以降のお預けとなった。 |