決勝日:4月11日(日) 会場:名阪スポーツランド 天候:晴れ 気温:27℃ 観客数:2万776人
IA125は、昨年に引き続き芹沢直樹がCRF250Rを駆って出場し、IA250は勝谷武史と新たに加入した辻健二郎が、それぞれRC250M、CRF450Rに跨ることになった今季のTeam HRC。長くファクトリー・ライダーを務めた高濱龍一郎は、自身のチーム・ハマーからエントリーすることになり、トッププライベーターとして、チャンピオン奪還を狙う。そして一昨年、昨年と2連覇を達成した成田亮が古巣のモトロマンに戻ってCRF450Rでシーズンを戦うことが決まり、Hondaは4メーカー中で最も骨太な戦力を揃えた。
▼250ヒート1 開幕戦に懸ける各ライダーの意気込みが爆発するかのように、スタート直後にアクシデントが勃発した。1コーナーの進入で数台がクラッシュ。しかも、今季は有力なチャンピオン候補でもある勝谷の姿もそこにあった。勝谷はすぐに再スタートしたが、出鼻を挫かれて苦しい展開となった。なんとか順位を挽回するものの、最終的には7位が精一杯だった。辻は1周目に田中と接触して、バイクが壊れてしまいリタイアした。
大混乱をよそにホールショットから飛び出し、レースをリードしたのは成田。レース中盤までトップを快走し、誰もが優勝を信じていた。ところが10周目、成田はフープスでバランスを崩して転倒。成田を射程内に捕らえていた小池田猛(ヤマハ)が、その隙に間隔を縮めて、真後ろまで迫った。
11周目、フィニッシュジャンプで小池田に並ばれた成田。1コーナーまでに先行を許してしまい、成田は2位に。だが、小池田をしっかりマークして、逆転のチャンスを必死にうかがっていた。そんな中、12周目の5番ポストで成田がミス。小池田のテールに突っ込み、単独で転倒を喫したのだ。これで大きく差を広げられてしまい、小池田に優勝を奪われてしまった。
▼250ヒート2 スタートで3番手につけた成田は、すぐさま2位の釘村太一(ヤマハ)を抜き、2周目の1コーナーでホールショットを奪った大河原功次(ヤマハ)を捕らえトップに躍り出た。勝谷もそのすぐ後ろまで上がってきたが、成田はヒート1の悔しさを晴らすかのようにペースを上げた。辻は9番手につけ、接戦を繰り広げるグループで奮闘していた。
3周目、すでに成田は独走態勢。白熱していたのが、勝谷、大河原、そして順位を上げてきた増田一将(スズキ)が激しく激突する2位争い。3人とも、一歩も譲らない接戦が続いていた。
レースが中盤に差し掛かった頃、勝谷が後続を引き離し始め、成田にじりじりと迫り始めた。8周目、勝谷はテールツーノーズの僅差まで成田を追い立て、トップを奪う場所を探していた。ところが、登り坂の7番ポストで、勝谷がまさかの転倒。大河原、辻、高濱、戸田蔵人(カワサキ)が競り合うグループの先頭である5番手にまで順位を下げてしまった。その転倒で勝谷は左足を傷めてしまい、ペースを維持できずに後退。最後は8位でレースを終えた。
独走を続けた成田は、その後は誰も寄せ付けずに優勝を果たした。辻はなんとか接戦の中で健闘して、6位でフィニッシュ。次のレースで好結果を期待させる走りを最後まで見せた。
▼125ヒート1 出原忍(ヤマハ)、福留善秀(スズキ)、釘村忠(スズキ)、北居良樹(スズキ)の順で1コーナーを抜けていき、熱い火花が散るレースがスタートした。芹沢はスタートで出遅れるものの、1コーナーでうまくリカバーして7位。そして、1周するまでに1つ順位を上げて6位にポジションアップ。しかし、周囲にはほとんどラップタイムの変わらないライバルたちが走行しており、芹沢はその中で思うようにペースを上げられず、小島庸平(スズキ)、釘村の後方につけてチャンスを待った。
7周目、芹沢が小島を抜き去ると、それを追うように後続の中村友則(カワサキ)も小島を抜き去り迫ってきた。ここから5周にわたって、釘村、芹沢、中村の激しい4位争いが始まった。つながるようにしてコーナーに進入していく3台。一瞬の気の緩みも許さない展開だった。
芹沢のペースが落ち始めたのは、14周目を過ぎたあたりだった。4位の釘村に少しずつ離され始め、5位キープも難しい状況。残り3周となったところで、芹沢は中村にパスされ6位へ。幸いだったのは、7位の尾崎とのマージンがあったことだ。芹沢は辛くも6位でチェッカーを受けた。
結局、レースを制したのは出原。序盤からの独走で逃げ切った。2位には福留、3位には北居が入った。
▼125ヒート2 ホールショットを奪ったのは新井宏彰(カワサキ)。福留、小島、井上眞一(カワサキ)がそれに続く。芹沢はヒート1のような展開を避け、スタートで前に出て逃げ切る、自分のレース展開をしようと考えていた。ところが、スタートで失敗をしてしまい混戦に飲み込まれてしまう。そして、1コーナーを抜けて第1ヘアピンに続く下り坂で、他車と接触。転倒して最後尾付近からの再スタートを切ることになった。
レースは、福留が序盤から飛び出し後続を大きく離す展開で、2位は小島、3位は北居、4位は中村というオーダー。この3台の差が一気に縮まり、緊迫した接戦になり始めたのは6周目だった。9周目、うまく抜け出して2位を手中にしたのは中村。北居が3位、小島が4位に落ち着いた。
レース終盤、後方から順位を上げてきた出原が、北居のすぐ背後に迫り、残り3周で3位の座を奪い取った。福留、中村、出原のオーダーとなったところで、レースはチェッカーを迎えた。ほぼ最後尾からの追い上げを強いられた芹沢は、10位まで挽回して開幕戦を終えた。
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