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第10戦
日本GP(宮城)
2003年10月25、26日 開催
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サーキット&TV情報 レースレポート リザルト ポイントスタンディング  
レースレポート

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両ヒートとも追い上げを強いられた高濱
万全でない体調ながらもハイスピードを披露した熱田
勝谷にとっては前戦に続く優勝となった
250ccの勝谷、125ccの辻とHonda勢がそろって総合優勝。有終の美を飾る
■決勝日時:10月25、26日 (土、日)
■天候:晴れ 
■気温:18℃
■観客:1万7500人
■コースコンディション:ドライ
菅生の路面を得意とする勝谷は1/3をマーク
菅生の路面を得意とする勝谷は1/3をマーク

 第41回目を迎える日本グランプリ。今大会には世界選手権MXGP(250cc)チャンピオンのステファン・エバーツ(Yamaha)、そして125ccチャンピオンのスティーブ・ラモン(KTM)が参戦。また、同じく世界選手権を戦ってMXGPランキング10位を獲得した熱田孝高(Honda)の凱旋レースでもあり、これらを全日本勢がどう迎え撃つかが見どころとなった。

 すでに溝口哲也(Kawasaki)にチャンピオンが決定したIA125では、第7戦の近畿大会で負傷した芹沢直樹(Honda CRF250R)が、このままでは終われないと復帰を決意。Hondaファクトリーは、最終戦にフルメンバーで臨むことになった。

250ccヒート1
 ホールショットを奪ったのは大河原功次(Yamaha)。渡辺学(Yamaha)、熱田、平塚雅樹(Honda)と続く。注目のエバーツはスタート地点でエンジンストップ、また、4ストマシンにスイッチした成田亮(Suzuki)は転倒で出遅れた。1コーナーを7番手でクリアした勝谷武史(Honda RC250M)は、平塚、渡辺をパスして、周回を重ねるごとに順位を上げていく。一方、高濱龍一郎(Honda CRF450R)は大きく出遅れてしまい、後方からの苦しいレース展開となった。

 3周目、熱田は渡辺を抜き、3秒ほどリードを広げた大河原を追いかける。徐々に差が詰まり、7周目、ついに熱田がトップの座を奪う。3番手に浮上していた勝谷も、すぐに大河原をパスして、熱田に肉迫した。そして9周目、ペースの上がらない熱田を勝谷が抜き、一気に2位以下との差を広げ始める。また、3位に後退した大河原は後半追い上げてきたエバーツ、増田一将(Suzuki)にも抜かれてしまう。

 終盤、ペースを上げた熱田が勝谷に迫ったが、その順位のままHondaの1-2フィニッシュとなった。3位には、腕上がりでペースダウンしていたエバーツを抜いた増田が入賞。後方からの追い上げレースとなった高濱は、最終的に6位まで挽回してヒート1を終えた。

250ccヒート2
 熱田、勝谷、成田の順で1コーナーをクリアしたかに見えたが、勝谷がアウトに膨らんで大きく順位を後退させた。高濱はまたも出遅れてしまい、ヒート2も追い上げのレースとなる。

 2周目、7番手だったエバーツが一気に4番手までポジションを上げ、熱田、成田、小島太久摩(Kawasaki)、エバーツというオーダーに。ここで、2番手の成田のペースが上がらず、小島をパスしたエバーツが背後に迫る。7周目、テール・トゥ・ノーズからエバーツが成田を抜くと、エバーツをぴたりとマークしていた増田も成田をパスした。

 エバーツ、増田のペースは速く、9周目には熱田が2人の射程距離に入った。必死で防戦するものの、7周目、エバーツにトップの座を奪われてしまう。13周目には増田にも先行を許し、3位に後退。さらに、追い上げてきた勝谷にも迫られ、熱田は16周目にパスされる。

 トップグループはそのまま変動なく、最終的にエバーツ、増田、勝谷、熱田の順でゴールした。この結果、勝谷は今季初の総合優勝を決め、有終の美を飾ってシーズンを締め括った。

 一方、荒れる路面に手を焼きリズムを崩した高濱は13位でレースを終えていたが、この大会で大きな収穫があったと、すでに来季に思いを馳せていた。

▼125ccヒート1
 スタートで飛び出したのは溝口と井上眞一(Kawasaki)。3番手には出原忍(Yamaha)がつけたが、中村友則(Kawasaki)がすぐさまパスして、Kawasaki勢が1-2-3フォーメーションを形成し、レース序盤をリード。しかし、手首のケガでペースの上がらない中村が徐々に後退し、平田優(Kawasaki)、出原、尾崎友哉(Yamaha)、そして辻健二郎(Honda)がトップグループに接近し始める。

 7周目、出原が3位の平田をパスすると、尾崎、辻も平田に肉迫。10周目、尾崎が平田を捕らえて4位に浮上すると、辻も12周目に平田を抜き去る。これで溝口、井上、出原、尾崎、辻のオーダーとなった。

 13周目、尾崎が出原を抜き3位へ。順位を落とした出原は、ミスもあり15周目には辻にも先行を許してしまう。この順位のままチェッカーを迎えるかと思われたが、終盤の辻のラストスパートで、3位の尾崎との間隔が縮まり、最終ラップに逆転。辻が滑り込みで表彰台に到達した。

 芹沢はスタート直後に他車との接触で転倒してしまい、痛めた足にダメージを負っていた。それでも、再スタートして追い上げたが、状態は思ったより悪く、レース中盤にピットインしてリタイア(リザルトは30位)。その後、回復を待ったが、結局ヒート2は欠場することになった。

▼125ccヒート2
 ホールショットは溝口。福留善秀(Suzuki)、出原、武田慎平(Suzuki)と続き、辻は6番手。ヒート1で3位に甘んじた辻は、序盤から果敢に攻めて、1周目に3位、2周目には福留も抜き去り2位まで浮上。すでにチャンピオンは決められてしまったが、溝口とのマッチバトルを展開する。そして3周目、気迫で勝った辻が溝口をパス。序盤からレースをリードする。

 中盤になっても辻はペースを落とすことなく、後続に5秒のマージンを築き上げていた。2番手には溝口を抜いた福留。3番手の溝口の後方には、尾崎が迫る。9周目、その尾崎が溝口を抜き、さらに11周目には2位の福留もパス。この時点で、辻と尾崎の差は約4秒。レースは20分を消化し、辻が逃げ切るかに思われた。

 ところが、尾崎のペースが思いのほか速く、辻はその差を縮められ、ラスト3周でテール・トゥ・ノーズ、そしてラスト2周でトップの座を明け渡してしまう。尾崎はすぐに辻との差を広げたが、辻も負けられない。ラストラップ、尾崎に抜かれた6コーナーで再び辻が逆転に成功。03年の最終ヒートの表彰台頂点を守りきった。


●勝谷武史(250cc・1位/3位)
「ヒート1は出遅れたんですけど、スタートで出遅れた方が自分は調子良いみたいですね。後から良いラインだけを見せてもらって、今回はライン取りが上手くいきました。熱田選手を抜いたときは、このままちぎろうって思いました。ヒート2も勝ちたかったんですけど、トップグループに追いついたのが遅かったですね。エバーツに抜かれたときに、着いて行きたいなって一生懸命走ったんですけど、埃とか陽射しでラインが見えなくて、ミスを連発しちゃいました。でも、勢いつけてシーズン終われたし、これからオーストラリアに渡ってスーパークロスとかに出るつもりなんで、頑張りたいと思います」

●熱田孝高(250cc・2位/4位)
「ヒート1はセッティングを外してしまい、全然ペースを上げられず、トップには立てたんですけど、すごく乗れてる勝谷選手に抜かれちゃいました。ヒート2でもスタートが決まって序盤は良かったんですけど、モトクロス・オブ・ネイションズのときのケガがやっぱり影響して、体がもたなかったです。あのクラッシュから4週間経ってますが、ずっと練習できずに身体を休めていたんです。ぜんぜん抑えがきかなくて、こんなの初めてですよ。ケガの前は、40分走っても疲れなかったんですけど…。エバーツもそうなんですけど、僕もシーズンオフモードに入ってるんで、ぜんぜん世界選手権の走りとは違うんです。スピードも気持ち的にも。もう少しエバーツとバトルしたかったって気持ちもあるんですけどね」

●高濱龍一郎(250cc・6位/13位)
「ちょっと力み過ぎて、両ヒートともスタートで失敗しちゃいました。ヒート1はそこから追い上げたんですけど、前のバイクに当たって、一本松コーナーで転倒しました。ヒート2になると、コースもかなり荒れてきて、色々とラインを試してみたんですけど、いまいち良いのが見つからなくてペースも上がりませんでした。ただ、ハード面にしてもソフト面にしても、自分的にどうすれば速く走れるかっていうのを納得できたレースだったので、来シーズンにつなげることが出来たと思います。最終戦でやっとって感じですけどね」

●辻健二郎(125cc・3位/1位)
「ヒート1もヒート2も、今までと同じ気持ちで臨みました。ヒート1は追い上げのレースだったんですけど、最後の5分ぐらいで表彰台は無理かなって思ってました。でも、前のライダーより自分のペースが速くて、最終ラップに尾崎選手を抜かすことができました。どんどん荒れていく路面でもラインを変えていけたのは、ずっとバイクに乗ってなかったんで、先入観なく走れたからだと思います。ヒート2、尾崎選手が後から来てるのは知ってました。折り返しですれ違うときに確認してたんで、冷静でした。でも、抜かれてからラインを真似してミスして焦ったりもしたんですけど、絶対に勝負できるっていう自信はありました。チャンスは自分で作るしかないって思い、スリッピーで危ないところを走って、抜かれたところで最後に抜き返せて、本当に嬉しかったです」

●芹沢直樹(125cc・30位/DNS)
「スタートが遅れたヒート1は、2コーナー立ち上がりでスリップダウンして、そのときに転がりながらケガしていた方の足をついちゃったんです。なんとかエンジンかけて再スタートして、ビリから15番手ぐらいまで追い上げました。あまりペースは良くなかったけど、最後まで走り切りたかった。でも、最後は足にほとんど力が入らない状態になって、心が折れてしまって途中で走るのを辞めたんです。このまま走り続けることよりもヒート2までに回復する可能性を選んだんですけど、結局ヒート2は欠場してしまいました。こういう形で最終戦を終えて不甲斐ないです。だけど、今シーズンは力を出し切れたと思える年でした」

 
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