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芹沢はヒート2の2位表彰台に食い込んだ |
ここ数年は猛暑ラウンドとしてライダーを悩ませてきた藤沢だが、今年は雨天の影響で予想外に気温が低く、土曜日は白い息が見えるほど肌寒かった。日曜日も気温は23℃までしか上昇しなかったが、ライダーの間でも日本一難しいと言われるコースだけあって、マディで迎えた決勝は厳しいサバイバルレースとなった。
▼250ccヒート1
ホールショットを奪ったのは渡辺学(Yamaha)。その後に加賀真一(Suzuki)、成田亮(Suzuki)、増田一将(Suzuki)と続く。勝谷武史(Honda RC250M)は8番手あたりで1コーナーを抜け、1周目を終えるまでに5位まで順位を上げていた。その後、釘村太一(Yamaha)を抜いた勝谷は、3位を走る加賀を追いかける。高濱龍一郎(Honda CRF450R)はスタート直後に転倒してしまい、最後尾。しかも、転倒の際にハンドルが曲がり、苦しいレース展開となった。
9周目、2位を走行していた渡辺がバックストレートで転倒して、成田、加賀、勝谷というオーダーになる。11周目、成田と遜色ない2分5秒台のラップタイムで攻める勝谷が2位へ浮上し、3位の加賀を引き離し始める。
ところが、レースが終盤に差しかかる13周目、勝谷は周回遅れに足をすくわれる。パスしようとした際、蛇行した周回遅れを避けようとフロントをロックさせて転倒。右肩を脱臼した勝谷は、ここでリタイアとなってしまった。
レースは、成田が2位以上の追従を許さず優勝、2位には加賀、3位には大河原が入った。曲がったハンドルに苦闘しながらも、高濱はなんとかフィニッシュまでバイクを導き、13位でレースを終えた。
▼250ccヒート2
ヒート1の転倒で負傷した勝谷がこのヒートを欠場することになり、スタート前から高濱に期待が集まっていた。それに応えるかのように、今度は無難にスタートを決めて7番手につける高濱。序盤のトップグループは、成田、小島太久摩(Kawasaki)、納屋望(Suzuki)、増田というオーダー。
5周目、納屋を抜いた増田が小島も捕らえ、2位に浮上。加賀もそれに続いて3位まで浮上してきた。ここでペースを上げ上位に食い込みたい高濱だったが、走りのリズムをつかめず渡辺に抜かれてしまい、8位に順位を落とす。
トップの成田は最後まで不動だったが、7周目に加賀が増田をパスして2位へ。その順位を守り抜き、成田、加賀、増田の順でチェッカーを受けた。高濱は、中盤から終盤にかけてもリズムを取り戻せず、田中、小池田猛(Yamaha)にも抜かれ、10位まで後退。最後になんとか小池田の前に出て、9位でフィニッシュするのが精一杯だった。
▼125ccヒート1
スタートこそ出遅れた辻健二郎(Honda)だったが、1周する間に2位まで順位を上げ、トップを走る溝口哲也(Kawasaki)を追いかける。辻とは対照的にスタートを決めた芹沢直樹(Honda CRF250R)は、2コーナーでスタックしてしまい、11位まで後退。しかし、マディコンディションに手を焼き脱落するライダーたちを尻目に、着々と追い上げて4位でフィニッシュした。
トップの溝口を追う辻は、その背後にまで迫ったが、3コーナーから4コーナーへ向かう下りで転倒し、4位に後退。その後はリズムに乗れないながらも、吉田を抜いて3位表彰台を獲得した。
▼125ccヒート2
ホールショットは溝口。芹沢は5番手で2コーナーに向かうが、2番手につけていた福留善秀(Suzuki)がスタックし、後続は大渋滞。芹沢もそれに巻き込まれ、8位まで順位を落とした。大渋滞を味方にしたのは辻だった。8位から一気に3位まで浮上し、その勢いのまま2位の小島をパス。10秒以上先行していた溝口を追いかける。
ヒート1で表彰台に立てなかった悔しさをバネに、芹沢も怒涛の追い上げを見せ、5周目には3位までばん回。6周目には、辻をパスして2位。さらに猛追の手を緩めず、16秒あった溝口との差を6秒にまで詰めるが、そこまでが精一杯だった。最終的に、溝口、芹沢、辻の順でチェッカーを受けた。
●高濱龍一郎(250cc・13位/9位) 「こういう路面での走り込み、あんまりやってなかったんでちょっと悔しいです。ヒート1はスタート直後に前が見えなくなって前転しちゃいました。ハンドル自体が曲がって走りにくかったんですが、なんとかゴールを目指しました。ヒート2は、追い上げたんですけど全体的なバランスが乱れて、思うように結果が残せなかったです。インターバル後の後半戦は、頑張るしかないです」
●勝谷武史(250cc・24位/DNS) 「追い上げのレースで、2位までばん回することができたんですが、周回遅れに手間取り、フロントをロックしちゃって転倒、右肩を脱臼してしまいました。ヒート2は走れる状態じゃなかったんで欠場…。調子が良かったし、成田選手とのラップタイム差もなかっただけに、本当に悔しいレースでした」
●芹沢直樹(125cc・4位/2位) 「ヒート1のスタートはまあまあだったんですけど、2コーナーでスタックして、順位を落としちゃいました。でも、そこから追い上げて、なんとか4位になることが出来ました。ヒート2でも2コーナーでミスしてトップに逃げられて、2位に上がったときにはトップとの差が16秒。ペースを上げて6秒差ぐらいまで詰めたんですけど、終盤ミスが続いて、2位が精一杯でした。ランキングでは本当に厳しい点差になっちゃったんですが、最後まで諦めずにチャンピオンを目指します」
●辻健二郎(125cc・3位/3位) 「ヒート1は出遅れたんですけど、2コーナーでラインを変えて、あっという間に2位までばん回できました。でも、6周目に転倒してしまって、その後はリズムを崩しちゃいました。3位になれたのは本当に運が良かったです。ヒート2もうまくスタートで前に出れたんですけど、バックストレートで転んで、その後、ペースを上げることができず、難しいレースでした。次もワークスの前でゴールできるように頑張ります」
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