やっぱり日本人として、母国でレースができるというのは、一番ですよね。昨年のインディジャパンはまだインディカーに乗って3戦目だったので、コックピットのスイッチやレバーがどこにあるのか、目で追わないと手が動かない状況でした。2度目のインディジャパンになりますが、今年はシーズン後半の9月開催になったこともあり、これまでにだいぶレースを経験できたことが自信につながっています。

ツインリンクもてぎのオーバルはターン1(A)から2(B)と、ターン3(C)から4(D)の大きさがまったく異なるので、そのバランスを取るのがすごく難しい。ターン1(A)から2(B)はアクセル全開ですから、できるだけダウンフォースを減らしたいところですが、あまり削りすぎるとターン3(C)から4(D)が安定しなくなってしまうんです。

Rが小さいターン3(C)から4(D)は、全長が1マイル以下のショートオーバルのようなもので、ここを速く走るためにはクルマをできる限りグリップさせる必要があり、ダウンフォースを減らせないのはそのためです。ターン4(D)の立ち上がりでいかにスピードに載せていくかが勝負になるので、Hondaボタン(オーバーテイク・ボタン)はそこで使うことになるのではないでしょうか。

3位になったアイオワ戦や初めてトップを走ったリッチモンド戦のように、ショートオーバルでの走りは自信がありますし、かなり良いセットアップを持っていると思います。それだけに、今年のもてぎではターン3(C)から4(D)での走りに、ぜひ注目して欲しいですね。今シーズンは2年目を迎えた元チャンプカー勢も走るので、これまで以上に激しいレースになると思いますよ。

以前9月にツインリンクもてぎでレースをしたことがあるのですが、その時は晴れて、蒸し暑かったのを覚えています。その時期のデータがチームにないのは少し不安ですが、誰にとっても条件は一緒です。2位と3位の表彰台はもう経験したので、残るは優勝しかありません。日本のファンが応援してくれる地元で、ぜひその頂点に立ちたいです。みなさん、もてぎでの応援をよろしくお願いします!

2008年成績:予選9位 決勝11位


シリーズの中で最も重要な母国での一戦、武藤は日本のファンの目の前で初優勝したいと語る。

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