モータースポーツ > IRL インディカー・シリーズ > 武藤英紀のIndyコースガイド > 第9戦 ワトキンス・グレン・インターナショナル

去年はレース前にマルコ(アンドレッティ)のおじいちゃん(マリオ)の別荘に招待してもらい、6日間ぐらい滞在しました。目の前が湖で静かなところなんですが、周りに何も無いから寂しくなって、ホームシックになっちゃいました(笑)。そこからマルコの運転でダニカ(パトリック)と3人でサーキットに向かったら、ふと寝た瞬間に着いてしまって。別荘と同じような風景で、緑がきれいなサーキットですね。

このコースはすごくおもしろいです。低速から高速まで色々なコーナーがあって、ロード・コースではめずらしく、ほとんどのコーナーにバンクがついています。そのせいか普段よりも、速くコーナーを回れる感覚がありますね。けっこうアップ・ダウンもおもしろくて、メイン・ストレート(A)を下がりながらターン1(B)を過ぎ、その後に登りながらS字(C)となっていきます。

バックストレッチ(D)に続くこのS字(C)をどうやって走るかが、重要なポイントです。けっこうスピードがのるんですけど、登りながらのブラインド・コーナーなんで、前がほんとうに見づらい。レースの時は何も無いことを祈りつつ、(アクセルを)踏んでいくしかないです。このS字(C)はタイム差が一番出やすいところであり、攻略に向けての大きな要素ですね。

他にバックストレッチ(D)後のシケイン(E)も特徴的で、クルマがジャンプするぐらいの縁石があって、いっきに跨いでいくような感覚です。日本ではまず有り得ないようなシケインで、走っていて楽しいですよ。ここを跨いで跳ねた時、すぐに落ち着くようなクルマにすれば、すごく速く走れます。

その先のヘアピン(F)もそうですが、バンクがついているコーナーはスピードを落とし過ぎないようにし、車速をのせたまま曲がります。1周3.4マイルとコース距離が長いので、集中力を保つのも大事です。難しいコースですが、すごく攻めがいのある魅力的なサーキットなんで、走っていて本当におもしろいですよ。

2008年成績:予選20位 決勝9位


登りの高速ブラインド・コーナーであるS字をスムーズに駆け上がる武藤英紀

登りの高速ブラインド・コーナーであるS字をスムーズに駆け上がる武藤英紀

モータースポーツ > IRL インディカー・シリーズ > 武藤英紀のIndyコースガイド > 第9戦 ワトキンス・グレン・インターナショナル