ミルウォーキーはインディアナポリス・モーター・スピードウエイよりも古くからあるのですが、最初は街の中にコースがあるのに驚きました。周りはどこも古い街並みで、独特な雰囲気ですね。去年はすぐ近くのスタジアムに行き、アメリカで初めてメジャーリーグ・ベースボールを見たんですが、とても面白かったですよ。
このコースは去年チームメートのマルコ(アンドレッティ)が初めてポールを取った場所です。でも決勝で早々と順位が下がってしまいましたよね。つまり、予選に偏ったクルマでは、決勝は戦えないということです。あらためてオーバルレースの難しさを感じたコースでしたし、すごく勉強になったレースでした。
ターン1(A)は普通のサーキットの高速コーナーみたいな感じです。バンクもほとんどないに等しい。ターン2(B)はちょっとイン側の路面の舗装が変わっていて、その上を走るとクルマのバランスが変わってしまいます。その上を走るのか、それを外して走るのかでだいぶセットアップが変わってくるんですよ。そこが面白いです。
ターン3(D)はターン1(A)とすごく似ていて、高速コーナーに入っていくような感じですが、ターン4(E)は注意。立ち上がりのところからちょっと路面が変わって、すごくリアが滑りやすい。ここは難しいですよ。インディ500の後だけに、ストレートはフロント(F)、バック(C)のどちらもあっという間。ストレートって感じがしないです。
フラットな路面でレースをするので、トラフィックの中での走行はすごく大事。コース幅が狭く、1周1マイルしかないコースで20台以上ものクルマがいっせいに走るため、レース中は常に密集している状態になります。そんな状態の中でも常に速く走れるクルマを作っていくことが、ミルウォーキー攻略のカギですね。
2008年成績:予選14位 決勝12位
ターン2を立ち上がる武藤英紀。路面の異なる内側を走るかどうかが勝負のカギとなる。