ひと月近くを費やした、Indy500の長い戦いを終えた武藤英紀は、休む間もなく翌週から2週連続で、ミルウォーキーの1マイル、テキサスの1.5マイルとオーバルでの連戦を戦った。どちらもゴール直前に激しいクラッシュが発生し、フルコース・コーションのままチェッカーになる荒れたレースとなったが、その2戦を振り返ってもらった。 Q.まずミルウォーキーですが、激しいクラッシュでしたね? ゴールまで3周というところで、エド・カーペンターとマルコ・アンドレッティ、ヴィットール・メイラの3台が激しいクラッシュをしました。目の前でのアクシデントだったのですが、うまく減速して避けられたと思った瞬間に、後ろからウィル・パワーに追突されてしまいました。押し出されるようにそのまま壁に当たって、つぎに止まっていたカーペンターのマシンにも当たってしまいました。 Q.身体は大丈夫でしたか? はい、身体の方は何ともなかったのですが、マシンがひどく破損してしまいました。フロントのサスペンションが壊れて、車体が路面に当たってしまう状態だったので、フルコース・コーション中でも何台かに抜かれてしまう状態でした。何とか最後まで走ったのですが、それでずるずると順位を落とすことになってしまいました。ゴールしてからマシンを見たら、モノコックにひびが入っていましたから、かなりひどいクラッシュだったんだと、あとで分かりました。 Q.12位という順位はいかがですか? 9位を走行していて、前3台がいなくなったわけですから、6位になれたはずのレースでした。その意味では悔しいですが、これもレースですからね。速度的にはトップクラスのマシンに負けていなかったと思うので、これから先のレースで結果を残していきたいと思います。 Q.テキサスはかなりいいペースだったと思いますが? 久しぶりのナイトレースでした。レースは3〜4位をキープしていく作戦だったのですが、2セット目のタイヤのバランスが悪かったみたいで、予定よりもちょっと順位を落としてしまいました。ダニカ(パトリック)のマシンも同じ状態だったみたいなので、原因を究明しなくてはいけませんね。でも3セット目以降はトップに負けない速さを維持できていましたから、ちょっと残念ですね。 Q.終盤のアクシデントは? 今回もレース終盤にアクシデントが発生して、フルコース・コーションのままのゴールになってしまいました。終盤はかなり燃料をセーブする作戦をとっていたので、もてぎでのダニカのように勝つチャンスもあったと思います。スコット・ディクソンもダン・ウェルドンもゴール後に燃料切れになっていましたから、もしイエローが出なければ、ひょっとしたかも知れませんね。どうやら“たられば”の話ができるところまで自分自身が来たのかなとも思います。 もし今、もてぎでレースをやったら、もっといい走りを日本のファンに見せられると思います。それだけ自分自身が成長したのを感じています。しかしながら、今シーズンもまだ半分以上レースが残ってますので、これまで以上のいいレースをしますので期待してください。 Q.日本に帰国していたそうですが? はい、数日だったのですが、自宅にもなかなか戻れない状態で、あわただしい帰国になってしまいました。ゆっくりできるのは、やはりシーズンが終わってからでしょうね。トレーニングも欠かせませんし、今はレースに集中していますから。 |
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