モータースポーツ IRL インディカー・シリーズ松浦孝亮のだからインディはおもしろい!
松浦孝亮の「実感篇 だからインディはおもしろい!」

vol4
4.これが僕のオーバルコース必勝戦略。
スタッガー
オーバルのはじめの150周は、
残りの50周のための長いローリングスタート

インディカーレースでの必勝戦略、それは・・まだ勝った事がないのでわかりません(笑)。というのは冗談で、オーバルコースのレースでは、最後の50周を有利に戦うことのできるマシンとポジションをそれまでの150周で確保していくことが大事。
言ってみれば、最初の150周は、残りの50周のための長いローリングスタートみたいなもの。さらに、残り50周から30周の間に大体1回くらいはクラッシュがあってイエローコーションが入ることが多い。だから最終的には、そのあと、最後のグリーンフラッグが振られたときにスパートをかけられる状態のマシンであること、もしくはそのときに勝てるポジションにいることが大事だね。

つまり、オーバルコースで行うインディの特徴は、最後のスティントで勝負できるマシンにするため、レースを闘いながらマシンをつくっていくことだね。
タイヤの空気圧のアジャストだとか、フロントウイングやリアウイングの調整、その他細かいところを調整するんだ。いくら予選でマシンをセットアップしても、レースのときの気温や風の向きや強さなどでマシンのハンドリングはすごく変わるんだ。だからレース中のセットアップが重要なんだよ。
また、レース序盤は燃費をセーブするためフルパワーを出さずに走り、最後の50周をマキシマムパワーで走ったりだとかもする。チームごとにそういった戦略はいっぱいある。最初からエンジンを使い切って勝負するドライバーもいるし、最後までエンジンを温存しているドライバーもいる。つねにトップ集団にいたいドライバーもいれば、後から着いていけばよいというドライバーもいる。闘い方はさまざまだね。
そのときのマシンの状態が悪くて“いま後ろに下がったら、終盤に前に上がれない”と思ったらできるだけその順位でステイするし、逆にマシンが好調だったら“後で上がっていけるから今は無理して前にでなくてよい”、とか。レースをスタートして最初の150周でその日のレースやマシンがどんな状態になりそうかということを予測しつつ、作戦に臨機応変に修正を加えながら闘うのがインディなんだ。


  INDEX
モータースポーツ IRL インディカー・シリーズ松浦孝亮のだからインディはおもしろい!
INDEX