参戦第1戦は2004年のマイアミだった。このコースは当時、それまで最大6度だったバンクの傾斜が改修で20度までキツくなり、1.5マイル(約2.4km)のオーバルを1周ほぼ全開で行けるコースになっていた。 結果として、ルーキーの中でトップの11位でレースを終ったんだけど、レース後はものすごい頭痛だった。この頭痛は高速で左回りばかりして血液が片寄ったせい。頭痛薬を飲んでも治らないひどさなんだ。 その上、疲れたと思って夜ベッドに入っても、アドレナリンが出っぱなしという感じでぜんぜん眠れない。ちょっとウトウトしたかと思うとガバッと目がさめる。あれだけ高いスピードで集中して走るので、レースが終ったあともハイになっているんだよね。レース中にハイになっている感覚はないけど、かなりアドレナリンが出ていて攻めの気持ちになっていると思う。だから、インディではアグレッシブなバトルが観られておもしろいんだ。 ところで、参戦第1戦のレース後のコメントを「ここ」からリンクして見て欲しい。『200周を走り切れたことでインディカー・レースがどういうものなのかを掴め、チームにとってもいいデータが得られたと思います』なんて優等生みたいに答えているけど、実は頭が痛くてたまらない状態だった。それほどインディカー・シリーズの初レースのインパクトはすごかった。インディは本当に過酷でエキサイティングなサバイバルレースなんだ。でもいまは、それほど頭痛はしなくなっているよ。