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走っている間は神経が張り詰めているので、
不意の休憩は正直言ってうれしい。
フルコースコーション（クラッシュなどが生じた場合、安全が確保されるまで、ペースカーの後ろについて低速走行し、コース全体で追い抜き禁止になる。この機会に多くのマシンがピットインする）がなくても、ガソリンがなくなれば当然ルーティンのピットインをするんですが、たぶんまったくフルコースコーションのないレースがあったとしたら、ドライバーはかなり疲れるでしょうね。
僕の場合、フルコースコーションが出ると、正直言って「あ、休める」と思いますから。これまでお話した通り、時速350kmレベルの速度でずっと走っていると、ストレートを走っていてもものすごく神経を使います。ドリンクだって飲めないことはないけど、口を湿らす程度しか飲まない。緊張していてそれどころじゃないんです。そういう状態のとき、フルコースコーションで突然スピードを緩めての周回になるわけですから、ホッとします。多分、どのドライバーもそう思っていると思います。
あと、次のルーティンのピットインまで待たなければならないと思っていたセッティングを変更するチャンスですし、タイヤも替えられます。周回遅れになっているときはその差を縮めることができます。不意のピットインのチャンスを活かしてたっぷり給油したり、逆にピットインしなかったり、短い時間ですぐにピットアウトして順位を入れ替えるなどレース戦略も変更できます。インディは、フルコースコーションがあるからレース展開に変化が出て面白いんです。そのあたりに注目すると、インディ観戦がもっと面白くなると思いますよ。それには解説を聞いた方がいいかも知れませんね。ツインリンクもてぎでも、FMラジオの77.5MHzで解説をやるので聞いた方が面白いと思います。もちろんフルコースコーションは、観客のみなさんの休憩のチャンスでもあります。トイレなどのご用を済ませて、再開後のレースをゆっくり観戦してください！
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