Honda Racing to TOP
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 トップスピードはCARTマシンが時速約240マイル(386.16km)で、インディカーはCARTマシンより約10マイル(16.09km)ほど遅い。
 もちろん多くの観客にとって10マイルの違いなど判別不可能である。しかしエンジン音は明快に違いがわかる。CARTマシン用エンジンがスーパーチャージャーの音とあいまってパワフルで高い回転音を発するのに比べて、インディカー用エンジンはもっと金属的でエキサイティングなエグゾーストノートを奏でる。
 インディカー用エンジンのサイズが厳格に規制されている理由は、参戦するチームが、指定された3社(イタリアのダラーラ社、イギリスのGフォース社、アメリカのファルコン社)が、厳格な規定にしたがって製作したシャーシを使わなければならないためである。シャーシの販売価格は最高30万9,000USドル(約3,860万円)。これもインディカー・シリーズによるコスト抑制政策の一環であることは言うまでもない。
 インディカー・シリーズの細かく厳しいルールは徹底していて、ホイールベースの長さの他にも、全長も192インチ(487.68cm)内におさめなければならない。シャーシはカーボン/ケブラー・コンポジットおよびアルミニウム・ハムカム製、ガソリンタンクは1つのみで、容量は35ガロン(132.475リットル)までと規定されている。タイヤもブリヂストン・ファイアストン製ファイアホークの使用と定められている。

 ちなみにF1と比べると、F1マシンはインディカーやCARTマシンよりも8インチ(20.32cm)ほど幅が狭いが、マシンの長さはほとんど変わらない。高さはインディカーと同じくらいで、重さはインディカー、CART両マシンよりも数百ポンドも軽い。F1の3リッター・ハイテクエンジンはターボチャージャーなしで850馬力以上を発揮し、7段変速トランスミッションを使用する。F1界にパーツの共有化などによってコスト抑制をするという動きはないに等しい。
 アメリカのレースファンの一部には厳格なルールのインディカー・シリーズに批判的で、規制の少ないF1のほうがクリエイティブだとする考えがある。F1は確かに技術革新のためには貢献しているかもしれない。
 しかしインディカー・シリーズは、2002年の16レース中8レースで勝敗が1秒以内で決まっているというエキサイティングなレースである。
 インディカー・シリーズとCARTシリーズの対比で一番注目される参加レーサーの顔ぶれには歴然とした差が存在する。CARTファンならずとも名前をきいたことがあるであろう、マイケル・アンドレッティ、ダリオ・フランキッティ、トニー・カナーン、ジル・ド・フェラン、アル・アンサーJr.、そしてエリオ・カストロネベスらは、みんなCARTからインディカー・シリーズへと移ってきたスター・ドライバーたちである。
 F1ファンにも馴染みの深い名前もインディカー・シリーズで活躍している。ルノー、ティレル、アロウズ、そしてアルファ・ロメオといったF1チームで活躍し、1998年のインディ500のチャンピオンでもあるエディー・チーバーもそのひとり。今や彼はインディカー・シリーズでチーム・オーナーとドライバーを兼ねている。
 昨年の途中に喧嘩別れするまでチーバーのチームのドライバーとして活躍していたトーマス・シェクターはフェラーリでF1チャンピオンになった有名なジョディ・シェクターを父に持つ。
 こういったオールド・ネームにとどまらず、インディカー・シリーズは若くて有能なレーサーも多く輩出している。チーム・ペンスキーのジル・ド・フェランやエリオ・カストロネベスを抑えて2002年にチャンピオンに輝いたサム・ホーニッシュJr.や、これもレーサーであった父親のボブ・シャープに負けず劣らず速いスコット・シャープ、モトクロス・チャンピオンから転身した変り種、ジェフ・ウォード、そして今現在女性で世界最速といわれているサラ・フィッシャーなど、スターにはことかかない。
 もしそれでもぴんと来ない人も心配ご無用。インディカー・シリーズの凄さや素晴らしさ、楽しさやエキサイトメントは、レーサーの名前など知らなくても一度レースを見れば素直に理解できるからだ。(終り)
(上記数値、サプライヤー名、写真等は2003年時のもの)
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