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2013年6月1日(土)・決勝 会場:ベル・アイル・レースウェイ 天候:曇りときどき晴れ 気温:26〜27℃
アメリカの自動車産業の首都デトロイトで行われるインディカー・レースは、今年はダブルヘッダー開催となり、土曜日に最初の決勝レースが開催されました。ダウンタウンのすぐ北にあるベル・アイルに設けられたストリートコースで行われた70周のレースでは、マイク・コンウェイ(Dale Coyne Racing)が2位に12秒もの大差をつけて、圧勝でキャリア2勝目を飾りました。チームメートのジャスティン・ウィルソンも3位でゴールし、Dale Coyne Racingはドライバー2人がそろって表彰台に上がりました。ウィルソンは今年2度目のトップ3フィニッシュとなりました。
Honda インディV6ターボは今シーズン2勝目を挙げ、Hondaは昨年に続いてデトロイトで2連勝を達成しました。今日のHondaチームのパフォーマンスはすばらしく、7人ものドライバーたちがトップ10フィニッシュを果たしました。
全長が2.35マイルへと伸ばされたコースでは、ハードなブレーキングが必要なターン3で多くのオーバーテイクが見られ、ストリートレースでありながら順位変動の多いエキサイティングな戦いが展開されました。予選トップだったダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)がエンジン交換のペナルティーによりグリッド降格となったため、2番グリッドからスタートしたコンウェイは、トップを走るライバルにプレッシャーを与え続け、コース上のバトルでトップの座を奪うと、徐々にリードを広げていき、最後はタイヤをいたわってスローダウンする余裕すらみせました。コンウェイはライバル勢を圧倒する完ぺきな勝利を達成したのです。
ウィルソンはレース終盤のすさまじいバトルを制して3位を勝ち取りました。最後のピットストップでタイヤ交換作業のミスがあったウィルソンは、2位フィニッシュのチャンスを失っただけでなく、ゴールまで10周となったところで背後にスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)が迫るという厳しい状況に置かれました。ディクソンの後方にはさらに2人の強豪が続いており、小さなミス一つで大きく順位を下げる危機にさらされたのです。しかし、ウィルソンはディクソンの攻撃を封じ込め、表彰台の最後の一角を手に入れました。
佐藤琢磨(A.J. Foyt Racing)は予選8番手でしたが、フランキッティのグリッド降格の影響で7番手から決勝をスタート。レース序盤に2つポジションをアップして順調に戦っていましたが、1回目のピットストップに入るタイミングを1周遅らせたのが裏目に出て、燃料切れでコース上にストップしました。オフィシャルにリードされてピットに戻ることはできましたが、そのときにはすでにトップに3周もの差をつけられていました。それでも、少しでも多くのシリーズポイントを獲得することと、明日の日曜日に行われる第7戦決勝に向けたデータ収集のため、佐藤は走行を続け、19位でゴールしました。
マイク・コンウェイ(優勝)「今週のレースに出場するチャンスをくれたチームオーナーのデイル・コイン、すばらしいマシンを用意してくれたチーム、確実なピットストップをこなしてくれたクルーたち、そしてベストの作戦で勝たせてくれたエンジニアに感謝したいです。今日のマシンはガッチリと路面をつかんでおり、70周をとてもスムーズに走りきれました。ハードタイヤを2回続けて使い、最後をソフトで走るという僕らの作戦は正しかったですね。明日のレースはポールポジションからのスタートですから、集中すべきところで集中し、今日と同じように勝ちたいと思います。僕らのマシンは速く、勝つためのペースがどれだけのものかも分かりました。チームも強力ですから、明日も戦う姿勢を保ち続け、勝利を目指します」
佐藤琢磨(19位)「慎重にスタートし、順位を少し上げて1回目のピットストップを迎えようとしていました。『次の周にピットインする』と無線で指示を受けていましたが、『もう1周行ける』と指示が変わってピット入口を通り過ぎました。そうしたら、ターン2を過ぎたあたりで燃料切れの症状が出て、コース上にストップしました。レースに復帰するのは難しいと考えてマシンから降りかけましたが、オフィシャルがピットに戻してくれることを期待してコクピットに残りました。その結果、レースに戻ることができ、明日に向けて周回を重ねました。どうしてもソフトタイヤでの走りを経験しておきたかったのです。終盤はいいペースで走れていましたが、まだトップグループとの間には差があることがよく分かりました。今日以上の走りを実現するためのデータを集めることはできたと思います」
アート・セントシアー|HPD社長「先週のレースが大変悔しい結果となっていたため、今週の私たちにとっては、勝利だけが受け入れることのできる結果でした。最高峰シリーズで優勝することに私たちがどれだけ本気かをチームにみせなければと考えていました。マイク・コンウェイ、ジャスティン・ウィルソンの2人、そしてDale Coyne Racingの全員を祝福します。すばらしいパフォーマンスでした。明日行われるダブルヘッダーの2レース目がとても楽しみになりました」
順位 | No. | ドライバー | チーム | エンジン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | マイク・コンウェイ | Dale Coyne Racing | Honda | 1:48:45.4309 |
2 | 1 | R.ハンターレイ | Andretti Autosport | シボレー | +12.9707 |
3 | 19 | ジャスティン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | Honda | +1:05.2606 |
4 | 9 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | Honda | +1:05.3590 |
5 | 3 | H.カストロネベス | Team Penske | シボレー | +1:06.0549 |
6 | 10 | ダリオ・フランキッティ | Chip Ganassi Racing | Honda | +1:06.4918 |
7 | 67 | ジョセフ・ニューガーデン | Sarah Fisher Hartman Racing | Honda | +1:15.2019 |
8 | 12 | W.パワー | Team Penske | シボレー | +1:20.8273 |
9 | 15 | グレアム・レイホール | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | +1:24.1836 |
10 | 16 | ジェームズ・ジェイクス | Rahal Letterman Lanigan Racing | Honda | +1:27.3852 |
11 | 55 | トリスタン・ボーティエ | Schmidt Peterson Motorsports | Honda | +1:39.8249 |
12 | 77 | シモン・パジェノー | Schmidt Hamilton Motorsports | Honda | +1:42.8527 |
14 | 83 | チャーリー・キンボール | Chip Ganassi Racing | Honda | +1:43.9390 |
19 | 14 | 佐藤琢磨 | A.J. Foyt Racing | Honda | +2Laps |
23 | 98 | アレックス・タグリアーニ | Barracuda Racing/Bryan Herta | Honda | +42Laps |
順位 | ドライバー | チーム | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | H.カストロネベス | Team Penske | 182 |
2 | R.ハンターレイ | Andretti Autosport | 179 |
3 | M.アンドレッティ | Andretti Autosport | 178 |
4 | 佐藤琢磨 | A.J. Foyt Racing | 168 |
5 | ジャスティン・ウィルソン | Dale Coyne Racing | 161 |
6 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | 154 |
7 | J.ヒンチクリフ | Andretti Autosport | 143 |
8 | T.カナーン | KV Racing Technology | 141 |
9 | シモン・パジェノー | Schmidt Hamilton Motorsports | 126 |
10 | チャーリー・キンボール | Chip Ganassi Racing | 122 |
15 | ダリオ・フランキッティ | Chip Ganassi Racing | 110 |
16 | ジョセフ・ニューガーデン | Sarah Fisher Hartman Racing | 110 |
17 | グレアム・レイホール | Rahal Letterman Lanigan Racing | 104 |
19 | トリスタン・ボーティエ | Schmidt Peterson Motorsports | 92 |
20 | ジェームズ・ジェイクス | Rahal Letterman Lanigan Racing | 88 |
21 | アレックス・タグリアーニ | Barracuda Racing/Bryan Herta | 86 |
25 | マイク・コンウェイ | Dale Coyne Racing | 58 |
27 | アナ・ベアトリス | Dale Coyne Racing | 53 |
30 | コナー・デイリー | A.J. Foyt Racing | 11 |
32 | キャサリン・レッグ | Schmidt Peterson Motorsports | 8 |
33 | ピッパ・マン | Dale Coyne Racing | 8 |
順位 | マニュファクチャラー | 総合ポイント |
---|---|---|
1 | シボレー | 48 |
2 | Honda | 42 |